尾道水道から打ち上げられる花火はどこか情緒が感じられる
久しぶりに尾道の花火を見に行こうと思いました。ただ問題は駐車場です。いろいろ考えたあげく、今回は福山駅近くの立体駐車場に停めてJRで行くことにしました。しかし、駐車場に着いてびっくり。何と空きを待って車がずらりと並んでいるではありませんか。どうしようかと思いましたが「仕方ない」とりあえず尾道まで行けばあとは何とかなるだろうと、車を走らせました。
「花火駐車場P」と書かれた案内板に従い、尾道バイパス高須ICで降りて尾道市街へ入り南下。あとは、「花火駐車場P」の看板を頼りに進みますが、すでにどこも満車の表示でした。あとで調べると、ここはベイタウン尾道といい、花火大会の臨時駐車場として施設と企業が協力し2,000台収容可能となっていました。どこも満車ということは、それでも足りなかったということでしょう。困ったと思いながら走らせていると、いい感じの空き地が見つかり、他の車に倣って私も駐車させてもらいました。(断っておきますが路上駐車ではありません。)その頃、花火の空砲が聞こえ始めました。(余談になりますが、これは号砲花火と云って大会や交通規制開始の合図のために使用されるものです。)
ここからは、尾道大橋さえ見えず、会場まではどのくらいあるのだろうと少し不安もありました。しかし足に自身のある私は、とりあえず歩いてみることにしました。停留所では、大勢の人がバスを待っていました。国道2号線の歩道を歩いていると、西山別館が見えてきました。順調かと思いましたが、次にびっくりすることが、「打ち上げ花火会場まで徒歩40分」の看板があったのです。左肩にビニール製のケースに入った三脚をかけ、右手には、カメラバックと折り畳みの簡易イスを持っている状態で、これはショックでした。
でも早足で歩けば30分で行けるかもと、一生懸命歩きますが、次の看板で、徒歩35分となかなかその時間が縮まりません。脇をバイクや自転車がどんどん通り抜けて行きます。尾道造船を過ぎ、しばらく行くとやっと尾道大橋が見えてきました。山側の橋脚の下では、多くのカメラマンが三脚を立てているのが見えます。なるほど、あそこならよいアングルで撮れるでしょう。道路沿いの民家では、道路の脇で椅子を出し、うちわであおぎながらビールを飲む人の姿もありました。のどかでいいですね。これが昔スタイルの花火の鑑賞法です。そして浄土寺を過ぎ、やっとのことで、千光寺ロープウエイ乗り場までやってきました。所要時間は、結局看板の表示どおりとなりました。
歩いて千光寺道を登ってもよいのですが、帰りのこともあるので、ここは体力を温存しようと、片道切符(280円)を購入しロープウエイを利用することにしました。本日に限り午後10時まで営業しているとのことです。このロープウエイ、15分ごとに運行されていて、所要時間は3分。この時間では8名ほどが乗車しました。満員で乗り切れないのではと危惧したことがうそのようです。待ち時間の間に、花火の打ち上げが始まりました。みなさん一斉に外に出て、花火の見物です。「お戻りください!出発しますよ」と事務員のような制服の、若くてきれいな女性のガイドさんが、笑顔で案内してくれます。山頂に近づくにつれて視界が広がり、尾道水道から打ち上げあげられる花火の様子がよくわかります。なんと美しいことか。見物船も繰り出し、町並みが花火の光で赤く映し出されます。尾道の花火は、13,000発、見物人は35万人の広島県下、最大の花火大会なのです。(つづく)
ハート形に見える花火