わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代陶芸120(北出不二雄)

2012-05-19 22:36:57 | 現代陶芸と工芸家達
前回紹介した北出塔次郎の跡を継ぎ、日展中心に制作活動を進め、色絵の他、彩釉陶器を工夫し
 
両者を併行して作陶している作家に、北出家四代目の北出不二雄氏がいます。
 
尚、北出窯は、初代宇与門により明治元年、加賀市栄谷の地に興された窯元で、二代亀吉(大正~昭和)

三代塔次郎(明治~昭和)と継承されています。
 
1) 北出 不二雄 (きたで ふじお): 1919年(大正8年) ~

  ① 経歴

   ) 九歳の時、縁有って北出家の養子に成ったとの事です。(詳細は不明)

       養父の下で陶芸の手解きを受けます。

     1937年 石川県立工業学校窯業科を卒業します。翌年 商工省陶磁器試験所伝習生二期を

      終了しています。1939~1945年兵隊として応召されます。

     1950年 金沢美術工芸専門学校陶磁器科を卒業し、第六回日展に初入選を果たします。

      以後連続入選を繰り返します。

   ) 1955年 石川県現代美術展で、「線文壺」が最高賞を受賞します。

      1956年 日本伝統工芸展で初の入選を果たします。同年金沢市・北国書林で初の個展を

       開催しています。

      1958~1959年 山城町文化財専門委員として、古九谷窯跡の綜合調査に参加し、「古九谷の

       研究」を発表しています。

      1964年 第二回朝日陶芸展で「彩磁華文壺」が優秀賞に選ばれます。

      1965年 第八回改日展に「青釉彫文鉢」を出品し、特選・北斗賞を受賞します。

       更に、1971年に日展審査員に、翌年には日展会員、1986年に日展評議員になります。

   )  1980年 作陶三十周年記念展を、東京日本橋三越で開催します。

      1987年 第十九回改組日展に「青釉 石窟佛」を出品し、内閣総理大臣賞を受賞します。

      平成2年 九谷焼技術保存会会長(現・顧問)になります。

      2002年 「現代九谷の黎明 北出塔次郎と青泉窯三代展」(九谷焼美術館主催)を開催します。

      2010年 日本陶磁協会特別賞を受賞します。

 ②  北出 不二夫氏の陶芸

     彼の作品は年代により、次第に変化が出て来ています。

   ) 昭和30年代までは、施釉した後本焼きした磁器に、色絵具で上絵付けする伝統的な技法が

      中心に成っています。

   ) 昭和40年代に入ると、硬く焼き締めた素地に直接上絵付を施す技法と、素地の軟らかいうちに

      陶彫や釘彫で器面に文様を施し、その上に単彩釉を掛けた作品で、オブジェ的な要素を含む

      作品です。昭和40年代後半に成ると、ペルシャ風のタッチに成っています。

      「彩陶(さいとう)」: 釉面は柔らか味のある光沢となり、釉下の描写は落着いた色に透けて

      みえます。代表的作品に「彩陶深鉢・鳥たち」(高33.5 X 径39.5cm)(1974)があります。

      その他に「彩陶壺・薫風」(高32 X 径38cm)(1972)等の作品があります。

   )  昭和50年代になると、色絵による文様構成となり、伝統的なものを現代的に復興する作品に

      成っています。「彩陶鳥文皿」」(高9.2 X 径42cm)(1977年) 石川県美術館。

      「塗埋手小禽(ぬりうめて しょうきん)文飾皿」」(高8 X 径42.4cm)(1980年)

      この作品は、古九谷の青手(塗埋手)の様式に倣ったもので、青手の再生と見られる作品です。

     「赤絵壺・初夏」(高30.5 X 径38.5cm)(1979)の作品は、九谷赤絵の技法が最高度に

     発揮され、現代的意匠的に成っています。

   ) 青釉(せいゆう): トルコ青と成って発色する釉です。

      高火度焼締後、器の表面に銅を呈色剤とした、特殊なアルカリ釉を掛け、低火度で焼成します。

      焼き上がりは、トルコ青に発色しますが、釉に特殊な成分を混ぜる事により、艶消しや半艶消しに

      仕上げる事も可能です。「飾壺・麗日(れいじつ)」(高41.9 X 径33cm)(1980年)、

      「染付壺・みちのく」(高62 X 径23cm)(1970)、「青釉彫文鉢」(高20.8 X 径43.5cm)

      (1965年)等の作品があります。

次回(徳田 八十吉)に続きます。

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