おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

時報の女

2010年09月27日 | 日記・エッセイ・コラム
妹の友達で時報のような娘がいた
 
2時に約束すると、きっちり2時に
玄関のチャイムが鳴る
 
「○○さんやぁ!」
 
家族で声を揃えて叫んだものだった
 
訪問時間
大人のマナーとしては、少し遅れて行く方が
いいと聞いたことがある
まぁ、ケースバイケースって事もあるので
僕の言うことをそのまま実践されても困るが、
訪問時間より早く行くと、先方がまだ準備中かも
知れないので、
少しだけ遅れて行くのも心遣いのひとつになる
 
今日、仕事を頼んでいる外注先に
仕上がり品を受け取りに行くことになった
 
「5時に出来上がります」
 
逆算して出発時間は4時半と言ったところか
 
車を走らせる
振り出した雨で、道行く車の速度は遅い
 
“大丈夫か?”
 
と一瞬思ったが、
5時前につくのは、大人のマナーとしては
いかがなものか?と考え直した 
 
5時と言われたものの、仕事の都合や機械の調子で
少し遅れるかも知れない
いや、仕事上の返事なら、すでに4時頃には
出来上がっているかも知れない・・・
 
そんな事を思いながら、先方に到着し、
玄関先に車を停めた瞬間、
ラジオから5時の時報が流れてきた
 
“ぴったりか!”
 
すでに到着してしまったものは仕方がない
出来上がっている事を祈って、ドアを開ける
 
「あぁ、どうも」
 
なんと、出来上がったばかりの製品を
受け渡しの袋に入れた瞬間に
僕がドアを開けたようだった
 
時報の女
 
妹の友達が不意に記憶の中から甦った
 
 
 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする