ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

『ツキがまわってきた』『安保法も集団的自衛権もやっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』by安倍

2017年04月24日 | 日本とわたし
週刊現代(5月6・13日号)に、こんなことが書かれていました。
 
北朝鮮情勢が緊迫してきてから、安倍さんはすっかり元気になった。
『ツキがまわってきた』と側近たちに話している。
『安保法も集団的自衛権もやっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』とも言っていた」
(官邸スタッフ)


それを読んで、胸がムカムカすると同時に、同時テロが起きてからイラク戦争に突入するまでの、テレビ画面を思い出しました。
毎朝毎晩、画面の右端に、危機アラートという温度計のようなものが提示されていて、黄色、オレンジ色、赤色と、危険が迫るにつれて、黒色の太い線が上がったり下がったりするのですが、
そんなものを毎日観ながら暮らしているうちに、赤に近づいたときに限って、何か誤魔化したいものがあるのではないかという疑問を、多くの市民が持つようになりました。
そうなってからは、誰ももう真剣に考えることがなくなり、無視するか、いい加減にしろ!と怒ったりしていました。

そしてこれ↓



「地面に伏せて頭を守って」 日本政府が北朝鮮ミサイル着弾への対処法を発表
【Sputnik News】2017年4月21日
https://jp.sputniknews.com/japan/201704213561028/

日本政府は、朝鮮民主主義人民共和国をめぐる情勢が緊迫化していることを受けて、
弾道ミサイルが、日本国内に落下した場合を想定した、対処方法を公表した。

内閣官房と総務省消防庁は、共催で、都道府県の担当者およそ70人を集めた説明会を開催。
着弾の恐れがある際は、全国瞬時警報システム(Jアラート)や防災行政無線、緊急速報メールなどで、情報伝達が行われる。

政府は、屋外にいるときは「できるだけ頑丈な建物や地下街に避難する」などと呼び掛け、
近くに適切な避難場所がないときは「物陰に身を隠すか、地面に伏せ頭部を守」り、
屋内にいる場合は「できれば窓のない部屋へ移動する」と説明している。


******* ******* ******* *******

「物陰に身を隠すか、地面に伏せ頭部を守る」って…。
日本ぐらいのものですよね、弾道ミサイルの落下と地震が起こったときの逃げ方が、ほぼ同じなのは。
ミサイルだ〜ミサイルだ〜ミサイルだ〜と、己の外交努力の怠慢さを棚に上げ、ひたすら危険を煽るだけの政府。
こんなものを出すぐらいに危機的な状況なのに、行くんでしょ?外遊。
みんなの税金をごっそり使って。

本来ならば、官邸にこもって、事態が穏便に収まるまで、対話なり交渉なりに、全力で取り組むべきなのじゃないのですか?
そして、宗主国アメリカに対して、屹然とした態度で、極東の国々の和平と発展のために尽くす国としての誇りを持って、戦争を煽るのはもうやめなさいと、叱らなければならないのではないですか?

アメリカは、戦争を煽り、ふっかけ、スウィッチを押すだけの爆弾を空から落とし、人の命や町や自然を破壊するだけして、瓦礫の山になった町の復興でまた儲けます。
アメリカ市民の頭の上から、恐ろしい爆弾が落ちてくることはありません。
だから、どれほど戦争で人殺しをしても、そのことで実際に、自分の身に何か取り返しのつかないことが起こる心配は無いのです。

でも、日本は違います。
原発という、自らが大変な被害をもたらす起爆剤を有する核施設が、領土をぐるりと囲んでいます。
政府はまず、こんなチラシを撒き散らす前に、全ての原発を止め、燃料を冷やす必要があります。
市民にはそのことを、今すぐにでもせよと、強く命令する権利があります。

防衛大臣はもちろん、安倍総理は、外遊する暇があるのなら、まず北朝鮮との対話を最優先させて、米国との緊張を和らげるための努力をするべきだと思います。

安倍首相は何かというと、最高だの高度だのと、偉そうに言葉だけは立派ですが、
警戒監視体制がどんなもので、どういうふうに働き、どんな指示がどのように国民に伝えられるのか、具体的な説明は全くありません。
原発同様、シビアアクシデントの際は、地方自治体に丸投げなのです。

あんたが「日本として毅然と対応していく」と語ったからといって、一体何がどう変わるのですか?
ミサイルが飛んでくるのに対して、日本として毅然に対応していくというのは、どういうことなんです?

記者は向こうが言うこと、することを、ただただ垂れ流しする記事を書くのはやめなさいよ。
もっと市民の側に立って、市民が見ている景色を見て、感じて、考えて書いてくださいよ。

今や一国の首相が、
『ツキがまわってきた』
『安保法も集団的自衛権もやっておいてよかっただろ。シナリオ通りだよ』

などと言って、ミサイル攻撃の可能性を得た途端、元気を回復しているのですよ。
いくらなんでも酷すぎるんじゃないですか?
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『Earth Day』と『ともだち』と『お味噌作り』と

2017年04月23日 | ひとりごと
裏庭続きのカーラの家の、ぼたんちゃんが満開を迎えた。


お天気の良い日は、自由に出入りできるようになった空と海は、外遊びを満喫している。

リスを追っかけて、木に逃げられた後の空。




瞑想中の海。


チータのような美しい疾走を見せるかと思えば、ダボダボお腹をさらけ出したりもする。


一昨日の夜に、のんちゃんから、彼女が野菜を購入しているオーガニック農園の"Earth Day Festival"に来て!と、お誘いがあった。
普段から、ボランティアで農園を手伝っている彼女は、この催しのための準備もしっかり手伝っていて、ここ数日はすごく忙しかったらしい。

もちろん行くよ!と、即答したかったのだけど、一つだけ問題があった。

『みんなでお味噌会』(勝手に命名)のみんな、ごめんっ!!
実は、『みんなで〜』のチャンスが待てなくて、『じぶんで〜』を決行しちゃったのだ!!
前回のお味噌作りの際に余った麹を買い取ってあったので、その麹の分量に合う大豆を買った。
といっても、かれこれ8ヶ月もの間、地下室に置きっ放しにしていた麹だから、大丈夫なのかどうかは自信が無いのだけど…。
でも、お味噌があと半年以上もつとは思えないし、そうかといって市販のものは買いたくないし、朝晩のお味噌カップスープが飲めなんて耐えられない。
う〜んう〜んと悩んでいたけど、もう待てない、作ろう!と決心して、分量の豆を水につけちゃってたのだった。
18時間浸け置いて、翌日、土曜日の午後3時ぐらいから豆を炊くという段取りになっていたので、2時間オーバーの5時帰宅ならいいだろうと、行くことにした。


もうちょっとしたら5月だというのに、けっこう寒い。
けれども、なかなかの盛況だった。

のんちゃんたちが作ってくれた、オーガニック野菜で作った超〜美味しいスープや、ビーツサラダのランチが、5ドルで食べられる。




このハチミツやビネガー、それからザワークラウトは絶品!


わたしは、30ドルの野菜セットと卵を2ダース、そしてトマトとアサガオの苗を買った。


料理教室もあり、




お店もあり、






お花の王冠作りや、


鳥の巣箱作りコーナーもあり、


のんちゃんの超オススメの行者ニンニクを売ってるところもあり、


みんなそれぞれに楽しんでいた。

この農園のことを詳しく紹介してくれる女性の王冠がステキ!


グリーンハウスの中。


雨水の再利用システム。わたしもいつか、これに挑戦してみたい。


雨がシブシブと降り始めたが、山々には春の吐息がそこかしこに。




なんと、火踊りが始まった!





雨が強くなってきたので、夫とわたしはのんちゃん&ジャーンの家に寄らせてもらうことに。

まずはこれを見て!と、のんちゃんが見せてくれた、行者ニンニクの赤ちゃん。


先日、子熊ちゃんが渡ってきた、のんちゃんちの敷地にある小川。


農園からのカブラ。


冷えた体にお鍋が嬉しい!


飲んだり食べたり、いろんな楽器でセッションしたりおしゃべりしたり、あっという間に時間が経って(のんちゃんたちといるといつもこうだ)いく。
誰だ?5時には家に着くだろう、なんて言ってたやつは?
でも、いくらなんでももう帰らないと、空と海がお腹を空かせて待っているだろうし、大豆も水に浸かったままだ。
いつもありがとう〜!
楽しかった!


家に着いたのが夜の10時前。
今から作るか作らないか…一瞬迷ったけど、やっぱり作ってしまうことにした。

圧力鍋で20分ほど。湯気でレンズが曇ってしまった。


8ヶ月放っとかれたオーガニックの玄米麹さん。よろしくお願いします。


塩は、前回と同じ、オーガニックのヒマヤラピンクソルト。


塩切りをした麹と潰した大豆を、ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうもんでいく。


う〜ん、ちょっと滑らかさに欠けるような気がするけど、仕方がない、もうこのまま進むっきゃない。
保存用の容器が無いので、スロークッカーを代用。8ヶ月、これを使っての料理はお預け。


使った用具の片付けを終えたら、夜中の3時になっていた。
一人でなんて作れないよ、などと思っていたけど、一人でお味噌もなかなか楽しいもんだな。


生徒の虹心(ここ)ちゃんのママが、わたしにと言って摘んでくれた忘れな草は、こんなにちっちゃいのに、わたしの心をキュッと掴む。
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野党頑張れ!報道してくれ!こんな人たちに、『共謀罪(テロなど準備罪)』なんて法律を決められたくない!

2017年04月23日 | 日本とわたし
アララララァ〜?!
そうだったんですか?!
「テロなんて言ってませんよ、この法律」って…。

これ、テロ等準備罪の取りまとめ役をしている、自民党・法務部会長の古川俊治議員の言葉なんですよ?!

テロ等準備罪の取りまとめ役自民党法務部会長が、「テロなんて言ってない」と言い、


法務副大臣が、「一般人への適用もゼロではない」と言い、

自民党の土屋正忠理事が、衆院規則違反の法務官僚答弁に抗議する民進党議員たちに向かって、「あれはテロ等準備行為じゃねえか!」ヤジを飛ばし、

法務大臣は、まるで説明できないまま、いまだに大臣の地位に居座っている。


こんな政権に、決めさせていいんですか、共謀罪なんてものを。

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↓以下、『そもそも総研』の動画から切り取った写真です。



















うわぁ〜!!!!!



そうだそうだ!!!!!

























******* ******* ******* *******

こんな説明、納得できますか?
テロ等準備罪って名前の法律を取りまとめる役の、自民党法務部の会長が、こんなことを言ってるぐらいだから、

国会の審議中に、それも、衆院規則に違反して答弁に立った法務官僚に抗議した、民進党議員たちに向かって、

「あれは、テロ等準備行為じゃねえか!」

なんてトンデモなヤジが、自民党の土屋正忠理事から飛ばされたわけですね。


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ゆうがたサテライトの放送より
http://www2.uliza.jp/IF/iphone/iPhonePlaylist.m3u8?v=130709-576777&p=785&d=629&n=405&previewflag=0




























民進党が反発し審議は中断となったのですが、左端の下、腕を振る階議員の向こうで、官僚になにやら説得されてる金田のおっさんが、実に情けない…。








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副大臣「一般人も対象」

衆院法務委で本音ポロリ
共謀罪の正体が見えてきた

やっぱり、そういうことか――。
21日、「共謀罪法案」を審議した衆院法務委員会。
安倍政権の“ホンネ”が、次々とあらわになった。

これまで、安倍首相や金田勝年法相は、「一般の人は対象にならない」と強調してきた。
ところが、盛山正仁法務副大臣が、
「一般の人が処罰の対象にならないことはないが、ボリュームは大変限られている」と言ってのけたのだ。

副大臣の事務的なドサクサ答弁だったが、これまでの説明を、百八十度転換する答弁である。
大臣と副大臣の“食い違い”を指摘された金田大臣は、反論不能。
副大臣がホンネを口にしたことに、金田大臣は、“あーあ”という困惑した表情だった。

それだけではなかった。
安倍政権の本音が出たシーンが、もう一つあった。
質問者が、民進党の階猛議員から枝野幸男議員に交代した時のこと。
政府の答弁があまりにヒドイので、委員長の許可を取った上で、2人が少々相談をした。
それを見ていた自民党の土屋正忠理事が、大声でこう叫んだ。

「あれは、テロ等準備行為じゃねえか!」

野党議員2人が話し合っただけで、「共謀罪」に抵触すると、ドーカツした格好だ。

怒った階が、「どういうことだ」と土屋氏の肩に触れると、自民議員が「手を出すな」「暴力だ」と大騒ぎ。
ほとんどチンピラと変わらなかった。

それにしても、2人が集まって話しただけで「共謀罪だ」とは、この法案の実態を表したものなのではないか。

民進党の逢坂誠二理事はこう言う。

人が集まって、何かを相談しただけで、テロ等準備罪のイメージを抱いている人がいるということです。
恐ろしいことです。
与党の本音が出たということでしょう」

安倍政権は、一般人も、「共謀罪」を適用すると認めている。
絶対に阻止しないとダメだ。



共謀罪「一般人も捜査対象」認める 
副大臣 法相答弁と「食い違い」

【東京新聞】2017年4月22日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017042202000138.html



犯罪の合意を処罰する、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法改正案の審議が、21日、衆院法務委員会であり、
適用対象の「組織的犯罪集団」の線引きを巡る質問が、民進党議員から相次いだ。
共謀罪の捜査に関し、盛山正仁法務副大臣は、
「一般の人が対象にならないということはないが、ボリュームは大変限られたものになる」と述べ、一般市民が対象になる可能性を認めた。
 
(土門哲雄、山田祐一郎)
 
同党の逢坂誠二氏が、
「組織的犯罪集団と関わりがない人でも、嫌疑が生じた段階では、捜査の対象となる可能性を否定できないのでは」と質問。

盛山氏は、
「一般の人が調査の対象になることは、大変限られている。
ましてや、刑事訴訟法上の捜査対象になることは、限られている」
と答えた。
 
一方、金田勝年法相は、
「組織的犯罪集団と関わりがあるという、嫌疑がある人を捜査する。
一般の人を捜査するものではない」
と答弁。

逢坂氏は、二人の答弁に食い違いがある、と指摘した。
 
また、同党の枝野幸男氏は、かつてのオウム真理教を例に、
「人を殺しても仕方ないという考えは、信者に共通していたか。一部幹部だけではないか」と追及。

法務省の林真琴刑事局長が、
「犯罪を認識していない人は、組織的犯罪集団の構成員ではない」と答えた。

枝野氏は、
「それを、条文で明確にしないとダメではないか。
(組織の)末端で、よく分かっていない人が、(犯罪の)使い走りをすることもある」
として、
事情を知らない人が、犯罪に利用される可能性を指摘した。
 
同党の山尾志桜里(しおり)氏は、リゾートクラブの会員権販売を巡って、組織的詐欺罪に問われた事案などを挙げ、
会社が、正当な目的と犯罪目的の両方を持つ場合、組織的犯罪集団に当たるかどうか質問した。

林氏が、
「当たらない。目的の主従や数量で判断できるわけではない」と答えたのに対し、

山尾氏は、
「結局、個別具体的に、判断することになるのではないか。
団体の目的を判断するのは捜査機関で、目に見えない目的、内心を処罰することになる」
と懸念を示した。
 
これまで、政府・与党は、組織的犯罪集団の例として、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織、振り込め詐欺集団を挙げてきた。
これに対し、同党の井出庸生氏は、ほかにも例示してほしいと質問。

井野俊郎法務政務官が、
「思い当たったら挙げたい」と答えたため、
「では、右翼や極左暴力集団などは対象になるのか」とただしたのに対し、
林氏は「一概には言えない」と答えた。


******* ******* ******* *******

記事のはじめに紹介させていただいた『そもそも総研』のビデオ(テロ等準備罪の取りまとめ役、自民党法務部会長へのインタビューの前編を、ここに載せておきます。
本当にこの法律がいい加減な態度で作られようとしていることがわかります。





































































一般人への適用、捜査範囲の拡大の危険性も指摘される『テロ等準備罪』。
これまでずっと、数の力を与えられた安倍政権は、強行採決を繰り返してきました。

これもまた、どうせそうだろうよ…と、諦めの気持ちで眺めている人も多いのかもしれません。
いや、もしかしたら、そういうことが今、国会に取り上げられ、けれども審議というには程遠いお粗末な答弁が繰り返されていることを、全く知らない、興味が無い人が多いのかもしれません。

日本は今、本当に瀬戸際に来ています。
今の国会のありさまが、その危機を如実に現していると思います。
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米国『ルートカナル』事情

2017年04月20日 | 米国○○事情
ソメイヨシノが散り、ぽんちゃん桜が散り、どの家の庭にも一本は植わっている日本ハナミズキの花が、ひらりひらりと色づいてくると、
牡丹桜が一斉に、満開を迎える。





通りを散歩するだけで、春の花見が存分に楽しめるだなんて、こちらに引っ越してくるまで全く想像もしていなかった。
知らないことだらけで生きていたんだなあと思う。


さて今日は、ドキドキしながら待っていた、ルートカナルを受けた。
日本では、根幹治療と言われているものだと思う。
右側の上、親知らずの隣の歯が、治療を受けることになった歯だ。
ずっと長い間、何度も強い痛みに襲われたけど、しばらく我慢しているとなんとなく消えていく。
痛みは右側の上だったり下だったり両方だったり、だからいったいどの歯が悪いのか、自分でもわからなくなっていた。

治療の1週間前から、抗生物質を8時間おきに飲まなければならなかったのだが、そういう部類のものを飲み慣れていないからか、体のあちこちに発疹が出た。
前日に夫の鍼治療を受け、気分はすっかりリラックしたものの、支払う金額を考えると、ドド〜ンと落ち込んでしまう。
1550ドル…。
いくら素晴らしい腕のお医者だからって、どうしてこんなにも高いのだろう…。

診察室に入ったものの、つまずいたり咳き込んだり、「緊張してる?」と看護師さんに聞かれて、「めっちゃしてます」と答えたら笑われた。
「ここに来る人はみんなそう。でも、心配しなくても大丈夫だから」と言われても…やっぱり怖い。

先生が入ってきた。
いよいよまな板の鯉だ。もう逃げられない。
まず、これまでの歯の治療状況を調べる。
「この4本のインプラントは特に、とても良い仕事が為されてますね」と、しきりに褒める先生。
上の前歯4本、夫がいつも「セブン、セブン、セブ〜ン♪」とウルトラマンセブンの歌を歌ってからかう、インプラント4姉妹。
「どこでやったの?」と聞かれたので、少しだけ詳しく話をした。

ここにも何度か書いたけど、このインプラントは、わたしが頼んでしてもらったものではない。
2本の前歯の間にできた、ほんとにちっちゃな虫歯の赤ちゃんを削ってもらおうと、評判が良い歯科医院に行ったのは、今から26年前のことだった。
白髪頭の、品の良い老年の歯科医は、「よろしくお願いします」と治療椅子に座ったわたしに、
「前歯の虫歯は直してもまたできるから、思い切ってしっかり治療してしまいましょう」と言った。
わたしは、「『思い切ってしっかり』というのは、どのような治療なのですか?」とも聞かず、すっかりお任せにしてしまった。
麻酔が施され、いきなり前歯の4本が、次々に削られていった。
どうして全然虫歯がない歯を削るんですか?
そう聞きたかったけど、凄まじいドリルの音と、歯科医のマスクに飛び散る血(肉)を見ているうちに、気が遠くなってしまった。
時間にして3時間。
「さあ、やっとこれで仕上げに入れます」と、嬉しそうな声で言いながら、その医師はわたしに手鏡を渡した。
その鏡の中に映った、ネズミの歯のように小さく尖った、血だらけの4本の前歯を見た時の衝撃を、今でもはっきりと覚えている。
なんてことを…。
それからはもう、意識が朦朧としてしまって、金属棒をガンガンと打ち込まれている時は、これは何かのバチなのか?などと思ったりした。

でも今日、ルートカナルの担当医師に「良い仕事だ」と言われ、ずっと忘れてしまっていた彼の言葉が蘇ってきた。
わたしはその時、前夫との協議離婚の真っ只中で、自分としては、4月末日に家を出ようと決心していた。
ずるいとは思ったけれど、無一文で家を出るつもりだったので、虫歯の治療を済ませておこうと歯科医院に出向いたのだった。
だから歯科医には、「事情があって何度も来られないので、今日一日限りでお願いします」と前もって伝えてあった。
それを聞いた彼は、
「じゃあ、全てを今日中にやってしまいます。
だから、責任を持って、2度とここに来なくても良いように、きちんとするから安心してください」
と言ったのだった。
7万円×4本で28万円。
前夫からは、そのことで何度も非難された。
当たり前だ、立場が逆なら、わたしだって文句を言う。
でも、そんなつもりなど全く無かったんだからね。
結局最後まで、信じてもらえなかったけど…。

その26歳の4本のフェイク前歯は、60歳の他の本物歯に比べると、色白でデカい。
そして、疲れがたまると、4本の歯ぐきの辺りがジーンとしびれたりする。
だからずっとあの歯医者には、心の中で文句を言ってきたのだけども、今日からはちょっと、でも良い仕事をしてくれてありがとう、と感謝しようと思う。

今日は初めて、こんなゴムカバーをつけてもらった。
よそ様の歯の写真だけど、参考のためお借りした。(わたしはタオルの代わりにゴーグルを付けた)


見た目は凄まじいけど、このカバーのおかげで、治療中に出る破片や血などが、喉元に飛んで来なくて快適だった。
あと一つ、麻酔の注射がはじめの1本目から、全く痛くなかった…というか、まるで何も感じなかった。なぜだろう…。

これまたよそ様の歯のレントゲン写真だが、3本の根幹を入れてもらったわたしのものとよく似てるので。


そして2週間後にまた、仕上げのクラウン治療が始まる。
これはスペシャリストではなく、普通の歯科医院でやってもらえる。
けれども、これまたすごく高くて12万円。
もうこれは、月々の支払いが少々高くても、歯の保険に入るっきゃないと思う。
歯の保険って、入るだけバカらしいよって言う人もちらほらいるけど、実費払いではとてもじゃないけど暮らしていけない。
これからまだまだ、詰め物の下で静かに深刻になっていく虫歯が、次はおいらだ!とばかりに順番を待っているんだから。

今日は10℃をちょっと超えただけの、肌寒い日。
わたしの財布は、零下10℃だな…。


さて、気分直しに、
去年の8月の末にのんちゃんちで、みんなでワイワイにぎやかに作ったお味噌の、早くも二つ目の容器に手を付け始めた。
これが無くなったらえらいこっちゃ!
これを食べ切ってしまう前に、次のができているようにしないと、味噌汁抜きで当分過ごさなければならなくなってしまう。
朝のコーヒーと夜のワインの代わりに、この手前味噌汁を飲み出してからというもの、美味しくて嬉しくて、もうコレ(具は刻みネギ+たまにアオサ)抜きの食事なんて考えられない!

やっぱりうっすらと膜が張っていた…ちょいとグロテスク。


心配してたカビは膜の中だけで、ペラリとめくるといい感じの味噌が現れた!


今回は、何回も、タマリのような液体がにじみ出てきていたので、大丈夫だろうかと心配していたのだけど、
オーガニックの玄米麹が良かったのか、はたまたオーガニックのヒマラヤ塩が良かったのか、それともみんなの笑いと愛情がこもってたからか、とっても美味しい味噌が出来上がった。

手前味噌、本当にオススメですぞ!!
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共謀罪は「同人誌作ろう」「キノコ狩りしよう」と「相談するだけ」で「中止しても」成立する恐ろしい法律!

2017年04月19日 | 日本とわたし
何が恐ろしいって、こんなろくでなし揃いの閣僚が、共謀罪というような恐ろしい法案を、オリンピックのためだとか言って成立させようとしていることほど恐ろしいものはないと思うのですが、
数の力を与えてしまってからの与党は、強行採決、多数決のオンパレード。
審議なんていうのは名前だけで、お粗末で、意味不明な答弁を堂々と繰り広げ、時には恫喝までやっちゃうという、本当に質の低い国会に成り下がってしまいました。

『前代未聞の事態』

これは、今日のニュースで流れた文言ですが、またか…と思ってしまってはいけないのですが、こう何度も続くと…。

政務官辞任のダメージの中 “共謀罪” 前代未聞の審議開始
【TBS NEWS】2017年4月19日
http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye3032676.htm

採決による賛成多数で、政府参考人の出席を決めたことは、前代未聞の事態

都議選に向けた水面下の動きも活発になる中、国会では、テロ等準備罪を新設する法案の、本格的な審議が始まりました。
一方で、18日に、中川政務官が、女性問題を理由に辞任するなど、安倍政権へのダメージが続いています。
 
「家族がありながら、会社員時代からの知り合いの女性に好意を抱き、その方を深く傷つけてしまい、誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです」(中川俊直 前経産政務官)
 
経済産業大臣政務官を18日に辞任し、女性問題が理由だったことを明らかにした、自民党の中川俊直議員。
 
「長期政権のおごり、ゆるみ、これが政府に出てきている。極めて遺憾なことだと思ってます」
(民進党 笠 浩史 国対委員長代理)
 
野党側の批判に加え、連立政権を組む公明党の山口代表も、強い不満をあらわにしました。
「政府側でたびたび、このようなことが起きるのは、著しく緊張感を欠いていると言わざるを得ません」
(公明党 山口那津男 代表)
 
共謀罪の構成要件を厳しくした、テロ等準備罪を新設する法案の審議に当たり、政府・与党側には、より慎重な態度が求められる中、委員会の運営でも混乱が起きました。
 
「賛成の諸君の起立を求めます。起立多数、よって、そのように決しました」
(衆院法務委 鈴木淳司 委員長)
 
与党側は、「充実した審議のためには、法務省の局長を出席させるべきだ」と主張し、野党側が「必要ない」と反対する中、多数決で決定。
採決による賛成多数で、政府参考人の出席を決めた例はなく、前代未聞の事態に、野党側は強く抗議しました。

 
答弁能力に欠ける法務大臣の発言で、この共謀罪がテロ対策の役に立たないということが、ばれてしまうことを、どれだけ恐れているんですか」
(民進党 山尾志桜里 衆院議員)
 
金田大臣が、やはりまともに答弁できないということを、与党自ら認めたものだと言わざるを得ないと思います」
(共産党 藤野保史 衆院議員)
 
改めて資質を問われた金田法務大臣は・・・、
「私が答弁が不十分だという話がありました。誠意を持ってやって来たのは、その通り。
しかし、いいですか、霞が関の各省が提案した法案であるならば、その実務に詳しい責任者が答弁を重ねるということが非常に重要なんであります」
(金田勝年 法相)
 
19日の審議には、安倍総理も出席し、「テロ対策は喫緊の課題で、法案を早期に成立させる必要がある」と強調したのに対し、
共産党の藤野議員は、「内心の自由を保障した憲法に反する違憲立法だ」と批判。

主張は真っ向から対立しています。


******* ******* ******* *******

なーにが「いいですか」だ!大馬鹿者!   

















この人が、法案の意味など全くわかっていない法務大臣のお助けマン、林真琴刑事局長。


助け舟に乗るまでずっと、慌ててカンニングペーパーを漁り続けたおっさん。


そして何を言ったかというと、







山でキノコを採るだけでテロリスト認定!
共謀罪のトンデモ本質を、金田法相が国会でポロリ、大慌ての安倍は…。

【LITERA】2017年4月18日
http://lite-ra.com/2017/04/post-3086.html

◾️テロと無関係な文化財保護法、種苗法、動物保護違反も共謀罪の対象に

「保安林の木やキノコ、筍を採って売れば、テロ組織の資金源となる(から共謀罪の対象になる)」
 
国会審議が始まった、“天下の悪法”共謀罪だが、昨日17日の国会で、金田勝年法務大臣が、驚くべき答弁を行った。
 
これは、民進党の山尾志桜里議員の質問への回答。
山尾議員は、政府が共謀罪を、
「テロ等準備罪法案」と呼びながら、テロ等準備罪という罪を新設するわけではなく、
処罰対象に、「文化財保護法」「種苗法」「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」など、
テロ対策や犯罪集団とは無関係な法律違反が、数多く含まれている
ことを追及した。
 
これに対し金田法相は、
「テロの集団、組織的犯罪集団について、その資金源になるような犯罪もあるわけです。
だから、組織的犯罪集団が実行計画することが、現実的に想定されるものを、対象犯罪とするなかで、それが対象となっているということだと申し上げておきます」などと答えたのだが、
しかし問題は、山尾議員が、重ねてこんな質問をしたことだった。

「いま、組織犯罪、テロの資金源となる犯罪を入れた、とおっしゃいましたが、
保安林でキノコを採ることも、これテロ対策の資金源ですか?
保安林で、溶岩のかけらを採ることも、テロ対策の資金源ですか?



◾️金田法相が「キノコや筍をとったらテロの資金源になる」

すると金田法相は、当初は質問には直接答えず、
「ひとつひとつ答えることについては、この法案作成に携わった、政府参考人の方もお呼びいただきたい」などと、政府へ責任転嫁するなど、長々とエクスキューズ。
しかし、次第にヤジの声が大きくなると、
「その上でお答えします、いいですか、その上で」として、下を向き、早口でペーパーを読み上げるようにして、こんなことを言い出したのだ。

「保安林の区域内の森林窃盗は、保安林の産物を窃取する罪であります。
組織的犯罪集団が、組織の維持運営に必要な資金を得るために計画することが、現実的に想定されることから、対象犯罪としたものであります。
つまり、森林窃盗の対象となる産物には、立木、竹、キノコ、といった、森林から生育発生される一切が含まれるほか、
森林内の鉱物、その他の土砂、岩石など、無機物産出物も含まれるものと言えるわけであります。
このような森林窃盗の対象となる客体に鑑みた場合、相当の経済的利益を生じる場合もあるから、
組織的犯罪集団が組織の維持運営に、必要な資金を得るために計画することが、現実的に想定されるのであります」

 
テロ集団が、せっせと山でキノコ泥棒!? 

山尾議員もこれには、「国民の常識とはあまりにかけ離れた答弁。これテロ対策なんでしょうか?」と呆れていたが、
しかし、これこそが共謀罪の本質なのだ。
 
つまり、共謀罪の目的とは、権力に批判的な言動をする人々や団体を、取り締まることに他ならない。
だからこそ、政府としては、とにかく、対象を広げられるだけ広げようとしている
のだ。
 
実際、金田法相と山尾議員のやりとりからは、この目的のために、政府が駆使している詐術も明らかになった。
この間、政府は、与党内からも上がった共謀罪反対の声に、処罰対象の犯罪数を、615から277に減らしたとする情報を流してきたが、
山尾議員は、実際には法務省からは、正式なリストも出されていない上、そのカウント方法が“操作されたもの”だと指摘したのだ。

「(今回メディアに掲載された277の)リストと、過去の615の、法務省として責任をもった罪のリストを比較してみました。
そうしたら、カウント方法が違っているんですね。
以前は、例えば電車の往来危険罪と、船舶の往来危険罪、これが、別々に2つの罪としてカウントしています。
今回は、2つまとめて往来危険罪1罪です。
もうひとつ。
以前は、激発物の破裂について、対象となる建造物が性質によってちがうので、3つに分けてカウントされていました。今回は3つをまとめて1つです。
このように、以前と同じカウント方法でフェアに数えたら、300を超えるのではないですか」



◾️処罰対象の数え方のインチキが暴露されるも金田法相は…

そして山尾議員は、過去の共謀罪法案と同様のカウント方法で、機械的に数えると316となる、と指摘し、
その上で金田法相に、277すべての罪名を、自ら確認したかを追及した。
だが、金田法相は、やはり正面からはこれにも答えず、挙句、
「数え方に一定のルールはない」
「(山尾議員から)具体的に277という通告は頂いていない。通告を頂ければ私どももお答えできると」など、今度は山尾議員に責任転嫁をしはじめた
のだ。
実際、山尾議員は、共謀罪の対象犯罪について事前通告を行ったと、質問の中でも何度も繰り返しているにもかかわらず、だ。
 
呆れてものが言えないとはこのことだろう。
しかし、こうした金田法相の無知やデタラメぶりは、すでに想定されていたことだ。
 
金田法相のデタラメ答弁は、これが初めてではない。
1月30日の参院予算員会でも、“ハイジャック目的の航空券予約は、現行法では検挙できない”などと答弁したが、野党の追及でそれが嘘だったことが判明

また、テロ組織が、殺傷力の高い化学薬品による殺人を計画し、薬品の原料の一部を入手する行為について、
「(現在の)判例では、組織的殺人の予備とは言えない」としたが、
野党から「具体的な判例を挙げてほしい」との質問に、
「直接に判例はなく、訂正するが、判例的な考えを申し上げている」という、あまりにお粗末な答弁をし、国会が紛糾した。

さらに共謀罪が過去3回廃案になっていることについても、
「当時の経緯を、突然の質問で承知はしていません」と、平然と言い放つ始末。
 
こうしてまともな答弁ができないことからか、2月6日には、
「(法案については)国会提出後に、法務委員会で議論すべきだ」とする文書を、自らの指示で報道機関に配布、
質問封じと大きな批判を浴び、翌日には謝罪し、撤回する騒動まで巻き起こしている。
さらにその後でも、野党の追及に、
「私の頭脳が対応できなくて、申し訳ありません」などと仰天発言をしたり、「お答えできません」と答弁拒否を連発し、物議を醸した。

 
こんな答弁しかできない、しかも共謀罪の知識すらもたない法務大臣の下で、国民監視法案とも言える共謀罪が、成立しようとしているのだ。


◾️安倍首相は事前通告のない質問をするな、と逆ギレ

だが、それ以上に問題なのは、安倍首相だ。
共謀罪成立に必死の安倍首相は、これまでにもデタラメ答弁を繰り返す、金田法相をかばい続け、自ら代わって答弁に立つことも何度もあったが、今回も同様だった。
 
質問の終盤、安倍首相が、指名されてもいないのにおもむろに立ち上がり、キレ気味に答弁を始めたのだ。
「条約については、本来は外務大臣がお答えするものでありますから、法務大臣に条約について聞かれても答えられない」
「通告のない質問を、次から次へとする。
通告というのはですね、共謀罪について質問する(としながら)、中身についての問い合わせは拒否なんですよ。
国民のみなさんに知っていただきたいと思いますが、どういうご質問をされるんですか、より詳細に教えていただければ、細部にわたって丁寧に質問しますと言っても、それは拒否されてるんです。
ですから、これは法務大臣も、すぐにはお答えできないのは当然だと思いますが。
共謀罪について質問するという通告で、しかし詳細を通告していない。
くわしく説明しますよと言っているのに、拒否された。
ですから、法務大臣も、すぐにはお答えできないのは当然だと思う。
法務委員会でしっかり議論すべきことを、テレビ中継されるからといって質問するのは、どうかという意見もある」

 
だが、「通告のない質問を次から次へと」というが、山尾議員の質問は、いずれも基本的な質問ばかりで、
担当大臣でありながら、通告がないと答えられないほうがおかしい。

それに、共謀罪のような重要法案についての質疑が、テレビ中継でより多くの国民の目にさらされることの、いったい何が悪いのか。
この安倍首相の答弁こそ、いいがかりであり、印象操作だろう。
 
そもそも、これまで嘘の答弁を重ねてきたのは、安倍首相だ。
当初、“東京五輪のテロ対策”などという、耳当たりのいい言葉を全面に出し、共謀罪の必要性を訴えてきたのも、安倍首相だったが、
その後は一転、法案名には、“テロ”の文字さえなく、法案第1条の(目的)には、“テロ対策”の言葉さえ書かれていない。
また、「一般人は対象にならない」と公言していた安倍首相だったが、
その後は、「正当な活動を行っていた団体も、犯罪集団に変わることもある」と前言を翻し、
しかもその、「犯罪集団」の定義も示そうとはしない。

 
こんな嘘と詭弁を弄する総理大臣のもと、共謀罪が強行され、デモや市民団体さえもが、恣意的に「犯罪・テロ集団」として認定・摘発され、
一般市民の思想や言論、自由が奪われる監視社会が、到来しようとしている。
 
何度でも言う。
この法案は、絶対に阻止しなければならない。
(伊勢崎馨)


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枝野議員のツィッターより


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中田晋介さんのツィッターより



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菅野氏が新たな証拠資料を公開した。三宅弁護士が「記録は今からでも作れる」と明言した。応援しよう!

2017年04月17日 | 日本とわたし
「財務省のシステムは、即座にデータが抹消される仕様になってございます」
誰だって嘘だとわかる、子どもでも笑ってしまうような与太話を、延々と答弁してきた佐川理財局長。
それに対し、
「嘘はやめてください」「ちゃんと誠実に答えてください」としか言えないままの野党。

モヤモヤイライラしながら日々が過ぎていくだけで、物事が解決するどころか、有耶無耶なままフェイドアウトしそうな気配が…。

そんな中、重要な、しかも他のどの部署でもない、財務省自身が作成した資料を、菅野氏が公開してくださいました。
詳しい記事の内容は、下記の紫色のタイトルをクリックして読んでください。

佐川理財局長の答弁を完全に崩壊させる新資料が発覚!
【HARBOR BUSINESS Online】2017年4月17日
https://hbol.jp/136814







以下↓に、最初と最後の部分だけ、引用させていただきます。

2月中旬の森友問題発覚以降、誰よりも「名を上げた」人物といえば、財務省の佐川宣寿理財局長ではあるまいか。

もっとも、「名を上げた」と言っても、「知名度」が上がっただけの話であり、
そしてその「知名度」も、「優秀な官僚」としてのそれではなく、「嘘つき男」としての不名誉なそれであるが。

国会で、「関係する書類は全て捨てた」だの、「当時の担当者は目下、病気療養中」だのと、見え透いた嘘をつき続け、答弁が終わるたびに、あのドヤ顔で議場を睥睨する。
あの姿の滑稽さに気づいていないのは、おそらく本人、及び(彼のパワハラによって完全に萎縮してしまっているという“財務省関係者談”)、理財局の面々ぐらいのものだろう。

(中略)ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

『やはり、今回新たに発掘された、「今後の手続きについて」なる資料を、佐川理財局長に突きつける必要があるだろう。
この資料を作成したのは、大阪府私学審議会でも、私学課でも、森友学園でもない。
あくまでも、財務省近畿財務局だ。
紛れもなく、財務省の資料だ。
財務省が、平成26年年末の段階で、土地の定借契約のあり様から売買契約に至るまでの筋道を、完全に示しているではないか。

もう「他人の資料を根拠に指摘されても答えようがない」方式の言い逃れはできまい。
これで完全に、佐川理財局長の嘘は、立証されるのではないだろうか。

ちなみに……。

今、筆者の手元には、段ボール4箱ほどの資料の束がある。
この書類は、この書類の山から見つけた一つにすぎない。
他に資料はまだまだあるだろう。
もう少し丹念に、この資料の束を掘り返してみるとする。
佐川局長は、期待して待っていてほしい』


******* ******* ******* *******

森友学園問題を、決してフェイドアウトになどしてはなりません。
歴代一の戦争好きで外交下手、さらには「女子どもは黙って従え」教団に深く心酔しているような輩が閣僚である政権に、これ以上好き放題させるわけにはいかないからです。

******* ******* ******* *******

そうしてもう一つ、情報公開や公文書管理の法制に長年関わってきた、弁護士の三宅弘氏が、
財務省の答弁を「明確な法律違反だ」と断じ、「記録は今からでも作れる」と明言されたという記事を、同じく【日刊ゲンダイ】が書いてくれました。



三宅弘弁護士 財務省の森友交渉記録は「今からでも作れる」
【日刊ゲンダイ】2017年4月17日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/203451/1

森友学園の国有地格安払い下げを巡る問題は、一向に疑惑が晴れない。
どうして、8億円ものディスカウントが行われたのか。
それが分かれば、真相究明の可能性があるのに、財務省は「交渉記録は廃棄した」と言い張る。
どうにも腑に落ちないのだが、情報公開や公文書管理の法制に長年関わってきた、弁護士の三宅弘氏は、
財務省の答弁を「明確な法律違反だ」と断じ、「記録は今からでも作れる」と明言する。
どういうことなのか。

■ 明確な法律違反、最低5年は保存が必要

――森友学園の問題では、財務省が、「交渉記録を廃棄した」と答弁していることが、疑惑を深める要因になっています。
本当に記録はないと思いますか?

三宅弘氏:
いえ、極めて怪しいと思っています。
記録は、個人のメモとして残っているはずです。
なぜそう言えるかというと、3・11(東日本大震災)後に、政府の災害対策本部と原子力災害対策本部が、約1年間議事録を作っていなかったことが、大問題になりました。
結局、個人のメモをベースに、議事録を作成したのですが、私はその検証業務に関わったのです。
財務省の交渉記録は、個人のメモを集めれば、今からでも作れます。
「報告書として出せ」と指示するのが、本来の政府のあるべき姿だと思います。



――安倍首相がらみの案件なので、官邸は動きませんよね。
それで財務省も、交渉記録の文書が「ない」と言い張っている。

三宅弘氏:
まさに忖度でしょう。
交渉の中身が分かると、危ういことがいろいろ出てくるのではないかという計らいで、
財務省行政文書管理規則で、保存期間「1年未満」の文書だと決めつけて、廃棄した
ということでしょうか。
あとは知らぬ存ぜぬです。
しかし、この財務省の解釈に、誰も異論を唱えないところに、一番の問題がある。


――「1年未満」という財務省の解釈は、間違っている?

三宅弘氏:
そうです。
私は、公文書管理法の制定過程に関わっているのですが、
4条に「当該行政機関における経緯も含めた、意思決定に至る過程の文書を残す」という条項が入ったんです。
この趣旨にのっとれば、8億円もの値下げという売買契約の経緯を、財務省と国土交通省は、記録として残さなければならない。
1年未満の文書だから廃棄できる、というような解釈には、決してなりません


――法律を守っていれば、保存されていないとおかしい、ということですね。

三宅弘氏: 
公文書管理法10条1項に基づく「行政文書の管理に関するガイドライン」の別表を、再度読み直してみたのです。
そうしたら、「15. 予算及び決算に関する事項」に、
「歳入、及び歳出の決算報告書に関する、決算書の作製その他決算に関する重要な経緯」の中で、
会計検査院に提出すべき計算書、及び証拠書類というのは、保存年限5年とされているのです。
契約書に添付された資料などは、最長の30年保存という解釈もありうる。
つまり、最低でも、5年は保存しなければいけない文書なのです。


理財局長はクビが飛んでもおかしくない

――財務省行政文書管理規則では、国の「行政文書ガイドライン」に従って、文書の保存期間を1年、3年、10年、30年と決めている。
土地売買交渉の経緯は、そのいずれにも当てはまらないということで、「1年未満」とされた。

三宅弘氏:
「行政文書ガイドライン」の別表第1備考五というのがあって、財務省の行政文書管理規則にも、同じ文言が入っているのですが、
「本表が適用されない行政文書については、文書管理者は、本表の規定を参酌し、当該文書管理者が所掌する事務、及び事業の性質、内容等に応じた保存期間基準を定めるものとする」と義務づけられている。
これを根拠として、仮に財務省が、一般に売買契約の交渉過程を、「1年未満」という取り扱いにしていたとしても、
今回のケースは、8億円もの大幅値下げをしているため、会計検査院がチェックする文書になることは明らかです。
やはり、前述のように、最低5年は保存が必要で、1年未満にしてはいけないと、判断しなければならなかった。
実際に、安倍首相も、国会で「会計検査院がしっかり審査すべきだ」と発言していますしね。



――財務省は恣意的に、「1年未満」と解釈した可能性がありますね。

三宅弘氏:
財務省は、ガイドラインの別表に入らない文書だと、決めつけたわけです。
しかし、備考欄に、重要度に応じて対応しなければならないと書いてある。
もちろん、1年未満の文書についてもです。
最初から、文書を残そうという腹がないから、とにかく1年未満のものは全部消せる、と解釈している。
明らかに意図的な解釈でおかしい。
こんな解釈がまかり通ったら、日本の公文書管理は、メチャクチャになってしまいます。



――財務省のやっていることは、法律違反ですね。

三宅弘氏: 
交渉記録の廃棄を、もし故意にやっていたら、刑法の公用文書等毀棄罪に該当します。
故意ではないとしても、保存義務について、裁量権を乱用しているということで、明らかに公文書管理法違反です。
国有財産の処分は、税金の使い道という広い意味でいえば、「国民共有の知的資源」に対して、我々国民に知る権利がある。
それに対して、説明責任を果たすというのが、公務員のあるべき姿
です。
国会で「1年未満の文書ですからありません」とシャーシャーと言ってのけるのは、驕りですよ。
謙虚さが足りません。
対応を誤ると、理財局長は、クビが飛んでもおかしくないような、最重要の問題です。


――「文書はない」で終わらせては絶対にいけない、ということですね。

三宅弘氏: 
財務省が「ない」と言っていることについて、安倍首相が、国会で、「ないことを証明するのは悪魔の証明だ」と言っていましたが、
自分たちの法律上の保存義務違反を棚に上げて、あんな場面で「悪魔の証明」を使うのは、いかがなものか
そもそも、この公文書管理法は、麻生首相(現財務大臣)の時に作った法律ですよ。
皆さん、国会で笑っているしねえ。


――公文書管理法は2009年の施行。麻生さんの前の、福田康夫元首相が熱心だった。

三宅弘氏: 
福田さんが、なんとしても成立させるんだって頑張って、くだんの4条(意思形成過程を残す)が入ったのです。
これはすごく大事で、集団的自衛権の行使を認める閣議決定時に、内閣法制局が「意見なし」とした件で、その経緯に関わる意思決定文書を、法制局長官は「ない」とした。
しかし、情報公開・個人情報保護審査会は、次長レベルで上がってきた想定問答を、「意思決定の経緯を残すもの」だとして、公文書だと答申したのです。
こうした経過を知っていれば、首相は、「悪魔の証明」なんて言えないはずです。


■ メールも転送すれば“公文書”

――そうなると、「意思決定の過程」を公文書とする際に、「個人のメモ」の範囲が、重要になってきます。
メールはどこまで含まれるのか。
どう考えますか?

三宅弘氏: 
情報公開法では、「組織として共有しているもの」は、公開の対象です。
「決裁供覧」の印を押すだけじゃなく、会議でみんなに配ったら、「組織共用」なんです。
公文書管理法を作る際には、紙だけでなく、電子データも対象になった。
当時、米国では、オバマ大統領のツイッターも、情報公開の対象だという運用をしていて、
日本でも、鳩山首相がツイッターを始めて、ツイッターデータも公文書管理法の対象になった。
今は、何でもパソコンでデータを打つ。
それをメールで転送すれば、「組織共用」になります。
ですから、森友の問題でも、「私的メモだから」という言い訳は、通用しません。
メールのやりとりも、組織共用であるという運用を、はっきりと一般化する必要がある、と思います。


――今の時代、公務員のメールは、全て公文書であると考えるべきだ、ということですね。
「私的メモ」などほとんどない。

三宅弘氏: 
役人は、今でも「紙の決裁文書だけ残せばいい」という発想で、それ以外のデータを消そうとする。
その最たるものが、防衛省です。
防衛省は、とにかく出版物にしたり、紙にしたりしたら、直ちに電子データを消すというルール。
だから、「日報」問題で、情報公開請求に対して、「文書不存在」と回答した。
しかし、こんな前近代的な発想で文書管理していたら、即座にデータを集めて、何かインテリジェンスをやらなければならない場面で、全く対応できないじゃないですか。
防衛が成り立たなくなってしまう
国として問題です。


(聞き手=本紙・小塚かおる)

▽三宅宏(みやけ・ひろし) 
1953年、福井県生まれ。
1978年、東大法卒。
1983年、弁護士登録。
1993年、筑波大修士課程経営・政策科学研究科修了(法学修士)。
BPO放送人権委員会委員長、総務省・行政機関等個人情報保護法制研究会委員、情報公開クリアリングハウス理事、日弁連副会長などを歴任。
独協大特任教授。


******* ******* ******* *******

*おまけ*

LITERAの記事から引用します。
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-384503/

森友学園問題で、「すべての記録書類を廃棄した」と言い張るなど、人を食った答弁を繰り返している佐川局長だが、さすがにこれは聞き捨てならない。
大事な文書が消えてしまわないよう、パソコンの自動バックアップシステムがあるのは分かるが、
短時間で、データが自動的に消去されるシステムなんて、聞いたことがない。

いつから導入され、どのくらいの予算がついたのか。
そのシステムは、どこの会社が開発したのか。


ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう言う。

「文書が自動的に消去されるシステムをつくることは、理論的には可能ですが、手間がかかる上に、メンテナンスも大変で、割に合わない。
ソフトウエアを開発するメリットも、導入する意義もないように思います。
さらには、復元不可能なシステムとなると、情報公開請求があった時に、黒塗りの文書さえ出せないということですから、
そんないい加減なシステムを、行政機関が採用するとは思えません。
むしろ、役所としては、サーバーのデータが飛んでも復元できるように、定期バックアップを取っておくのが普通でしょう。
佐川局長の答弁は、民間のIT知識のレベルをナメきって、適当な答弁でゴマカそうとしているように感じます。
意図的に消さない限り、データは、何らかの形で残っているはずです」
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「国民の命と財産を守る」などと戯言を言う暇があったら、戦争に巻き込まれないための外交をしろ!

2017年04月17日 | 日本とわたし
『森友学園問題で、「政府の説明が不十分だと答えた人が約8割に達した」という、世論調査の結果を引き合いにした野党の質問に、
安倍晋三首相は、「誠実に答弁している」と答えたあと、こう付け加えた。

ちなみに、内閣支持率は53%でした」』


↑これは、『NEWS ポストセブン』の記事の冒頭部分です。

この男が露骨にスリスリと擦り寄っているトランプ氏。
今や軍産複合体にすっかり取り込まれ、『全ての爆弾の母』などという悍ましい爆弾をアフガニスタンに落とし、北朝鮮に脅しをかけたり、
全く事態の調査も解明も無いままに、巡航ミサイルを59発も発射させ、アジアの国々を戦争に巻き込む準備を着々と進めたりと、
あれだけ大声でがなり立てていた公約『アメリカ・ファースト』や『軍事行動を減らしていく』をすっかり放り出してしまいました。
大統領選でのトランプ氏は、シリアに介入しない方針を一貫して主張していました。
さらに、「IS打倒のために、ロシアやアサド政権との連携を模索する」とも語っていたのです。
彼はその気でいたのかもしれませんが、政治的な判断や行動に長けているわけでもなく、だからどこまで考えていることを実際に行えるのかと様子を見ていましたが、本当に残念な事態になってきました。

でも、そのアメリカの非道な軍事行為が、肝心なところが一切解明されていないままの『森友学園問題』の沈静化に、一役買っているのです。

日本が誇る世界一の無責任男・安倍晋三に、「国民の命を守る」と豪語されても、一体どうやったら信じることができるのでしょうか?



戦争危機に「国民の命を守る」と高揚 安倍首相の危うさ
【日刊ゲンダイ】2017年4月12日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/203382

このまま行ったら、火遊びでは済まなくなるのではないか。
米国と北朝鮮の対立が、抜き差しならなくなってきた。

11日も、トランプ大統領は、ツイッターで、
「北朝鮮は面倒を起こそうとしている。
中国が決断しなければ、われわれは独力で問題を解決する」と、
北朝鮮への武力行使を躊躇しないことを、重ねて強調している。

すでに米国は、世界最大の原子力空母「カール・ビンソン」を、朝鮮半島へ派遣。
寄港地のシンガポールから豪州へ向かっていたのを、わざわざ行き先を変更させている。
到着する15日以降、いつでも北朝鮮を総攻撃できる態勢が整う。

ヤバイのは、トランプ大統領が、「空爆」に味をしめていることだ。
米国国民の51%が、化学兵器を使用したシリアを電撃空爆したことを、「支持」していることに気をよくし、
核開発を続ける北朝鮮の「空爆」も、支持率アップにつながると思い込んでいるという。

ターゲットにされた北朝鮮も、「あす核戦争が起きても恐れない」と、一歩も引く気がない。
チキンレースになっている。
本当に、米国は空爆に踏み切るのか。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏は、こう言う。



「常識的に考えて、米軍が先制攻撃をすることはないでしょう。
心配なのは、北朝鮮が暴発するように、わざと米国が挑発しているふしがあることです。
大規模な米韓合同軍事演習を実施しただけでなく、無人機を飛ばし、カール・ビンソンまで派遣している。
北朝鮮をどんどん追い詰めている。
窮鼠となった北朝鮮が、“核実験”や“長距離弾道ミサイル発射”を強行したら、
トランプ大統領は、『北朝鮮はレッドラインを越えた』と、空爆するつもりなのではないか。
というのも、米国にとって戦争は、軍事産業を潤わせる公共事業だからです。
戦争を必要としている米国は、北朝鮮に罠を仕掛けている可能性があります。
罠とも知らず、北朝鮮は妥協する気配がないから、非常に心配です



■ノドン300発で東京も火の海

米国が北朝鮮を空爆したら、どうなるのか。
シリアへの空爆は、1日だけの限定的なものに終わったが、平壌を空爆したら、局地戦では済まない。
全面戦争に突入する可能性が高い。

安倍政権は、危機感のカケラもないが、日本も巻き込まれる恐れが強い。
北朝鮮が、「在日米軍」を攻撃のターゲットにするのは、確実だからだ。
その時、北朝鮮の恐ろしさを、思い知らされることになりかねない。

「一発でもミサイルを撃ち込まれたら、北朝鮮は百パーセント反撃してくるはずです。
33歳と若い金正恩は、少しでも弱気なところを見せたら政権がもたない。
『先制攻撃は米国の専売特許ではない』と公言しているだけに、撃たれる前に撃ってくる可能性も捨てきれない。
標的は、在韓米軍と在日米軍です。
冷静に考えれば、米国を相手に勝てるはずがありませんが、北朝鮮は『ベトナムも米国に勝った』『われわれも負けない』と、半ば本気で思っている。
実際、100万人の兵士を抱える北朝鮮の軍事力は、決して低くない。
ある米軍幹部は、『北朝鮮の軍事力は、世界4位だ』と評している。
もし、トランプ大統領が、『北朝鮮はガツンと一発攻撃すればおとなしくなる』と考えているとしたら危険です」(コリア・レポート編集長の辺真一氏)

北朝鮮は、軍事境界線に、500門の長距離砲を展開し、砲門を開けば、1時間で、ソウルに7000発が着弾する。
1994年の「北朝鮮危機」の時、韓国がシミュレーションしたら、北朝鮮の攻撃によって、韓国軍49万人、民間人100万人が犠牲になるという、衝撃的な結果が出たという。

日本を射程に収める、中距離弾道ミサイル「ノドン」は、300発実戦配備されている。
発射から着弾まで「7~10分」とされ、仮に発射を知り得たとしても、避難する余裕はない。
東京も、“火の海”になるのは避けられない。


なぜ、トランプにブレーキをかけない

このまま米国と北朝鮮のチキンレースが続いたら、恐ろしいことになる。
日本が巻き込まれる事態だけは、絶対に避けなければダメだ。

北朝鮮は、故金日成主席の誕生日である4月15日にも、「核実験」を強行し、米軍は、早ければ「新月」である4月26日にも、空爆を断行する可能性があると囁かれている。

なのに、安倍首相は、危機が迫っているのに、トランプ大統領にブレーキをかけず、
菅官房長官は、
「米国が、すべての選択肢がテーブルの上にあるとの姿勢を示していることを評価する」とコメントしているのだから、どうかしている。

「安倍首相は、米国と歩調を合わせていれば間違いない、と信じているようですが、
たとえ同盟国でも、こと北朝鮮問題については、米国と日本は、立場が大きく違います。
北朝鮮にとって、日本は射程圏内ですが、米国本土にはミサイルが届かないからです。
朝鮮半島の有事は、日本が直接被害を受ける可能性がなかった、アフガン戦争やイラク戦争とはまったく話が違う。
日本のトップとして、米国と対立してでも、『朝鮮半島で危機を起こさないで欲しい』と、トランプ大統領に直談判するのが当たり前です。
なのに、北朝鮮で危機が起きた方が、支持率がアップすると思っているのか、米国と一緒になって北朝鮮を挑発しているのだから信じられない。
安倍首相は、戦争に対するリアリティーが欠如しているとしか思えません」(孫崎享氏=前出)

戦争の危険が目の前に迫っているのに、なにがうれしいのか、「いかなる事態でも国民の生活を守り抜く」と、やけに高揚している安倍首相は、マトモじゃない。


■隣国から総スカンの最悪

それにしても、ならず者国家への対応を誤ったら、戦争になりかねないこの状況で、安倍首相が国のトップとは、最悪のタイミングである。
戦争を回避できるかどうか、国民に被害を与えないで済むかどうか、最後はトップの外交手腕にかかっているからだ。
ほとんどの戦争は、外交が失敗した結果、起きている。

北朝鮮問題のカギを握っているのは、米国、中国、韓国、そして当事者の北朝鮮です。
戦争を回避するためには、米国と北朝鮮に、自制を促すことが第一です。
ところが、安倍首相は、北朝鮮から敵視されて、パイプすらない
だったら、同盟国である米国に、強く自制を促すしかないが、トランプ大統領には文句一つ言えない
さらに、中国、韓国からも嫌われている
なにか外交的な動きをしようとしても、やれることが何もない状況です。
こうなったのも、『積極平和主義だ』『地球儀を俯瞰する外交だ』などと口にしながら、米国に従属し、隣国と対立してきた結果です。
外交の一番大事な仕事は、戦争に巻き込まれないようにすることです。
だから、どの国のトップも、隣国と対立しないように、細心の注意を払っている。
もし、日本の首相が、同盟国の米国に直言できる人物で、中国、韓国と友好関係を築いていたら、今ごろ、独自外交を発揮していたはずです。
このままでは、日本は打つ手がないまま、朝鮮半島の危機を黙って見ていることになります
」(政治評論家・本澤二郎氏)

そもそも、安倍首相は、『朝鮮半島危機』を回避する気持ちがあるのかどうか
ひょっとして、危機を歓迎しているのではないか
二言目には「国民の生命と財産を守る」と口にしているが、この男の断定口調はいつも怪しい。



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祝!還暦&イースター

2017年04月17日 | 家族とわたし
数年前から、もうすぐ60、もうすぐ60と、還暦を迎えることをワクワクして待っていたのだが、とうとうその日がやって来た。



前回の節目だった50歳の誕生日は、こちらでは大きな意味を持つそうで、マイルストーンなどと言われている。
長期間を要する物事の途中の、節目にあたるところ、という意味合いがあるのだけども、まあ別に真ん中ということでもないので、100歳まで生きろ、という意味ではない。
50歳になった日は大雨で、洪水があちこちで発生していた。
道路も冠水していたところが多くて、パーティをしながら、お祝いに来てくれた友人や親族が、無事に帰れるのだろうかとヒヤヒヤしていた。

翌日の朝、パーティのホスト役を無事終えられたことの安心感からか、頭も体もボーッとしたまま台所でのんびりしていた夫とわたしに、大変なニュースが知らされた。
長男くんが通う大学の、同じ学科の学生と教授が、32人も銃殺されたという事件だった。
その朝は、4月の中旬だというのに、テレビ画面の大学構内では雪が降っていた。
わたしたちのところもとても寒くて、おまけに大雨のせいで停電になってしまった。

あの50歳の誕生日を思い出すたびに、それらのことが鮮やかによみがえってくる。
なので、今回の60歳記念日は、二人の息子たちと夫と4人だけで、できるだけ簡単にやりたいというのがわたしの願いだった。
でもまあ、還暦は還暦。
これもまた一つの節目なんだからと、夫の両親(母は夫弟ジムの抗がん剤治療の介護で来られなかった)と姉一家を呼んで、お祝いをしてもらった。

ずっと気になりつつも、ついつい放ってきてしまったところを掃除したり、要るか要らないか思案六法で保管し続けていた物を捨てたり…。
還暦を迎えるにあたり、自分なりにけじめをつけようと、いろいろとあちこちにしゃがみ込んでは時間を過ごした。

今回は春爛漫の、それはそれはいい天気に恵まれた。
夫が、わたしが大ファンの日本とフレンチをいい感じに交流させたレストランから、テイクアウトを取ってくれたので、
わたしはみんなのスープ(豚汁と、お味噌抜きの豚汁、そして豚抜きのベジタリアン用味噌汁)と、グルテンフリーの粉使用のバナナケーキを作った。
面白かったのは、ベジタリアンの姪っ子エメラが、椎茸と大根が嫌いだからと言ってなかなか口にしなかった味噌汁を、
それならばと大根と椎茸を抜いて、絹豆腐とネギだけの味噌汁にしてやると、ああ美味しい、すごく美味しいと言って、ごくごく飲み始めたこと。
あんまり美味しそうに飲むので、帰りに残りのお汁を持たせてやると、またまた大喜び。
う〜ん、これはもう、今年のクリスマスプレゼントは手前味噌に決定だな。

お客さまたちが帰り、久しぶりの家族4人だけで、ほっこりしながら居間で過ごしていると、突如、勉強会が始まった。
今年の冬に仕事を一旦やめて、大学院に進学しようと決めた長男くんに、単語カードテストをする次男くん。




こういう時間がわたしにとっては、一番の贈りもの…。


翌日はイースターのお祝いに、今度は我々がペンシルバニア州に行った。
(写真右真ん中の奇妙なものは、未確認飛行物体ではありませぬ。カエデ爺さんの古い種が落ちてくっついたと思われまする)


バージニア州に戻る長男くんと、別れ道に来るまでの間、車線を挟んで並走した。
やっぱり彼の真っ赤なマツダのロードスターは、混んでる高速道路の上でもよく目立つ。
 
今年は、フィラデルフィア郊外に家を買った夫の従姉妹エミリー一家が、イースターのホスト役を買って出てくれた。
そしてまた、最近ニュージャージー州に引っ越してきた別の従姉妹二人も、それぞれの家族と一緒に来ていて、とてもにぎやかなパーティになった。



食事の後はちびっこたちのお楽しみ、イースターエッグ探し。


ママたちがせっせと隠してる真っ最中。




さ〜出発!










タマゴ集めの後もガンガン遊ぶ。


タンポポとスミレ。




一休みしたあとのデザート!グルテンフリー&シュガーフリーのわたしには目に毒過ぎ!



と、ここまではとても順調だった。
いい感じで時間が過ぎていた。

帰りの運転は飲酒をしていないわたしが引き受けたのだが、やっぱり昨日までの疲れがドッと出てきたのか、すごい睡魔に襲われたので、サービスエリアで軽く眠ることにした。
目を閉じていると、夫が横で誰かと話をしている。
ん?
車が動かなくなった?
え?誰?まさか…。

いっぺんに目が覚めた。
やっぱり長男くんだった。
でも、彼と別れたのはお昼過ぎだったのだ。
それがもう夜の9時になろうとしているのに、一体全体、彼の身に何が起こったというのだ。

彼が手に入れた古い古いロードスターは、走り始めからトラブル続きだった。
おかげ?で彼は、ほとんどの修理を自分でできるまでになった。
部品も工具も揃えた。
最近はずっと調子が良くて、通勤に走るには全く問題が無かったのだが、長距離はヤバいかもしれない、などと言っていたのに、今回はなぜかバスを使わなかった長男くん。

彼が足止めを食らっている場所は、我々が休憩しているところから30分強で行けるところだったので、とりあえず迎えに行くと言っても、頑として大丈夫と言う。
じゃあ仕方がない、わたしたちは家に戻り、彼からの状況報告を待つことにした。

車が動かなくなったところから彼の家までは、距離にして117マイル、約190キロメートルで、牽引してもらえるかどうかの交渉を続けていた。
我々が家に戻ってからも、彼はずっと同じ場所(どこかの駐車場)に居て、その近辺には何も無く、車の中で、電話の返事待ちの退屈な音楽を聞いているしかなかった。
そして、事態が全く好転することがないまま、なんと3時間も過ぎてしまい、さすがに心配になって周りの状況を尋ねると、
「まあ、ちょっと離れたとこで、5人ほど男がいて、なんか喋ってる」と言うではないかっ!

ちょっとちょっとちょっと、その人ら、どんな感じなん?
もし寄ってきてなんか言われても、車が動かんのやから逃げられへんでしょうが!
すぐ近くに入れるレストランとかないの?

すっかりパニクる母に、「なんも無いけど大丈夫ちゃう?」と呑気な息子の返事が返ってきた。

う〜んう〜んう〜ん、妙なことを考えるのはよそう。想像するだけでも良くない。
もう車はそこに置いといて、ウーバー呼んでホテルに行くよう、息子を説得するしかないか。
そんなこんなで時間があっという間に過ぎて、気がつくと夜中の2時を過ぎていた。
体はめちゃくちゃ疲れてるけど、こんなままで寝られるわけがない。

「帰り際にくれたおにぎりに助けられた。ありがとう」
「おやすみ、寝てくれ」

そう言われてベッドに入ったけれど、やっぱり眠れなくて、3時前にもういっぺんメッセージを送ったら、ホテルに着いたということで、やっと安心して眠った。

いやはや、やっぱりスルスルとはいかない人生の節目なのだった。
それも2度とも、長男くんが色濃く関係している。
まあ、彼もまた、巻き込まれた側の人間ではあるのだけれど…。
コメント (2)
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『森友&加計学園問題』を徹底追及するよう市民の声で後押ししよう!日本の現政権と右傾化を吹っ飛ばそう!

2017年04月14日 | 日本とわたし
安倍政権にすでにうんざりしている皆さまへ。
『森友学園』問題は、安倍政権の驕りと腐敗の象徴です。
いま、市民の怒りがはっきり見える姿で抗議することが求められています。


これは、川原茂雄さんが『どうなってるの?森友学園〜さよなら安倍さん キャンドルウォーク』(4月13日実施)を呼びかけるツィートで書かれたものです。

その通りだと思います。
森友学園と加計学園問題は、安倍政権の驕りと腐敗の象徴です!

さて、遅まきながらやっと取り上げられ始めた『加計学園』問題。
安倍首相が、総理大臣という地位を利用して、巨額の便宜を図った腹心の友、加計学園の加計孝太郎氏。
この加計氏は、仲がいいどころか、安倍首相の親族である岸信介の外孫であることがわかりました。
岡山理科大・吉備大学・九州福祉大学・順正学園・千葉理科大学の、5大学への便宜額4百億円
国家反逆罪とも言えるほどの案件です。
なのにどうして、検察は動かないのでしょう?
国会で野党が厳しく問い詰めても、意味不明の応答で済ませたり、恫喝したり、挙句の果てには証拠資料は全て破棄したと嘘をつく。
これでは追及の仕様がありません。

そこで、野党としては、以下の動画にあるような行動に出ざるを得なかったようですが、
この件については、野党各党でバラバラにやるより、一つの共同体を作って徹底抗戦を練った方がいいと思います。

動画を載せるとおかしくなるので、以下↓の青文字部分をクリックして観てください。
https://www.youtube.com/watch?v=TF3uqvnHOJ4

この審議、強行採決(またか…)に至った経過と、それに対する解説を書いてくださった方がいらっしゃいました。

↓以下、転載はじめ(文字の強調、色分けは、わたしが加えました)

■森友のこと質問したから質疑終了、採決な!
http://anond.hatelabo.jp/20170412171905

背景知識がないと、民進党の柚木議員が悪い、みたいにおっしゃるかたもいらっしゃると思いますが、
今までの慣例から考えて、質疑冒頭に、出席者に簡単に答弁を求めることは、これまでにも多々あったことです。
また、予算委員会が終わり、森友学園、天下り問題についての総理入りの集中審議の開催を、与党は拒否し続けているので、
森友学園に関することを総理に答弁を求める機会は、今のところありません
したがって、柚木議員が、総理入りの厚労委員会で、冒頭に総理に質問すること自体は、何も不自然ではなく、よくあることです。
また、議員には、一般質問をする権利、質問権が保障されているので、口頭での一般質問をすることも、本当によくあることです。


柚木議員の質問
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=47024&media_type=fp

柚木道義:
先週の金曜日も、昭恵夫人とプレミアムフライデーということで、ハンバーガーをお食べになり、大変結構なことでございますが、
ただ、ぜひ、公の場でご説明をいただけるように、お話し合いはされましたか。
総理から昭恵夫人に、お話はされましたか。
あるいは、総理が止めていらっしゃるんですか。

安倍晋三:
あ、重要広範質疑ということで、介護保険、改正案について、出席をさせていただいている、非常に貴重な時間だと、柚木さんにとっても貴重な時間なんだろうと、このように思うわけでありますが、
この問題につきましては、今、柚木議員からご質問をいただいたことも含めてですね、もう何回も、既に何回も、再三再四、答弁をさせていただいているところでございます。
いずれにいたしましても、従来より答弁をしている通りでございますし、この問題につきましては、会計検査院が調査、結論を出す、それを待ちたいと、こう思っておるしだいでございます。

丹羽秀樹委員長:
質疑は議題の範囲内で、お願いします。

柚木道義:
私も早く、通告した質問に入りたいので、総理、簡単なことですので、ひとつ答弁をお願いします。
財務省の森友学園との交渉記録データが、復元可能であると、財務省が答えている。
財務省によりますと、今年6月に、システムが入れ替わる予定とのことで、このままでは証拠隠滅の恐れがある
ぜひ、総理から一言で結構ですから、森友学園との交渉記録データを、復元して公表するようにと、一言ご指示いただけませんか。

丹羽秀樹委員長:
柚木君に申し上げます。
質疑は議題の範囲内で、お願いいたします。

ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー ーーーーーーー

この後、安倍総理は答弁しないまま、同様の要請を柚木議員が要請した後、質疑に入りました。
そのあと、各議員の質疑ののち、維新の河野議員の質疑終了後に、丹羽秀樹委員長が、総理の退出を宣言し、緊急の理事会を招集しました。


突然の質疑終局、採決の決定

1時間ほどの中断の後、なんの説明もなく再開されましたが、中島議員、阿部議員、堀内議員、河野議員から、いきなり採決する、ということについての、苦情が述べられます。
そして、最後の河野議員の質疑終了後、

丹羽秀樹委員長:
三ツ林ひろみくん。

三ツ林ひろみ:(マイク拾ってない)
本法案の、質疑終局、終局討論省略、ただちに採決すべき。

野党議員:
せめて理事会開いてくださいよー。
こんなのおかしいだろ。

丹羽秀樹委員長:
三ツ林ひろみくんの質疑終局等論省略、ただちに採決すべきとの動議に、賛成の諸君の起立を求めます(与党議員起立)。
起立多数、よって、そのように決しました。
これより採決に入ります。

野党議員:
委員長は、与党理事の言いなりなんですか?
今日採決するなんて聞いてないよ。

丹羽秀樹委員長:
採決をいたします。
本案に賛成の諸君の、起立を求めます。(与党議員起立)
起立多数、よって本案は、原案のとおり可決すべきものと決しました。

野党議員:
委員長は公平中立にやってくださいよ!
地方公聴会もやってないじゃないか!

******* ******* ******* *******

この介護保険法の改正は、重要広範質疑ということで、公聴会を開いて、地方で有識者の意見を聞いたりとか、そういうこともよくあるわけですが、
いきなりの終局宣言からの採決、これも見たことがない。
中島議員から、「採決すると、その理由も、重要広範質疑の内容について」と説明があったとおり、
どうも中断の間に、理事会で、「森友のこと聞いてきたから、質疑打ち切り、採決する」との決定がされたようです。

宮崎岳志議員が、地方創生特別委員会で、このことについてコメントしていました。
曰く、与野党の筆頭理事(たぶん後藤茂之と井坂信彦)の間では、金曜日にも質疑を継続する予定であったこと、
重要広範質疑に関わらない質疑をおこなったことから、質疑を続けられないと決定した、という話がありました。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=47025&media_type=fp


追記
一般的な法案審議の流れ


委員会で審議される法案は、一般的には、法案提出→趣旨説明→質疑→討論→採決、という流れで審議されます

提出者が、法案の趣旨を説明し、質疑をします。
国会議員が質問したり、政府や民間から参考人を呼び、意見を聞いたり、国会に利害関係者を招き、公聴会を開いたり、
逆に、議員が地方に行って、地方公聴会を行うのも質疑です。
質疑が十分に尽くされた、と委員長が判断したとき、委員長は質疑終局を宣言します。
そののち、討論を行います。
討論は、本案、修正案ともに行われ、それぞれ案件に対す賛否と。その理由を論じます。
その後、採決に移ります。
採決においても、修正案の採決から行われ、修正案を否決した後、本案を採決することが多いです。



委員長が突然、質疑終局を宣言する意味

野党議員が全員、公式野党の維新ですら苦情を述べていましたが、
もし野党議員が、修正案を出す準備をしていた場合、このような突然の質疑終了をされると、修正案の審議の機会がありません。
その採否はともかく、提出する機会すら、与えられないことになります。

ですから、審理日程については、与野党の理事の間でしっかりと協議して、合意した上で法案審理を進めるのです。
こういった建前は、実はとても大切です。
これをなし崩し的に行うなら、与党は、その多数を頼って、法案の趣旨説明ののち、いきなり採決に入ることすら可能になるからです。
国会の審理は、その結果に関わらず、野党議員がどういう意見を述べたか、ということが記録されることも、重要なのです。

そういう大切な建前を、安倍が答えにくい質問をしたからという理由でとっぱらってしまった、今回の採決の頭のおかしさは、際立っているといえます。


さらに追記
どうやら、長尾たかし議員や高橋千鶴子議員のツイートによると、
安倍の委員会入りで、野党に安倍の質問時間を全部やるかわりに、森友関連の質問はするなと、筆頭理事間で約束していたのを破ったからだ、と言ってるらしいですね。
これを正当な理由だと言いたげな長尾も、大概だと思うよ。
理事の間での約束事を破ったから、質疑終了、採決だって?
どこにそんなルールがあるんだよ。
次回の野党の持ち時間を減らす、嫌がらせとかならまだ理解するけどさ。
大体、こんな意味不明な取引してる時点で、厚労委員会の与党理事どもは、安倍の委員会入りに泥を塗られたとか思ってんだろ?
マジでおまえら、いっぺん選挙落ちて頭冷やせ。

あ、あとすみません、与野党筆頭はどうやら田村、柚木のようです。


さらにさらに追記
この件に怒った山井が、一旦合意していた共謀罪の審議入りを、拒否したとのニュースみて、「そらそうよ」と思ってたら、
竹下が一言謝罪して、正常化したと受け入れただと。
山井和則はホント、何考えてるんだ?
今回の厚労委員会のアホな行動も、竹下亘は把握してなかったってことだろうが。
そんなやつと協議して、正常化したとか言ってんじゃないよ。
戦うポイント間違えてんな。


さらにさらにさらに追記
厚生労働委員会で、森友学園のことを聞くな、とおっしゃるひとも多いわけですが、議員に質問権が保障されている意義を、考えて欲しい。
ほとんどの委員会に総理が出席していた、一昔前ならいざ知らず、今では、各委員会で、総理入り審議がされる機会なんて、一会期で1回あるかないかなわけですよ。
直接的に、総理大臣と議員がやり取りできる機会は、本当に稀なわけです。
一方、議員は、各委員会の委員であると同時に、国民の代表ですよね。
国民の代表者としての議員が、ただの一回だけかもしれない総理大臣との直接対峙の場面で、総理の言質をとろうとすることがそんなにおかしいかい?
また、法案提出者である内閣閣僚の能力や、誠実性についての疑義というのは、ほとんどすべての委員会で、質疑の対象となってきていたわけですから、
世論調査の結果にしたがって、8割の人が納得していないという話題について、説明をするように促すことが、そんなに場違いだというなら、
さっさと集中審議を開かない、与党の問題
なんじゃないですかね。

あと、偏ってる、バイアスがー、とかいってるやつは、アホなんですかね?
動画貼ってるんだから、自分で見て自分で判断しろよ。
あと、森友ばっかり聞いてるから、とかいってるのも、「私は張られた動画も見ません」と宣言してるようなものなので、ちゃんと見たほうがいいよ。
この手続きのほうが、大きな問題だと思ったけれど、
「自殺者全体が減っている中で、介護関連の自殺だけが増えている中での、介護保険料負担の増額を求めるのはどうなのか」という質問に対して、
「アベノミクスで自殺者が減っている(キリッ」とか答えられる、すばらしい雄姿が見られるぞ。


一般質問権と質疑

質問権は、国会法第74条、75条で保障された権利です。
一般質問は、議長が許す限り、法案、議題に関わらず、何を聞いてもいいものです。
本来、質問と質疑は区別され、質問は書面(質問主意書)を持ってなされ、答弁も書面で行われますが、閣議を経るため返答が遅いものです。
質疑は、議題に関することに関する疑問点の解消、のために行われるものであり、口頭で行われます。
したがって、柚木議員が質疑をさえぎられたことをもって、質問権の侵害だといっていたこと自体には、私は賛成していませんが、
質問権の趣旨に鑑みて、現に議会の運用上、質問権を口頭で行使することが、是認されている状況下で、
それを行使したことの非を以って、懲罰的に質疑を終了する、という行為の愚かしさが、問題
だといっているわけです。



北朝鮮有事かというときに森友かよ、とか言ってる人のヤバさ

森友学園、加計学園、南スーダン日報問題、昭恵夫人と付職員の行動の法的根拠のなさ、これらはすべて、ガバナンスの問題ですよ。
有事にこそ一番求められる、ガバナンスの欠如の問題を、議論しないでどうするわけ?
首相の、馬鹿みたいにうかつな発言のために、黒いものを白いと主張しつづけて、行動せざるを得ない組織を見せ付けられて、
北朝鮮有事で、安倍政権が頼りになると思ってるわけですか?
すげー迂闊に下した判断のために、さらに誤った判断を下し続けるこの2月の状況を見て、そういう判断している人がいるのが、ちょっと信じられないです





「森友」問題答弁求める文書50本に 真相解明は程遠く
【東京新聞】2017年4月15日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017041502000136.html

大阪市の学校法人「森友学園」を巡り、国会議員の質問主意書が、2月下旬以降に急増し、14日までの本紙の集計で、50本に上った。
政府は答弁書で、安倍晋三首相の昭恵夫人付き政府職員が、私的活動や選挙応援にも同行している事実を公表した。
学園の小学校用地に、国有地が格安で売却された核心部分では、紋切り型の回答に終始している。
 
学園関連の質問主意書は、すべて野党議員と無所属議員からで、衆院が47本、参院が3本だった。
急増は、野党が、政府のこれまでの国会答弁に、納得していないことを物語る
 
だが、政府は答弁書でも、国有地売却を巡る財務省と、学園の交渉記録について、「法に基づき適切に廃棄している」と強調。
首相が、国有地を巡る問題に「関係していたら辞める」と言い切った答弁の意味も、「答弁した通りだ」と素っ気ない。
 
一方、外形的な事実経過に関しては、明確に答える場合が多い。
政府は、14日に決定した答弁書で、昭恵氏が、昨夏の参院選で候補者の応援に行った際、
公表済みの3件以外に、10件でも、夫人付き職員が同行していたことを明らかにした。(金杉貴雄)


******* ******* ******* *******

昭恵夫人は安倍首相本人からの圧力、迫田国税庁長官(前理財局長)は、税務調査の報復を恐れるマスコミの及び腰が原因で、証人喚問には程遠いままです。
谷さんも、イタリアへ栄転が決まりました。
彼女にしても、自分がいつも通りの仕事としてやってきたことが、このような大きな疑惑を呼び、内閣が吹っ飛ばされてもおかしくないほどのスキャンダルにつながっていることを知っているはずです。

加計学園の場合、他の誰でもない、安倍首相本人が加担しているのですから、追及を徹底的にやろうと思えばできます。
この森友学園と加計学園は、安倍政権の奢りと腐敗の象徴です。
だからこそ、この二つの問題を徹底的に掘り下げ、公の場に晒し、責任と罪を問い、怒りをしっかりと表すことが、
今一番危ない転機を迎えている日本を、誤った方向に進ませないことにつながるのです。

では、日本が瀕している危機とは何か?
それをとても明確に解説してくださった、内藤朝雄さん(明治大学准教授・いじめ問題研究)の記事を紹介させていただきます。

世界が警戒する日本の「極右化」〜私たちはいま、重大な岐路にいる
森友学園や安倍政権を決して侮るな

【現代ビジネス】2017年4月14日
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51438

▪️森友学園問題と日本の右傾化

日本中、さらに世界中で「森友疑惑」が報じられ、ひとびとの関心を集めている。

それはおおむね、次のような疑惑だ。

右翼思想を抱く理事長が運営する、学校法人森友学園が、幼稚園児に教育勅語を唱和させている。
運動会では、
「中国、韓国が、心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願いいたします。安倍首相、ガンバレ! 安倍首相、ガンバレ! 安保法制国会通過よかったです!」と連呼させていた。

学園は、「よこしまな在日韓国人・支那人」、「韓国や中華人民共和国人の元不良保護者」などと記した文書を、保護者に配布したり、ホームページ(HP)で公開したりしていた。
「お仕置き部屋」などでの暴行虐待も、報告されている。
理事長は、政権中枢を牛耳る右翼仲間の同志であり、首相夫人や、政治家や、上層部の意を忖度する役人たちを通じて、さまざまな便宜をはかってもらっている。

森友学園は、子どもたちを、極右思想で教育する小学校をつくることとし、国の土地を、極端に安い値段で購入できることになった。
首相は、自身および夫人の関与を否認し、もし本当であれば辞任する、と言った。

不正疑惑が報道されると、かつての仲間たちは、トカゲの尻尾切りのような振る舞いをはじめた。
裏切られた理事長は、政権中枢の右翼仲間たちに、都合の悪いことを暴露しはじめた。
このような疑惑のストーリー
である(各種報道より)。

国内では、一つひとつの細かなエピソードをめぐって、芝居見物のようににぎわっている。
疑惑関係者は、それが人間ドラマとして消費され、飽きられて終熄する時を待っているはずだ。

対して、世界のメディアは、もっぱら日本の現政権と右傾化がどうなるかという関心から、森友疑惑を報じている。

というのは、現政権は、日本を戦前(特に昭和初期から敗戦まで)の社会に戻そうとしている、「ウルトラ・ナショナリスト(ultra-nationalist)」政権であると考えられており、
日本が、戦前のタイプの社会に戻るかどうかは、大きな関心事
だからだ。

日本の大衆も、現政権がこれ以上強くなることに、ぼんやりと不安を抱きはじめている。
なんだか変なことになっている。
自分たちの社会は、これからどうなってしまうのだろうか。
自分たちはこれからどうなるのだろう。


▪️「超タカ派」勢力が動かす日本政治

ひとびとはそれを、成熟した大人としてストレートに意識して考えるのではなく、
政治とカネやら、「軍国主義」時代を再現する教育やら、お仕置き部屋の児童虐待やらの、「森友劇場」でもりあがることで、不安を表現している。

報道される人間模様は、きわめて戯画的である。
籠池夫妻、その息子、「アッキー」と呼ばれる総理夫人、便宜をはかる役人、安倍総理、稲田防衛大臣といった、どたばた劇の配役とストーリー。

「森友劇場」を見物して喜んでいる大衆は、悪ふざけに興じているようにも見える。
悪ふざけを通じて、箱庭で遊ぶ子どものようにしか、政治に向き合えない大衆なのかもしれない。

わたしたちは、原発事故と現政権成立以降、いまここに出現した歴史の折り返し点(いったん通過するともう戻れない)を、子どもっぽくやりすごした後、
次に来る本物の全体主義によって、身ぐるみ剥がされ、地獄に突き落とされるかもしれない。


「騒ぎすぎだ」という声もある。
しかし、森友問題は、わたしたちが目の前にあっても見ようとしなかったことを、日の光に晒すための手がかりになるのではないだろうか。
森友問題を入り口にして、現実の危険を直視しよう。


現在、日本を、戦前の状態(特に〈天皇中心の国体〉が暴走した昭和初期から敗戦までの時期)に戻そうとする勢力が、閣僚の大多数、国会議員のほぼ半分を占めている。
日本社会は、その意向のままに造りかえられてしまう、瀬戸際にあるといってよい。


次の資料をみてほしい。

第3次安倍晋三再改造内閣の超タカ派(極右)の大臣たち」(俵義文(子どもと教科書全国ネット21)作成:トップページの左側リストにある当該資料表題をクリック)、あるいは「国会議員いちらんリスト」。

資料を見ると、閣僚のほぼ8割が、「超タカ派(極右)」団体(先進諸国の主要メディアはおおむねそのように見ている。筆者もそれに同意する)のメンバーであることがわかる。
またそれが、国会議員全員の半数に達しようとしている。

これらの団体は、仲間たちがいくつも掛け持ちしていたり、協力しあったりしているので、ひとつの大きなネットワークと考えることができる。

また、彼らは、公明党など他勢力と、利害同盟を組んでいる。
その意味では、ほぼすべての閣僚と半数の国会議員が、上記資料にいうところの「超タカ派」勢力か、それになびく勢力であるといってよい。

これらの勢力が政権の座にあり、目標達成に向けて、着実に歩を進めているのである。


▪️どのような戦前を目指しているのか

彼らがめざすのは、どのような社会か。
そのなかで、わたしたちは、どのような生活を強いられることになるのか。
彼らが、人間の精神を根本からつくりかえることに熱心であるとすれば、わたしたちはどのようにつくりかえられてしまうのか。

一口に戦前といっても、いくつもの時期があり、多種多様な要素が混ざりあっている。
今政権を盛り立てている勢力は、そのうちどの面に対し、ファナティックな情熱を示し、どの面に無関心なのか。
このことから、私たちが、どのような被害を受けることになりそうかを、予測することができる。

彼らは、カミカゼ特攻隊、散華(さんげ)、英霊といったものを、崇高なものとみなし、ファナティックな感動を示す。
また、日本国憲法、個人の権利、個人の自由といったものを憎む。
また、中国と韓国が日本に「逆らう」ことに、常軌を逸した憎悪を示す(中国が超大国になった21世紀に、この上下感覚は滑稽ですらある。そして国防上きわめて危険である)。

対して、日露戦争で局地的な勝利を得た後、自軍が消耗しきっている事実を認識し、高額の賠償金や領土割譲をあきらめた、明治政府の判断をほめたたえる、といったことはしようとしない。
それどころか、アメリカと無謀な戦争をしたエリートたちを、復権しようとする。

これらのことから、現在の「ウルトラ・ナショナリスト」勢力が取り戻そうとしている、「戦前の美しい日本」なるものは、
明治維新以降、さまざまな部分が混ざり合って進む日本近代史のなかで、
昭和初期から敗戦までの時期に暴走し、悲惨な結果をもたらした最悪の要素
であることがわかる。

一言でいえば、それは、個を超えた集合的生命として崇拝される、〈天皇中心の国体〉なるものである。
この共同幻想が、世界の八隅を一つの家のように覆う、(八紘一宇)ことをめざす、祭政一致の全体主義社会。
これが、昭和初期から敗戦までの、大日本帝国
であった。

これはいったい何なのか。


▪️二つの国家観を理解する

二つの国家観(人間のためにつくられたしくみとしての国と、人間を超えた集合的生命としての国=国体)を対比させて考えると、
「ウルトラ・ナショナリスト」勢力の行動様式や、そのめざすものを、理解しやすくなる。
そして、現状を放置すれば、これから日本社会が、どのような被害をこうむるかも予想できる。

第一の国家観では、国家を、ひとりひとりの人間の共存と、福祉のための公共財である、機械装置と考える。

国は、水道や電気や医療や交通網のように、ひとびとの生存にとって、きわめて重要なものだ。
その意味で、危険な国家メンテナンス業務をおこなっている自衛官は、高圧線上で危険な業務をしている技師と同様に、尊敬されて当然である。

また、国に軍隊があるのも当然である(この観点から、日本が普通の先進諸国なみのリベラル国家になった後で憲法9条を改正すべきだと主張する筆者は、「リベラル・タカ派」と呼ばれることがある)。

この第一の国家観からすると、「ウルトラ・ナショナリスト」勢力のいう愛国心は、水道管や電線を愛の対象にするような、奇怪なフェテシズムの情熱である。
すくなくとも、日本で愛国心というとき、そのような意味で語られることが多い。

そのような愛国心ではなく、苦労して磨き上げた、ひとりひとりの人間のための公共財機械装置の、性能のよさに対するプライド、という意味での国家プライドはあるかもしれない。

国家が愛国心などというフェテシズムを万人に要求する制度は、日本国装置の性能の悪さとして、国家プライドを大いに傷つけるだろう。ただし、この国家プライドを新しく「愛国心」と名づけることも可能である。

それに対し、第二の国家観では、国家はひとりひとりの生命を超えた、より高次の、崇高なる集合的生命とみなされる。
このような現実感覚を生きるひとびとにとって、国家装置の防衛メンテナンスのための危険業務組織(軍隊)は、集合的生命の男根のように感じられる。

アメリカに負けて憲法九条を押しつけられたのは、「全能感を断念しなさい」と去勢されてしまったような、屈辱の体験である。

また、集合的生命の根本にあるはずの、神聖にして侵すべからず天皇を、単なる「象徴」にされてしまったのは、
河童に尻子玉を抜かれ、腑抜けにされてしまったような屈辱である。

そして、雄々しき大日本帝国は、自由だの人権だの民主主義だの、甘ったるいおしろいをぺたぺた塗られて、女にされてしまったと感じる。


▪️国体をひかり輝かせること

第一の国家観は、ひとびとの安全と生命を守りながら繁栄をもたらそうとする、リアリズム政治のための基本である。
国益の計算や戦略的思考も、この国家観を前提としなければ、何の意味もない。
また軍隊は、この国家観にしっかり基礎づけて、保有されなければならない。

第二の国家観は、非常時に短時間「だけ」、ひとびとを狂わせるための興奮剤である。
必要がないときに使ってはならない。
そして、21世紀の世界でそれが必要になる時は、もうない。
いまではこういったドラッグは、貧しい国々で誤用され、悲惨な流血や国土の荒廃をもたらす、廃棄すべき毒物でしかない。


この毒物ともいうべき第二の国家観は、どのようにして生まれたか。
江戸幕府が支配していた日本列島は、列強の植民地にされる危険にさらされていた。

クーデター成功後、最弱国日本、最弱明治政府を背負った指導者たちは、ゆっくり変化する時間的余裕がないなかで、
近代国家をつくりあげるために、集合的生命感覚に酩酊させるしかけを、当時入手可能な素材から、でっちあげるしかなかった。

それが、天皇を中心とする、集合的生命としての国体(という共同錯覚)である。
そしてこの興奮剤は効いた。
国家の集合的生命感覚は、天皇を中心とする国体として、ひとびとの魂の底に埋め込まれていった。

生存のための必要に駆られて、このような興奮剤を使うときは、そのまえに目覚まし時計をセットしておき、時がくれば醒めるようにしておかなければならない。
目覚まし時計を管理すべき指導層は、大衆を騙すための薬物に、のめりこんではいけない。

しかし、昭和初期から敗戦にかけて、指導層のあいだでも、「〇〇は国体にそぐわない」やら「不忠」やらといった、自家中毒が蔓延するようになっていった。
ヤクザが売り物の覚醒剤に手を出すように、国家の中枢までもが、緊急用大衆操作劇薬の自家中毒にやられたのだ。

狂気の興奮剤におかされた指導層は、アメリカと戦争をするといった愚行に走り、
敗戦の条件交渉にいたっては、国民の生命や安全という本来の目的(第一の国家観)よりも、国体護持(第二の国家観)などという、幻想の薬物を大切にするありさまであった。
国家の指導者として、これほどでたらめな酩酊者たちは、類をみない。


学者も含め多くの人たちは、昭和初期から敗戦までの日本のありさまを、「軍国主義」と呼んできた。
軍国主義の社会であれば、軍事的成功を、第一の優先事にするはずである。

しかし、戦争中の日本は、そうではなかった。
合理的に国益を追求したり、戦争に勝ったりすることよりも、国体を護持すること、国体をひかり輝かせることが優先された。

集合的生命としての国体は、単なる全体への外形的服従の積み重ねから成るものではなく、
臣民ひとりひとりが、自発的に個人であることをやめ、〈全体において永遠の今になる〉ことの内側から、高次の命としてひかり輝く。

カミカゼ自爆攻撃などで死ぬ瞬間こそが、その永遠の今であり、人として生まれた最高の栄誉であり、「本当に生きること」である。
それは、華やかに花が咲いたような、生のきらめき(散華)でなければならない。

このような国体の覚醒剤的な疑似哲学作用は、軍隊の合理的運用すら破壊した。

太平洋戦争では、みこまれる戦果と自軍の損失を計算すれば、無意味であることが明白であっても、
散華の輝き自体が目的となった、軍事作戦がなされた(これは即身仏のような自殺儀式であって、軍事的な「作戦」とは言えないのかもしれない)。

毎日新聞記者の栗原俊雄は、このような輝きを、後世に残すためと称して、自爆特攻作戦が続けられた例を紹介する(栗原俊雄「日本人が終戦まで「特攻」を止められなかった、驚きの理由」)。

また、航空機の援護なしに、戦艦大和を沖縄に派遣するのも、国体を輝かせるための集団自殺である。
これが、抗いがたい空気となったのである。

もちろん、国体のなかでは、「西欧流」の個人主義は徹底否定され、すべての臣民が、自発的に、集合的生命の一部で「あらねばならぬ」のであるから、すべてが強制である。
戦争終結の成り行き次第によっては、一億玉砕という、すさまじい「自発的」な散華が、すべての人に強制されたかもしれない。


▪️教育勅語はなぜ問題なのか

「ウルトラ・ナショナリスト」の政治家たちは、なにかと理由をつけて、教育勅語を学校教育に導入したがっている。
だが、国家大改造に成功する一歩手前とはいえ、今の段階では、まだ露骨な全体主義の本性を出すわけにはいかない。

だから、国会の質疑やテレビ番組などでは、
「教育勅語にあるように、親を大切にし、夫婦がなかよく、友だちは信じ合い、法律を守り、互いに誠実に生きるのはよいことではないか」といった理屈で、教育勅語を正当化することが多い。

それに対し、教育勅語に反対する側は、
「一旦緩急(かんきゅう)あれば義勇公に奉じ」と続くのが「軍国主義」につながるからいけない、といった批判を繰りかえす。
それでは、この兵士に関する部分だけ削除すればよいのか?

教育勅語の問題点は、人が人として望ましく生きること全般が、天皇を中心とした国体が生み出したものであり、
それと離れては存在しない(「国体の精華にして」「淵源…これに存す」「皇祖皇宗の遺訓にして」とは、そういうことである)、と、国家が命令していること
だ。
よく考えてみれば、これはきわめておぞましい論理である。

もし誰かから、ありとあらゆる望ましく生きることは、「私との関係から生み出されるものでなければならない」と言われたら、
あまりの気持ち悪さに、胃の内容物を吐瀉してしまうのではないだろうか。
これは国体にかぎらず、さまざまな全体主義に共通する特徴である。

1890年(明治23年)の教育勅語は、大日本帝国が、「国体」というキーワードを打ち出した初期の文書である。

その後、昭和初期から敗戦にかけて、政府は『国体の本義』(1937年)と『臣民の道』(1941年)によって、全体主義としての国体の本性を分かりやすく、あけっぴろげに露出する。

この2冊を熟読すれば、閣僚の8割、国会議員の半分弱を占める勢力が、どのような「美しい国のかたち」をめざすかを理解することができる。

いくつか抜粋しよう。

「我らの行住坐臥(ぎょうじゅうざが)の一つとして国家に関係ないものはない。」
「我らの生命は我がものにして我がものにあらずといわねばならない」
「日常我らが私生活と呼ぶものも、畢竟(ひっきょう)これ臣民の道の実践」
「一腕の食、一着の衣といえども単なる自己のみのものではなく、また遊ぶひま、眠るまといえども、国を離れた私はなく、すべて国とのつながりにある。
かくて我らは私生活のあいだにも天皇に帰一し、国家に奉仕する念をわすれてはならない」(『臣民の道』)

「人は孤立せる個人でもなければ、普遍的な世界人でもなく、まさしく具体的な歴史人であり国民である。
従って我らにあっては、人倫すなわち人がふみ行うべき道は、抽象的な人道や観念的な規範ではなく、具体的な歴史の上に展開せられる皇国の道である。
人たることは日本人たることであり、日本人たることは皇国の道にのっとり臣民の道を行ずることである。(『臣民の道』)

「皇国の道と一体たり得ざる学は、真の学たり得ざるもの」(『臣民の道』)

「祭政一致の我が国体」(『臣民の道』)

「我が国こそまさしく世界の光明である」(『臣民の道』)

「我が皇位が、天壌無窮(てんじょうむきゅう:天地ともにきわまりない)であるという意味は、実に過去も未来も今において一になり、わが国が永遠の生命を有し、無窮に発展することの意である。
我が歴史は、永遠の今の展開であり、我が歴史の根底にはいつも、永遠の今が流れている」(『国体の本義』)

「我らは、その生命と流動の源を、常に天皇に仰ぎ奉るのである。
それ故に、天皇に奉仕し、天皇の大御心を奉体することは、我らの歴史的生命を今に生かす所以(ゆえん)であり、ここに国民のすべての道徳の根源がある。
絶対随順は、我を捨て私を去り、ひたすら天皇に奉仕することである。
この忠の道を行ずることが、我ら国民の唯一の生きる道であり、あらゆる力の源泉である。
されば、天皇の御ために身命を捧げることは、所謂(いわゆる)自己犠牲ではなくして、小我を捨てて大いなる御稜威(おみいつつ:天皇の威光)に生き、国民としての真生命(真の命、ほんとうの命)を発揚する所以(ゆえん)である」(『国体の本義』)

我らは「忠において生命を得」る。(『国体の本義』)



その他、『国体の本義』『臣民の道』では、自由主義、個人主義、平等主義、合理主義、普遍的人道(ヒューマニズム)、夫婦中心の家族、などあらゆる「西洋的」なものを激しい口吻で否定する。
立憲主義や三権分立も否定する。

「忠を離れて孝は存せず」として、親子関係も国体のものであるとし、そのような「忠孝一本」を日本の道理としている。
そして、乃木希典夫妻(子どもが全員戦死した)のように、育てた子を国に捧げることを、本当の親子の情愛関係とする。

「すめろぎにつかえまつれと我を生みし我が垂乳根(たらちね)は尊くありけり」というわけである。
また、日々の労働の内容も、なにからなにまで国体への奉仕であるとする。


これから日本は、どのようなかたちであるべきか、天皇を中心とする国体に戻したいか、戦後の自由と民主主義と個の尊厳を守りたいか、決断を迫られる時期がきた。
私たちは、『教育勅語』、『国体の本義』、『臣民の道』を熟読した方がよい。


▪️日本に蔓延する全体主義

最後に、日本の学校が全体主義的であり、これが全体主義に抵抗がない大衆を生み出す、強力なインフラストラクチャーになっていることをつけ加えたい。
学校の全体主義について知りたい方は、拙著『いじめの構造――なぜ人が怪物になるのか』(講談社現代新書)を手にとってください。

もうひとつ、世界各国の腐敗の程度をランキングした、以下の資料を参考にされたい。
全体主義の国ほど腐敗がひどく、人権を尊重する個人主義自由主義の国ほど腐敗が少ないことが、一目瞭然となっている。

・トランスペアレンシー腐敗認識指数(http://www.ti-j.org/CPI2016ranking1.pdf
・トランスペアレンシージャパン(http://www.ti-j.org/
山本七平は、戦争中に製粉会社におしかけたパン屋の社長が、大げさな国家への奉仕の話を延々しているが、それはすべて小麦粉をまわしてほしいというビジネスの要求であったというエピソードを紹介する(山本七平『ある異常体験者の偏見』文藝春秋)。

ビジネスと政治が分かれない祭政一致の社会は、すさまじく腐敗するのである。
「森友劇場」の口利きや忖度、国有地格安払い下げに関する疑惑のエピソードをながめながら、このことを思い出した。
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さくら祭りとトホホな虫歯と弟からのお楽しみ箱と

2017年04月12日 | ひとりごと
春到来

先週の日曜日から、気温がぐんぐん上がると聞いて、マンハッタンに出かけることにした。
別段用事があるわけでもない時はいつも、ブックオフに行って、読みたい本を何冊か買う。
夫はわたしを待つ間、近くのブライアントパークで人間ウォッチを楽しんだ。

ここはわたしもすごく好きな公園。




木々の新芽はまだもう少し先。


マンハッタンのビルは、何回見ても写真を撮りたくなる。





翌日の月曜日は、日曜日よりさらに気温がぐんぐん上がり、まるで初夏のような陽気になった。
8日から始まっている近所の公園の『桜祭り』を、夫と二人、仕事の合間に観に行くことにした。
こういう時は、自営業というのはありがたい。
月曜だからまだマシだろうと思ったが、甘かった…駐車場は満車、ということで、車道に停めている車が多かったので、我々もそれに倣うことにした。
別に入場料もタダ、駐車場もタダだから、とりあえず違反にはならないだろう。

夫が言うには、この公園は、桜公園としては、全米で二番目に大きいんだそうで(ほんまかいな?)、
それでは一度、今までに行ったことがないところに行ってみようではないかと車を走らせると、
いやもう、どこまで続くねんっ!と何回もツッコミを入れたくなるぐらいの広さ?!
とりあえず、チラチラと桜が見えてきたので、降りてみることにした。

ここからは、満開のソメイヨシノ、ちょっと色形が違う桜、ほんでもってカモの写真を連続で!











この桜の古木は、古木と言うより枯木と言った方がいいぐらいに、とてもとても枯れているのだけれど、その花がまた美しいのだ。


スカスカの胴体。向こうの景色が見える。


友だちに会った夫。


お昼寝中。


彼らのすぐ横で、真っ黒なカモを見つけた。




さぁ〜くぅ〜らぁ〜♪さぁ〜くぅ〜らぁ〜♪






















誰やねん!こんなことしたん!


レンギョウさんも。


牡丹桜はまだツボミにさえなっていない。






ぽんちゃんのお別れ。






******* ******* ******* *******

虫歯がまた悪化したのか、右側の上下ともに、嫌〜な痛みが続いていた。
寝不足が続いたり、疲れがたまったりすると、その痛みの度合いはグンと高くなる。
歯の痛みを誤魔化したり我慢したりするのはいけないと、重々分かってはいるのだけれど、支払う費用のことを考えると、シュルシュルと行く気が失せてしまう。
10万近いお金を医療保険に支払っているのにも関わらず、歯と目の治療は医療扱いしてもらえず、だから何もかも実費。
虫歯持ちのわたしのような人間は、ちょっとした虫歯の治療でさえ、支払いは1万円を超える。
だから怖くて行けない。
ってなことを言い訳に、長年痛む虫歯を放ってきてしまったわたしのような人間には、ある日突然、安かろうが高かろうが、もうそんなことを言ってる場合ではない!という日が襲ってくる。
前回の治療で、信用する気が一気に失せてしまった歯医者にさよならして、夫の友人が強力に勧める歯医者を訪ねた。

ボブ先生は、わたしの話をまず聞いて、気になる部分のレントゲン写真を撮った。
すると、「う〜ん、どうしても気になることがある」と、しばらく唸りながら何やら考えていたのだが、
「精密な写真が欲しいので、別のレントゲンを撮りましょう」と言うので、わたしは大いに焦った。
「あの、でも、そのレントゲンの機械を使うと、費用がめっちゃ高くなっちゃうんじゃないでしょうか…」
「安くはないけど、それでないと私の疑問が解明できないんだ、いいかな」
1分ほど考えて、撮ってもらうことにした。
医者がどうしても気になることがあって、それが結構緊迫していることっぽいのだから仕方がない。
それもこれも、もし保険が効いたら、こんなことをクヨクヨ悩まなくてもいいのにと、またまたムカッ腹が立ってきた。

レントゲン写真は、彼を心底驚かせた。
「ちょっとここを見てごらん」
彼が指差す先には、右上の、親知らずの隣にある歯の映像があった。
「ここのこれ、この影の部分、これが虫歯になっているんだけど、これだけの大きさと深さだと、普通痛みで眠れないはずなんだけどね」
「痛みは、よほど疲れた時か、冷たいもの(でも滅多に食べない)や固いものを食べた時ぐらいです」
「いやあ、そんなはずはないんだけどな…あ、ちょっと待って、こ、これはっ?!」

普通、一本の歯に一本の神経が通っているのだけれど、ほとんど空洞化して神経が丸出しになっているはずのその部分が、何物かにすっぽり包まれていて、だから痛みがそれほどひどくないのだと。
「痛みを感じさせないようにしようと、あなたの体が自主的に、何かの物質を作り出しているとしか考えられない。
なんという自己治癒能力だ!」と、ウンウン唸りながら感動しているボブ先生の横で、これって別の場所で聞いたことがあったような…と、必死に思い出していた。

そうだ、B型肝炎をうつされておきながら、その治療を受けることなく自力で治したという歴史が、血液の中に刻まれていることがわかった時のことだ。
あの時も、それを発見したスタック先生が、「できることなら君の血清を寄付してもらいたいぐらいだ」と、冗談のような冗談でないようなことを言っていた。

まあ、自己治癒能力には長けているとしても、神経を覆っているものが何であるのか、そこが膿んでいないのか。
もしも膿んでしまっていたら、脳に近いので非常にヤバい。
普通のルートカナルならボクが担当するけれども、あなたのような重症なものは、よほどのエキスパートに頼まなければならない。

ということで、来週の木曜日、60歳になって5日目に、ちょいとシリアスな治療を受けることになった。
その費用たるや、1550ドル?!
歯の痛みより痛いっ!!
その治療は、かなり深いところまでえぐることになるので、今日から抗生物質を飲むことになった。
そういうの、めっちゃ苦手なんだけどなあ…。

******* ******* ******* *******

と、暗〜い気分で帰宅すると、超〜嬉しい小包が待っていた。
いや、これはもう、小包とは言えない大包。

弟からの『還暦お祝いお楽しみ箱』!!


去年が還暦だと間違えて、赤いちゃんちゃんこを送ってきてくれた弟。
今年はだから、赤いちゃんちゃんこではなく、赤い猫ベッドを買ってくれた。
箱の中身を全部取り出して、まずは記念写真を撮ろうと思っていたら、早々とこの方たちが…。


羊毛で手作り、というこの猫ベッドが、特に気に入った様子の海ちゃん。


「ちょっと今、事務方の仕事とかが増えて、めっちゃ忙しくなってしもたから、品数少ないで」
なんて言うてたくせに、どんだけ心を遣てくれてんねん!姉ちゃんは嬉しいぞぉ〜!ありがとぉ〜!

夫とわたしの、お仕事用ハンコ♪


頑張って働くわ!

「ボクちゃんはネコ(寝子)やから、寝るのが仕事」by海
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