未熟なカメラマン さてものひとりごと

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茶室 写しとは?

2010-10-25 22:14:01 | 茶道

尾道・浄土寺庭園

昼食場所は、点心料理の點心(てんじん)でした。三段重ねの茶箱弁当には旬の味が満載。お膳の紙の敷物が手造りでとても好評でした。窓が開いているので土地柄、虫が入ってくるのもご愛嬌です。食後には。お菓子と抹茶をいただいて満足満足。このあと庭園を散策しひと時の休息をとりました。
続いて訪ねたのが、NHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」の舞台ともなっている広島県尾道市でした。尾道での訪問先は、「爽籟軒庭園」と国宝の浄土寺です。爽籟軒庭園は、江戸時代から続く豪商橋本家の別荘で平成19年、尾道市が譲り受け、整備したのち、一般に公開されています。塀の外観がどこか瀬戸田の平山美術館に似ていると思いました。入園料はたったの100円、それにしてもパンフレットの何と豪華なこと。団体ということで、尾道市教育委員会の方の説明がありました。この庭園の一番の見所は、何とっても茶室・明喜庵です。あの利休作といわれている京都大山崎の国宝・妙喜庵・待庵の数少ない写しといわれています。ところで、写しといっても100%ではなく、微妙に手を加えているところがおもしろいですね。こちらでは、にじり口の右側面の2箇所の下地窓が、待庵が同じ高さなのに、こちらは手前が高く段違いになっています。茶室の名前の通り、明るく照らすために高くしたのでは、との説明がありました。
それにしても写しとは、いったいなんでしょう!パンフレットには、「ゆるされた数少ない写し」とありました。そして本歌になにかあったとき、次の本歌になるともありました。ゆるされた、ということは、「誰に?」と、とても気になるところです。
次に向かったのが、国宝の寺として知られる浄土寺です。バスを降りて急な石段を登ります。それにしてもこの勾配は尋常ではありません。JR山陽線の高架下を横切るかたちで歩道をつけたためにこのような急勾配になったようです。本堂(国宝)で住職のお話を聞きました。なんとあの足利尊氏がこのお寺で戦勝祈願をしたそうです。いったん火事で消失したあと、町人の若い夫婦(年上女房)が寄進したそうですが、よくぞそのようなお金があったな、いったい何者?と不思議なことばかり。
住職のお話にも熱が入り、予定時間を大きく過ぎてしまいました。露滴庵は、末の特別展開催のため拝見できず、方丈から眺めるだけとなりました。この茶室は、藪内流の燕庵の写しで重要文化財に指定されています。遠くから眺めるだけでも重厚な存在感が感じられます。このあと、宝物館を拝見し、尾道をあとにしました。

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