伝統的な九谷焼の技法に工夫を重ね、日展を中心に活躍し、1996年に九谷焼作家として初めてとなる、
文化勲章を受章しました人が、二代目浅蔵 五十吉氏です。
1) 二代浅蔵 五十吉(あさくら いそきち)本名は与作 : 1913年(大正2) ~1998年(平成10年)
① 経歴
) 石川県能美郡寺井町に生まれます。父磯吉は成型に堪能な「焼物造り屋」であったそうです。
1929年 小学校卒業後直ぐに、九谷焼上絵師の第一人者の初代徳田八十吉(当ブログ121参照)
の下に弟子入りします。
1946年 終戦後加賀市の北出塔次郎(当ブログ119参照)に師事し、本格的に作陶生活が
始まります。
同年 第一回日展に「色絵三華の讃水鉢」を出品し初入選を果たします。以後連続入選します。
1952年 第八回日展出品の「色絵方形水盤」が、第一回北斗賞を受賞します。
「色絵方形水盤」(高13.7 X 横64cm)(1952年)
1955年 第十一回日展で「窯変交歓花器」で二度目の北斗賞を受賞します。
) 1956年 日ソ国交回復記念展に、「「釉彩花菖蒲飾鉢」を招待出品します。
この作品が、ソ連国立レニングラード美術館のお買い上げとなります。
1962年 第五回新日展審査員に就任します。第十一回新日展でも審査員になります。
1964年 第七回新日展で「磁象飾皿」が政府買い上げに成ります。
1974年 日展評議委員になり、「飾皿・瑞鳥の譜」を迎賓館に納入されます。
「飾皿・瑞鳥の譜」(高9.5 X 径65cm)(1974年)
1977年 第九回日展で内閣総理大臣賞を受賞します。同年日展理事に就きます。
1981年 色絵磁器「佐渡の印象」で芸術院賞を受賞します。
1992年 文化功労者に、1998年 に文化勲章を受章します。
② 二代目浅蔵五十吉の陶芸
最初に師事した徳田八十吉の古九谷風の色絵具の使い方と、次に師事する北出塔次郎の近代的な
色絵の世界を巧みに組み合わせ、独自の色絵を作り出します。
) 磁彩: 器の表面に浮き彫りや盛り上げ文様を施し、本焼きで硬く焼き締め、上絵を描き
焼き付けた作品です。「花器・構成の美」(高38 X 径34.8cm)(1957年)、「羊頭花器」
(高24.2 X 径34cm)(1960年)小松市立女子高等学校。
) 刻釉(こくゆ): 作品の表面を竹へら等を使い、線彫りし本焼焼成後、上絵を描く方法です。
「飾皿・花園に遊ぶ」(高9.5 X 横65cm)(1976年)、「刻菊花文花生」」(高41.9 X 径30.2cm)
(1974年)等の作品です。
) 釉彩(ゆさい): 表面には何も施さず、焼き締め後呉須で絵を描き、更に絵具で絵付けをする
方法です。「遊魚飾皿」(高15 X 径55cm)(1963年)
) 磁象(じしょう): 収縮率の異なる土を用い、乾燥、焼成に伴う収縮で故意に亀裂を発生させ
更に上絵を施す技法です。 作品としては、「磁象角飾皿」(高11.6 X 径33.5cm)(1974年)、
「岩煌花器」(1974年)などの作品があります。
) 独特な黄色の釉薬や深厚釉、小紋などを巧みに用いた作品。
「色絵蓋物・三華の譜」(高15.8 X 径34.6cm)(1948年)、「鉢・九稜三華の譜」
(高12 X 横42cm)(1974年)等があります。
2) 三代浅蔵 五十吉: 1941年(昭和16) ~
以下次回に続きます。