わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代陶芸122(徳田 八十吉2 )

2012-05-23 16:58:55 | 現代陶芸と工芸家達

 

② 二代目の陶芸

   上絵において最も重要な事は、色釉の調合技法で、初代の下で釉の開発に努め、「上絵艶消釉」や

   「上絵窯変釉」を創作します。

   従来九谷の色絵の色調は、光沢のある緑、黄、紫の三彩ですが、これを艶消釉にする事で、

   新鮮さを引き出しています。草花を中心とした画面構成は、詩情溢れる豊かさを感じる作品に

   成っています。

  ) 色絵の作品

     「色絵飾皿・砂丘の春」(高8 X 径55.5cm)(1951年)、「色絵銀杏文飾皿」(高7.3 X 径45cm)

     (1954年)、 「色絵杜若文(かきつばた)飾皿・河のほとり」(高5.5 X 径53.6cm)(1962年)、

     「色絵飾皿・豊秋」(高7.2 X 径55.3cm)(1964年)小松市美術館、「色絵飾皿・凝視」

     (高8.5 X 径61.5cm)(1968年)等の作品があります。

  ) 金襴手の作品: 地の色により、黄地、赤地、瑠璃地、緑地金襴手などの種類があります。

  ) 涌象(ゆうしょう): 「上絵付した文様や形が器の表面に涌き出る」と言う意味だそうです。 

     数種類の色土を積み上げ、轆轤成形する練り込みの技法で作ります。

     練込で生じた模様に上絵付けをする、二代目独特な技法です。

     生乾きの時に表面を削り出し、高火度で焼き締めた後、上絵具で彩色したり、金砂子を

     貼り付けた後、低火度で焼成焼付けます。更に金砂子部分を瑪瑙(めのう)棒で磨き艶消しに

     します。「涌象花瓶」(高31.5 X 径31.8cm)(1971年)、「緑釉花瓶」」(高33.3 X 径31cm)

    (1969年)等の作品があります。

3) 三代目徳田八十吉(本名は徳田正彦): 1933年(昭和8年)~2009年(平成21年)

  ① 経歴

   ) 石川県小松市で、二代目八十吉の息子として生まれます。

       金沢美術工芸大学短期大学工芸科、陶磁専攻を中退し、初代に古九谷の上絵釉の調合を、

       二代目には、古九谷の絵付け等の陶芸技術を学びます。

     1958年 第1回一水会陶芸展で初入選を果たします。

     1971年 第十八回日本伝統工芸展示で「彩釉鉢」が、優秀賞(NHK会長賞)を受賞します。

     1977年 日本伝統工芸展で総裁賞を受賞します。

     1988年に三代目を襲名。

     1990年 国際陶芸展でグランプリを受賞します。

     1991年には第11回日本陶芸展で、大賞・秩父宮賜杯を受賞します。

     1997年6月6日、重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)に認定されました。

      アジアやロシア、アメリカ国内、ローマでも多くの個展を開催しています。

   ・  追悼展が2011年12月~2012年 1月まで小松市立博物館、本陣記念美術館、錦窯展示館で

     開催されました。

 ② 三代徳田 八十吉の陶芸

  ) 耀彩(ようさい)の創造

    古九谷の五彩(赤、黄、緑、紺、紫)のうち、赤(ガラス質が含まれていない)を除く四彩を組み合わせ

    高温(通常より200℃程高い1000℃)で焼成して独自のグラデーションによる、彩釉磁器の焼成に

    成功し、「耀彩(ようさい)」と名付けます。耀彩とは、『光耀く色』という意味だそうです。

    耀彩は煌(きら)めく色彩と輝く様な光を放し、色鮮やかな美しい作品です。

    尚、組み合わせの種類は200種類以上との事です。

    「耀彩線文壺」が、メトロポリタン美術館に収蔵されています。

  ) 「青手古九谷」の作品

     釉薬で色彩を調整し、鮮やかな群青色に強い個性が発揮されています。

     海外にも多くの作品を発表して高い評価を得ています。また、古九谷の学術研究にも尽力します。 

4) 四代目徳田 八十吉(本名は順子):1961年(昭和36年)~

   三代目徳田八十吉の長女として、石川県小松市大文字町に生まれます。

   1980年 小松高校卒業後、ニューヨーク州ジェームスタウン高校へ留学します。

   1983年 青山学院女子短期大学を卒業後、NHK金沢放送局でニュースキャスターを勤めます。

   (1984~86年)

   1990年 石川県立九谷焼技術研修所を卒業します。その後父の秘書として、世界各国を訪問して

    います。同年 第46回現代美術展に入選を果た、朝日陶芸展'90にも入選します。

    更にオーストラリア巡回展にも参加します。

   1991年  JR金沢駅に陶壁「動輪」を制作設置します。

   1994年 小松市すこやかセンターに、陶壁「動輪Ⅱ」を製作します。

   1995年  仙台市秋保温泉「蘭亭」に、陶壁「花・むつみ」を製作します。

   1998年 APAホテル金沢駅前に、陶壁「春」を製作します。

   2001年 AOAホテル東京西麻布に、陶壁「LOVE」を製作し、同年、小松大和、富山大和、岡山

    高島屋にて個展を開催します。

   2004年 第55回日本伝統工芸展に入選し、 第56回日本伝統工芸展でも入選します。

    第57回日本伝統工芸展で「彩釉鉢・昇龍」が入選します。

   2010年 第三十三回伝統九谷焼工芸展で 「彩釉花器・昇龍」が大賞を受賞されています。

  ・ その他個展、グループ展を、全国の百貨店等にて多数開催しています。

   三代目の死去を受けて、翌2010年に四代を襲名しました。

   同年 「襲名記念 四代 徳田八十吉展」がJR 名古屋の高島屋、美術画廊で開催されました。

次回(浅蔵 五十吉)に続きます。

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