疑問12 作品を軽く作るには? (前回の続きです。)
ご飯茶碗の場合、作品の大小はあるものも、焼き上がり時の重さは200g以下にしたい物です。
抹茶茶碗の場合には、形の種類にもよりますが、おおよそ300~400g程度の場合が多い
様です。この重さが使い易く、取り扱い易い重さと思われます。
当然、焼き上げると土の水分など蒸発し、軽く成りますが、施釉する事で、ガラス質を身に
まといますので、差し引き大差の無い値と成ります。但し重さは絶対的なもでは無く、同じ
重さであっても、体積の小さいものは、より重く感じます。
即ち、一般的な作品では、削り作業が終わった状態の重さが、おおむね焼きあがりの重さと
考えても良いと思われます。それ故、削り終えた作品の重さを測る事で、おおよその出来上がり
の重さを知る事が出来ます。
2) 装飾で軽くする。
底削りが終わっても、作品が重たく感じる時には、彫刻などの模様を施す事で、肉を削り、
軽くする事も有ります。
① 透かし彫りを施す。但し最初の予定した作品から、用途が変わる場合が多くなります。
即ち、液体を入れる事が出来ませんので、菓子鉢の様なものに限定されてしまいます。
透かし彫りを施す事で、肉抜きを行い重量を軽くできます。
② 掻き落としを施す。異なる色化粧土を施した後、模様を描き掻き落とし、模様を浮き立た
せます。勿論、化粧土を塗ることで、重量は増えますが、それ以上の量の土を掻き落としを
すれば、重量が軽くできます。
③ 彫刻を施す。作品に鎬(しのぎ)を入れます。
鎬とは、彫刻等などを使い、線状に溝を掘り込み文様を付ける方法です。
縦方向や斜め方向に連続して掘り込む場合が多いです。表面は凸凹し波紋の様になります。
④ 肉厚の部分に面取りを施す。
肉厚の部分は腰から高台にかけての場合が多いですので、この部分に面取りを入れます。
面の数が少ない程、厚く切り取る事に成りますので、面数をいくつにするかも考慮する必要が
あります。
いずれにしても、形が変わってしまいますので、最初から予定していたのでないならば、この
方法で軽くするのは、あまり薦められません。
3) 重たい作品を軽く感じさせる方法。
同じ重さであっても、見た目で軽く感じる形があります。
① 高台の高い作品は軽く見えます。
「べた高台」は「輪高台」に比べ、「どっしり感」があり、重く感じがします。
同様に碁笥底高台も重く感じられる形です。
即ち、器全体がテーブルより浮き上がった感じにすることで、浮遊感が出て軽さを感じさせる
事ができます。更に欲を言えば、斜め上から高台自体が見えなければ、より浮遊感がえられます
即ち、高台の直径を小さくするか、撥(ばち)高台にする事です。
② 人は作品を持つ前に、おおよその重さを判断します。その後作品を持ち上げた時、軽いと
感じるか重いと感じるかは、予想した重さに対して、比較して感じるものです。
それ故、重たそうに見せ掛け、その実軽い作品にすれば軽く感じる事に成ります。
)手に持つ事無く、作品の重さの予測するのは、作品の大きさもさる事ながら、口縁の肉厚で
判断する事になります。
)口縁の肉厚から、作品全体の厚さも同一と判断します。
初心者の作品(特に轆轤挽きしたもの)は、口縁が極端に薄くなり勝ちですので、一見
軽い様に見えますが、実際にはたっぷり腰周りに贅肉が付いている為、重たく感じます。
) 陶芸に慣れた方は、口縁のみを極端に厚く作り、一見重そうに見せ掛けます。
特に、角皿の場合は土を締めながら、口縁の肉を厚くし重そうに見せ掛けます。
又、轆轤挽きでも同様に口縁を厚くし、重量感を持たせますが、手に持ってもらうと
軽く感じさせる事が出来ます。
③ 作品に動きがあると軽く感じます。
) 左右均等の形の作品は、動きが乏しく、重さを感じさせます。花瓶などに耳を付ける
際には、取り付け位置を左右で変えたり、同じ形でない耳を付ける事で、作品に動きが
出ます。
) 不安定感も作品に動きを感じさせます。作品の重心が高い作品(下膨れとは逆)や、
左右の形状が僅かに違っている場合、僅かに傾いている場合など、作品に動きが現れ
作品が軽く感じさせる働きがあります。
◎ 勿論、作品制作時に重さ(厚さ)を確認しながら作業を進めるのが本質です。
形のみに捕われる傾向になり勝ちですので、常日頃肉厚などに注意を向ける事です。
以下次回に続きます。
ご飯茶碗の場合、作品の大小はあるものも、焼き上がり時の重さは200g以下にしたい物です。
抹茶茶碗の場合には、形の種類にもよりますが、おおよそ300~400g程度の場合が多い
様です。この重さが使い易く、取り扱い易い重さと思われます。
当然、焼き上げると土の水分など蒸発し、軽く成りますが、施釉する事で、ガラス質を身に
まといますので、差し引き大差の無い値と成ります。但し重さは絶対的なもでは無く、同じ
重さであっても、体積の小さいものは、より重く感じます。
即ち、一般的な作品では、削り作業が終わった状態の重さが、おおむね焼きあがりの重さと
考えても良いと思われます。それ故、削り終えた作品の重さを測る事で、おおよその出来上がり
の重さを知る事が出来ます。
2) 装飾で軽くする。
底削りが終わっても、作品が重たく感じる時には、彫刻などの模様を施す事で、肉を削り、
軽くする事も有ります。
① 透かし彫りを施す。但し最初の予定した作品から、用途が変わる場合が多くなります。
即ち、液体を入れる事が出来ませんので、菓子鉢の様なものに限定されてしまいます。
透かし彫りを施す事で、肉抜きを行い重量を軽くできます。
② 掻き落としを施す。異なる色化粧土を施した後、模様を描き掻き落とし、模様を浮き立た
せます。勿論、化粧土を塗ることで、重量は増えますが、それ以上の量の土を掻き落としを
すれば、重量が軽くできます。
③ 彫刻を施す。作品に鎬(しのぎ)を入れます。
鎬とは、彫刻等などを使い、線状に溝を掘り込み文様を付ける方法です。
縦方向や斜め方向に連続して掘り込む場合が多いです。表面は凸凹し波紋の様になります。
④ 肉厚の部分に面取りを施す。
肉厚の部分は腰から高台にかけての場合が多いですので、この部分に面取りを入れます。
面の数が少ない程、厚く切り取る事に成りますので、面数をいくつにするかも考慮する必要が
あります。
いずれにしても、形が変わってしまいますので、最初から予定していたのでないならば、この
方法で軽くするのは、あまり薦められません。
3) 重たい作品を軽く感じさせる方法。
同じ重さであっても、見た目で軽く感じる形があります。
① 高台の高い作品は軽く見えます。
「べた高台」は「輪高台」に比べ、「どっしり感」があり、重く感じがします。
同様に碁笥底高台も重く感じられる形です。
即ち、器全体がテーブルより浮き上がった感じにすることで、浮遊感が出て軽さを感じさせる
事ができます。更に欲を言えば、斜め上から高台自体が見えなければ、より浮遊感がえられます
即ち、高台の直径を小さくするか、撥(ばち)高台にする事です。
② 人は作品を持つ前に、おおよその重さを判断します。その後作品を持ち上げた時、軽いと
感じるか重いと感じるかは、予想した重さに対して、比較して感じるものです。
それ故、重たそうに見せ掛け、その実軽い作品にすれば軽く感じる事に成ります。
)手に持つ事無く、作品の重さの予測するのは、作品の大きさもさる事ながら、口縁の肉厚で
判断する事になります。
)口縁の肉厚から、作品全体の厚さも同一と判断します。
初心者の作品(特に轆轤挽きしたもの)は、口縁が極端に薄くなり勝ちですので、一見
軽い様に見えますが、実際にはたっぷり腰周りに贅肉が付いている為、重たく感じます。
) 陶芸に慣れた方は、口縁のみを極端に厚く作り、一見重そうに見せ掛けます。
特に、角皿の場合は土を締めながら、口縁の肉を厚くし重そうに見せ掛けます。
又、轆轤挽きでも同様に口縁を厚くし、重量感を持たせますが、手に持ってもらうと
軽く感じさせる事が出来ます。
③ 作品に動きがあると軽く感じます。
) 左右均等の形の作品は、動きが乏しく、重さを感じさせます。花瓶などに耳を付ける
際には、取り付け位置を左右で変えたり、同じ形でない耳を付ける事で、作品に動きが
出ます。
) 不安定感も作品に動きを感じさせます。作品の重心が高い作品(下膨れとは逆)や、
左右の形状が僅かに違っている場合、僅かに傾いている場合など、作品に動きが現れ
作品が軽く感じさせる働きがあります。
◎ 勿論、作品制作時に重さ(厚さ)を確認しながら作業を進めるのが本質です。
形のみに捕われる傾向になり勝ちですので、常日頃肉厚などに注意を向ける事です。
以下次回に続きます。