三嶋牧場・西舎共同育成場在厩のアンジアンは、おもにダートトラックでハロン20~24秒ペースのキャンター2400m、または直線ダートコースでハロン17~24秒ペースのキャンター1~2本を消化。機を見て、坂路で速めを乗り込まれています。5月上旬の馬体重は430kgです。
◇藤井担当のコメント 「外馬場での調教に慣らしながら、この中間はスピード調教もさらに強度を上げて16-13-13で登坂。相変わらず飼葉を完食するまでのペースはゆっくりですが、量自体は大分食べられるようになってきましたからね。今後は速めを乗りながらでも目方が増えてくれればと思います」
-----
まずですね、アンジアンの近況更新が忘れられていなくて良かったです!(^^;)
みたいな冗談はさて置きまして、アンジアンはじっくり鍛える藤原厩舎ですし、『この母系は緩やかな成長曲線を描く』と募集時から言われていました。おまけに、遺伝子型はデビューが遅くなりがちなTT型ですからねぇ。。総合的に考えたうえで、私も当初から比較的遅めの始動を覚悟していたわけですが、フタを開けてみると2歳5月に16-13-13のスピード調教をこなすなど、見た目の進度ならシュウジデイファームの矢作厩舎勢に劣っていません。
もちろん馬体の完成度などはまだまだで、簡単に早期デビューが可能とは考えていません。できれば、藤井さんのコメントにある、「速めを乗りながらでも馬体が増える」流れになってくれるとありがたいのですが、(飼葉を食べられるようになってきたとはいえ)本格的な成長期は夏以降…と思っていた方が良いのでしょう。
逆に言えば、やればドンドン進める状況でもあえて我慢をして、心身の成長に合わせた秋デビューの路線に上手く乗せることができれば、その時は初戦から好勝負になるタイプではと思います。もちろん、思惑が全く外れることも珍しくないですが、来年の春は矢作厩舎勢だけでなく、この馬でも盛り上がっていたいなぁ…です(^^)
【三嶋牧場・西舎共同育成場在厩のサティアナ'19:公式HP(2021/5/1更新分)より】
木村秀則牧場在厩のステラリード’20は、今月も順調に昼夜放牧が続けられています。
◇木村担当のコメント 「全体的に肉が付き、筋肉の隆起が目立つようになってきましたね。まだ飼葉の量を上げていない状態でこれですから、結構逞しい馬体に育ってくるのではないでしょうか。後肢の返しも力強く、ブレも少ない様子。首を低くして、前へ前へと力を使ってくれる感じです。放牧地ではこの血統らしく、じゃれ合ったり立ち上がったりと、いかにもこの時期の男馬といった気性を見せ始めています」
-----
母ステラリードはカイザーノヴァ以降(牡馬を生んだ時から?)、3年連続でしっかりと肉付きが良く、それでいてゴツゴツしていない本当に良い馬を出してくれました。
こうなるとレイデオロの21年産がどうなったか気になりますが、それはさて置き、とにかく20年産も(木村さんが仰るように)結構筋肉量が多い、しっかりとした牡馬に育ってくれそうで心強いです。
「後肢の返しも力強くブレも少ない。首を低くして前へ前へと力を使ってくれる感じ」とのコメントからは、全兄や父ロードカナロアの19年産を超えるのでは?との期待感が伝わってきますし、気性については…まだ何ともえ言えないものの、このまま順調に成長していけば、かなり楽しみは大きいと思います(^^)
【木村秀則牧場在厩のステラリード’20:公式HP(2021/5/7更新分)より】
モリナガファーム分場在厩のキョウエイカルラ’20は、夜間はライトコントロール(日照時間の調整)により成長を促し、先週から昼夜放牧に移行しています。
◇森永代表のコメント 「厩舎の造りなどが異なるため移動後は少々不慣れな様子でしたが、それも数日で解消。今ではすっかり落ち着きを取り戻してくれています。市街地へ移ったことにより、街灯の明かりや車の往来、学生の声など、同じ放牧地でも賑やかですから、これらに慣れていくことも今後に向けてのいい勉強です。冬毛が少しずつ抜け始めており、健康状態は変わらず良好。青草を食んで、さらに成長してくれればと思います。12日に調教師の馬見がありました」
-----
モリナガファーム分場に移ったのは、「馬運車や新しい環境への対応など、経験値の向上とメンタルトレーニングの一環」でしたから、今のところはその思惑通り、しっかり環境変化に対応できていて良かったです。
実際にモリナガファーム分場さんにお邪魔したことはないので、「街灯の明かりや車の往来、学生の声(が聞こえる)」環境がどんなところなのかは分かりませんが、いずれはザワザワとしたトレセン、観衆の声援があふれる競馬場でも落ち着きを保つ必要が出てきますから、子どものころから慣れておくことはきっとマイナスにはならないでしょう。
12日には矢作先生の馬見があったようですが、もしかしたら、デビューまでの進め方をどうするか、どんな競走馬に育てていこうかなど、いろいろと想像して楽しんでおられたのかもしれません。
【モリナガファーム分場在厩のキョウエイカルラ’20:公式HP(2021/5/1更新分)より】
パカパカファーム厚賀分場在厩のアスカビレン’20は、先月に引き続き昼夜放牧により管理されています。
◇山田担当のコメント 「北海道は5月初旬が桜の季節。本州より1ヶ月から1ヶ月半遅れの春を今ちょうど楽しんでいる感じでしょうか。この季節は暑くなく、虫もいませんからね。毎日のんびりと過ごせる環境下で存分に成長を促しています。生の牧草を食べられるようになったことで、冬場にいったん鈍っていた成長が再加速。起きている間はずっと地面に向かって青草を食んでおり、全体像でいうと重心が低く、父のエピファネイアに似てきました。最近では心身両面で成長してきた自信なのでしょうか、群れの中心的存在に。先月の近況で早く外に出たがると言いましたが、これは『自分が群れに戻らないと』という責任感からきているのかもしれません。以前は甘えん坊で、群れの中でも後ろからついて行く存在だったのが、今では先頭で群れを引き連れ歩いているほど。頼もしさを感じます」
-----
春になって成長が加速、父エピファネイアの雰囲気が出てきたとはスゴイ褒められ方ですね。確かに、ここまではとても順調に来ていますし、垢ぬけた馬体が際立っていると思ってはいますが、さすがにエピファネイアと比べてどうこうは(^^ゞ
ただ、バランスの良い馬体はもとより、精神面でもひと皮むけて、群れの中心的存在になっているのは心強い話で、もしかしたらこの牝馬は特別なのでは?という気がしているのも事実です。
答え合わせができるのは随分先になりますが、まずは吉澤ステーブル(ですよね?)に移動するまで、パカパカ厚賀の恵まれた環境の中でたくさん牧草を食べ、できるだけ大きく育っておいて欲しいです。やはり、(牝馬の場合は特に)体重減を気にせずしっかりトレーニングができる馬格があると、その後が全然違いますからねぇ(^^)
【パカパカファーム厚賀分場在厩のアスカビレン’20:公式HP(2021/5/1更新分)より】