2区 松田瑞生から3区加賀山実里へ 1位でタスキを繋ぐ (昨年の大会から)
シリーズで連載しています「全国高校女子駅伝の有名校の実力を探る」、今回は昨年の全国大会で5位となった大阪の薫英女学園高校をデータから分析してみたいと思います。
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先日、行われた大阪予選会では、1区を松田瑞生が1位スタートしましたが、これは昨年の同大会の彼女の記録を17秒も更新する好記録でした。また2区を走る高松望ムセンビも昨年の黒田みなの記録を35秒更新し、結果、1区・2区ですでに52秒早いレース展開となっています。全体では1時間9分28秒の大会新で8年連続8回目の優勝となりました。ただ昨年の大会では、エースの大森菜月が大事をとって控えにまわっていましたので、単純には比較できませんが、これだけみても今年の勢いを感じることができます。
大阪予選会 1.09.28
1区 松田瑞生 19.24
2区 高松望ムセンビ 13.18
3区 森 京香 10.05
4区 加賀山恵奈 9.40
5区 加賀山実里 17.01
それでは、今年の3000mの記録を確認してみましょう。
1.高橋望ムセンビ 9.08.22
2.松田瑞生 9.08.23
3.森 京香 9.24.22
4.加賀山恵奈 9.24.72
5.加賀山実里 9.28.39
6.松本彩花 9.36.03
7.前田穂南 9.42.94
上位5名の平均タイムは、アバウトですが9:19となりました。
昨年の全国大会直前の記録が、平均 9:21でしたので、今年は相当にいいタイムで推移しています。さらに全国大会までにどのように調子をあげてくるのか興味あるところです。今年の薫英女学院は、過去最高の力を有し、優勝争いに絡むことは間違いないと思われます。
それでは、今年の薫英女学院高校をさらに詳細にみてみましょう。
昨年の全国大会に出場したメンバーの内、松田瑞生、加賀山実里、加賀山恵奈、松本彩花の4名が残っています。松田瑞生、加賀山実里、加賀山恵奈は昨年に比べ確実にタイムを上げてきていますが、松本彩花が調子を落としているようです。
そのかわり、昨年ではそれほど実績のなかった、森京香(2年)が加賀山姉妹をもしのぐ力をつけてきています。
ということで、今年のメンバーは、3000mの上位5名で間違いないような気がします。
例年と違うのは、何と言っても、1年生・高松望ムセンビの存在です。
昨年の中学生1500mランキング1位、長野マラソンでも優勝したことのあるケニア人の父と日本人の母を持つ高松。ケニアに生まれ、3歳から母薫さんの出身地である大阪で暮らしています。小学校4年生から父との二人三脚が続いています。最近は妹や幼い弟も練習に加わるようになり、朝夕家族で近くの公園を走る姿はほほ笑ましいと近所でも評判になっています。私ごとながら、摂津市に住む姉が、親子で走っているのをよく見かけると言っていました。3000mの9.08.22は、本年度ランキング7位の好記録です。父ゆずりの手足の長い、大きなストライドはまるでカモシカのように美しいものです。
次に、松田瑞生です。肩をいからして力強く走る様子は、まさに男性のそのものです。一番印象に残っているのは、やはり、昨年の全国大会です。2区を走り、2位でタスキを受け取るとあっという間にトップに躍り出たのでした。ということで薫英女学院高校が、前半のほとんどで、中継のTV画面を占有していました。過去にない展開に他の有名校の監督は大いにやきもきしたことだと思います。
また、都道府県大会においても7区を走り、区間賞の走りで2位からまたしてもトップへ躍り出て、大いに顔を売ったのでした。高松望ムセンビと松田瑞生、2人の2トップ、3区、4区を加賀山姉妹でつなぎ、最終区を森京香が走るというメンバーの予想です。
ただ、つなぎといわれる3区、4区ですが、薫英女学院高校の場合、この区間のでき次第で順位が大きく変わる可能性があります。
ということで、平成25年の全国大会の予想順位は、以下のとおりとなりました。
1位 豊川高校(愛知)
2位 薫英女学院高校(大阪)
3位 立命館宇治高校(京都)
3位 興譲館高校(岡山)
5位 筑紫女学園高校(福岡)
次回は、昨年の全国大会で、6位となった兵庫の須磨学園高校を分析したいと思います。掲載は、約一週間後の予定です。
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