② 二代目の陶芸
上絵において最も重要な事は、色釉の調合技法で、初代の下で釉の開発に努め、「上絵艶消釉」や
「上絵窯変釉」を創作します。
従来九谷の色絵の色調は、光沢のある緑、黄、紫の三彩ですが、これを艶消釉にする事で、
新鮮さを引き出しています。草花を中心とした画面構成は、詩情溢れる豊かさを感じる作品に
成っています。
) 色絵の作品
「色絵飾皿・砂丘の春」(高8 X 径55.5cm)(1951年)、「色絵銀杏文飾皿」(高7.3 X 径45cm)
(1954年)、 「色絵杜若文(かきつばた)飾皿・河のほとり」(高5.5 X 径53.6cm)(1962年)、
「色絵飾皿・豊秋」(高7.2 X 径55.3cm)(1964年)小松市美術館、「色絵飾皿・凝視」
(高8.5 X 径61.5cm)(1968年)等の作品があります。
) 金襴手の作品: 地の色により、黄地、赤地、瑠璃地、緑地金襴手などの種類があります。
) 涌象(ゆうしょう): 「上絵付した文様や形が器の表面に涌き出る」と言う意味だそうです。
数種類の色土を積み上げ、轆轤成形する練り込みの技法で作ります。
練込で生じた模様に上絵付けをする、二代目独特な技法です。
生乾きの時に表面を削り出し、高火度で焼き締めた後、上絵具で彩色したり、金砂子を
貼り付けた後、低火度で焼成焼付けます。更に金砂子部分を瑪瑙(めのう)棒で磨き艶消しに
します。「涌象花瓶」(高31.5 X 径31.8cm)(1971年)、「緑釉花瓶」」(高33.3 X 径31cm)
(1969年)等の作品があります。
3) 三代目徳田八十吉(本名は徳田正彦): 1933年(昭和8年)~2009年(平成21年)
① 経歴
) 石川県小松市で、二代目八十吉の息子として生まれます。
金沢美術工芸大学短期大学工芸科、陶磁専攻を中退し、初代に古九谷の上絵釉の調合を、
二代目には、古九谷の絵付け等の陶芸技術を学びます。
1958年 第1回一水会陶芸展で初入選を果たします。
1971年 第十八回日本伝統工芸展示で「彩釉鉢」が、優秀賞(NHK会長賞)を受賞します。
1977年 日本伝統工芸展で総裁賞を受賞します。
1988年に三代目を襲名。
1990年 国際陶芸展でグランプリを受賞します。
1991年には第11回日本陶芸展で、大賞・秩父宮賜杯を受賞します。
1997年6月6日、重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)に認定されました。
アジアやロシア、アメリカ国内、ローマでも多くの個展を開催しています。
・ 追悼展が2011年12月~2012年 1月まで小松市立博物館、本陣記念美術館、錦窯展示館で
開催されました。
② 三代徳田 八十吉の陶芸
) 耀彩(ようさい)の創造
古九谷の五彩(赤、黄、緑、紺、紫)のうち、赤(ガラス質が含まれていない)を除く四彩を組み合わせ
高温(通常より200℃程高い1000℃)で焼成して独自のグラデーションによる、彩釉磁器の焼成に
成功し、「耀彩(ようさい)」と名付けます。耀彩とは、『光耀く色』という意味だそうです。
耀彩は煌(きら)めく色彩と輝く様な光を放し、色鮮やかな美しい作品です。
尚、組み合わせの種類は200種類以上との事です。
「耀彩線文壺」が、メトロポリタン美術館に収蔵されています。
) 「青手古九谷」の作品
釉薬で色彩を調整し、鮮やかな群青色に強い個性が発揮されています。
海外にも多くの作品を発表して高い評価を得ています。また、古九谷の学術研究にも尽力します。
4) 四代目徳田 八十吉(本名は順子):1961年(昭和36年)~
三代目徳田八十吉の長女として、石川県小松市大文字町に生まれます。
1980年 小松高校卒業後、ニューヨーク州ジェームスタウン高校へ留学します。
1983年 青山学院女子短期大学を卒業後、NHK金沢放送局でニュースキャスターを勤めます。
(1984~86年)
1990年 石川県立九谷焼技術研修所を卒業します。その後父の秘書として、世界各国を訪問して
います。同年 第46回現代美術展に入選を果た、朝日陶芸展'90にも入選します。
更にオーストラリア巡回展にも参加します。
1991年 JR金沢駅に陶壁「動輪」を制作設置します。
1994年 小松市すこやかセンターに、陶壁「動輪Ⅱ」を製作します。
1995年 仙台市秋保温泉「蘭亭」に、陶壁「花・むつみ」を製作します。
1998年 APAホテル金沢駅前に、陶壁「春」を製作します。
2001年 AOAホテル東京西麻布に、陶壁「LOVE」を製作し、同年、小松大和、富山大和、岡山
高島屋にて個展を開催します。
2004年 第55回日本伝統工芸展に入選し、 第56回日本伝統工芸展でも入選します。
第57回日本伝統工芸展で「彩釉鉢・昇龍」が入選します。
2010年 第三十三回伝統九谷焼工芸展で 「彩釉花器・昇龍」が大賞を受賞されています。
・ その他個展、グループ展を、全国の百貨店等にて多数開催しています。
三代目の死去を受けて、翌2010年に四代を襲名しました。
同年 「襲名記念 四代 徳田八十吉展」がJR 名古屋の高島屋、美術画廊で開催されました。
次回(浅蔵 五十吉)に続きます。