1月29日(日)ロンドンオリンピックマラソンの代表選考レースとなる大阪国際女子マラソンに、天満屋の重友梨佐選手が出場するというので、楽しみにテレビで応援をしました。
事前の有力選手の紹介では、どこの報道を見ても福士加代子(ワコール)、野尻あずさ(第一生命)、坂本直子(天満屋)あたりの各選手のもので、重友梨佐選手を有力と予想するものは、ほとんどありませんでした。マラソン2回目で、タイムも2時間31分という自己記録では、当然といえば当然なのですが、アメリカでの合宿も順調に仕上がり、帰国後すぐの北九州女子駅伝では区間賞のいい走りをしていたので「きっとやってくれるはず」と期待を持って見ていました。
天満屋は、過去3度、連続してオリンピックに選手を送り込んでおり、ここで途切れさせてはいけないという、プレッシャーが出場選手には少なからずあったかもしれません。武冨監督もこのプレッシャーを与えないように気を使ったとのコメントがありました。
レースの解説者は、本部が高橋尚子さん、第一放送車が増田明美さん、第二放送者が有森裕子さん、バイクが山口衛理さんという豪華な布陣。ペースメーカーが4人もつき、風はほとんど無いというマラソンには上々のお天気で、しかもこのコースはフラットで記録が出やすい高速コースとも云われています。しかし代表選手になるためには、勝って、それなりのタイムが求められます。
長居陸上競技場をスタートすると、早くも先頭グループが形成されます。最初に脱落したのが坂本直子選手、次に野尻あずさ選手、20キロ付近では、早くも福士加代子選手と重友梨佐選手の一騎打ちとなりました。各解説者の予想では、福士選手がいつ仕掛けるかというものでしたが、27キロ手前付近でなんとその福士選手が脱落。以降、重友選手の一人舞台となりました。
それにしても軸がぶれずまったく無駄のない素晴らしいフォーム、これは興譲館高校時代に、森政監督指導の競歩をベースに練習して培われたものでしょう。同期の新谷仁美選手も同じようなフォームです。一昨年の都道府県対抗駅伝の重友選手の走りを見て、解説者の増田明美さんが、「将来、日本の陸上長距離界を背負って立つ選手」と称賛したコメントを思い出しました。
そしてこの日の解説者の評は、「24歳という若さ、まだまだ伸び代がある=高橋尚子さん」、「マラソン2回目とは思えないような堂々たる走り=増田明美さん」「フォームが素晴らしい=有森裕子さん」というものでした。
放映中に驚いたのが、給水所で自分の飲み物を取る一瞬に、番組の国分太一さんがそこにいたことを認識していたことです。それでも最後までこのペースを維持できるかとても心配でした。沿道の多くの皆さんの声援が大変励みになったと本人の弁です。
そして司会者の「若きヒロインの誕生です。みなさん、この重友理佐という名前を覚えておいてください」ということば。少しタイムは落としたもののそのまま笑顔でゴールイン。
重友選手のイメージとしては、「それなりに結果を出し期待を裏切らない選手」ということでしょうか。3月の名古屋ウイメンズで正式に代表選手が決定しますが、現段階ではほぼ確実といわれている重友理佐選手、さらに調整をすすめ万全の態勢でオリンピックに臨んでほしいと思います。
先日行われた興譲館高校準優勝の祝賀会に、ゲストとして顔を見せたそうですが、220名の出席者から大きな拍手。まさに凱旋ですね。森政監督も「もし、我校からオリンピック選手が出ることになれば指導者として誇う。」と云っています。ますます今後の活躍が期待される重友理佐選手です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます