疑問11 土を加熱すると、どの様に変化するのか?
加熱によって以下の順で熱的変化が起こります。
① 十分天日干した作品でも、数%(2~5%)の水分を含みます。
② 水分は100℃程度から蒸発し始め、300℃前後で結晶水以外の水は放出が終了します。
この段階で、水を加えると元の粘土に戻ります。
③ 300~500℃で粘土中に含まれる、有機物の炭化が起こり、やがて600℃程度で燃焼し、焼失し
ます。但し、素地中に入っている場合には、十分空気を供給しても、燃え尽きない事もあり
ます。その際に、素地に炭素が多く残っていると、灰色に成ります。
④ 350℃位から粘土は熱分解を起こし、結晶水の放出が始まり、450~700℃程度で結晶水の放出
が完了します。その際、吸熱反応により、素地が熱を吸収する為に、温度上昇は鈍くなります
吸熱状態では、作品の表面と内部の温度差が150℃程度あります。急激に温度を上昇させると
内部の水分が外部まで抜け切れずに急膨張し、素地に亀裂が入る恐れがありますので、急な
温度上昇は厳禁です。尚、この段階になると、水を加えても元の粘土には戻りません。
⑤ 有機物の多い素地では、素地が膨らむ場合があります。即ち「ぶく」と呼ばれる現象です。
⑥ 素地に含まれる不純物で問題になるのが、鉄化合物です。特に硫化鉄は450℃で分解し、素地に
悪さをする事に成ります。
⑦ 573℃程度で、粘土の中に含まれる石英が、急膨張します。
⑧ 700~800℃で素焼きが完了します。
粘土は、固くなり加工が困難に成ります。又、水に漬けても形が崩れる事はありません。
粘土の主成分である、カオリナイトはメタカオリンと結晶構造が変化し、燒締まりが進みます
⑨ 800~1,000℃で、石灰石やドロマイトなどの炭酸塩が分解します。
⑩ 1,000℃以上になると、メタカオリンはムライト結晶に変化し、素地が急激に縮んで行きます。
更に、遊離したシリカ(珪酸)はクリストバライトに変化します。
アルカリ及びアルカリ土類成分は、シリカと科学反応を起こし、980℃近辺からガラスを生成
する様になります。
尚、釉が施されている場合に付いては、後日お話する予定です。
以下次回に続きます。
加熱によって以下の順で熱的変化が起こります。
① 十分天日干した作品でも、数%(2~5%)の水分を含みます。
② 水分は100℃程度から蒸発し始め、300℃前後で結晶水以外の水は放出が終了します。
この段階で、水を加えると元の粘土に戻ります。
③ 300~500℃で粘土中に含まれる、有機物の炭化が起こり、やがて600℃程度で燃焼し、焼失し
ます。但し、素地中に入っている場合には、十分空気を供給しても、燃え尽きない事もあり
ます。その際に、素地に炭素が多く残っていると、灰色に成ります。
④ 350℃位から粘土は熱分解を起こし、結晶水の放出が始まり、450~700℃程度で結晶水の放出
が完了します。その際、吸熱反応により、素地が熱を吸収する為に、温度上昇は鈍くなります
吸熱状態では、作品の表面と内部の温度差が150℃程度あります。急激に温度を上昇させると
内部の水分が外部まで抜け切れずに急膨張し、素地に亀裂が入る恐れがありますので、急な
温度上昇は厳禁です。尚、この段階になると、水を加えても元の粘土には戻りません。
⑤ 有機物の多い素地では、素地が膨らむ場合があります。即ち「ぶく」と呼ばれる現象です。
⑥ 素地に含まれる不純物で問題になるのが、鉄化合物です。特に硫化鉄は450℃で分解し、素地に
悪さをする事に成ります。
⑦ 573℃程度で、粘土の中に含まれる石英が、急膨張します。
⑧ 700~800℃で素焼きが完了します。
粘土は、固くなり加工が困難に成ります。又、水に漬けても形が崩れる事はありません。
粘土の主成分である、カオリナイトはメタカオリンと結晶構造が変化し、燒締まりが進みます
⑨ 800~1,000℃で、石灰石やドロマイトなどの炭酸塩が分解します。
⑩ 1,000℃以上になると、メタカオリンはムライト結晶に変化し、素地が急激に縮んで行きます。
更に、遊離したシリカ(珪酸)はクリストバライトに変化します。
アルカリ及びアルカリ土類成分は、シリカと科学反応を起こし、980℃近辺からガラスを生成
する様になります。
尚、釉が施されている場合に付いては、後日お話する予定です。
以下次回に続きます。