わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

教程13-1 (風船作り)

2008-11-19 22:40:01 | 教程 (陶芸全般を学ぶ)
今までは、ロクロの基本的な作り方を、作品を通して述べて参りました。

一通りの技法を取り上げましたので、大抵の作品は作る事が出来ます。

 但し、教程全部を一回終わっても、実際は、ロクロをマスターした事には成りません。

 「ロクロ6年」とか10年とか言う言葉があります。

 何回も練習する事によって初めて、技術が身に付きます。(練習あるのみです)

 是非、作品を最初から最後まで、自分で考え、一人で作れる様になって下さい。


では、本日の本題に入ります。

ロクロでは、特殊な作り方が、幾つか有ります。

 1) 風船作り (風船の様に、空気を閉じ込める方法)

 2) 環作り (ドーナツ状の環を作る方法)

 3) 器の壁を二重に作る方法 

   などが有ります。

 では1)から述べたいと思います。

 1) 風船作り

   完全に閉じた空間を作る技法です。

   直径が大きな物程、難しく成りますので、最初は径の小さい物から、挑戦して下さい。

   使い方としては、蓋物作り等に向いています。

   蓋と本体が一体に出来、別々に作るより、一体感が出ます。

   その他、この技法を駆使して、新しい、違った形の作品を作って下さい。

  ① 菊練をした土を、ロクロに据え、いつもの様に土殺し、中央に穴を掘り、底を作ります。

  ② 土を筒状に延ばします。

  ③ 胴を膨らませ、好みの形にします。膨らみより上の土は、多めに残して下さい。

  ④ 口に向かって、筒の径を徐々に狭めます。

   a) 筒の底の水は、「柄の付いたスッポンジ」で拭き取ります。

   b) 最初は、両手で抱え込む様に、次に左右の手の親、中、人差し指の6本

     で挟み込み、最後に両手の親、人差し指の4本で径を細くします。

     径を細くすると、肉厚に成りますので、締めたら土を薄く延ばす作業を、繰り返します。

  ⑤ 口を完全に閉じる。

   a) 口の最上部の土を残す様にし、首を絞めて完全に閉じ、上に残った土を、ねじ切る。

     口の最上部で閉じるのは、口が落ち込んだり、撚れ、捻りが発生し、かなり難しいです。

     口に若干の土を残すが、「コツ」です。

   b)  ねじ切ると、先端が細く「とんがり」ますので、掌で軽く撫ぜ、丸い山形にします。

  ⑥ 形を作る

   a)  空気が閉じ込められている限り、外からの力の加え方る事によって、

      形を自由に変える事が出来ます。

   b) 上から力を加えると、背が低くなり、径が大きく成ります。

     横から力を加えると、径は細くなり、背が高くなります。

     即ち、内部の空気の量は、変化しません。

     その為、押された空気は、弱い所に逃げ、形が変わります。

    ・ 注意点は、当然肉に薄い部分(上部が多い)は、簡単に変形しますが、

      肉の厚い下部は、変形しづらいです。

    ・ その為、下の方の土は、竹ベラなどで、剥ぎ取り、なるべく肉を薄くしてから、

      変形させると、やり易いです。(土が軟らかいですから注意)

  ⑦ 空気抜きの穴を開ける。

    ロクロより糸で切り離し、取り板に取ってから、針で穴を開けます。

    又は、若干乾燥させてから、穴を開けます。

   ・ 注意、穴を開けないと、弱い所に「ひび」が入ったり、最悪破裂します。

     針で穴を開ける位置は、後から細工で、大きな穴を開ける所や、

     二つに切り離す位置にし、針穴の痕が無くなる様に、します。

  ⑧ 後は、作品を自由に細工し、好みの作品に仕上げます。
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