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ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

血税200億を返せ!『安倍晋三&安倍昭恵✖️森友学園&加計学園』

2017年04月10日 | 日本とわたし
予算委員会において、安倍首相が、森友疑惑の追及を受けた2月17日以降の議事録が、公式サイトに全く掲載されないまま、2ヶ月近くが経ちました。
それがつい先日、突如掲載されたのですが、やはり答弁としての質に問題があるのか、意味無く繰り返している部分が削除されているようです。
通常、このような議事録は、2週間から1ヶ月後には掲載されるので、まさか隠そう、いや、無かったことにしてしまおうと企んでるのではあるまいな?などと、疑っていた人も少なくありませんでした。











話はちょっと横道に逸れますが、昨日も実は、この安倍首相のある日の答弁を、ツィッターで流しました。
なぜかというと、こんなにひどい、質の低い、まるで悪い冗談のような話し方をする人が、日本の総理大臣に居座り続けていることが、どうしても我慢ならなくなったからです。

「いわば私は総理大臣なのでありまして、私が総理大臣である中に於いて、その中に於いてですね、私が総理大臣であることは、事実であると同時に、大切なことは、この私が総理大臣であることであって、これはまさに、私は間違いなく総理大臣なんだろうと、このように思う次第でございます」

「私が総理大臣である中において、私は間違いなく総理大臣である。私が総理大臣であることは事実であり大切なことだ。私は間違いなく総理大臣であると思う」

もう心が病んでるのか、または知能が低いのか、そうとしか言いようがありません。

だからこそ、上記の議事録に記されている、病的な被害妄想に取り憑かれたようなヒステリックな言葉を吐くのだと思います。
「私は、妻はですね、妻は、私は公人でありますが、妻は私人なんですよ。
それで、いちいち、今、その妻の、妻をまるで犯罪者扱いにですね、そんなことをやるのは極めて私は不愉快ですけれどもね。
極めて不愉快ですよ、本当に私は不愉快ですよ、そういう犯罪扱いするのは」



さて、話を元に戻します。
で、この後、次々にいろんな物証が出てきたのですが、証明を求めると必ず、破棄しただの、自動的に消滅するだの、
これが普通の社会だったら、いや、会社や学校でも自治会でもいいです、到底通用しない言い訳をして、のらりくらりと誤魔化すことが許されるのが国会なんだと、

本当にここまで劣化してしまったんだな、国会は。

でも、質す側の議員たちは、精一杯頑張っています。
だからわたしたちも、精一杯応援しなければと思います。

安倍昭恵氏が塚本幼稚園を訪問し、100万円の寄付を籠池氏に渡したのは、2015年の9月5日。
その前日の9月4日に、安倍首相と昭恵氏は、かなり忙しい日程をこなしていました。

安倍首相
9月4日
13:30〜14:29 そこまでいって委員会収録
15:03〜15:45 ミヤネ屋生出演
16:07〜17:05 北区の海鮮料理店『かき鉄』で、故冬柴鉄三元国土交通相の次男大氏、今井秘書官らと食事

昭恵氏
9月4日
13:00 住吉大社(籠池氏が信奉する神社)正式参拝(外務省の住吉大社の娘が同行)
夕方    奈良県三郷町の一般社団法人重心道訪問(谷氏同伴) 私学審議会会長、奈良学園大学学長・教授の梶田叡一氏も駆けつける







10:34 西成の焼肉店で会食

9月5日
15:18 大阪の塚本幼稚園にて講演、森友学園名誉校長就任


そしてこの日、園長室に入った昭恵氏は、同伴させていた秘書2人(夫人付きの官僚)に席を外すようにと言い、
部屋にただ一人残った籠池氏に、「安倍晋三からです」と言って100万円を渡した、というのが、証人喚問での籠池氏の証言でした。
さらに昭恵氏は、この日の講演料として10万円を受け取ったと証言しています。

さらにさらに同日、昭恵氏は、籠池夫妻と一緒に、新しい小学校の建設予定現場を訪れ、記念写真を撮っています。


この証言を受けて昭恵氏が取った態度は、フェイスブックで反論するというものでした。
そんなの全然意味ないのに…大人げないことをして、それで済ませることができると思っている感覚がわかりません。

結局、すべての責任を押し付けられたのは谷氏。
昭恵氏の付き人として、細かい用事を引き受けていたからでした。

例えば、こんなことも手伝っていました。


その谷さんが、籠池氏が証言をした際に提出した証拠物件の封筒や、


ファックスに、




自分の名前を記していたことから、とんだ濡れ衣を着せられてしまいました。
その彼女の気持ちを思い、怒りを込めて訴えた人がいます。
経産省の元職員、飯塚盛康氏です。





今、昭恵夫人付きの谷査恵子さんが、財務省に問い合わせたこと自体が、財務省に忖度、あるいは圧力になったのではないかと問題になっています。
政府は、籠池氏が、昭恵夫人の携帯の留守電に入れた要件に基づいて、谷さんが動いたのではなく、籠池氏から直接谷さんに郵送された内容に基づいて、谷さん個人が動いた、と言っています。

留守電の内容だろうが、郵送の内容だろうが、課長補佐クラスの谷さんは、昭恵夫人と内閣官房のそれなりの役職に、財務省への質問内容と回答について、相談報告しているはずです。
なぜなら、それは、国家公務員としての最低のルールだからです。

一方、財務省も、昭恵夫人付きの谷さんから、質問があったから答えているわけで、一私人の質問に、来年度の予算措置まで言うわけがありません
この財務省の回答も、同様に、室長個人のものではありません

一般的に、役所は、政治家とその秘書からの問い合わせについては、○政(まるせい)案件と言って、その問い合わせ内容と回答について、かなり上に報告しているはずです。
この案件も、総理大臣夫人秘書からのものですから、財務省の上の方も知っているはずです。

もし、谷さんと財務省の室長との個人でのものだとしたら、まだ予算措置する段階のものを、室長は一私人に漏らし、
それを知った谷さんが、一私人である昭恵夫人に報告し、籠池氏に教えたことになります。
財務省の室長と谷さんは守秘義務違反、国家公務員法違反になりますよ。

写真は、昭恵夫人のfacebookに、夫人と一緒に写る谷さんです。
3年間の昭恵夫人秘書という役職から、経産省に戻る谷さんの送別会で、昭恵夫人と一緒に写っている谷さんは、涙を浮かべているように見えます。

3年間、昭恵夫人のために仕事をしてきた谷さんに、全責任を負わせて、安倍首相を守ろうとしている昭恵夫人と菅官房長官に対して、元経産省の職員として、腑が煮えくり返る思いです。


この訴えに対し、昭恵夫人が取った行動はやはり、フェイスブック上での反論でした。



さらに腹を立てた飯塚氏は、昭恵氏にこう伝えました。



国会での野党議員の追及に力を与えるべく、市民の声をもっともっと高めていかねばならない時です。








さて、昭恵氏は、何かと名誉顧問だの名誉会長だの、特別顧問だの名誉理事だの、名誉校長だの名誉園長だの、名誉ナンタラに就任している一私人(?)です。
そしてこの表↓の、校長・名誉園長の欄の一番上、加計学園が、森友をはるかに超える税金の投入がされていると言われている団体です。



安倍首相の「本当のお友達」に、こうして血税176億円が流れた!
森友よりも問題なのは、こっちでしょ!

【現代ビジネス】2017年4月11日
http://news.livedoor.com/article/detail/12918353/

「これは違法じゃない。けど、異常だ」

地元でこう囁かれる疑惑の土地。
主役は長年、安倍総理が親しくしてきた名門のトップ。
今度は,「あの人はしつこいんだ」と言って、切り捨てるわけにもいかない。

■総理がサポートする教育ビジネス

〈どんなときでも心の奥で繋がっている(中略)30年来の友人である私と加計さんは、まさに腹心の友であると私は思っています。
そのスタートは、振り返れば、アメリカでの留学時代でありました。
共に学生という自由な身分で、共に遊び、そして語り合いました〉(銚子市の地元紙・大衆日報より)

安倍総理は、14年5月24日、銚子に建つ千葉科学大学の、開学10周年記念式典でこう語った。



同大学を運営する学校法人加計学園は、岡山県を本拠地とし、全国に5つの大学を構え、2万人以上の学生を抱える加計学園グループの中核。
そのトップが、安倍総理の親友、加計孝太郎氏だ。

加計氏は2001年に、父で創業者の故・勉氏の跡を継ぎ、理事長に就任。
名家の跡継ぎという同じ重責を担い、歳も近い。
若き日の安倍総理が、心を許したのも自然なことだろう。

「現在、安倍総理と加計氏は、年に数回ゴルフをしたり、昭恵夫人もまじえて会食していることが、新聞の首相動静に載っていますが、その3倍は秘密裏に会っていると聞きます」(全国紙政治部デスク)

この加計グループにいま、注目が集まっている。
同グループは、近年、各地で、広大な土地の無償貸与・譲渡を受け、自治体から巨額の補助金を受け取り、学校を次々に建設している
さながら、スケールの大きな森友学園だ。

本誌は、3月25日・4月1日合併号で、加計氏の姉が理事長を務める、学校法人順正学園の、土地取得の経緯を報じた。
淡路島にある、「吉備国際大学南あわじ志知キャンパス」だ。
記事を受け、順正学園は、本誌を提訴したと発表している。

〈岡山市の学校法人・順正学園(加計美也子理事長)が24日、発行元の講談社に、2000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を、東京地裁に起こした〉(3月25日、毎日新聞朝刊)

しかし、新聞記事掲載から5日が過ぎた3月30日時点で、週刊現代編集部に訴状は届いていない。
マスコミに提訴をリークし、一方的に言い分を述べるとは、学校法人にしては奇妙な対応だ。

加計氏の父・勉氏は、生前こう公言していた。

「僕は教育者ではない。教育実業家だ」

「腹心の友」の教育ビジネスを、総理が政界からサポートする――詳しくは後述するが、
加計グループに対する行政の優遇ぶりを見れば、こう思われても仕方ない面がある。

「官邸が意向を示し、霞が関が動き、行政は財源も担保せず学校を作らせる。森友のような忖度があるのではないか。
加計さんは昭恵夫人ではなく、安倍総理自身の交友関係だから、シラを切ることもできない。
総理はこの話に本気で触れてほしくないんです」
(自民党ベテラン議員)

加計学園の役員には、内閣官房参与、木曽功氏がいる。
順正学園は、官邸とも情報共有のうえ、本誌を提訴すると決めたようだ。
本誌は、順正・加計の両学園に、取材を申し込んだが、「係争中なので回答できません」と答えるのみだった。


■総理からの「ご指示」

本誌が報じた、順正学園の土地取得の経緯はこうだ。

閉校した県立高校の跡地と建物を、民間企業が購入の意志を示していたにもかかわらず、順正学園が入手、2013年春に、大学の新学部を開設した。

土地は、広さ約5.5ha、建物と合わせて評価額約30億円市の補助金額は、最大13億3300万円だった。
このうちの土地が、順正学園に貸与されている。

そして、加計学園が絡むもう一つの土地問題が、愛媛県今治市「いこいの丘」で進行中の、岡山理科大学獣医学部の建設用地である。
広さ16.8ha、評価額36億7500万円の、広大な土地を加計学園に譲渡し、さらに県と市が、最大96億円という破格の補助金を支払うことが、この3月に市議会で決まったばかりだ。

これら二つの大学建設で、加計グループが手に入れるであろう土地の評価額と補助金は、
淡路島が不動産30億円+補助金13億3300万円、今治が土地37億円+補助金96億円で、計176億円
財源は、もちろん血税だ。

しかも、今治の用地で、工事を主に担当している業者「SID創研」は、加計学園グループ企業で、加計氏の親族が役員を務める。
学校建設費に充てられる補助金が、結局はグループ企業に還流するわけだ。


ある今治市議が明かす。

「もともとあの土地には、県が、運動公園やドームを作るつもりだったそうですが、資金不足で頓挫していたんです。
それがここ何ヵ月かで、急に大学用地にあてるという話になった。
あまりにも早すぎる展開に驚きました」

急速に事が動き始めたのは、昨年11月9日に行われた、政府の国家戦略特区諮問会議からである。
安倍議長のもと、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官など、政権最高幹部が顔を揃える、特区関連の最高意思決定機関だ。

今治はこの時点で、すでに総理が最終決裁権をもつ、「国家戦略特区」に指定されていた。
この会議の中で、山本幸三地方創生相が、こう述べている。

〈(今治の獣医学部設置を含む)重点課題につきましては、法改正を要しないものは、直ちに実現に向けた措置を行うよう、総理から御指示をいただきました〉

今治は総理案件だから、審議抜きですぐやるぞ――ここで総理の決裁を得て、今治市は、加計学園に対する土地無償譲渡に、邁進を始めたのだ。

まず今治市は、11月18日から1ヵ月間、獣医学部開設に関するパブリックコメントを募った。
だが奇妙なことに、寄せられた意見の75%が「反対」だったにもかかわらず、市は「目的が実現されるよう、取り組んでまいります」と、これを黙殺してしまう。

その後、12月27日の市議会で、37億円の補正予算決議があり、市はその日のうちに、用地を今治市土地開発公社から購入。
こうして、土地をいったん市の所有としたうえで、年明けの公募の後、加計学園に無償譲渡するという、手筈を整えたわけである。


「前々から契約書の下書きはできていて、決議の瞬間、ハンコが押せる状態になっていたんでしょう」(前出・今治市議)

市民はほとんどが反対している。
それなのに、市は手続きをどんどん進めてゆく――不可解な状況の中、10月2日と12月24日の2回、加計氏は、安倍総理と昭恵夫人同席で、会食している。
加計氏と総理が、今治の件について、このときまったく話さなかったということは、あり得ないだろう。

(まうみ注・そのときの写真がこれです。昭恵氏がfacebookに載せていました。妙な一言「クリスマスイブ。男たちの悪巧み」と一緒に。
ちなみに、その『悪巧み』をしている面々は、左端から加計孝太郎氏、三井住友銀行副頭取・高橋精一郎氏、安倍首相、鉄鋼ビルディング専務・増岡聡一郎氏です)


ところが年明け以降、今治市議会で、異論が噴出し始める。
市の企画課長が、議員たちの質問攻めに遭ったのだ。

今回、本誌は、今治市議会特別委員会の議事録を、全文入手した。
それをもとに、このときの議論を再現しよう。


近藤博市議:
土地の無償譲渡契約を加計学園と結ぶ前に、市が出す補助金の額は決まるんですか?

企画課長:
その件に関しましては、県のほうから、「まずは最終的な総理大臣認定を待って議論をすべし」というお話をいただいているところです。

石井秀則市議:
市民の方が一番心配しているのは、財政的なことよりも、生徒が来るのかということなんですよ。
その辺の見込みはどうですか?

企画課長:
(一般的な獣医学部の)志願倍率といたしましては、15倍というような数字も出てございまして、獣医学部は、どの大学にも定員を超えた学生さんがいる状況でございますので、まず大丈夫と思っております。

重松眞司市議:
ささいなことですけど、大学名が岡山理科大学ですが、最終的に四国とか愛媛とか今治とか、そういう名前が付くんでしょうか。

企画課長:
今は仮称という形にさせていただいております。



国会でおなじみ、財務省の佐川宣寿理財局長を思い起こさせる、腰は低いが要領を得ない企画課長の答えに、議場は紛糾した。
すると、市長が、宥めるように口を開いた。

「話が先行しますと、県議会が『われわれは聞いてないぞ』ということになってもいけません。
(マスコミの取材に対しては)具体的な数字については、今少し慎重であってほしい。
非常に重要な場面でもありますので、そのことも含めてお願いしたいと思います」


■これも「忖度」か?

さらに3月3日の議会では、最終的な補助金の額、そして無償譲渡そのものの是非について、厳しい意見が続出した。

松田敏彦市議:
補助金は、今治市は、64億が限度額だと言っていて、一方で、県のほうでは、まだ最終決定はできていないですね。
市長さんも、県知事とお話しされていると思いますが、もし県からお金を出してもらえない場合、足らない部分は市が出さないといかん、という状況にはならないですよね?

企画課長:
県知事は、「前向きに検討してまいりたい」とおっしゃったと聞いております。
県にはしっかり対応していただけると、確信しております。

松田澄子市議:
すみません、1年生議員が恐縮なんですけど、事が性急すぎるんじゃないでしょうか。
急ぎたいという気持ちも分からんではないのですが、今、市民が納得するのかと言ったら、私は疑問があります。
この大学を誘致するには、無償譲渡じゃなきゃいけないんでしょうか。

市長:
昔、今治に、東海大学が進出してもいいという話があったんですが、その際も、土地については、今治市が全面的に(負担してほしい)、という話があったようです。
ここは無償譲渡を、覚悟を決めてやる。
この際思い切って、無償譲渡に踏み切るべきではないかということで、強くしっかりと取り組んできたわけです。
先ほど、拙速ではないかというお話もありましたけれども、決してそうではなくて……。



結局、この日の市議会で、
「今治市は結局、いくら出すことになるのか」「なぜ、土地を無償譲渡しなければならないのか」という問題は決着しないまま、
無償譲渡と、補助金を最大96億円とする補正予算案が、可決された


前出の市議は、憤りつつ、こんな指摘をする。

「いちばんおかしいのは、加計学園に、市が無償譲渡した土地を担保に、加計学園がカネを借りられる契約になっている点です。
市の説明では、『新設の獣医学部は、国際レベルの教育環境を整備する必要があるため、安定的な資金調達が必要になる』ということですが、これじゃ加計学園が丸儲けじゃないですか」

今治を戦略特区に指定し、獣医学部新設のゴーサインを出したのは、他でもない安倍総理だ。
広大な土地の無償譲渡の大元に、総理の意志が存在していたことは事実である。
総理はこれも、「忖度」と言って逃げ切るつもりだろうか。


******* ******* ******* *******









いやもう、凄まじいほどの私物化!
逮捕された韓国の大統領とどっこいどっこい、いや、まだ上をいくトンデモ夫婦です。
こんな自動忖度機な夫婦を、これ以上野放しにしていてはいけません。
税金が、こんなふうに使い込まれてしまっていることを知ったのです、怒っていることを周りの人たちに伝えて、一緒に怒りまくりましょう!
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ああおぞましい!製造が禁止されているクラスター爆弾の製造会社の株式を、年金積立金で保有している日本!

2017年04月08日 | 日本とわたし
「みなさんは、広範囲に小型爆弾をまき散らすクラスター爆弾を作る米企業の株に、みなさんが積み立てている年金が運用されていること、知ってましたか?」

↑これは、昨日ツィッターに流したものです。
なぜ流したかというと、以下の二つの記事を読んだからです。

GPIF、クラスター爆弾製造の米企業の株保有
【朝日新聞】2017年4月7日
http://www.asahi.com/articles/ASK4741M5K47UTFK00B.html

GPIF 爆弾製造会社の株式保有は禁止されず 政府答弁書
【NHKニュース】2017年4月7日
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170407/k10010940631000.html

政府は、公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人が、
クラスター爆弾を製造している企業の株式を保有している
、とする質問主意書に対し、
こうした企業の株式の保有は、法律上禁止されていない、とする答弁書を決定しました。

この答弁書は、民進党の長妻元厚生労働大臣が提出した、質問主意書に対するもので、7日の閣議で決定されました。
長妻氏の質問主意書では、GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人が、平成27年度末の時点で、
国内で製造が禁止され、国際的にも使用、開発などが禁止されているクラスター爆弾を製造している「テキストロン社」の株式を、およそ192万株保有しているとして、政府の見解を求めています。

これに対し、政府は答弁書の中で、
「わが国では、クラスター弾等禁止法で、製造の禁止や所持などの規制を定めているが、
GPIFが、クラスター爆弾を製造している外国企業の株式を保有することを、禁止しているものではない」
としています。
一方で、
「諸外国では、特定の企業の株式を、公的年金の積立金の運用における、投資の対象外とする措置を講じている事例があると承知している」としています。

GPIFは、NHKの取材に対し、
「法律上、運用にあたって、個別の株式の銘柄の選定は、委託した運用機関が決めることになっており、みずから選ぶことはできない」としています。


******* ******* ******* *******

『クラスター爆弾』というのは、広範囲に小型爆弾をまき散らす上に、紛争や戦争が終わっても、残った不発弾によって、住民の方々が巻き込まれるというもので、
その非人道性が問題視され、2010年に、『国際条約で使用、開発、製造が禁じられている』おぞましい爆弾です。
そういうことから、ヨーロッパ諸国では、このような非人道的なものを製造している企業の株式を、公的年金の投資対象から外す措置を講じているのです。
そのクラスター爆弾を製造している「テキストロン社」の株式を、みなさんの年金の積立金を管理運用している行政法人が、およそ192万株保有しているのです。

みなさんのお金が、このような人殺しのための、しかも国際条約で使用、開発、製造が禁じられてるような武器を製造する企業とつながっている。
いやじゃありませんか?
やめなさいと言いたくありませんか?
もしかして、まだ他にあるのではないか、気になりませんか?
年金の支給額、わずかであれ、今月から減らされてしまっています。
ご存知でしたか?
2015年の5月に、自民党は、2020年までの財政健全化を目指して、社会保障費を大幅に削減すると発表しました。
その第一弾として、年金の減額案が上がっているのです。

正式には、アベノミクスによって、国債中心の運用方法から、株式運用中心に変更させたために、
何かと社会的に不安定で、株式も乱高下しやすい時期に、調子に乗って株式運用メインの年金運用をしてしまったために、8兆円もの年金損失をしでかしたのもGPIFです。

このことに対しても、それほど大きな怒りの声が上がりませんでした。
株式運用についても、批判の声が上がりませんでした。
報道がしっかり伝えないからなのでしょうか?
それとも、暮らしに政治が深く関わっていることに、まだ気づいていない人がいるからなのでしょうか?

みなさんの大切な、一所懸命働いて得たお金です。
どんなふうに使われているのか、そのことをもっと知って考える。
そして、もし納得がいかなかったり、いやだなと思ったら、そのことを議員に直接伝え、町や村の議会で議論させる。
日本会議は、何十年もの間、ひたすら反対運動をやってきて、議会に根を張り巡らせました。
今度はわたしたちが、わたしたちが納得できる、いやじゃない社会を実現させるべく、反対運動をコツコツと積み上げていく番です。
一つ一つ、おかしい、正しくない、いやだと思うことを、伝え手である議員にはっきりと伝える。
そして町から市に、市から県に、県から国に上げていくかどうか、その過程をしっかりと見張る。
暮らしは政治です。
暮らしの中に政治について考える、考えたことを話す時間が無い人は、それは暮らしていないということになります。
そんな人が多ければ多いほど、ずるい政治家は増長し、わたしたちの暮らしを生き辛いものにしていくのです。
そろそろ、政治家の掃除をしなければなりません。
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春の別れ

2017年04月08日 | ひとりごと
まだ彼女が荒井由実という名前で歌っていたときの歌を、わたしは強烈に覚えている。
といっても、歌を歌う余裕がまだそこそこあった、16歳から19歳の頃のことで、だからとても短い間に限定されている。
「ひこうき雲」「ベルベット・イースター」「やさしさに包まれたなら」「海を見ていた午後」「たぶんあなたはむかえに来ない」「卒業写真」「ルージュの伝言」「少しだけ片想い」「雨のステイション」「中央フリーウェイ」…。

今朝、フェイスブックで紹介されていた動画を見て、わたしは泣いてしまった。
https://www.youtube.com/watch?v=GlaA_1YGshQ

だって、その歌と景色は、その時のわたしを思い出すのに十分だったから。

何度も書いたから、また書くのはちょっと申し訳ないような気がするけれど、この季節になると必ずわたしの心の中に帰ってくる思い出なので、やっぱり書こうと思う。



別に意図したわけではないのだけれど、わたしの日本生活最後の日は、43歳の誕生日だった。
渡米までの1週間、息子たちとわたしの3人は、母の家に居候させてもらっていた。
いよいよ出発という日は、ポカポカと暖かく、桜の花が満開だった。



電車駅までの坂道の桜並木も満開だった。
見上げると、花びらの笑顔の向こうに、真っ青な空が見えた。
わたしはそれを見ながら、泣かずにさよならを言おうと思った。



プラットホームに立つ母は、いつもより少しちっちゃく見えた。
母は、それまで住んでいた大津の家に帰るわたしたちを見送るかのように、大したことではないようなふりをしていたけれど、
電車のドアが閉まると、彼女らしくない、満面の笑顔を見せてくれた。
わたしはびっくりして、けれども彼女の気持ちに応えたくて、負けずに顔いっぱい笑顔にして手を振った。
「バイバイ、ちょっと行ってくるね」



電車は、山と山の間の狭い場所を、ガタンゴトンと走って行く。
窓の外には満開の桜。
電車が通る風に吹かれた何本もの花びらの帯が、窓の向こうに流れていった。

バイバイ今までのわたし。
バイバイ日本。



ちょっと嬉しくてちょっと寂しくて、ちょっと楽しみでちょっと心配で、ちょっとワクワクしていてちょっとビクビクしていた。
いろんな気持ちが一緒くたになって戸惑っているわたしに、日本が「さよなら」って言ってくれた気がした。

でも、その時の自分を思い出して涙ぐむんだから、やっぱりわたしはとても悲しかったんだな。

******* ******* ******* *******

今日もとっても肌寒い。
しかも、強い風がビューンビューン吹くものだから、ほぼ満開のぽんちゃんが、花びらを散らし始めた。


ももちゃんは五分咲き。




レモングラスも雑草も、お日様の光を浴びて、力強くニョキニョキと。




毎度のぽんちゃん晴れ姿。


















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『教育勅語』の正体

2017年04月06日 | 日本とわたし
安倍政権が教材化を狙う、戦前の道徳教育の根幹だった『教育勅語』。
この『教育勅語』を、小説家であり、文学者であり、文芸評論家であり、明治学院大学教授でもある高橋源一郎さんが、現代語に訳してくださいました。



https://mobile.twitter.com/takagengen

はい、天皇です。
よろしく。
ぼくがふだん考えていることをいまから言うので、しっかり聞いてください。
もともとこの国は、ぼくたち天皇家の祖先が作ったものなんです。
知ってました?
とにかく、ぼくたちの祖先は代々、みんな実に立派で、素晴らしい徳の持ち主ばかりでしたね。

きみたち国民は、いま、そのパーフェクトに素晴らしいぼくたち天皇家の、臣下であるわけです。
そこのところを忘れてはいけませんよ。
その上で言いますけど、きみたち国民は、長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くし、子どもとしては親に孝行をしてきたわけです。

その点に関しては、一人の例外もなくね。
その歴史こそ、この国の根本であり、素晴らしいところなんですよ。
そういうわけですから、教育の原理もそこに置かなきゃなりません。
きみたち天皇家の臣下である国民は、それを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩しないこと。

そして、友だちは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、
そのことによって、智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、
なにより、公共の利益と社会の為になることを、第一に考えるような人間にならなくちゃなりません。

もちろんのことだけれど、ぼくが制定した憲法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけません。
よろしいですか。
さて、その上で、いったん何かが起こったら、いや、はっきりいうと、戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕してください。

というか、永遠に続くぼくたち天皇家を護るために、戦争に行ってください。
それが正義であり、「人としての正しい道」なんです。
そのことは、きみたちが、ただ単に、ぼくの忠実な臣下であることを証明するだけでなく、
きみたちの祖先が、同じように忠誠を誓っていたことを、讃えることにもなるんです

いままで述べたことはどれも、ぼくたち天皇家の偉大な祖先が、残してくれた素晴らしい教訓であり、
その子孫であるぼくも、臣下であるきみたち国民も、共に守っていかなければならないことであり、
あらゆる時代を通じ、世界中どこに行っても通用する、絶対に間違いの無い「真理」なんです。


******* ******* ******* *******

やっぱり、こうやってわかりやすい文章になったものを読んでみると、
稲田防衛大臣の答弁が、いかに適当、あるいは意味を理解できていなかったかが、よくわかります。

わたしたち国民は、長い間、臣下としては主君に忠誠を尽くし、子どもとしては親に孝行をしてきた。
一人の例外もなく。
その歴史こそ、この国の根本であり、素晴らしいところなんだから、教育の原理もそこに置かなければならない。
わたしたち天皇家の臣下である国民は、それを前提にした上で、父母を敬い、兄弟は仲良くし、夫婦は喧嘩しない。
友だちとは信じ合い、何をするにも慎み深く、博愛精神を持ち、勉強し、仕事のやり方を習い、
そのことによって、智能をさらに上の段階に押し上げ、徳と才能をさらに立派なものにし、
なにより、公共の利益と社会の為になることを、第一に考えるような人間にならなくちゃならない。
もちろん、天皇が制定した憲法を大切にして、法律をやぶるようなことは絶対しちゃいけない。
さて、その上で、いったん何かが起こったら、というのはまあ、戦争が起こったりしたら、勇気を持ち、公のために奉仕しなければならない。
というか、永遠に続く天皇家を護るために、戦争に行かなければならない。
それが正義であり、「人としての正しい道」なのだから。
この、天皇家の偉大な祖先が残してくれた素晴らしい教訓は、絶対に守っていかなければならない。
なぜならこれは、あらゆる時代を通じ、世界中どこに行っても通用する、絶対に間違いの無い『真理』なのだから。


こんなものを、道徳の授業に入れるなんて、どう考えても間違っています。
そんな教育が実施されてしまわないように、大人であるわたしたちは、議員ひとりひとりに訴えていかなければなりません。
親孝行や博愛精神、そして智能と徳と才能を育てるのは、わたしたち自身の生命を豊かにするためなのではなく、何より公共の利益と社会の為なのです。
そういうマインドコントロールによって思考能力が鈍り、戦争が起こるような有事には、奉仕と正義という言葉のベールでまとわれた『人殺し』を、意気揚々としに行くような人間が出来上がります。
『教育勅語』は、自分の頭で考えない、体制に盾つかない人間の育成を望む人々によって、持ち上げられているもの。
ああ、なんというおぞましさ。なんという愚かさ。

こんなものを崇めている安倍晋三は、日本語でさえまともに話せず、何かというと『総理大臣』だの『最高責任者』だのと声を張り上げるようですね。
ちょっと話題としては横にそれますが、おまけとして、ある日の国会での答弁を、ここにちょっと載せさせてもらいます。

「いわば、私は総理大臣なのでありまして、私が総理大臣である中に於いて、その中に於いてですね、私が総理大臣であることは、事実、であると同時に、大切なことは、この、私が総理大臣であることであって、これは、まさに、私は間違いなく、総理大臣なんだろう、と、このように思う次第でございます」

播磨屋さんではないですが、真性のバカ?と言いたくもなります。
この男はまず、政治家などという職を辞し、話し方教室に行くべきだと思います。
どうして他の議員の誰も、「日本語になっていない。意味が全くわからない。国語を勉強し直しなさい」と言わないのですか?
国会の答弁以前の問題だし、これを指摘できないのは腰抜け過ぎます。
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共謀罪の恐ろしい正体

2017年04月05日 | 日本とわたし
Hodaka Tateyamasさんが、TBS報道特集で放映された番組をキャプチャー写真として保存し、そこに文字起こししたものを表示してくださいました。
大変な労力と手間がかかったことと思います。
Hodakaさん、本当にありがとうございました!
とてもわかりやすくまとめてくださっていますので、ぜひみなさんにもと思い、ここに紹介させていただきます。

【共謀罪の恐ろしい正体を知ってください!!】
【Hodaka Tateyama】2017年4月3日
https://www.facebook.com/tateyamahodaka

民主主義の根幹を揺るがす、「共謀罪」こと「テロ等準備罪」。
4月6日から審議が始まるこの法案について、これ以上無いというほど適切にまとめられた、TBS報道特集の企画を紹介します。
これから学ぶ人、今まで関心がなかった人など、あらゆる人に見てもらい、議論の土台にしてもらいたいからです。
特に、最後のスノーデン氏の肉声が、胸に染み入ります。
それは、私たちが見失いかけていた、「個人の尊厳」についての、根源的な問いかけでもあるからです。

■エドワード・スノーデン氏:
権利というのは、少数派を守るために存在します。

権利は、それぞれの違いを守るために存在します。

プライバシーがなければ、あなたはあなたのものではなくなってしまう。

社会があなたを見張り、判断し、社会があなたの生き方について口を出します。

プライバシーは、あなたがあなた自身で決め、あなた自身でいられることを、保証してくれるものなのです」


******* ******* ******* *******

【共謀罪改めテロ等準備罪 捜査はどう変わるのか?】
【TBS報道特集】2017年4月1日
http://www.dailymotion.com/video/x5gy2zl
4月6日から審議が始まる組織犯罪処罰法改正案。共謀罪の構成要件を改めたテロ等準備罪が盛り込まれ、犯罪の計画段階で処罰できるようになるという。捜査はどうかわるのか、検証する。

https://www.facebook.com/gomizeromirai/posts/1594672480572883

http://www.dailymotion.com/video/x5gy2zl

《画像のスーパーは(まあ、これがスーパーと呼べるのならですが(^◇^;))白抜き文字がTBS、青文字緑文字が筆者によるものです。
なお、40枚という画像の枚数制限のため、本文の全てを画像に収めることはできませんでした》

******* ******* ******* *******

【スタジオでの〆のコメント】(画像未収録)
 
■膳場貴子キャスター:
テロ等準備罪、いわゆる共謀罪で社会がどう変わってゆくのか、ここが一番関心が高いところだと思うのですけれど、
元警察官僚の平沢さんはね、「捜査当局による市民への監視の目が、強まることは間違いない」と。

ま、ある意味、正直に話してくれたんですね。
監視で私たちの自由が制限されることを、ちゃんと分かった上で、この共謀罪を受け入れるのかどうかが問われている時期だ、と思うんですね。

核心をぼやかさずに、平沢議員が話してくれたように、真正面からこの共謀罪の議論をしないといけない時期じゃないかなと思いますね。

■日下部正樹キャスター:
ところが政府はですね、この法律が必要な理由としてですね、国際条約の加盟というのを挙げていますよね。

改めて言いますけども、この国際組織犯罪防止条約というのは、マフィアなどの経済犯罪をターゲットにしたものですよね。
それをなぜか政府はテロとくっつけようとする。この真意がどこにあるのでしょうかと。

また、共謀罪というのは、元々英米法の考え方でね。
ヨーロッパ大陸法の流れをくむ日本とは、コンセプトが違うわけですよね。

ですから、無理に共謀罪というものを通すということは、刑法の体系を崩してくつがえしてしまう、という法学者の指摘もあるわけです。

それだけ重要な法案で、議論が必要なことは当然なんですけれども、あの法務大臣の答弁をきいていると、大丈夫なのかなと思いますね。

■金平茂紀キャスター:
膳場さんが聞いていた、平沢さんが言っていたSNSの傍受については、将来的に理解してもらわなければいけないと言ったでしょう。

あれは、非常に重大な発言だと思うんですね。
その意味で、最後に登場したエドワード・スノーデン氏が言っていたことというのは、もっときちんと僕ら耳を傾ける必要があると思いますね。

彼は、実際に、諜報機関で市民から情報を得ていてですね、テロ対策でね。

ところが、こんなに個人のプライバシーを収集していいのだろうかということに気づいて、それで内部告発をしたわけですから、その重みが違うんですよね。

その命がけの告発を見て、私たちも共謀罪の正否については、もちろん国会の論議も必要ですけれど、
国会の外でも、僕らの市民生活に関わることですから、しっかり論議する必要があると思いますね」

******* ******* ******* *******

【企画全文】

■膳場貴子キャスター


「特集は、自民党が来週の審議入りを目指すテロ等準備罪、いわゆる共謀罪です」


■金平茂紀キャスター


「一般市民は対象にならない。
政府が繰り返し強調する言葉ですが、では、政府は、犯罪集団と一般市民を、どう見分けるのでしょうか。
懸念されるのは、アメリカで既に起きている、際限の無い監視の拡大です」

ーーーー

■日下部正樹キャスター


「参議院議員会館の講堂です。
これからですね、共謀罪に反対する議員や市民たちの勉強会、4回目になります。
そして、閣議決定後、初めての勉強会が、これから始まります」

おととい開かれた勉強会。
犯罪実行前の合意を処罰する、テロ等準備罪、いわゆる共謀罪がテーマだ。
政府は、処罰の対象を組織的犯罪集団に限定するなど、条件を厳しくしたと説明しているが…。

■京都大学(刑法)髙山佳奈子教授


「法案の文言はどうなっているかというと、『テロリズム集団その他』なので、もう集団であれば何でもあたり得るという。
その他、というのが入っているということは、そこに何か限定の意味がない

法案が成立すれば、テロの実行だけでなく、麻薬取引や詐欺など、277もの犯罪が処罰の対象となる



市民生活の萎縮を懸念する声が上がった。

■立教大学(哲学)西谷修 特任教授


「ちょっとそういう、政治みたいなことに関わっちゃいけないんだとか、普通の人たちはね。
できるだけ公権力に対して、公権力と関係を持つのを避けようとして、政府の言うとおり、警察が求めるとおりにしているしかなくなる

この日参加した市民は70人ほどだった。

■日下部正樹キャスター


後半国会の重要法案と言われている割にですね、マスメディアの姿がほとんど見られなかったことが、気になるところですね」

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

自民党は、来週にも、審議入りを目指している。
テロ等準備罪で、私たちの生活はどう変わるのか。

「成案が出たときに答弁する、と言っているんですよ」

先週、政府は、犯罪実行前の合意を処罰する「テロ等準備罪」を、新設する法案を閣議決定した
実は、当初の予定より10日以上遅れての、閣議決定となった経緯がある。



政府は、法案について、「国際組織犯罪防止条約の締結に必要」だと説明。
187の国と地域が加盟するこの条約で、各国と連携してテロを防ぐことができる、と繰り返し強調してきた。



しかし、法務省が示した原案には、テロの文言が全く無く、野党から「これまでの答弁と整合性がない」などの批判が上がった。
そのため、条文の処罰対象に、「テロリズム集団」の文言を加える修正が為されたのだ。

■共産党 仁比聡平議員


「『テロリズム集団その他』と書き込んだことで、刑罰法規の意味は変わったんですか?」

■金田勝年法相
『テロリズム集団その他』がある場合と無い場合とで、犯罪の成立範囲が異なることはないものと考えております」

■共産党 仁比聡平議員


「つまり、あっても無くても意味は変わらないと。そういうことですね」

■金田勝年法相
「変わらないと思います」

■共産党 仁比聡平議員
結局、テロリズムというのは付け足しの話だということになりませんか」

およそ2ヶ月前、金田法務大臣はこう答弁していた。

■金田勝年法相
「しっかりと私たちは成案として作り上げて、皆さまと一緒に国会で議論させていただく日を楽しみにしているわけであります」

成案が出てからの議論を楽しみにしている、とまで述べていた金田法務大臣だが、

■共産党 藤野保史議員

「対象犯罪の数を絞り込んだ、ということでありますが、この絞り込む際の基準は何なんでしょうか」

■金田勝年法相
委員にお願いしたいのですが、具体的な通告がなかったものですから、少しお時間をいただかざるを得ないことはご理解いただきたいと思います」

閣議決定後の答弁では、「質問の事前通告がなかったため、すぐに答えられない」と繰り返した。

ひとつの会社の中で、犯罪を計画した社員とそうでない社員がいる場合、処罰する対象をどう見分けるのかという質問で、

■民進党 階猛議員


「やはり全体、社員全体の個別のメールであるとか活動であるとか、こういうものを監視した上でですね、
この人は構成員、この人は普通の社員ということを、仕分けしなくてはいけないのではないですか。いかがですか」

■金田勝年法相


「ええ、階先生の質問は非常に重要な質問が多いので、ぜひ事前にご通告いただくとありがたいというのは、最初に申し上げた通りであります。
そうしますと、立派な答弁をただちにできるかなと、いうトライをしてみたい。こういう風に考えております」

■民進党 階猛議員
「昨日大臣の答弁で、もうちょっと詳しく通告いただければ、立派な答弁ができるということをおっしゃられたので、今日はしっかり通告しております。
立派な答弁を、是非お願いしたいと思います」

■金田勝年法相
事前の通告があれば、立派な答弁とおっしゃいましたが、ちょっと違いまして、
事前の通告があれば立派な議論につながると、こういった思いだった
のですが、どんなものでしょうか。
ま、それを申し上げたあと」

■民進党 階猛議員
「立派な答弁と言ってましたよ」

■金田勝年法相
「そうですか。では後で、議事録を見させていただきます。
まだ見ていなかったものですから。
思いとしては、立派な議論と申し上げたつもりであります」

政府は、テロ等準備罪について、過去3度廃案となった共謀罪とは別物だ、と主張する。

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

これに反論する人物がいる。
東京世田谷区長の保坂展人氏。
11年前、共謀罪が審議されたとき、反対の論陣を張っていた。

■世田谷区長 保坂展人 元衆議院議員



共謀罪という風に言うのは間違い、とまで言い切った。
中身を見てみると同じだった。
ただ名前だけ変えてみたと。

ま、ちょっとこういう資料がありましてですね」

これは、10年前に作成された、自民党法務部会の資料だ。
共謀罪の修正案について記されている。


共謀罪の対象は、組織的な犯罪集団に限定し、共謀に加えて、準備行為が無い限り、処罰できないとある。
いずれも、政府が今回、共謀罪との違いとして挙げたものだ。

2006年の議論で、600以上とされた対象犯罪は、128から162と減らされている。
今回政府は、277まで対象犯罪の数を絞り込んだと言うが、10年前よりもかなり多い

(東京新聞より)

■世田谷区長 保坂展人 元衆議院議員


「あの時に、やっぱり与野党で、朝から晩まで共謀罪の議論したわけですから、こんなに記録も残っているわけです。
そういったものを踏まえて、当時の与党が、あるいは自民党がたどり着いた、水準があるわけですよ。
そこからスタートするのが普通なんじゃないですかと」

国会では、過去になかった議論も交わされている。
ネットを介して共謀が成立するかどうか。

■民進党 山尾志桜里議員


ネットの手段に限定ないと。
メール、ツイッター、ライン、そうすると、フェイスブックやブログも、こういったものも特に限定はないと。
そういうことでよろしいんですか、大臣」

■金田勝年法相


「合意の手段を限定する方向は、考えておりません。
メールやラインでも、合意が成立することはあり得るもの、と考えております



保坂氏は、捜査機関が共謀を立証するため、情報の収集に歯止めがきかなくなる恐れを指摘する。

■金平茂紀キャスター
「仮に成立したら、どういう社会が到来すると思いますか」

■世田谷区長 保坂展人 元衆議院議員


「社会を守る、テロ対策も含めて、治安の維持のために必要最低限のことをやらなければいけないはずだったのに、
最大に向かってですね、情報収集などが膨張して、それを止める人がいない状態になりかねないんじゃないですかね」

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

テロ等準備罪が成立すると、捜査手法はどのように変わるのだろうか。
法案を強く支持する、元警察官僚の平沢勝栄衆院議員に聞いた。

■自民党 平沢勝栄衆院議員


「今回の法律が通れば、捜査当局に権限が与えられて、捜査当局の監視の目が強まると。
その結果として、市民に対する監視の目が強まると、いうことは間違いない

金田法務大臣は、テロ等準備罪について、電話やメールなどを傍受する、通信傍受の対象犯罪とするかは、今後の課題だとしている。

■自民党 平沢勝栄衆院議員


「この通信傍受は確かに、人権を侵害する恐れはあります
しかし、これが非常に効果的であることも間違いないわけで、将来もし日本がですね、テロに非常に苛まれる時代が来れば、私は、国民の考え方も変わってくるだろうと思いますけれど」

■膳場貴子キャスター
「傍受するものが電話、メール、ラインも本当にいろいろありますよね」

■自民党 平沢勝栄衆院議員


「そうですね。
今度のテロ等準備罪もですね、犯行の計画はですね、合意は必ずしも集まって話し合いでやるとは限らなくて、要するにメールでやってもいいんです。
要するにラインでやってもいいわけですから。
ですから、そういったものも傍受するということも、将来的には起こる可能性は私はあると思いますよ」

■膳場貴子キャスター
無関係な市民に、それが監視の目が向けられてということが起こりうるかな、と思って。
そうなると、本当に息苦しい社会にならないだろうか、という懸念はありますよ」

■自民党 平沢勝栄衆院議員


「ですからそれは、犯罪とか何かに関係のない一般の方には、全く関係のない話で、犯罪者の周辺にいる人物には、迷惑がかかるでしょうね。
だけど、これは安全と言う面で、将来的には、そこは理解してもらわなきゃなりませんけれど」

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

テロ等準備罪に関しては、様々な立場から反対の声が上がっている。

■日本ペンクラブ 山田健太氏


「表現の自由のポイントというのは、自分が一番言いたいときに、言いたいタイミングで、言いたい場所で、言いたいことを言うということが、表現の自由そのものなんですね。
表現の自由を、極めて広範に制約する可能性が高い

立憲主義に基づき、国民が政府を統治することを重視する学者からも

■立憲デモクラシーの会・高千穂大学 五野井郁夫氏(政治学)


人々が、内面でものごとを自由に考えてですね、そして人々と繋がっていって、一緒に何かをする結社の自由、そういったものを脅かす行為でありまして、
これは民主主義の営みを、根幹から揺るがすような、大変危険な法案であろうと思います」

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

■国会前でのコール
「共謀罪は絶対廃案」「共謀罪反対」

■スピーチ


「反対すること、声を上げることは、私たちの当たり前にある権利です。
その権利を侵害する、民主主義国家としてマジであり得ない法案であると考えています。
このままでは、ますます、私たちが声を上げにくい日本になってしまいます」

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

国家による市民への監視に警鐘を鳴らし続けている人物がいる。

■司会者
「盛大な拍手でお出迎えください。エドワードスノーデンさんです」



元CIA職員で、アメリカ政府が、あらゆる個人情報を極秘に収集していたことを暴露した、エドワード・スノーデン氏だ。

■エドワード・スノーデン氏
「少し日本語を勉強しました。でもまだ上手じゃありません」

去年6月、東京大学で行われた講演会。
アメリカ政府に指名手配され、ロシアに亡命しているスノーデン氏と、ネットで繋いだ。

■エドワード・スノーデン氏


「監視活動に関与している当局者らが、一番よく口にするのは、『隠すことがないのなら恐れる必要もない』ということです。
これは、第2次世界大戦中の、ナチスのプロパガンダの言葉と同じものだ、ということを理解することが大事です」

現在公開中の映画「スノーデン」。
スノーデン氏の証言を元に、暴露に至る経緯が描かれている。

映画
「テロを監視する仕事に任命されたときは嬉しかった。もし日本が同盟国でなくなった日には」



テロを防ぐため、と指示された情報収集。
やがて、世界中のあらゆる個人情報を、密かに集めていることに気づく。
そして、スノーデン氏がいきついた結論が、

映画


テロは口実で、目的は経済と社会を支配すること。僕が守っていたのは、政府の覇権だけでした

スノーデン氏の講演を主催した、福田健治弁護士。
公安警察の捜査手法などについて、詳しく調べている。

■金平茂紀キャスター
「この動きに対して、最初に何を感じますか」

■弁護士 福田健治氏


公安警察が、非常に幅広い情報を、常にとろうとしているという実態を見てきた身からするとですね、まさにその後押しをすると。
さらに、犯罪から遠い、嫌疑にもならないような前の段階から、何かを問題にすることができると。
その知ることができないブラックボックスが、さらに拡大するという、そこに、非常に底知れぬ怖さを覚えます




最高裁は先月、警察が、位置情報の収集、GPS捜査を令状なしで行っていたことについて、違法の判決を下した
この最高裁判決から、捜査当局の本質が見えるという。

■弁護士 福田健治氏


「二つ重要な点があって、あそこで違憲と言われるまでは、警察当局、あるいは検察当局は少なくとも、あれは問題ないと考えていた
捜査当局は、あれは合憲的に実施している、という風に考えていた
もうひとつは、しかしそうでありながら、GPS捜査の件については、『秘密にするように』という指示もしていたわけですよね」

■金平茂紀キャスター
「何が一番大きな教訓として、くみ取るべきものだと思いましたか」

■弁護士 福田健治氏


捜査機関というのは、一体どのような監視を行っているのかということについて、嘘をつくというのが、非常に大きな教訓だと思います。
監視というのは、確かに、犯罪捜査のために必要な部分はあるかもしれないと。


ただ、同時にわたしたちは、自分たちのプライバシーを守りたい。
私たちが、監視されずに自由に生きていきたいという状況にあるときに、そのバランスというのは、やはりわたしたちが決めるんだと」

スノーデン氏は、講演の中で、こう呼びかけた。

■エドワード・スノーデン氏


「権利と言うのは、少数派を守るために存在します。
権利は、それぞれの違いを守るために存在します。
プライバシーがなければ、あなたはあなたものではなくなってしまう。




社会があなたを見張り判断し、社会があなたの生き方について口を出します。
プライバシーは、あなたがあなた自身で決め、あなた自身でいられることを保証してくれるもの」


******* ******* ******* *******

最後に、東京新聞がまとめてくださった法案審議のポイントについての表を紹介します。



国会をしっかりと監視し、文句をきっちり伝えていきましょう!
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初めてのザワークラウト作り

2017年04月05日 | ひとりごと
のんちゃんからもらった超ウマのザワークラウトを、とうとう食べ尽くしてしまった。
市販のは酸っぱ過ぎたり、オーガニックなものを選ぶと値段が高かったりで、やっぱ自分で作るっきゃないかと決心して、オーガニックのキャベツとキャラウェイシードを買ってきた。

キャベツは大玉で、計ると2キロもあった。
まずはせっせと千切りして、分量の塩(人の手でお日さまに干した自然塩)を振り、10分ぐらいしてからモミモミ。



一番でっかいボールに2杯、保存容器が間に合わないかもしれないと心配したが、よく揉んでいるうちに程よい嵩になり、ホッと一安心。
うまく収まった。



何しろ初めてなので、うまく発酵してくれるかどうかわからない。
けれども、野菜を刻んでいる間はなーんにも考えないから、心の間に穏やかな空気が充満する。
ただただひたすら、コンコンザクザク刻んでいく。
安倍のことも菅のことも、稲田のことも金田のことも今村のことも、ひとまず忘れてコンコンザクザク。
わたしなんぞ、こうして忘れることができるし、忘れたら自動的に、これまでと変わらない呑気な暮らしに戻ることができる。
でも、いくら野菜を切り刻んでも、何も忘れることができないし、じわじわと、あるいは突然奪われた生活やつながりが、二度と戻ってこない人たちがいる。

******* ******* ******* *******

それにしても、最近の我が家の食卓には、発酵食品がよく登場するようになった。
朝晩の味噌スープ(マグカップ)、納豆、ヨーグルト、そしてザワークラウトなどなど。
よくよく考えてみると、今の夫と一緒に暮らす前までは、味噌以外全部苦手で食べられなかったものばかりだ。
味噌汁は嫌いではなかったけれど、飲むと必ず鼻の奥が熱くなったり重くなったりするので、できるだけ飲むのを控えていた。
今から思うと多分、味噌の中に入っている添加物や麦が、わたしの体質に合わなかったのかもしれない。
今はもう、無農薬大豆と無農薬玄米麹と自然塩だけで作った手前味噌だから、いくらゴクゴク飲んでも大丈夫。
体が芯からポカポカする以外、何も不快なことが無い。
だから、朝の楽しみだったカフェオレの代わりに味噌スープ、夜の楽しみだったワインの代わりに味噌スープ、
今や朝の食事は、玄米あずきご飯と味噌スープが、朝の定番になった。
何歳になっても進化できるんだな、人間ってのは。

ぽんちゃんが五分咲きになった。
明日と明後日は雨。
たっぷり飲んで、どんどん花を咲かせておくれね。

春の夕焼け(キッチンの窓から)。
コメント
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もう怒ってもいい、怒らなくてはいけない!こんな最低の大臣たちに、これ以上国政を任せない!

2017年04月04日 | 日本とわたし
あらあら、早々と、視聴不能になりましたね。
写真にしておいて良かったです。


別のルートで見つけました。これもいつ削除されるかわかりませんが…。


↓以下は、すでに削除されてしまった、『報道ステーション』が編集し報道した動画のキャプチャです。


























































































そしてその後…、





******* ******* ******* *******

ある記者が、原発事故の自主避難者への支援が打ち切りになることについて、今村復興大臣に問い詰めました。
今村大臣は、自主避難者が先日29日に提出した署名の存在について、「知らない」と答えたのです。
さらに、
「国は、帰還についての条件づくり、環境づくりをしてきた」
「住宅支援については、福島県の状況を理解していない国の役人が、対応することはできない」
「実際に帰れない人がいても、それは本人の責任、本人の判断だ」
「国は一応の線引きをして、ルールにのっとって今まで進んできた」
「(気に入らないのなら)裁判でも何でもやればいいじゃないか」


記者が問うていたことは、ごく当たり前の質問でした。
けれども、返ってきた答が、あまりにも無責任で、福島県と避難者に責任を丸投げしている内容だったので、それに対して問い詰める態度も、記者としては至極真っ当なものでした。

「それは大臣ご自身が、福島県の内実、なぜ帰れないのかという実情を、ご存じ無いからでは?それを人のせいにするのは?」

そのことがどうして、無礼だの中傷だの誹謗だのになるのでしょうか?
確かに、人のせい、という言葉は少しおかしいです。
人のせいというより、自分がちゃんと理解できていない、理解しようとも思っていないことを棚に上げ、
本当なら国が持つべきとても重い責任を、事もあろうに被害を受けて困っている市民になすりつけている、という意味ではなかったかと思います。

でも、それにしても、こんな受け取り方しかできない人間が、大臣なんかになっていてはいけないし、ましてや復興大臣なんて以ての外です。
そして、こんな受け取り方がまかり通っている安倍政権そのものが、国会に居着いていてはいけないことなんだと、改めて気づかされました。

支援が打ち切られてしまった自主避難者の方々の、今後の暮らしについて思いを馳せる、なんてまるで無く、「自己責任」だと言い放った復興大臣。
「無責任ではないか」と質問されると、机を叩いて激昂し、「出ていきなさい」と声を荒げる。
なんというみっともなさ。
「裁判でも何でもやればいい」とまで言い切ったこの閣僚を、わたしたちは辞めさせなければなりません。
「責任をもって回答してほしい」と言われて、「無礼だ、撤回しろ」「誹謗中傷だ」と言い返す幼稚さと愚かさに呆れていたら、トドメに「二度と来るな」と恫喝し、「うるさい!」と捨て台詞を吐いてとっとと退室。

こんな男に大臣はもちろん、議員にならせておく必要など何にも無いのです!

さらにこの男は、去年の9月に、こんなことも書かれていました。

******* ******* ******* *******

今村復興相の“怪しい財テク”…要職に就きながら株式売買
【日刊ゲンダイ】2016年9月1日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/188894

現役閣僚に、また“政治とカネ”の問題だ。
今村雅弘復興相(69)が、国交省の要職に就いていたころ、同省と関連のある企業の株式の、売買を繰り返していたという。
29日付の「赤旗」が報じて、わかった。
現在も、1部上場の優良株18銘柄(別表)を保有。
その時価総額(2015年3月時点)は、6000万円超にもなる。


議員が株式を保有してはいけない、という決まりはないが、問題なのは、その銘柄と職務との関連性だ。
今村大臣は、国交政務官や国交委員長などを歴任。
典型的な国交族だ。
現在保有する株の中には、通信インフラ事業などを行う「NDS」など、“国交関連銘柄”が数多く含まれている。

しかも、復興相にもかかわらず、東京電力8000株も保有している。
今村事務所は、本紙に対し、
「株式の保有は、他の閣僚もやっていること。これに関して特にコメントはありません」と回答したが、問題は大ありだ。
政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。

現職の復興大臣が、東京電力の株を持っていること自体、あり得ない話です。
国交委員長など、影響力のあるポストに就きながら、株を売買、保有していたなら、“疑惑”を持たれても仕方がないでしょう。
“今村銘柄”は買い、という話になりかねません」

当の“財テク”大臣は、22日から、検査のため都内の病院に入院していたが、30日から公務に復帰。
一部では“重病説”も流れたが、
「入院は4日間で、入閣前から決まっていたこと。
検査で何か問題が見つかったわけではなく、本人は健康です。
激やせしたのは、4年前に糖尿病を患ったから」(今村事務所)とのこと。

安倍内閣では他にも、時価総額8000万円超の株を持つ塩崎恭久厚労相や、麻生太郎財務相ら、株長者がゴロゴロいる。
これらは、官製相場の上で成り立っていることを、有権者はよ~く覚えておいたほうがいい。


******* ******* ******* *******

避難者を汚染地に引き戻そうとしている復興庁。
その汚染地の管理責任を持つ環境省はどうかというと、



汚染土・「公園」表現避ける 再利用で環境省公開会合
【毎日新聞】2017年3月28日
http://mainichi.jp/articles/20170328/k00/00m/040/094000c

東京電力福島第1原発事故に伴う、除染で出た汚染土を、公園の造成に再利用することを検討していた環境省は27日、
「公園」の表現を避け、「緑地」の造成に使う案を、公開の会合で示した。
環境省は、取材に対し、「緑地に公園も含まれる」と説明したが、公園という表現を避けた理由については、明らかにしなかった。

27日に開いた同省の、「中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略検討会」で、関連資料を配布した。
資料によると、
「多量の再生資材を活用した」土地造成として、土を取った跡などのくぼ地に、汚染土を埋める案を提示。
造成地の利用形態を、「農地、住宅地、工業用地、空港用地、緑地、等」と列記した上で、
「管理主体が明確になっている公共工事等で、人為的な形質変更が想定されない」として、緑地での利用を想定するとした。

汚染土の再利用を巡って、環境省は昨年6月、防潮堤や、道路の盛り土などに使う方針を決めたが、
その後、くぼ地に汚染土を埋めて、土地を造成することを新たに発案。
先月24日の非公開会合「放射線影響安全性評価検討ワーキンググループ」では、造成地の利用方法を、「緑地公園」や「森林」と表現していた。

環境省の神谷洋一参事官は、「ワーキンググループの時と考え方は同じ。表現だけの問題」としたが、
「公園」や「森林」の表現を削除した理由については、明確に答えなかった。【日野行介】



道路の盛り土に使った場合でも、法定の安全基準まで放射能濃度が減るのに、170年かかるとの試算が出ています。
しかも、環境省が出した汚染度の再利用上限値は、なんと8000ベクレルという超高濃度?!です。
管理せずに再利用する場合だって有り得るというのに、なんという暴力でしょうか?

再利用の実証実験を、福島県の南相馬市で行われるそうですが、この実験ですら、同市の反発を受け、3000ベクレル以下の汚染土を使うことになったそうです。
反発は当たり前だし、もちろんそんな実験など、して欲しくも無いだろうと思います。
意味の無い実験で、さらに汚染が広がるのです。

それが今の日本の環境省。

ここまで腐った内閣を放置しておくと、本当にとんでもない未来がやってきますよ。
しっかり怒りましょう!
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春はあけぼの やうやう白くなりゆく山際 少し明かりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる

2017年04月04日 | ひとりごと
5、6日前のことだった。夫が新月だと言うので、外に出てみた。


新月というのは、太陽と同じ方向にある為に、太陽の明るさに隠れ、月が見えない状態のことを言うらしいから、これは新月ではないということになる。
まだちっちゃかった頃、わたしはお月さまは形を変えていける、すごい星なんだと思っていた。
毎日少しずつ太ったり痩せたりしながら、わたしの周りをゆっくり動いていくんだと思っていた。
天文学者から見ると、とんでもなく無知な子どもだったんだけど、今のお月さまよりよっぽどミステリアスで面白かった。

先日の石川真生さんとてい子さんの講演会の夜、のんちゃん&ジャーン夫妻がうちに泊まりに来てくれた。
急な風邪ひきで声がガラガラになった夫の体調を見い見い、それでもやっぱり4人は相性が良いので、ついつい話に花が咲きまくり、楽しい夜を過ごした。
なんだか合うんだな〜わたしたちって。
そういうカップルと出会えたことがとても嬉しい。
車で1時間という、まあ近いとは言えない距離だけど、とても深いところで心から頼れる、そしてなんだって話せる人がいるというのは、なんとも心強くて温かい。

翌日の朝、みんなで散歩に出かけた。

あれほどのドカ雪にもめげず、数日間埋もれていたにもかかわらず、春の訪れを告げる花々が、空に笑顔を振りまいている。








話し込んだり写真を撮ったり、女子は散歩でも忙しい。
だから男子はいつも、こんなふうに待たされるのが仕事。


近所の公園にも春が来た。


バチボール場に人がいて、ゲームを遊んでるところを初めて見た。


ぽんちゃんもほころび始めているではないか!


ももちゃんのツボミも膨らんで来た。


去年からのみどりたち。






野蒜(のびる)が庭のあちこちで、ニョキニョキと育っている。
毎年、ちょびっとだけ摘んで、ちょびっとだけいただいていたけれど、今年はアグレッシブにどんどんいただくことにした。
細かく刻んで冷凍庫に。


朝晩のマグカップ味噌汁が、とっても楽しみになった。
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石川真生さん「沖縄の歴史を学んで、沖縄は小さな島だけど、沖縄人はずっと抵抗し続けてきたと知った」

2017年04月02日 | 日本とわたし
「大琉球写真絵巻」を引っさげて、沖縄人の写真家真生さんがマンハッタンにやって来た。

沖縄人の抵抗を撮る 「大琉球写真絵巻」で歴史描く 石川真生さん(写真家)
【東京新聞】2017年3月4日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/doyou/CK2017030402000240.html



石川真生(まお)さん(63)は、全身で沖縄にぶつかってきた写真家だ。
米軍統治下の沖縄で生まれ育ち、本土復帰の翌々年に写真家になった。
以来43年。
ずっと、沖縄で生きる人たちにこだわってきた。
 
2月下旬、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前。
新基地建設に反対して座り込む、一人の女性を撮影していた。
琉球王国時代から沖縄の歴史を描く「大琉球写真絵巻」を、4年前に始めた。
薩摩藩の琉球侵攻、沖縄戦から、辺野古の埋め立てまで、あらゆる場面を創作写真で表現する。
ストレートな怒りもあれば、風刺の効いたユーモアもあるのが、らしさだ。
 
「安倍政権になってから、いろんなことが動きだした。
なぜこうなったか、歴史をさかのぼろうと思った。
沖縄人の私が人生体験を総動員した、私の沖縄だよ。
安倍政権と米軍に対する、私なりの抵抗さ」
 
撮影のモデルとなった、読谷村(よみたんそん)の保育士城間(しろま)真弓さん(38)に、石川さんのことを尋ねると、
「ウチナーンチュ(沖縄の人)でしか撮れない、沖縄の魂を写してくれる人」と教えてくれた。
 
1971年秋。
米軍基地存続を認めた沖縄返還協定に反対した、10万人デモがあった。
輪の中にいた高校3年の石川さんは、過激派が投げた火炎瓶で、機動隊員が亡くなるのを目撃する。

「どうして沖縄人同士が殺し合うのか」

泣きながら、「沖縄が燃えている」と思った。
そして、「この沖縄を表現したい」と決意した。
1974年、20歳の春、東京で、故東松照明(とうまつしょうめい)さんの教える、写真教室に入った。
 
まずは米兵を撮ろう。
沖縄に戻った後、向かったのは、コザ市(現沖縄市)や金武町(きんちょう)の外国人バーだった。
22歳から約2年、黒人専用の店で働き、いつしか客と恋に落ちながら、同僚の女性たちを、米兵を、撮った。
デビュー写真集『熱き日々inキャンプハンセン!!』(比嘉豊光さんとの共著)には、内側から見つめたからこそ撮れた、若者たちの当たり前の青春がある。
「ミイラ取りがミイラになる直前の、危うさの中で見た人間の、裸形が投げ出されている」。
東松さんは、豊かな人間描写に驚いた。
 
ところが、事件が起こる。
東京のマスコミが、「米兵に体を売る女たち」と、スキャンダルに仕立てた。
偏見だ。
だが、被写体となった一部の女性から抗議があり、「友人を傷つけた」と、石川さんは自分を責めた。
全てのネガを手放し、写真集自体を封印した。
 
2011年の大みそかだった。
大掃除の最中、亡き父がこっそり保管していた大量のプリントが、自宅で見つかった。
「人も歩けば知人にぶち当たるような狭い島で、自由に青春を謳歌(おうか)する彼女たちを、私は大好きだった」という石川さんは、写真を封印した後も、
「なぜ隠さなければいけないのか。黒人だからか。バーの女だからか」と自問していた。
もう存在しないと思っていたプリントの発見を機に、2013年、横浜市内の個展で、約30年ぶりに発表した。
 
「仲良くならないと、良い写真は撮れないさ」という石川さんは、こんなふうに相手の懐に飛び込み、時間をかけてシャッターを切ってきた。
基地に反対の人だけでなく、賛成の人も撮る。
米兵も自衛官も。
作品からは、安易な固定観念を嫌い、自分の目で事実を見きわめようとする誠実さを感じる。
「相手と話すと相手のことが分かって、どんどん仲良くなる。
その過程が私は好きさ。
お互いに影響し合う。
お互いに刺激し合う。
それが人に会うってこと。
その結果、写真になる。
だから写真も楽しいのさ」。

二度のがんを乗り越え、ほとんど休まず撮り続けてきた。
 
その石川さんの肋骨(ろっこつ)に、この2月、新たながんが見つかった。
ステージ4。
昨年から胸に痛みがあった。
特に、大きな一眼レフは負担のはずだ。
だが、「カメラを構える時が一番幸せ。この瞬間は痛みが消える」と、いつもの笑顔を見せるのだ。
「大琉球写真絵巻」は、毎年展覧会を開いてきた。
「撮りながら、沖縄の歴史を学んで、沖縄は小さな島だけど、沖縄人はずっと抵抗し続けてきたと知った。
今年も、秋には展示をやる。
来年も再来年も、撮りたいものはたくさんある」。

石川さんの写真を見れば、沖縄は今も燃えているのが分かる。
信じて待ちたい。 
(森本智之)


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マンハッタン行きの電車のプラットホームが使えないからと、反対側のプラットホームで待たされる。


ギリギリで間に合った。


年の離れた姉妹のような、叔母さんのてい子さん(通訳係)と姪っ子の真生さん。


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この会の紹介文を、もう一度ここに。

沖縄を代表する写真家、石川真生。
1970年代半ば、自らバーガールとして働きながら、基地に近い黒人バーで働く女たちと、時にそのボーイフレンドにもなったGIたちを、生々しく捉えたデビュー作『熱き日々in キャンプハンセン!!』に始まり、
琉球國時代から現在にいたるまでの沖縄の歴史上の場面を、お芝居風に再現し、沖縄が置かれている現状への怒りを、風刺とユーモアたっぷりに表現した、現在進行中のプロジェクト『大琉球写真絵巻』にいたるまで、
被写体やスタイルは変わっても、沖縄が抱える現実に臆することなく真正面から迫り、インパクトあふれる作品にして、発表ごとに話題を呼び、幅広いファンをもつ写真家です。

また、独特の語り口をもつ卓抜なエッセイストであり、鋭い洞察力をもちながら、深い人間愛に満ち、ユーモアあふれるキャラクターで、トークの魅力も満点。

『熱き日々in キャンプハンセン!!』と『大琉球写真絵巻』を見せながら、沖縄を存分に語るこのトーク・イベントには、
アメリカ生活が長く、沖縄県民間大使も務めている、叔母のてい子与那覇トゥーシーもジョイントで登場。
沖縄タイムス紙通信員でもある、これまたパワフルでソウルフルなお人柄。
沖縄の熱い風が吹き荒れそうです。


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ということで、はい、沖縄の熱い風、吹き荒れました!
ほんでもって大いに笑い、涙しました!

この『大琉球写真絵巻』の一枚一枚に込められた、真生さんの気持ち、それは怒りであったり愛であったり悲しみであったり。
彼女は開口一番、こう言ったのです。

「2013年に安倍が復活して、辺野古の新基地建設が再開され、オスプレイが普天間に配備された。
安倍政権と米軍に対する怒りが、この『大琉球写真絵巻』に取り組んだ一番の理由」

辺野古や普天間に関するドキュメントは、世の中にいっぱいある。
だから私は、昔に戻って、歴史を振り返ってみようと思った。
歴史の中にうごめく思想や信条、そういうものを見つめ直して、沖縄を伝えようと思った。
琉球王宮の歴史を、写真で絵巻のように伝えようと思った。


真生さんの言葉を一所懸命に訳して伝えようとする、叔母さんのてい子さん。
そのてい子さんに、「ちゃんと言った?ほんとに?」と、容赦なく問い詰める真生さん。
仲が良い叔母と姪ならではのスピーチに魅了されながら、わたしはまた新たに、沖縄の歴史を学ばせてもらいました。

まず今回のこの写真絵巻のモデルとなった方々は皆、ノーギャラ、衣装は持参、場所の設定や選択を任せられ、名前の公表も良しとする、という条件のもと、引き受けられたそうです。
それもこれも、私の人柄の良さと天才さゆえのことと、胸を張って言い切る真生さん。
それをしっかり英訳するてい子さん。
いいなあ、こういうの。

ではこれから、写真無しの(?)写真の紹介をさせてもらいます。
文章だけでどこまでできるか、わたしの文章や頂いた資料からの抜粋文を元に、想像しながら見ていっていただければと思います。
そしてぜひ、真生さんを応援してください。
『石川真生 大琉球写真絵巻プロジェクト』

写真撮影、プリント制作、展示会場代、その他諸々にとてもお金がかかります。
石川真生を応援しようという方は、ぜひ以下の口座に振込みお願いします。
ただし、お返しに何かプレゼントをする、という事は何もありません。
それでもよろしければ、振込みお願いします。
口座に書かれたカタカナ名だけを公表します。
金額は、展示会終了後に、合計金額を発表します。
パート4の展示会は、今年9月、10月頃を目標にしています。
只今、撮影真っ最中!

振込口座
沖縄銀行 豊見城(とみしろ)支店(店番 207)
普通   1130807
名義   石川真生(イシカワ マオ)


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【大琉球写真絵巻:パート1】

■ 写真絵巻の最初の写真は、平和で穏やかな暮らしが営まれていた、薩摩侵攻(1609年)以前の琉球国時代の一場面です。

『ウミンチュ(漁師)が、魚をいっぱい釣ってきた。(琉球國時代』

漁師の一家に扮した本当の親子3人が、浜辺を横切っています。
父親は、釣った大きな魚を肩に背負い、後ろを歩く母親は、バナナの皮で包んだ魚がいっぱい入ったカゴを頭に乗っけて運んでいます。
その母親の横では、ちっちゃな子どもが波打ち際を歩いていて、なんとも言えないほどに美しい海を背景に、自然の恵みに守られた一家の幸せが、しみじみと伝わってくる作品です。

でも、現実には、この写真の端っこには、辺野古の新基地建設のために設置された、醜いフェンスが張り巡らされていて、真生さんは当初、このフェンスも入れて撮ろうと思ったのだそうです。
けれども、このような権力の暴力支配とは縁の無かった琉球時代の沖縄を、たった一枚の、しかも最初の作品として描こうと思い直し、フェンスを入れずに撮ったのでした。

「母親が頭に掲げているカゴは、やんばるのおじいから借りてきた。
カゴの中には、バナナの皮で包んだ本物の魚をいっぱい入れた。
オールは劇団から借りてきた。
撮影の後、魚は全部夫婦にあげた」と真生さん。

■ 2枚目の写真には、浜辺で刀を構える4人の武士の姿が。

『1609年3月、徳川幕府から『琉球征討』を許された薩摩藩が、3000人の軍勢で琉球に侵略した。
薩摩藩は、奄美群島を次々に制服し、4月には首里城を占拠した。
琉球は降伏し、薩摩藩は幕府から、琉球の支配権を承認され、奄美群島を割譲させ、直轄地とした。
琉球國は、薩摩の支配を受ける一方で、中国との冊封(王の承認)・進貢(中国皇帝に貢ぎ物を捧げる)を続けていた』


この写真には、薩摩藩の武士役が2名、琉球國の武士が2名、計4名の武士が刀を構えています。
でも実際には、沖縄の武士は人を切る必要など無かったために、普段はずっと刀の代わりに扇子を挿していたそうです。
だから、刀を振り回す薩摩の武士には敵うわけもなく、あっという間に制服されてしまったのです。
さて、この武士たちの背後の左端から中央にかけて、辺野古のフェンスがくっきりと写っています。
なぜか?
薩摩藩による支配が始まったこの時から、沖縄はずっと何者かに支配されてきたこと、そして今も米軍によって支配され続けていることを、この写真から伝えたかったのだそうです。
細かいことに、薩摩の武士のちょんまげと琉球国のちょんまげは、形が全く違います。

■ 3枚目の写真は、『琉球処分』の様子です。
明治政府の使いが、左端に直立し、天皇からの命令文を読んでいます。
その横にずらりと並んで座る、4人の琉球國の大臣たちは、一番右端の人を除いて、苦々しい顔でそっぽを向いています。

『1879年3月27日、明治政府の処分官・松田道之が、軍隊や警察など600人を率いて琉球へ。
首里城で、「琉球藩を廃止、沖縄県とする」と不達。
500年に及ぶ琉球國は崩壊し、日本に併合、沖縄県となる。
国王の尚泰は、東京在住を命じられた』


ということで、この写真には、顔が濃いタイプで、しかも演技ができる人が選ばれました。
右端に座った人が着ている衣装のサイズが合わず、座ると膝が割れるので、どうしても下着が見えてしまうので、扇子で隠しています。

琉球藩になった(力づくでならされた)琉球國ですが、国内的には薩摩藩だったそうです。
鎖国の時代だったので、貿易では琉球藩を名乗っていました。
薩摩藩は、琉球藩から物品を安く仕入れ、それらを金を持っているよその藩に売っていました。

■ 4枚目の写真は、民家の屋根に落下したオスプレイ
普天間基地近辺の写真を撮り歩いていた真生さんに、声をかけてきた女性がいました。
「普天間基地なら、うちの家の屋根の上からよく見えるから、そこから撮らない?」

『「落ちる、危険だ」と言われるオスプレイを、米軍普天間飛行場のフェンスに隣接する、民家の屋根に落としてみた。
パイロット役は、演劇集団FECで「お笑い米軍基地」の脚本を担当する小波津正光(こはつまさみつ)さん。
基地の中にオスプレイの格納庫が見える』


この方の家が、まるで基地の中にあるようにも見えるほどの近さです。
騒音の酷さを思うと、言葉がありません。
この劇団は若い人たちにとても人気があるそうです。
自分の家の屋根に、いきなりオスプレイが落ちてきたという設定で、オスプレイのハリボテを持って構えているパイロット役の小波津さんを見て、笑いこそすれ全く驚いた様子ではないおばさん。
真生さんはとうとう諦めて、何十枚もの写真の中から、とりあえず一番笑っていなさそうに見える写真を選んだのだそうです。

■ 5枚目の写真は、記者会見する自民党の石破幹事長(当時)と、5人の沖縄の国会議員たち

『2013年11月、自民党本部。
「米軍普天間飛行場は県外へ」と公約して当選した、沖縄の国会議員5人を従え、辺野古移設で(5人と)合意したと記者会見する石破茂幹事長』


この写真の中の石破氏役の人は、石破氏のマスクを被っています。
そして、国会議員の5人の中の、ただ一人の女性島尻氏も、彼女の顔マスクを被った人が演技をしています。
石破氏の顔マスクは、アマゾンで2000円ちょっとで売っているのだそうです。
島尻氏の顔マスクは買えなかったので、友人が作ってくれたのだそうですが、とてもよくできていると思いました。


【大琉球写真絵巻:パート2】

■ 1枚目の写真は、中学生二人に、「あなたは何人ですか?」と聞いている場面です。

『「あなたは何人ですか?」
1. 日本人 2. アメリカ人 3. 中国人 4. 沖縄人

米軍統治下時代の1950〜1960年代に、全琉球のあちこちの小中学校で、アンケート調査が行われた。
先生たちは生徒たちに、
「あなたたちの祖国は日本ですよ。
日本に帰ったら、平和憲法の下、人権も守られるし、米軍の支配からも解放されます。
日本人だという自覚を持ちましょう」と、盛んに日本人教育をしていた。
それでも『4. 沖縄人』に○をつける生徒が多かったという』


この写真に写っている中学生たちは本当の姉妹で、真生さんが、彼女たちにこの質問をしたところ、一人は日本人、一人は沖縄人と答えたそうです。

■ 2枚目の写真は、1970年12月20日の未明に起こった暴動シーン

『1970年12月20日未明、ゴザ市(現沖縄市)の胡屋付十字路付近(空港のすぐ近く)で、米兵による交通事故が発生。
糸満市で主婦を轢殺した米兵が、軍事裁判で無罪判決が出た直後とあって、事故処理を行っているMP(憲兵)を群衆が取り囲み、
「糸満の二の舞を繰り返すな!」と騒ぎ出した。
MP隊が威嚇発砲したため、米軍統治下で続く人権抑圧に怒る市民感情が一気に爆発し、駐車中のMP車両、および外人車両を横転させ、次々と放火した。
その数82台。
米軍は、カービン銃で武装したMP、約300人を出動させたが、約5000人の群衆と睨み合うなど、騒ぎは朝まで続いた』


真生さんは言います。
1945年の大戦が終わり、沖縄の人々は収容所に押し込められた。
長くて2年の収容後、自分たちが暮らしていた場所に戻ったら、土地はすっかり撤収されてしまっていて、基地に変わっていた。
沖縄の地上戦では、4人に一人の沖縄市民が殺された。
薩摩藩による支配、米軍による支配、沖縄は延々と、支配統治され続けてきた。
その怒りが爆発したこの暴動は、今までとは違い、非常に暴力的なものだった。
私はこの暴動を高く評価している、と。
ライフルは、野鳥ハンターの友人から借りたのだそうです。

■ 3枚目の写真は、2014年の11月に、沖縄県知事に翁長雄志氏が当選した時のものです。

『2014年11月、沖縄県知事に、翁長雄志さんが当選。
喜ぶ稲嶺進名護市長と翁長知事。
負けて悔しがる仲井真弘多知事を、「辺野古の埋め立てを承認しただけで、あなたは立派に役割を果たしましたよ」と慰める安倍晋三首相』

みんなそれぞれ顔マスクを付けていますが、アマゾンから購入できたのは安倍氏のものだけだったのだそうです。
他は友人作。やはりとてもよく似ています。

■ 4枚目の写真は、同じく2014年の12月、翁長知事と共に、米軍基地の新設反対と撤去を訴えた4人の衆議院議員候補全員が当選した時のもの

『2014年12月、翁長雄志知事と共に、「米軍の新基地建設反対!普天間飛行場は県外へ!」と訴え、『オール沖縄』の4人の衆議院議員候補全員が当選。
糸数慶子参議院議員と共に「ばんざーい!」。
対する「辺野古へ移設すべき」と訴えた自民党の候補者4人全員が落選。
だが、すぐに比例区で全員が当選。
ゾンビが復活した』


万歳をしている6人の議員のうち、糸数議員だけが本人。
トレードマークの赤いスーツを着てもらったのだそうです。

■ 5枚目の写真は、米兵との結婚で生まれた人を、ごく一般的な沖縄の住居で撮りたかったという作品

『親富祖愛(おやふそあい)さんは、アメリカの黒人兵と沖縄人の母親の間に生まれた。
夫の大輔さんと共に、本部町営市場で、オリジナル洋品店を営んでいる。
愛さんは、3人目の子どもを妊娠中。
家族全員で、辺野古の新基地建設反対運動の現場へも出かけて行く』


■ 6枚目の写真は、蝶の撮影に夢中な宮城秋乃さんの横で、オスプレイのハリボテをまとったパイロットが立っている場面

宮城さんは、長年に渡り、森の生き物を観察し、記録している女性で、週に5日、昆虫の生態を研究している方です。

『東村高江の森の中、チョウの撮影に夢中な宮城秋乃さん。
頭上をオスプレイが飛んでいる。
森の生き物をずっと観察し、記録している秋乃さんは、オスプレイを含む米軍機の飛行や、ヘリパッド建設に反対だ。
「今でも、建設のために、木々をいっぱい伐採しているので、多くの虫たちが死んでいるのよ」』


■ 7枚目の写真は、辺野古の新基地建設反対の抗議活動をしている人たちに対する、海上保安官による暴力を、島尻議員と安倍首相に受けさせるという皮肉表現です。

『米軍の新基地建設に向け、工事中の海で、抗議船に乗っていた女性が、乗り込んで来た海上保安官に、馬乗りにされる暴行を受けた。
後日、船長の北上田毅さんが、海保に指をひねられる暴行を受けた。
その時の船で、北上田さんが見守る中、海保に馬乗りにされる島尻安伊子参議院議員と、首根っこをつかまれた安倍首相。
暴力団・海保に、二人がやられてみるがいい』


指をねじられた船長の北上田さんは、京都から夫婦で沖縄に移住してきました。
指をねじられ、怪我をしたので訴えましたが、受け取ってもらえなかったそうです。
その船長の船の上で、まさに酷いことばかりをする海保の暴力を、安倍首相と島尻議員に経験させるという、真生さんの皮肉です。

■ 8枚目の写真は、ジュゴンのエサ場でもある美しい沖縄の海に沈められている巨大なコンクリートブロックの下敷きになる安倍首相の姿

『国際的保護動物、ジュゴンのえさ場でもあるきれいな海に、日本政府は、米軍のために、新たな飛行場を、名護市のキャンプ・シュワブ沖に建設するという。
沖縄県知事や名護市長を始め、県民の反対する声を一切無視し、海を埋め立てるための工事が今、連日強行されている。
2トンから45トンの大きなコンクリートブロックを海中に沈めて、珊瑚を破壊しまくっている。
ならば安倍首相よ、お前が珊瑚の代わりにブロックでつぶされてみるがいい。
沖縄人と海の生き物の苦しみを、味わうがいい』


このコンクリートブロックの45トン級のものは、大型トラック2台分の砂利と同じで、建設予定地のボーダーの浮きを止める重りです。
真生さんは当初、安倍首相とオバマ元大統領の二人を、このブロックで潰そうと思ったのだそうです。
でも考えを変え、10人の安倍首相にして、大学生5人、社会人5人に、それぞれ顔マスクをかぶって下敷きになってもらいました。
学生の一人がハイヒールを履いてきて、どうしよう…と思ったのですが、ええい、そのまま履かせて見せてしまえと思ったのだそうです。
この写真は、糸満の海で撮影されました。
安倍首相を押しつぶしている巨大ブロックのハリボテは、高江の人たちが作ってくださったそうです。


【大琉球写真絵巻:パート3】

■ 1枚目の写真は、1945年の沖縄戦での恐怖と苦しみ、そして悲しみが描かれたもの

『1945年6月、沖縄戦。
アメリカ軍に追われ、糸満の摩文仁(まぶに)の海岸まで逃げてきた。
途中、一緒だった肉親を次々に殺され、母親と夢中で、死体の上を走って逃げた。

精神科医、蟻塚亮二(ありずかりょうじ)さんは言う。
「若い頃は、必死で仕事や子育てをやってきた。
高齢になり、生活にゆとりが出てきた頃から、戦争の記憶がよみがえってきた。
お母さんと一緒に、死体の上を走って逃げた。
その死体を踏んだときの感覚が蘇ってきて、足が痛いのは、死体の上を歩いたからだと、自分を責めた女性もいる。
戦争が終わって71年。
戦争トラウマ(心的外傷)に苦しんでいる高齢者が、沖縄は他県に比べて多い。
戦争の犠牲者ですよ。
個人の原因ではなく、戦争によるものだっていうことがわかると、救われる人がもっと増えると思う」』


この写真の中で、死体役の方々の横で走っているのは、中村さん親子。
老人施設で働いている中村さんは、入所されている老人たちから、様々な悲惨な話を聞いていたので、演技に気持ちが入ると言っておられたのだそうです。

その横で、頭を掻きむしるようにして泣き叫んでいるのは、元英語教師の女性で、
撮影の際に、最も悲しかったことを思い出して欲しいとお願いすると、次男が水死した時のことを思い出して演技してくださったのだそうです。

■ 2枚目の写真は、キャンプ・シュワブゲート前で抗議活動をする人たちが、機動隊員の暴力を受けている場面

『名護市の米軍基地、キャンプ・シュワブゲート前で、工事運搬車両を阻止しようとスクラムを組む人々を、機動隊が暴力的に排除している。
参加者は高齢者が多い。
肋骨を折られた人が何人もいる。
元高校教師の宜野座映子さん(左、69歳)は、ボコボコにやられながらも毎日参加していた。
現在は、家族の病のために参加を控えているが、
「何かあったらすぐゲートに駆けつけられるよう、毎日4時半に起きる習慣は続けているのよ」と意気盛んだ』


■ 3枚目の写真は、アメリカの『ベテランズ・フォー・ピース』のメンバーが、辺野古の浜でアピールしている場面

『アメリカの「ベテランズ・フォー・ピース(平和を求める元軍人の会)」のメンバーが、2015年12月、名護市、キャンプ・シュワブゲート前の座り込み闘争の視察、応援にやって来た。
ベテランズの「新たな戦争につながる基地は造らせない」「米兵よ、アメリカへ帰ろう」という呼びかけがある。
沖縄に駐留経験のある3人、78歳のKenさん、39歳のMikeさん、31歳のWillさんが、辺野古の浜でパフォーマンス』


この写真は、彼らが日本を出る前日に、辺野古の浜で撮影されたものです。
時代は違うけれども、沖縄に駐留していた経験がある3人が、「米兵よ、アメリカへ帰ろう」と訴える意味の深さを、しみじみと考えました。

■ 4枚目の写真は、ゆうパックに『普天間飛行場』を詰め込んで、米国元大統領のオバマ氏に、持って帰りなさい!と突っ返す宜野湾市民の姿です。

『ゆうパックに、米軍の『普天間基地』を入れて、アメリカのオバマ大統領に、「アメリカに持って帰りなさい!」と突っ返す、宜野湾市民の喜友名さん一家。
30代半ばの夫妻は、2人の子育て真っ最中だ。
子どものためにも、住宅密集地のど真ん中にあって、世界一危険な飛行場が、一日も早く無条件撤去されることを望んでいる。
「同じ沖縄県内の名護市に、たらい回しするなんてとんでもない!」』


■ 5枚目の写真は、米兵や軍属による強姦被害者を表したもの

『「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」制作の、1945年4月〜2016年5月までの「沖縄・米兵による女性たちへの性犯罪」の年表を前に、共同代表の高里鈴代さん(左)と糸数慶子さん。
「米兵や軍属による強姦被害者の数は、復帰前は記録が無い。
復帰後は129人となっているが、他の犯罪と違って親告罪なので、全てを明らかにしたらそんな数ではない。
被害者は決して悪くない。
ナイフで脅され、時にはめった切りにされる、殺される。
それなのに、被害者も悪いと世間が叩く。
裁判になったら、全てが明らかになると恐れて訴えない。
本当に沈黙させられている。
そんな社会を変えないといけない。
沈黙は実質的に、次の被害者を生み出すことにつながっている。
被害届を出す人を、きちんと支える体制を作らないといけない。
米軍犯罪で最も被害者が多い強姦が、最も小さく見積もられて発表されることによって、71年という長期にわたり、米軍は沖縄に駐留し続けることができている。
日米両政府が、地位協定改正なんて必要がない、という態度を取ることにもつながっている』


真生さんの言葉
「戦争中は、日本もひどいことをした。ほかの戦争を仕掛けた国々も、それぞれひどいことをした。
でも、沖縄では、それが今も続いているんです。
強姦された最年少は、生後9ヶ月の赤ん坊なんです」

■ 6枚目の写真は、昨年の5月に、軍属に殺された20歳の女性の両親が、遺体遺棄現場で泣き叫んでいる場面

『2016年5月、「元米海兵隊員の米軍属による、20歳の女性暴行殺人事件」のニュースが飛び込んできた。
なんてことを!
激しい衝撃を受けた。
大泣きした。
愛する我が子を、無惨に殺された親の無念が、怒りが、真っ直ぐに私の体の中に入ってきた。
この事件は、世間に大きな衝撃を与えた。
犯人は捕まったが、8月19日現在、まだ裁判は開かれていない。
人里離れた山の遺棄現場には、今でも毎日、献花に訪れる人が後を絶たない。
二度とこういう事件があってはならない。
今、沖縄で生きている私たちが止めないと、誰も止める者はいない。
それを肝に銘じたい。
(私の思いを込めて、米軍基地のフェンスのすぐそばを、遺棄現場に見立てて、友人に演じてもらった)』


「いくら作り物でも、一人娘の遺体を、嘆き悲しむ両親の横に置くわけにはいかない」
同じく、一人娘の母親である真生さんは、苦しそうにそう言いました。

殺された女性が遺体となって発見されたのは、恩納村安富祖にある雑木林。
米軍のセントラルトレーニングエリアの一画でした。
遺体は腐敗が進み、すでに白骨化していたそうです。
遺体をトランクの中に入れ、基地の一角に捨てる。
そうすることで、日本の捜査が難航することを知っての上の行動だったと思います。

「治外法権」という不条理な取り決めのために、今回の事件も県民に知らされないまま、闇に葬られかねない危険性がありました。
米軍関係者を保護する日米地位協定が、常に立ちはだかっているからです。
この地位協定によって、米国軍人・軍属が事件や事故を起こしても、被疑者が公務中の場合、捜査権と第1次裁判権は、米軍側にあることから、
県警が仮に、犯人の米軍人を逮捕しても、公務中の事故だったとされれば、検察官は不起訴にせざるを得ないのです。
今回の死体遺棄事件の場合、容疑者は公務外でしたし、住居も基地の外だったので、起訴前でも、米国側が身柄を確保することができず、日本主導の捜査が可能になりました。
でも、本当に理不尽な構造だと思います。
こんなことを、いつまでも続けさせていてはいけないと、強く思います。

■ 最後の写真は、元米海兵隊員で軍属の男による、20歳の女性暴行殺人事件に抗議するメッセージを掲げる、被害者のご両親の姿です。

『元米海兵隊員の米軍属による、20歳の女性暴行殺人事件に抗議する、県民大会に届いたメッセージ。
「ご来場の皆さまへ。
米軍人・軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。
なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。
今まで被害に遭った遺族の思いも、同じだと思います。
被害者の無念は、計り知れない悲しみ、苦しみ、怒りとなっていくのです。
それでも、遺族は、安らかに成仏してくれることだけを願っているのです。
次の被害者を出さないためにも、『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』。
県民が一つになれば、可能だと思っています。
県民、名護市民として、強く願っています。
ご来場の皆さまには、心より感謝申し上げます。
平成28年6月19日、娘の父より」』


そしてここから、【大琉球写真絵巻:パート4】に続いていくのですが、真生さんは本当は、即刻入院をしなければならない状態なのです。
でも、この写真絵巻を完成させてからでないと入院できないと、痛みを堪え、次々に襲ってくる困難と闘いながら、作業を続けています。
真生さんは、その名の通り、真に生きる人です。
自身を深く愛し、しっかりと見つめることができる人です。
だからこそ、あの、なんとも言えない優しさが、つっけんどんな口調から滲み出てくるのだと思います。
そしてまた、人を愛し、受け入れられるんだと思います。
だから人から愛され、受け入れられるんだと思います。

ステージ4という厳しい状況の癌に加え、二度の癌治療で腸を全摘した真生さんは、一言で言えば満身創痍の状態です。
でも、そんなことは忘れたとばかりに、そこが私の天才たる所以、というセリフをあちこちに散りばめながら、
わたしたちに『真生さんの目と心が見た沖縄』を、たっぷりと見せてくれた真生さん。

「安倍政権になってから、いろんなことが動きだした。
なぜこうなったか、歴史をさかのぼろうと思った。
沖縄人の私が人生体験を総動員した、私の沖縄だよ。
安倍政権と米軍に対する、私なりの抵抗さ」


真生さん、来年も、再来年も、そのまた再来年も、撮りたいものをいっぱい、真生さんが撮りたいだけ撮ってください。

「ウチナーンチュ(沖縄の人)でしか撮れない、沖縄の魂を写してくれる人」

わたしもそう思います、心から。











一番左端が、若かりし頃の真生さん。


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真生さんのお話が終わり、次にてい子さんが、武の舞を披露してくださいました。

武の舞とは:
1. 「シンカヌチャー」 (諸君よ):
歌は、特に若者たちへ、遠くへ旅発ち《寛大な世界観を抱け》と勇気づける内容です。

2. 扇の型踊り「不死鳥の羽ばたき」:
408年前、1609年に、琉球は日本に侵略され, 現在も統制されています。
島独特の芸能文化, 特に空手の修業、刀などの武器を身に付ける事などが禁止されました。
しかし,、武道者は、森や墓地に隠れて修業を続けました。
美しい扇は、剣、鎌、楷、ヌンチャク等の、古武道の見せかけのシンボルです。
破滅しても復帰する不死鳥の様に、琉球・ウチナーの不屈な魂を、「龍と不死鳥」の舞で表現されます。













てい子さん(てい子与那覇・トゥーシー):
沖縄生まれ。
第二次世界大戦体験者。
沖縄在モーニングスター英字新聞者勤務。
1964年、国際結婚で渡米。
1968年に、ベトナムから帰還してきた直後の夫が、枯葉剤の影響で毎年入院し、1978年に死去。
当時、3人の子どもたちは、11、13、14歳、てい子は37歳。
その後、母子4人で空手道場へ入門。
同じ頃、琉球音楽に合わせた空手踊り『武の舞』の振り付けと演舞を始め、武道とともに現在も続ける。
2004年まで、ニュージャージー州精神保健福祉センターで、精神疾患の児童・青少年対象のケース・マネジャーなどとして、25年間、福祉員を務める。
元ニューヨーク沖縄県人会会長。2006年以来、沖縄県の任命による、民間大使。
1992年から、沖縄タイムス社の海外通信員。
現在、同時にエッセイ「てい子トゥーシーのユンタクハンタク」を連載中。


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講演が終わり、歩美ちゃん、のんちゃん、金魚さん、ジャーン、そしてわたしが、真生さんにさよならを言いに行きました。


ピンボケになったけど、真生さんの、それはそれはあったかな笑顔に、心がぐらりと揺れました。
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