未熟なカメラマン さてものひとりごと

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鞆の浦を歩く

2014-07-10 21:20:42 | 古い町並み

舟板塀の続く路地

7月6日(日)午前中は用事があったので、午後から鞆の浦方面に出かけました。残念なことに、鞆町に入る頃から、ぽつぽつと雨が降り始めました。海に風はないものの、どんよりとしていて、いつもなら見ることのできる、名物の小魚の天日干しも、今日は見ることができません。
釣りが禁止されている堤防なのに、相変わらず釣り糸を垂れる釣り人の姿がありました。そして、弁天島との間を、黒い平成いろは丸が、客を乗せて静かに通り過ぎて行きます。

景勝館前の市営の駐車場に車を入れて町並みを散策することにしましたが、まずその前に腹ごしらえと、向かったのが鞆シーサイドホテルの、バイキングのお店です。2階に自然食レストラン「よもぎの里」というお店があり、以前から気になっていました。ランチは、11:30~13:30(ラストオーダー)で、料金は1,250円(+税)でした。この時間、広い会場には先客が3組のみ、運が良ければ、生演奏も聴けるようです。

十分、お腹を満たしたあとは、少しだけ古い町並み散策です。対潮楼の前を通るころ、観光バス2台が停まり、観光客がどっと降りてきました。目指すは同じ鞆港方面です。鞆港には、小さな漁船が何台も係留され、波打ち際の茶色い雁木が歴史を感じさせてくれます。港のすぐ向こうには、いろは丸展示館の白い土蔵や常夜灯が見え、鞆の浦の変わらない風景がそこにありました。雨に濡れる石畳を大勢の観光客とともに散策しますが、一番風情があるのが、重要文化財の太田家住宅前の通りです。



ランタナの鮮烈な色彩が町並みになぜか映える

通りに面した土蔵の前にランタナが咲いていました。雨に濡れた石畳やしっくいの白壁の中にひときわ目立つ黄色やオレンジの花。色が際立ってとても美しく見えました。路地で数人のカメラマンが何かを写しているのを見ました。何があるのかなと、興味深々で近づくと、それは舟板塀でした。鞆の町にも舟板塀があったのかと、これはうれしい発見です。以前に訪ねた近江の五個荘や長浜の北国街道を思い出しました。

通りを進むと、T字路になり角に昔ながらの船具店がありました。客があったようで店のおかみさんの明るい声が響いていました。コースを右にとって進むと、道路は細くなりとても車が交わせるような道幅はありません。悪いとは思いながらも民家のわずかなスペースにぐっとハンドルを切って対向車を交わす運転手たち。これが日常ですから大変です。

そういえば、鞆の浦の架橋問題はその後、どうなったのでしょう。進展があったという話は聞いていません。これだけ長い時間をかけても解決策が見いだせないということは、次の世代にゆだねるしかないのでしょうか。何とも悩ましい問題です。それでも朝鮮通信使が泊まった潮待ちの港町、保命酒や箏曲・宮城道夫の「春の海」で知られる鞆の浦、またぶらりと訪ねてみたい、そんな気にさせてくれる町です。



鞆らしい風情のある通り
コメント
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