水平線がオレンジ色に染まる
先日、NHKのニュース番組・ニュースウオッチ9で、雲海を紹介していました。素晴らしい雲海でしたが、何とその場所というのがお隣の町、高梁市(たかはしし)の弥高山(やたかやま)だったのでびっくりしました。岡山県人なら誰もが知っている弥高山の雲海ですが、全国ネットで紹介されたことと、10月の半ばでこのような素晴らしい雲海をみることができるということに驚きました。
弥高山の雲海、一度は行ってみたいと思いながら、早朝であること、山道が凍結しているのでは、といろいろ躊躇することも多く、実現に至りませんでした。しかし、この時期から見ることができるのであれば、是非、行ってみたいと思いました。
ということで、代休をいただいていた27日の月曜日、井原の自宅を早朝5時に出発、ルートはいろいろありますが、一番安全な国道313号線から川上町へ至るルートにしました。途中、濃霧が発生しており、非常に運転しにくい状況でした。途中思ったのが、雲海の発生要件です。昨晩、雨だったので湿度は十分ですが、気温が高かったことが気になっていました。
弥高山へは、6時前に無事到着。しかしグラウンド駐車場に停まっていたのは一台だけ。あれ、やっぱり今日は日がよくないのかな、と心配しながらも三脚とカメラを提げてゆっくり山頂に向かいました。時間的に少し明るくなっており懐中電灯は必要ありません。徐々に眼下に広がってくる雲海。これが弥高山の雲海かと、感動しながらスロープを歩いて行くと、間もなく頂上に到着です。
東屋から見る雲海
何と頂上での先客は、中年男性の二人組だけでした。空は徐々にオレンジ色に染まり間もなく朝陽が顔を出す直前でした。雲海の間から山々の峰がのぞき、まさにそれは瀬戸内海の多島美を連想させます。そして太陽が揚がると雲がオレンジ色に染まります。何と美しいことでしょう。初日の出でなくても手を合わせお祈りしたくなります。
ちょうど、その頃、夫婦1組が山頂にやってきました。奥さんはデジカメで意欲的に撮影しています。ご主人は眺めるだけ。話を聞くと、私と同じようにNHKの番組を観て、どこかと思ったら岡山県内とわかり、倉敷市水島からやってきたとのことでした。それでは、朝早く出られたのですね、と聞くと、いえいえ、昨晩から来て車の中で待機していたとこのことでした。そして、頂上は人でいっぱいかと思ったら、あまりにも少ないので拍子抜けした、とのことでした。
同じように、テレビを見てやってきたと聞いて、改めてテレビの影響力を思いました。弥高山の標高は、たったの654mですが独立峰で360度の展望、北は大山、南は瀬戸内海を望むことができます。頂上展望台は広く、けっして混み合うことはありません。駐車場から徒歩10分ほど。気軽に上れる山です。プロのカメラマンにいわせると、メジャーではなく、穴場的存在だとか。この山が一番賑わうのは春先でしょうか。10万本のツツジは圧巻です。
今回はそれほど期待していなかったものの、素晴らしい雲海を見ることができました。でももう一度、最高の条件のもとで撮影に来てみたい、そう思いました。
朝陽を受けてオレンジ色に染まる雲海