広尾TCの2022年2歳募集馬について、『とっても気になるシリーズ』として各馬の感想を書いてきましたが、募集開始日まであと一週間を切りましたので、残りの3頭についてはここで一気に取り上げることにしました。
ゴッドフロアー' 20
◇牡1歳 鹿毛 2020.02.26生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:ダンカーク 母:ゴッドフロアー (母の父:ハーツクライ)
◇栗東・松永幹夫厩舎
◇募集総額 1,600万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CC型
◇Point!:父母双方から受け継いだ雄大な馬体は、極めて豊富な筋肉量を誇る重厚感に優れたフォルム。放牧地で見せる大きくダイナミックな走りには相当なパワーが漲っており、他馬を弾き飛ばすくらいの大迫力で日々元気に駆け回っている。半兄同様、基本的には前向きな性格だが、父が替わったこともあって気性はマイルド。母や伯母ステラリードが得意とした洋芝、さらに本馬にはダートでも大いなる躍進を期待して良さそうだ。広尾TCゆかりのファミリーとして、また新たな勲章を手に入れたい。
まずはゴッドフロアー’20ですが、本馬も『元出資馬の仔』なので、当然、すごく気になる存在です。ちなみにゴッドフロアーの初仔、半兄ゴッドシエルは最後の未勝利戦出走に向けて障害練習を取り入れるなど、今もとても苦労をしているわけですが、2番仔の本馬もきちんと同じ厩舎に入るあたりは松永先生のお人柄かもしれません(^^ゞ
それはさて置き、写真を見た第一印象は募集のPoint!にある通りでありまして、豊富な筋肉量、どっしりと重厚感のある馬体で、スラッと綺麗なラインだった兄よりパワータイプかな?というものでした。が、動画を見ると思ったよりコンパクトにまとまっていて、『雄大な馬体』という表現とは少しイメージが違う気も…。
どちらが本当なのかと思っていたところ、その後発表された測尺情報によれば、馬体重405kg、体高148cm、胸囲167cm、管囲18.5cm(6月中旬測定)とのことなので、やはり、兄よりもフレームサイズが小さくまとまっているようですね。当然ながら馬体はこれからも大きくなるわけですが、管囲が18.5cmだと『見違えるほど大きく』ということにはならないでしょう。もちろん、コンパクトだからダメというワケではなく、兄とはタイプが違うということを頭に入れておきたいです。
そうですねぇ、結局のところゴッドシエルも気性面で苦労をさせられていますから、本馬についてもその部分はポイントになるでしょうか。父がエピファネイアからダンカークに替わったことで、馬体の印象とともに精神面が落ち着いてくれていれば…。あとは、ダート路線で勝負するなら、やはりもう少しサイズアップはしたいですね。
ということで、本馬については『今後の成長を見極めたい一頭』という位置付けになるでしょう。お値段もすごく安い印象ではないので、即日満口にはならない前提で、(応援する気持ちを含め)今後の動向を見ていきたいと思います。
最後に少し余計なことを書きますが、母ゴッドフロアーは2018年にゴッドシエルを生んだあとにモーリスを配合されましたが、2019年産は生後直死。。2020年に本募集馬を生んだあとに再びモーリスを配合されたものの、2021年産がこれまた生後直死となってしまったようです。三度目のチャンスがあるかどうかは分かりませんが、モーリス×ゴッドフロアーの配合には大きな期待をしていましたので、実現したら勝負をしたいと思っています。
クエストフォーワンダー' 20
◇牡1歳 鹿毛 2020.04.24生 新冠産(パカパカファーム)
◇父:サトノアラジン 母:クエストフォーワンダー (母の父:マクフィ)
◇美浦・中舘英二厩舎
◇募集総額 1,500万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇Point!:バランスに優れた惚れ惚れする馬体は、当歳時から高い評価を得ていた父を連想させるもの。放牧地で見せる動きの良さや前向きな性格、負けん気の強さは母譲りと思われ、父母それぞれの長所が抽出されたことによって一層のポテンシャルの高さを窺わせており、母には2年連続で同父を種付けしたほどの手応え。4月生まれの分、サイズ面ではこれからだが、元来の骨量や体高などには恵まれている為、ミドルサイズ以上に育ってくれそうだ。芝のマイルから中距離あたりで存分にスピードを活かしたい。
続いてはクエストフォーワンダー’20です。クエストフォーワンダーの初仔はクエストフォーラヴ、2番仔がウインダミアですから、これで3年連続産駒が広尾TCから募集されることになりますね。
写真と動画を見た印象として、姉、兄に比べても全く遜色ないと言いますか、立ち写真のバランスなどは、今までで一番デキが良いかも…と思わせるレベルではないでしょうか。歩きに関しても、前肢がしっかり前に出ているので、鍛えていけば後肢の踏み込みはさらに深くなるでしょうし、パドックなどでかなり見栄えのする馬になっていきそうです。
7/15に追加された測尺情報によると、馬体重が445kg、体高155cm、胸囲186cm、管囲は20.7cmとサイズ感も充分ですし、見た目の印象が新種牡馬サトノアラジンとの好相性の結果だとしたら、この世代のお買い得馬、ダークホースはコレ!ということになるかもしれません。
美浦の中舘先生は少し地味な印象かもしれませんが、このところ毎年広尾馬を預かってくれていますし、ジョッキー時代を知る身としては応援したい先生のお一人です。(エタンダールなどでお世話になりましたm(_ _)m)
そんなこんなで、事情が許せば出資上位候補として扱いたい本馬ですが、他にも魅力的な馬たち、無条件出資候補の馬などもいて、この馬にまで手が届く情勢になるかどうか…。やはり、即売切れが予想される馬から出資をして、本馬を含む次位候補馬はしばらく様子見を、としたいのですが、意外にこの馬も早いかもしれませんしねぇ(^^;)
ラズベリータイム' 20
◇牝1歳 黒鹿毛 2020.02.25生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:エイシンフラッシュ 母:ラズベリータイム (母の父:フジキセキ)
◇栗東・田中克典厩舎
◇募集総額 1,400万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇Point!:準オープンまで昇級した全姉ミトノレインボーよりもやや小ぶりではあるものの、柔軟性の高さには相通じるものがあり、運動神経の良さはきょうだいの中でも随一。放牧地では控え目なタイプにも見えるが、気の荒い馬たちにも怯まず近づいていけるのは、自身の俊敏さと脚力の速さを知っているから。当歳時には母よりも前方を走っていたほどで、他馬をどんどん引き離していく小気味の良い走りは必ずや強みとなるはずだ。スピードと瞬発力が求められる芝のマイルあたりで大物食いを果たしたい。
今回の新規募集馬最後の一頭、ラズベリータイム’20までようやくたどり着きました(^^ゞ
さてさて、本馬については、写真よりも動画の印象がすごく良いタイプだと思います。いや、立ち姿も悪くはないのですが、とにかく歩きがすごく良く見えて…。まだ鍛える前なのに後肢が前肢に遅れていませんし、首から背中、トモにかけてが柔らかく連動していて、「柔軟性の高さ、運動神経の良さはきょうだいの中でも随一」との表現が、あながちオーバーではないように思えてきます。
姉のエベーヌが気性の問題で大苦戦をし、再ファンドも取り下げとなったことはプラス材料ではありませんが、馬のデキだけで言えばダークホース候補と考えて良いタイプなのかも…。それにしても、(サクソフォンもそうですが)エイシンフラッシュって、こういう柔らかい仔を出すんですねぇ。
ちなみに6/30測定の馬体重は399kg、体高146cm、胸囲169cm、管囲は18.5cmとのことなので、牝馬としても小柄な部類で競馬をするのは間違いなさそうです。小柄な馬体を良質な筋肉と運動神経の良さでカバーするような、そんな走りができるようになれば、あえて狙ってみるのも面白いかもしれません。
正直、個人的には本馬にまで出資枠を広げるのは厳しそうですが、木村さんの生産馬でもありますので、出資、非出資に拘わらず応援していきたいと思いますm(_ _)m
栗東トレセン在厩のヴィジャーヤは、15日に坂路入りをしています。
- 21.07.15 助 手 栗東坂良 1回 67.5-47.8-30.2-14.4 馬ナリ余力
- 21.07.04 助 手 栗CW稍 半哩 56.6-40.6-12.8(9) 馬ナリ余力
- 21.06.30 助 手 栗東坂良 1回 54.6-40.3-25.5-12.0 馬ナリ余力
◇池江調教師のコメント 「飛節の張りは傷腫れによるもの。消炎剤を投与してなるべく馬場入りしていますが、動く部位であることから、痛みの引きや治りが遅いのがもどかしいところです。15日に少しやりましたので、16日は大事を取って運動をセーブ。来週にはまた15-15程度を乗れるのではないでしょうか。第4回小倉開催(8/14~9/5)には間に合うものと思われます」
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デビュー戦間際にアクシデントで白紙、という嫌な流れが続いた本馬ですが、きっと池江先生、厩舎の皆さんももどかしく感じておられることでしょう。それでも焦って大雑把に進めたりせず、順を追ってデビューに向けたステップを踏ませているのは本馬の素質を評価しているからこそで、『一発で決めるぞ!』という強い意志の現れと思いたいです。
実際、新潟開催に間に合う目もなくなり、最後の未勝利戦が組まれている4回小倉開催(8/14~9/5)がギリギリという、なかなかスリリングな状況になっており、経験馬相手のデビュー戦でも最低掲示板が必要に。。患部のケアを続けながらの調整はご苦労も多いと思いますが、一発勝負に向けて、何とか乗り越えていくしかありません。
ことここに至っては、周りがジタバタしても…。引き続き厩舎の皆さんにしっかり面倒を見て頂いて、可能な限り良い状態でデビュー戦を迎えてもらいたい、今はただそれだけを願っていますm(_ _)m
美浦トレセン在厩のグランソヴァールは、まずは運動のみで様子を見ています。
◇尾関調教師のコメント 「帰厩後はひとまず曳き運動とウォーキングマシンのみ。近いうちにどこかの馬場に入れて、跨ってみての感触なども掴んでいければと思っています。獣医師にも診てもらいつつ、まずは状態把握に専念。必要とあれば精密検査を行うことも考えます」
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前走後の経緯を少し整理すると、6月末に「右前の裏がスッキリしない」との話があった後、「腫れなどを伴っておらず、しばし経過観察」との獣医師見解が出たのが先々週。特に大きな問題がないようにも思えましたが、尾関先生から「手元で現況を細かく把握したい」との話があり、先週末にトレセンに入厩したという流れになります。
その上で今回の近況を見ると、要するに、曳き運動やウォーキングマシンではおかしなところは見当たらず、今後は騎乗運動などで本当に問題ないかどうかを確認していく、その中で少しでも気になるところがあれば、日々の獣医師チェックに加えて精密検査を行う、ということになりますね。
脚元のことなので心配しないわけにはいきませんが、尾関先生はじめ厩舎の皆さんに、できる限りのことをやって頂いているのは理解していますので、このまま何事もなく次に向かえるよう祈りたいと思いますm(_ _)m
【2021/6/12東京1R 3歳以上障害未勝利(芝→ダ3000m)でのグランソヴァール:公式HPより】
美浦トレセン在厩のクレッシェンドラヴは、まずはレース後の様子見が行われています。
◇林調教師のコメント 「競馬の後も脚元に問題はありませんが、獣医師によれば、『全体的に結構な筋疲労が見受けられる状態』とのこと。加齢によるものでもあるのでしょう。今回はそれなりに反動がありますので、もう少し手元でケアしてあげてから、テンコートレーニングセンターへ放牧に出したいと考えます。現状まだ疲れが残っていることですし、次の目標については、放牧先での回復状況などを確認してから協議検討していきましょう」
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絶好の状態で挑んだ先週の七夕賞で14着と大敗したクレッシェンドラヴ…。結果はとても残念でしたが、脚元などに問題がなかったのは良かったです。(加齢による筋疲労の話は別にして…)
それはさて置き、前走直後にクラブから「次走については、矛先を大幅に変えてみることも念頭に置いて調教師と意見交換を行っていく予定」との話がありましたが、今回の林先生のコメントによれば、「次の目標については放牧先での回復状況を確認してから…」となっていて、協議や検討、意見交換などはしばらく行われないようです。
うーむ。。本当にそんな感じなのかどうかは知る由もないのですが、少なくともテンコーさんでリフレッシュをするまで、林先生から今後の方針めいたものが発信されることはないのでしょう。。そうなると前走後のクラブのコメントはどうなってしまうのか?ということですが、ええと、どうなってしまうのかな…(^^;)
いろいろと難しいところもあるのでしょうが、重賞を二つも勝ってくれたクレッシェンドラヴのことですから、今後についてもよくよく関係者間でコミュニケーションをとって頂ければと思いますm(_ _)m
【2021/7/11福島11R 七夕賞(G3)でのクレッシェンドラヴ:公式HPより】