大正池から臨む焼岳
あこがれの上高地が現実のものとなり、しかも天気にも恵まれて何と幸運なことでしょうか。当初は、飛騨高山だけの旅行を計画していたのですが、いろいろ調べて行くうちに、長野県松本市の上高地が意外に近いことがわかり、組み入れることにしました。というか、一番の目的地になりました。以前から新聞の折り込みチラシに、上高地へのツアーが募集されているのを見て、うらやましく思っていました。
上高地へは、マイカーの乗り入れはできません。特にシーズンの特定日には、観光バスも制限されます。シャトルバス、タクシー、マイクロバスを利用するしかありません。難所、安房トンネルに差し掛かったところ、車内のアナウンスに「活火山の下にトンネルを掘ることは相当な苦労があった」というようなことが紹介されていました。
トンネルを抜けてしばらくすると、左手に大きな山が見えてきました。朝陽を受けてその上部が光り輝く、神々しい山、活火山・焼岳です。やがて池が見えて、大正池バス停に到着しました。今回は、この大正池から、清流梓川沿いに、河童橋まで歩き、バスターミナルまで帰るというルートを選びました。所要時間は、1時間少々です。バスに乗車していた半数以上がここで下車したようです。
田代湿原、カラマツ林と穂高連峰
大正池、かなり以前からその名前は耳にしていましたが、代名詞ともいえる池の中の白骨林は、ほとんどなくなったようです。池と焼岳をセットで撮影しようと思いましたが、コントラストが強すぎてなかなかうまくいきません。白いボートが幾艘も係留されていました。
梓川を左手に見ながら、林の中をしばらく歩くと、道は木道となり、20分ほどで田代湿原に到着しました。草原ははやくも薄茶色に変色し秋の装いを感じさせます。その向こうにカラマツ林があってその背後にそびえる穂高連峰は、息を飲む美しさです。今回の上高地では、いつもの一眼レフの他に、サブ機として動画、スナップ用に、ミラーレスカメラも提げていたので、このようなビューポイントに遭遇すると撮影も大変です。
ススキが美しい
さらに進み、田代橋と穂高橋を渡り、梓川の左岸に出ると、上高地温泉ホテル、上高地ルミエスタホテルのしゃれたホテルが並んでいます。梓川は大きく蛇行し、そのカーブに差し掛かったところに、ウエストン碑がありました。少し歩くと、前方に手招きする人がいました。どうやら私たちを呼んでいるようでした。(上高地 後編につづく)
大きく蛇行する梓川