男子だけじゃないぞ という思いでテープを切る向井優香
2015(平成27年)高校女子駅伝全国大会 おめでとう! そして感動をありがとう!
世羅高校の巻
全国大会が終わりましたが、その感動の余韻は未だ残っています。
今回は優勝した世羅高校を分析してみたいと思います。例によって敬称略、過去の駅伝記事はカテゴリーから‘駅伝’を選択ください。
その前に、今回の大会でも多くの選手の活躍に感動をもらいましたね。驚いたことや意外に思ったこと、そして残念だったことなど、テレビ観戦で感じたことはいろいろありましたが、私の場合は次の通りです。
1. 世羅高校 向井優香の大活躍による逆転劇
2. 岡崎学園高校4区での棄権 5区涙の繰上げスタート
3. 山梨学院大附属高校の1区島田美穂にいったい何が?
4. 須磨学園高校、西脇工業高校をかわしての4位入賞はお見事
5. 常磐高校 岡本春美完全復活ならず
6. 大阪薫英女学院高校 嵯峨山佳菜未の欠場が響いた
7. 世羅高校5区向井優香を競技場で迎える美人スタッフは誰?
8. NHKテレビ鯉川なつみさんの心地よい解説
9. NHKスポーツ番組の冒頭にかかるあの音楽はいつから無くなった
皆さんはどのように感じられましたか。
さて、本題に戻り世羅高校の走りを分析してみましょう。
1. 小吉川志乃舞と、西脇工業高校の1年生ルーキー田中希実とのデッドヒートは手に汗を握るものでした。
小吉川志乃舞は3年間を通し1区を走りました。
H25年 19.34 区間7位 トップとの差6秒
H26年 19.31 区間6位 トップとの差19秒
H27年 19.20 区間1位
コースの終盤、トップは、小吉川志乃舞、田中希実、猿見田裕香(豊川)の3人に絞られ、最後は小吉川志乃舞と田中希実の一騎打ちとなりました。
最初に小吉川志乃舞がスパートし田中希実がつくという展開に、その後逆に田中希実に水をあけられましたが、最後の最後で根性を見せ、抜き返して、同タイムながら1位になりました。さわやかな笑顔でのインタビューにも負けん気の強さが感じられました。
2. 2区は、1年生大西響でした。
たすきを繋いですぐに、西脇工業高校にかわされましたが、また抜き返すという素晴らしい走りでした。最後の最後でまた抜かれましたが堂々の区間7位は見事でした。3000m.の持ちタイムでは、今期ランキング100位にも入っていませんが、飛躍的に成長するのも1年生です。先輩からパワーをもらい、2区中継所でのトップとのタイム差はわずか2秒でした。
今回、強力な2枚看板はよく知られていましたが、他の3区間の出来次第という不安要素もあったのです。しかし岩本監督のオーダーは見事に的中しました。
3. 3区は、2年生、長尾明日香です。
序盤では、9秒差まで水をあけられましたが、後半の登り坂コースでしっかり腕を振り、これまた最終的に2秒差までつめた根性は見事でした。ペース配分もよく無理のない走りでした。
4. 4区は、3年生、浅田琴音です。
苦しい戦いになりました。常磐高校の新井菜奈(区間2位)、大阪薫英女学院の田中綾乃(区間4位)にかわされ、順位は4位(区間24位)に落ちてしまいました。表情も苦しそうですが、何とかトップとのタイム差35秒(テレビでは32秒との解説)で5区にたすきを繋ぎました。
この差で繋げたことが世羅高校に優勝の可能性をもたらしたのでした。
5. 5区は、2年生、向井優香です。
たすきを受け取った時点で、前は見えていたのでしょう。猛伯というのではなく、無理をせず、徐々に差をつめていきます。バイクでの中継から見るその前傾姿勢の勇姿はまるで、「疾風の如し」です。駅伝の申し子といってもいいかもしれません。身長155センチ、体重39kg.のどこにあのようなパワーが秘められているのでしょうか。
西脇工業、薫英女学院をかわし、最後に常磐高校を抜き去ると、笑顔で競技場に戻ってきました。そしてさらに差を広げていきます。テープを切る瞬間笑顔になり、そしてすぐ喜びの泣き顔に変わりました。スタンドでは歓喜に沸く世羅高校応援団の姿がありました。
優勝インタビューでの岩元監督。
「考えていなかったのでうれしい、もしかとは思っていたがここまでとは思っていなかった。」
向井優香、「男子だけじゃないぞ」というところを見せたかった!
というあっさりとしたコメントは、すがすがしくも感じられました。
県内の有望な中学生を見出しスカウトする、これも大切な監督の役目ですが、大変難しいともきいています。不安要素としては、全体に力が落ちていることだそうです。
男子チームが女子チームにいい影響をもたらしたのだと思う、とテレビ解説の鯉川さんのコメント。
そして体幹運動をしっかりやって補強しケガのない体づくりがなされること。
体に不安を持っていてレースに臨むと、精神的にもろい高校生、かならずレースに影響する。世羅高校には、その不安がなかったということでしょう。
小吉川志乃舞の進路、ユニバーサルエンターメントときいています。今後の活躍を期待して止みません。
これで世羅町はますます全国的に有名になりました。大勢の観光客が増えるといいですね。
世羅高校、優勝おめでとう、そして感動をありがとう。
笑顔でインタビューに答える向井優香
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