つい先日、安倍首相が、ワシントンで行われた「核安全保障サミット」で演説した際に、
「日本は、二度とあのような事故を起こさないとの決意の下、原子力の平和的利用を再びリードすべく歩み始めた」
と、原発再稼働推進を宣言しました。
もはや狂っているとしか思えないです。
二度とあのような事故を起こさないと決意したら、巨大地震も津波も、絶対にやって来ない。
アンダーコントロールされていると言ったら、汚染は一定の場所に留まっている。
ここまで無責任で無知な人間が、国の長という立場に居座っていることの恐ろしさを、今わたしたちは毎日のように感じているのです。
とんでもないウソでも平気で、公然と言い放てるのですから、これもまた同じようなものなのでしょうけれども、
「日本は」、なんて言葉を軽々しく言わないでもらいたい!
何が原子力の平和的利用だ!
何が再びリードすべくだ!
「憲法上、あらゆる種類の核兵器の使用は、禁止されていない」と、国会で言い放ったのは横畠裕介内閣法制局長官。
これもまた、安倍首相からのつながりです。
なぜかというと、安倍氏が官房副長官だった時代に、こんなトンデモなことを言い切っていたからです。
その男が今は総理大臣に居座り、原子力推進の意思をはっきりと、国際的な場で公言しました。
福島県支部の自民党が、2013年の11月に、福島県民に配ったビラです。
安倍内閣はもちろんのこと、自民党の勢力を議会からうんと弱めない限り、日本はどんどん弱るばかりです。
今さえ良ければ、自分の保身さえ叶えれば、後は野となれ山となれの無責任で強欲な人間は、政界から追い出さねばなりません。
そして、なにより、日本のような特有の地質を持つ国土に、無責任に原発を建て続け、
学者や議員、現場の専門家などからの再三の警告を無視し、何の検証もせず、対策も立てず、
日本の原発だから安全だ、大丈夫だ、事故など起きるわけがないと意味不明の台詞で誤魔化し、
実際に起きたら起きたで、ろくな補償も支援もせず、放射能汚染は市町村の自己責任とばかりに押し付ける。
それで今だに、電力会社の役員や原子力関連のお偉方、そして警告を無視した張本人の歴代総理の誰ひとり、
責任を負うこともなく、罪に問われることもなく、どちらかというと豊かな暮らしを続けている。
これは絶対におかしい。
間違っていると思います。
自公ではこの間違いを正せないのなら、政権を交代させて、まずこの、非常に不正な法律や条約を破棄し、関係者の逮捕を実行するべきです。
安倍晋三は、まず一番に、逮捕されるグループのひとりにならなければなりません。
何故なら、第一次安倍内閣当時、2006年12月13日に提出された、日本共産党の吉井英勝衆院議員の、
津波や地震によって原発の炉心冷却機能が失われ、メルトダウン(炉心溶融)をもたらす危険性を警告した質問主意書に対し、
「地震、津波等の自然災害への対策を含めて原子炉の安全性については…(中略)…経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期している」
「経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように、安全の確保に万全を期している」
と、何度も何度も、同じ台詞を繰り返したのです。
だからもちろん、当然、何の検証もせず放置して、それをいいことに東電も、費用がかかるからと、対処するべきことを後回しにしていました。
安全神話のぬるま湯に浸かり、惚けた者ばかりが長の立場に居座っていた、いえ、今もいるのです。
だからこの男も、逮捕されるべき人間のひとりです。
↓
「原子力利用 再びリードする」首相、原発推進を宣言
【東京新聞】2016年4月2日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016040290070454.html
【ワシントン=金杉貴雄】
安倍晋三首相は1日午前(日本時間2日未明)、核物質や核施設の防護・管理強化を話し合う「核安全保障サミット」で演説し、
東京電力福島第一原発の事故を踏まえ、
「日本は、二度と、あのような事故を起こさないとの決意の下、原子力の平和的利用を再びリードすべく、歩み始めた」と、原発の再稼働推進を宣言した。
事故から5年を経ても、収束の道筋が見えない福島第一原発の現状には、言及しなかった。
首相は演説で、
「事故の教訓を、原発を導入するすべての国と共有し、安全性や事故対策についての知見を世界に広げることが、日本の使命だ」と強調。
各国への支援、安全基準に関する国際協力などを、積極的に行っていく考えを表明した。
福島第一原発では、現在も、放射能汚染水の対策に追われる。
福島県では、10万人近くが避難生活を送り、放射性物質を含む汚染土を、処分するめどもついていない。
東電や国から、十分な賠償が得られていないとして、集団訴訟も相次いでいる。
首相は、こうした状況に関する説明は避けた。
一方で、原発の再稼働に関しては、
「世界で最も厳しいレベルの、新規制基準をつくった」と主張。
新規制基準をめぐっては、大津地裁が3月、新規制基準を疑問視し、稼働中の関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを、決定したばかりだ。
さらに首相は、日本は、国際原子力機関(IAEA)の下、高水準の透明性を保って、プルトニウムを厳格に管理していると説明。
「利用目的のないプルトニウムは持たない」との方針で、核物質の最小化、適正管理に取り組んでいると強調した。
各国が、原子力の平和利用を将来も続けるには、「完全な透明性の確保が必要だ」と訴え、日本が支援していく考えも示した。
日米両政府は、核安保サミットに合わせ、京都大の研究用原子炉から、高濃縮ウランを撤去するとの合意を盛り込んだ、共同声明を発表した。
首相は演説で、
「世界の核セキュリティー強化への、大きな貢献だ」と述べた。
↑以上、転載おわり
さて以下の記事は、約一ヶ月前に報じられたものですが、内容をよぉーく読んでください。
国民負担3兆4千億円超=賠償・除染など、事故5年で―総額見えず拡大へ・福島原発
【時事通信】 2016年3月11日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000015-jij-soci
東京電力福島第1原発事故の発生から、5年間に、損害賠償や除染、汚染水対策などで国民が負担した額が、
確定分だけで、3兆4613億円を超えることが分かった。
日本の人口で割ると、1人2万7000円余りに上る。
今後も増え続ける見通しで、総額が見通せない状況だ。
時事通信は、
◯ 復興特別会計などの原子力災害関連予算の執行額と、
◯ 東電など電力7社が、電気料金の値上げ分に含め賠償に充てる一般負担金などを、集計した。
国民負担は、
▽ 電気料金への上乗せ
▽ 事実上の国民資産である東電株の売却益や、エネルギー特別会計(エネ特)からの支出
▽ 政府の直接財政支出
に大別される。
電力7社は、事故後の電気料金値上げで、一般負担金を、2015年度までに、少なくとも3270億円上乗せした。
東電は、汚染水処理装置の保守管理費や、賠償相談のコールセンター運営費など、2193億円以上も値上げ分に含めている。
一般負担金は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じ、賠償費用を立て替えている政府に納付されるが、
その際に、機構の運営費が差し引かれる。
14年度までの運営費は、117億円だった。
東電株の売却益や、エネ特の支出は、除染や汚染廃棄物の処理費、中間貯蔵施設関連費に充当される。
これらの費用は、14年度までに、計1兆6889億円発生し、政府が立て替えている。
東電株の購入に際し、機構が金融機関から受けた融資には、政府保証が付き、焦げ付いた場合は税金で穴埋めされる。
機構は、東電株が大幅に値上がりすれば、約2兆5000億円の売却益が生じ、除染などの費用を賄えると見込む。
電源開発促進税が入るエネ特からは、約1兆1000億円が、中間貯蔵施設の建設費などに充てられる。
直接財政支出は、14年度までに、廃炉支援や食べ物の放射能検査、研究開発の拠点整備などで、計1兆2144億円が使われた。
確定していない15年度分の除染費などや、直接支出を含めれば、国民負担はさらに膨らむ。
書き起こしはじめ
初めて、福島第一原発に最も近い、「レッドゾーン」に入る許可を受けたと、日本の特派員ウーヴェ・シュヴェーリングが伝えてきたとき、私たちは迷いました。
そんな危険な地域に、彼を送り込んでいいものだろうかと。
3月11日、福島原発事故は、5周年を迎えます。
こんなに遠くに住んでいる私たちですら、福島という名を聞くと、恐ろしくなります。
ご心配は無用です。
シュヴェーリングと同僚のアーカディウス・ポティエニシンスキーは、当然のことながら、厳重に監視され、
取材中、どの撮影地点でも、短い時間しか滞在しませんでした。
福島では、巨大な時限爆弾が、時を刻んでいることが知られているものの、
今回取材した映像を実際見てみると、やはり現実は全然違うようです。
福島とは、「福多き島」という意味だ。
なんという皮肉だろうか。
もはや狂気に近い、と言っていい。
それを象徴する、フレコンバックが作り出す過酷事故の図は、なんともおぞましい。
放射能汚染された土が、原発最悪事故の遺産だ。
それが、フレコンバックの中で眠っている。
何百万個と、である。
レッドゾーン、福島第一原発付近の、警戒地区に入るチェックを受ける。
ここにはおそらく、何百年と、人々が戻ってくることはできないだろう。
私たちに取材を許可してくれたのは、双葉町だ。
私とポーランドの写真家、映像作家アーレック・ポティエニシンスキーだ。
彼は、「ここで見る全てが、チェルノブイリを彷仏させる」と語る。
ポティエニシンスキー氏:
もう何年も、チェルノブイリの、立入禁止区域の記録を続けています。
関心は尽きません。
当時、私も、事故の影響に遭っています。
事故当時。学校の授業が突然中断されて、ルー・ゴルフというのが配られました。
これは、甲状腺用の、安定ヨウ素錠剤です。
町役場の志賀公夫さんが同行してくれ、私たちに指示をいろいろ与えた。
レッドゾーンを進む道路だけが、清掃されている。
これが、除染作業とトラックなどの車両通行に欠かせないからだ。
左も右も、入ることはタブーだ。
ここで働く人員は、被ばく限度を超えないよう、義務付けられている。
志賀さんが、通行許可証を見せる。
浪江、富岡、大熊、ここの線量は、年間50ミリシーベルト以上で、立ち入りは禁止だ。
町を片付けて清掃したくても、注意が必要だ。
いつかこれらの町は荒れ果て、いつの日か取り壊され、除染され、それから再建するというが、
それはいつになるだろうか?
セシウム137の半減期は30年だ。
長い時間がかかるだろう。とてつもなく長い時間が。
双葉も今はゴーストタウンだ。かつては、人口約7千人ぐらいの町だった。
町民全員が避難を余儀なくされ、精神的打撃を受け、日本中にある330もの都市に、散り散りになってしまった。
いまだに仮設住宅に住んでいる人もいる。
まず地震があり、そして津波が原発を襲い、そこから来たのが放射能の雲だった。
シュヴェーリング氏:
双葉では、時間が止まっています。
とてもシュールな感覚です。
なんとも不気味です。
まったくSFスリラーの世界そのものです。
ただ、これは宇宙の彼方から来た埃ではなく、人間の住む普通の世界で実際に起きた、放射能のフォールアウトだったということです。
つまり、自家製のホラーショーです。
町役場の志賀さんは、「この警戒地区に入ると、いつも頭痛がする」と語る。
でも、彼によれば、「それは放射能のせいではなく、精神的なものだ」と言う。
彼は、自宅を捨てていかなければならなかった。
これと同じ運命を、10万人以上の人が辿っている。
これは、彼にとっても、大きなショックだった。
志賀氏:
故郷という感情は、それを失って初めて自覚するもんなんですね。
とても懐かしく、取り戻したいと同時に、怒りを覚えます。
でも、国や東電に騙された、とは思っていません。
私だって、いわゆる安全神話を信じていたわけですし。
東電。
福島第一原発という、原発廃墟の所有者だ。
約7000人の労働者が、ここで毎日、放射性崩壊と戦っている。
汚染水、それに時間との戦いだ。
金はいくらかかってもいいようだ。
沿岸沿いのこの怪獣は、何百億円という金を飲み込み、さらに溶融してしまった核燃料で、攻撃を拒んでいる。
その燃料デブリがどこにあるのか、誰にもわからない。
運がよければまだ格納容器に、でなければ、すでに地下水に入り込んでいるかもしれない。
状況は安定はしているかもしれないが、コントロールされているとはとても言えない。
ロボットですら、その奥底には入り込めない。
そして、誰も代わりたくない仕事を担当している人が、事故後5年を総括した。
福島第一原発所長・小野明氏:
今の段階を説明するのは難しいですが、山頂が十合目として、今はちょうど一合目を超えたくらいの所かなという気がしています。
『原子力 正しい理解で豊かな暮らし』
この看板は、2015年12月まで、双葉町の道路に立っていたが、それが下されることになった。
この町は、原発を運転する東電とともに、そして、東電で潤って生活してきた。
東電が、この町の灯火を消してしまうまで。
東京電力は、この町の学校にも、お金を出してきた。
ここには、東電以外何も無いのだ。
依存が進めば、その関係は強まる。
そうして2011年3月11日までやってきた。
これが、この学校の、最後の登校日だ。
地震が起き、不幸が始まった時、生徒たちはちょうど、掃除をしていた。
すべてが止まり、それで町も死んだ。
恐れを知らず、マスクもつけない写真家のアレックは、それをすでに知っている。
自分の長期プロジェクト『チェルノブイリ30年フクシマ5年』で、追い続けてきたテーマだからだ。
彼はすでに、立入禁止区域を、二箇所知っているのだ。
ポティエニシンスキー氏:
ウクライナの住民と比べ、日本の方たちは意志が強く、闘志があります。
彼らはあきらめない。
そこが、チェルノブイリの人たちとは違います。
彼ら(ウクライナの住民)は、強制立ち退きされてから、二度と戻りませんでした。
ここでは除染をしようとし、努力を続けています。
しかし、ここではあらゆる試みが、無に帰している。
日本政府はそれでも、どんな代償を払っても、自分たちにも世界にも、証明しようとしている。
原発最悪事故も、掌握することができると。
それで、国内での原発再稼働が、正当化できると見なしているのだ。
事実はしかし、違う容貌を見せている。
深い傷跡。
そして、法的な責任追及も、始まったばかりだ。
東電元会長ら3人が、やっと強制起訴されたところである。
大津波発生が予測されていたのに、故意的に、過失で無視した疑いだ。
コストを優先させる理由で。
シュヴェーリング氏:
こちら側から原発に近づくことができるのは、実はとても不思議なことです。
これまでは、許されてこなかったことです。
ただ、忘れてならないのは、グリーンピースの発表では、いまだに毎日100トンあまりの汚染水が、海に流出しているということ。
それから、この原発廃墟が完全に解体されるまで、30年から40年はかかる。
専門家によっては、100年かかると言っている人もいることです。
100年で1億個のフレコンバッグ、というのが予測だ。
富岡ではこれが、焼却されることになった。
しかし、今度津波が起きたら、これらの袋はどうなるのだろうか。
放射能で汚染された燃えカスを、どこにやればいいというのだろうか。
どの解決方法もまた、新たな問題を生む。
それも、2011年3月11日に、残存リスクが主役となってしまったからだ。
報告:ウヴェ・シュヴェーリング
翻訳:無限遠点
「日本は、二度とあのような事故を起こさないとの決意の下、原子力の平和的利用を再びリードすべく歩み始めた」
と、原発再稼働推進を宣言しました。
もはや狂っているとしか思えないです。
二度とあのような事故を起こさないと決意したら、巨大地震も津波も、絶対にやって来ない。
アンダーコントロールされていると言ったら、汚染は一定の場所に留まっている。
ここまで無責任で無知な人間が、国の長という立場に居座っていることの恐ろしさを、今わたしたちは毎日のように感じているのです。
とんでもないウソでも平気で、公然と言い放てるのですから、これもまた同じようなものなのでしょうけれども、
「日本は」、なんて言葉を軽々しく言わないでもらいたい!
何が原子力の平和的利用だ!
何が再びリードすべくだ!
「憲法上、あらゆる種類の核兵器の使用は、禁止されていない」と、国会で言い放ったのは横畠裕介内閣法制局長官。
これもまた、安倍首相からのつながりです。
なぜかというと、安倍氏が官房副長官だった時代に、こんなトンデモなことを言い切っていたからです。
その男が今は総理大臣に居座り、原子力推進の意思をはっきりと、国際的な場で公言しました。
福島県支部の自民党が、2013年の11月に、福島県民に配ったビラです。
安倍内閣はもちろんのこと、自民党の勢力を議会からうんと弱めない限り、日本はどんどん弱るばかりです。
今さえ良ければ、自分の保身さえ叶えれば、後は野となれ山となれの無責任で強欲な人間は、政界から追い出さねばなりません。
そして、なにより、日本のような特有の地質を持つ国土に、無責任に原発を建て続け、
学者や議員、現場の専門家などからの再三の警告を無視し、何の検証もせず、対策も立てず、
日本の原発だから安全だ、大丈夫だ、事故など起きるわけがないと意味不明の台詞で誤魔化し、
実際に起きたら起きたで、ろくな補償も支援もせず、放射能汚染は市町村の自己責任とばかりに押し付ける。
それで今だに、電力会社の役員や原子力関連のお偉方、そして警告を無視した張本人の歴代総理の誰ひとり、
責任を負うこともなく、罪に問われることもなく、どちらかというと豊かな暮らしを続けている。
これは絶対におかしい。
間違っていると思います。
自公ではこの間違いを正せないのなら、政権を交代させて、まずこの、非常に不正な法律や条約を破棄し、関係者の逮捕を実行するべきです。
安倍晋三は、まず一番に、逮捕されるグループのひとりにならなければなりません。
何故なら、第一次安倍内閣当時、2006年12月13日に提出された、日本共産党の吉井英勝衆院議員の、
津波や地震によって原発の炉心冷却機能が失われ、メルトダウン(炉心溶融)をもたらす危険性を警告した質問主意書に対し、
「地震、津波等の自然災害への対策を含めて原子炉の安全性については…(中略)…経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期している」
「経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように、安全の確保に万全を期している」
と、何度も何度も、同じ台詞を繰り返したのです。
だからもちろん、当然、何の検証もせず放置して、それをいいことに東電も、費用がかかるからと、対処するべきことを後回しにしていました。
安全神話のぬるま湯に浸かり、惚けた者ばかりが長の立場に居座っていた、いえ、今もいるのです。
だからこの男も、逮捕されるべき人間のひとりです。
↓
「原子力利用 再びリードする」首相、原発推進を宣言
【東京新聞】2016年4月2日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016040290070454.html
【ワシントン=金杉貴雄】
安倍晋三首相は1日午前(日本時間2日未明)、核物質や核施設の防護・管理強化を話し合う「核安全保障サミット」で演説し、
東京電力福島第一原発の事故を踏まえ、
「日本は、二度と、あのような事故を起こさないとの決意の下、原子力の平和的利用を再びリードすべく、歩み始めた」と、原発の再稼働推進を宣言した。
事故から5年を経ても、収束の道筋が見えない福島第一原発の現状には、言及しなかった。
首相は演説で、
「事故の教訓を、原発を導入するすべての国と共有し、安全性や事故対策についての知見を世界に広げることが、日本の使命だ」と強調。
各国への支援、安全基準に関する国際協力などを、積極的に行っていく考えを表明した。
福島第一原発では、現在も、放射能汚染水の対策に追われる。
福島県では、10万人近くが避難生活を送り、放射性物質を含む汚染土を、処分するめどもついていない。
東電や国から、十分な賠償が得られていないとして、集団訴訟も相次いでいる。
首相は、こうした状況に関する説明は避けた。
一方で、原発の再稼働に関しては、
「世界で最も厳しいレベルの、新規制基準をつくった」と主張。
新規制基準をめぐっては、大津地裁が3月、新規制基準を疑問視し、稼働中の関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを、決定したばかりだ。
さらに首相は、日本は、国際原子力機関(IAEA)の下、高水準の透明性を保って、プルトニウムを厳格に管理していると説明。
「利用目的のないプルトニウムは持たない」との方針で、核物質の最小化、適正管理に取り組んでいると強調した。
各国が、原子力の平和利用を将来も続けるには、「完全な透明性の確保が必要だ」と訴え、日本が支援していく考えも示した。
日米両政府は、核安保サミットに合わせ、京都大の研究用原子炉から、高濃縮ウランを撤去するとの合意を盛り込んだ、共同声明を発表した。
首相は演説で、
「世界の核セキュリティー強化への、大きな貢献だ」と述べた。
↑以上、転載おわり
さて以下の記事は、約一ヶ月前に報じられたものですが、内容をよぉーく読んでください。
国民負担3兆4千億円超=賠償・除染など、事故5年で―総額見えず拡大へ・福島原発
【時事通信】 2016年3月11日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160311-00000015-jij-soci
東京電力福島第1原発事故の発生から、5年間に、損害賠償や除染、汚染水対策などで国民が負担した額が、
確定分だけで、3兆4613億円を超えることが分かった。
日本の人口で割ると、1人2万7000円余りに上る。
今後も増え続ける見通しで、総額が見通せない状況だ。
時事通信は、
◯ 復興特別会計などの原子力災害関連予算の執行額と、
◯ 東電など電力7社が、電気料金の値上げ分に含め賠償に充てる一般負担金などを、集計した。
国民負担は、
▽ 電気料金への上乗せ
▽ 事実上の国民資産である東電株の売却益や、エネルギー特別会計(エネ特)からの支出
▽ 政府の直接財政支出
に大別される。
電力7社は、事故後の電気料金値上げで、一般負担金を、2015年度までに、少なくとも3270億円上乗せした。
東電は、汚染水処理装置の保守管理費や、賠償相談のコールセンター運営費など、2193億円以上も値上げ分に含めている。
一般負担金は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じ、賠償費用を立て替えている政府に納付されるが、
その際に、機構の運営費が差し引かれる。
14年度までの運営費は、117億円だった。
東電株の売却益や、エネ特の支出は、除染や汚染廃棄物の処理費、中間貯蔵施設関連費に充当される。
これらの費用は、14年度までに、計1兆6889億円発生し、政府が立て替えている。
東電株の購入に際し、機構が金融機関から受けた融資には、政府保証が付き、焦げ付いた場合は税金で穴埋めされる。
機構は、東電株が大幅に値上がりすれば、約2兆5000億円の売却益が生じ、除染などの費用を賄えると見込む。
電源開発促進税が入るエネ特からは、約1兆1000億円が、中間貯蔵施設の建設費などに充てられる。
直接財政支出は、14年度までに、廃炉支援や食べ物の放射能検査、研究開発の拠点整備などで、計1兆2144億円が使われた。
確定していない15年度分の除染費などや、直接支出を含めれば、国民負担はさらに膨らむ。
書き起こしはじめ
初めて、福島第一原発に最も近い、「レッドゾーン」に入る許可を受けたと、日本の特派員ウーヴェ・シュヴェーリングが伝えてきたとき、私たちは迷いました。
そんな危険な地域に、彼を送り込んでいいものだろうかと。
3月11日、福島原発事故は、5周年を迎えます。
こんなに遠くに住んでいる私たちですら、福島という名を聞くと、恐ろしくなります。
ご心配は無用です。
シュヴェーリングと同僚のアーカディウス・ポティエニシンスキーは、当然のことながら、厳重に監視され、
取材中、どの撮影地点でも、短い時間しか滞在しませんでした。
福島では、巨大な時限爆弾が、時を刻んでいることが知られているものの、
今回取材した映像を実際見てみると、やはり現実は全然違うようです。
福島とは、「福多き島」という意味だ。
なんという皮肉だろうか。
もはや狂気に近い、と言っていい。
それを象徴する、フレコンバックが作り出す過酷事故の図は、なんともおぞましい。
放射能汚染された土が、原発最悪事故の遺産だ。
それが、フレコンバックの中で眠っている。
何百万個と、である。
レッドゾーン、福島第一原発付近の、警戒地区に入るチェックを受ける。
ここにはおそらく、何百年と、人々が戻ってくることはできないだろう。
私たちに取材を許可してくれたのは、双葉町だ。
私とポーランドの写真家、映像作家アーレック・ポティエニシンスキーだ。
彼は、「ここで見る全てが、チェルノブイリを彷仏させる」と語る。
ポティエニシンスキー氏:
もう何年も、チェルノブイリの、立入禁止区域の記録を続けています。
関心は尽きません。
当時、私も、事故の影響に遭っています。
事故当時。学校の授業が突然中断されて、ルー・ゴルフというのが配られました。
これは、甲状腺用の、安定ヨウ素錠剤です。
町役場の志賀公夫さんが同行してくれ、私たちに指示をいろいろ与えた。
レッドゾーンを進む道路だけが、清掃されている。
これが、除染作業とトラックなどの車両通行に欠かせないからだ。
左も右も、入ることはタブーだ。
ここで働く人員は、被ばく限度を超えないよう、義務付けられている。
志賀さんが、通行許可証を見せる。
浪江、富岡、大熊、ここの線量は、年間50ミリシーベルト以上で、立ち入りは禁止だ。
町を片付けて清掃したくても、注意が必要だ。
いつかこれらの町は荒れ果て、いつの日か取り壊され、除染され、それから再建するというが、
それはいつになるだろうか?
セシウム137の半減期は30年だ。
長い時間がかかるだろう。とてつもなく長い時間が。
双葉も今はゴーストタウンだ。かつては、人口約7千人ぐらいの町だった。
町民全員が避難を余儀なくされ、精神的打撃を受け、日本中にある330もの都市に、散り散りになってしまった。
いまだに仮設住宅に住んでいる人もいる。
まず地震があり、そして津波が原発を襲い、そこから来たのが放射能の雲だった。
シュヴェーリング氏:
双葉では、時間が止まっています。
とてもシュールな感覚です。
なんとも不気味です。
まったくSFスリラーの世界そのものです。
ただ、これは宇宙の彼方から来た埃ではなく、人間の住む普通の世界で実際に起きた、放射能のフォールアウトだったということです。
つまり、自家製のホラーショーです。
町役場の志賀さんは、「この警戒地区に入ると、いつも頭痛がする」と語る。
でも、彼によれば、「それは放射能のせいではなく、精神的なものだ」と言う。
彼は、自宅を捨てていかなければならなかった。
これと同じ運命を、10万人以上の人が辿っている。
これは、彼にとっても、大きなショックだった。
志賀氏:
故郷という感情は、それを失って初めて自覚するもんなんですね。
とても懐かしく、取り戻したいと同時に、怒りを覚えます。
でも、国や東電に騙された、とは思っていません。
私だって、いわゆる安全神話を信じていたわけですし。
東電。
福島第一原発という、原発廃墟の所有者だ。
約7000人の労働者が、ここで毎日、放射性崩壊と戦っている。
汚染水、それに時間との戦いだ。
金はいくらかかってもいいようだ。
沿岸沿いのこの怪獣は、何百億円という金を飲み込み、さらに溶融してしまった核燃料で、攻撃を拒んでいる。
その燃料デブリがどこにあるのか、誰にもわからない。
運がよければまだ格納容器に、でなければ、すでに地下水に入り込んでいるかもしれない。
状況は安定はしているかもしれないが、コントロールされているとはとても言えない。
ロボットですら、その奥底には入り込めない。
そして、誰も代わりたくない仕事を担当している人が、事故後5年を総括した。
福島第一原発所長・小野明氏:
今の段階を説明するのは難しいですが、山頂が十合目として、今はちょうど一合目を超えたくらいの所かなという気がしています。
『原子力 正しい理解で豊かな暮らし』
この看板は、2015年12月まで、双葉町の道路に立っていたが、それが下されることになった。
この町は、原発を運転する東電とともに、そして、東電で潤って生活してきた。
東電が、この町の灯火を消してしまうまで。
東京電力は、この町の学校にも、お金を出してきた。
ここには、東電以外何も無いのだ。
依存が進めば、その関係は強まる。
そうして2011年3月11日までやってきた。
これが、この学校の、最後の登校日だ。
地震が起き、不幸が始まった時、生徒たちはちょうど、掃除をしていた。
すべてが止まり、それで町も死んだ。
恐れを知らず、マスクもつけない写真家のアレックは、それをすでに知っている。
自分の長期プロジェクト『チェルノブイリ30年フクシマ5年』で、追い続けてきたテーマだからだ。
彼はすでに、立入禁止区域を、二箇所知っているのだ。
ポティエニシンスキー氏:
ウクライナの住民と比べ、日本の方たちは意志が強く、闘志があります。
彼らはあきらめない。
そこが、チェルノブイリの人たちとは違います。
彼ら(ウクライナの住民)は、強制立ち退きされてから、二度と戻りませんでした。
ここでは除染をしようとし、努力を続けています。
しかし、ここではあらゆる試みが、無に帰している。
日本政府はそれでも、どんな代償を払っても、自分たちにも世界にも、証明しようとしている。
原発最悪事故も、掌握することができると。
それで、国内での原発再稼働が、正当化できると見なしているのだ。
事実はしかし、違う容貌を見せている。
深い傷跡。
そして、法的な責任追及も、始まったばかりだ。
東電元会長ら3人が、やっと強制起訴されたところである。
大津波発生が予測されていたのに、故意的に、過失で無視した疑いだ。
コストを優先させる理由で。
シュヴェーリング氏:
こちら側から原発に近づくことができるのは、実はとても不思議なことです。
これまでは、許されてこなかったことです。
ただ、忘れてならないのは、グリーンピースの発表では、いまだに毎日100トンあまりの汚染水が、海に流出しているということ。
それから、この原発廃墟が完全に解体されるまで、30年から40年はかかる。
専門家によっては、100年かかると言っている人もいることです。
100年で1億個のフレコンバッグ、というのが予測だ。
富岡ではこれが、焼却されることになった。
しかし、今度津波が起きたら、これらの袋はどうなるのだろうか。
放射能で汚染された燃えカスを、どこにやればいいというのだろうか。
どの解決方法もまた、新たな問題を生む。
それも、2011年3月11日に、残存リスクが主役となってしまったからだ。
報告:ウヴェ・シュヴェーリング
翻訳:無限遠点