未熟なカメラマン さてものひとりごと

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茶の湯音頭 上田宗箇流お点前にて

2014-10-14 21:50:09 | 茶道

田中苑の楷の木(昨年の紅葉から)

10月4日(土)午後5時30分より井原市田中苑及び市民会館で「観月の夕べ」が開かれました。各流派の茶席が設けられ大勢のお茶愛好家で賑わいました。午後7時からは市民会館ホワイエで、演奏が行われました。

このラストを飾るのが、茶の湯音頭で、今年のお点前は上田宗箇流の担当でした。そして先生よりお点前は私に命じられ、この日のために、練習を重ねてまいりました。何が難しいかというと、三曲(箏、三絃、尺八)の演奏に合わせて、お点前をし、曲の終了に合わせてお点前も同時に終わらせるというところです。

先生からいただいた設定時間は、14分17秒でした。三曲の演奏者は、終始、譜面を見ていますので、お点前の動作に注視することはできず、合わせるのは非常に困難です、仮にできるとすれば最後のところだけでしょう。ということで、お点前で曲に合わせるしかありませんが、しかしこれがなかなか難しいのです。それでも私の場合は、水指の蓋をとるときに、箏の弦を「シュシュ」とこする音、終盤、水指の蓋をするときに後半の唄が始まる、という2点で、お点前が早いか遅いか判断し、調子を合わせるようにしました。

何かアクシデントが起きない限り大丈夫と思っていましたが、それでも100人以上の視線がお点前に集中する舞台の上のことですので、最初は自然と手も震えます。意識的にゆっくりすることを心がけると、遅れ気味になり、最後で少し無理に合わせた感じになりましたが、何とか無事に終了することができました。一番気をもんでいたのは、指導いただいた先生方と家族ではないでしょうか。とにかく三曲を演奏された皆さんや、我が社中の半東役、正客役の皆さん総勢7名の努力の結晶で、感謝あるのみでした。

この「茶の湯音頭」について少し調べてみました。

茶の湯音頭(茶音頭とも)は、江戸時代の文化文政期に京都で活躍した盲人音楽家、菊岡検校(きくおかけんぎょう)が作曲、八重崎検校(やえざきけんぎょう)が箏の手付をした手事物の地歌曲です。俳人横井也有(よこいやゆう)の「女手前」から抜粋した歌詞で、茶道の茶の湯の道具を歌詞に詠み込んで、男女の契りの末永く変わらぬようにと願いを歌ったもので、曲の長さと薄茶点前との時間がぴたりと一致するところから、三曲愛好家と茶人たちが席を共にして楽しむ風流が生まれました。また、三絃の調弦が「六下がり」という非常に特殊なもので、独特な響きがこの曲独自の雰囲気を作りだしています。

<歌 詞>
世の中に勝れて花は吉野山、紅葉は立田、茶は宇治の、都の辰巳それよりも、

里は都の末申。数寄とは誰が名に立てし、濃茶の色の深緑、

松の位にくらべては、かこひというも低けれど、情けは同じ床飾り、飾らぬ胸の裏表、

帛紗捌けぬ心から、聞けば思惑違い棚、逢うて、どうして香筥の、

柄杓の竹は直すなれど、そちは茶杓の曲み文字、憂さを晴らしの初昔。

昔し話の爺婆と、なるまで釜のなか冷めず、緑は鎖の末永く、千代万代へ。

(通 釈)
世の中で花に勝れた山は吉野山、紅葉に勝れた山は立田山、茶に勝れたところは宇治、喜撰法師が古今集に、「辰巳しかぞ住む」とうたった宇治よりも、里は都の末申にあたる島原の遊郭が優れている。
通人・風流人の風流を数寄と誰が呼び、評判を高くしたのか、その通人の立てる茶の湯の濃い茶の色は深緑、松の位即ち太夫からくらべれば、囲い女郎を茶室の意をもつ「かこひ」と呼んでも身分は低いが、人情の点では生娘と同じ床飾りの美しさをもっている。
偽り飾らない胸の裏表、表裏の布から出来た帛紗、その扱い方の上手にゆかない心の悩みから、聞けば茶室の違い棚のような思惑違い、されど逢って、どうしてこうしてと話してみれば、その香筥の柄杓の竹は真っ直ぐなように正しいが、そちらは茶杓の先が曲がっているように、ゆがみ文字となって曲がって私に苦しみを与えなさる。
憂さ晴らしに初昔の茶を飲んで、やがてはありし昔の若かった当時の懐い出話をする爺婆となるまで茶釜の湯のように冷めないで、茶釜を釣った鎖のように、強く末永く変わらず千代万代と幾久しく絶えない縁を祈りましょう。

この歌詞を理解して、臨めば、情感が出てもっといいお点前ができたのではと思いましたが、「時、すでに遅し」でした。(参考文献:ウイキペディア他)



Mygarden ザクロ
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10月8日(水)は何の日??

2014-10-07 23:22:59 | そば

紅と白のそば畑 満開見ごろです。

10月8日、は何の日でしょう。テレビやラジオで、今一番話題になっているのが、皆既月食の話ですね。どうも肉眼でも見えるそうです。天気がよければいいのですが、可能性は十分あるようですね。もっとも今年の10月8日に限っての話です。
そして、もう一つ、10月8日は、そばの日です。なぜかというと、漢字の十は「そ」と読み、八は、「ば」とも読めるからなんだそうです。これは、東京都麺類生活衛生同業組合が制定したもので、今年で4年目になるそうです。

さて、今年も、「風の駅いでたに」代表の吉岡さんから、そばの花が見ごろというお便りをいただき、代休の昨日、出谷(いでたに)にひとり撮影に行ってきました。出谷は、井原市芳井町のもっとも北あたりに位置し、すぐそこが弥高山というところにあります。
県道9号線から、分岐した勾配のある山道を進むと、突然民家が点在する地域に出ます。そこが出谷です。不便なことから、過疎と高齢化が進み、日中でもほとんど人影はありません。しかし逆にいえば、豊かな手つかずの自然が残っている、とても懐かしい感じのする里山といえるでしょう。



紅そば 高嶺ルビーというヒマラヤ原産の品種です。

日曜日の午後から台風の影響で天気が崩れ、夜中は風の音で眠れませんでしたが、たいした被害もなくなによりでした。翌日の午前中も雨が降ったり止んだりとはっきりしないお天気でした。着いたのはお昼前で、折り畳みの傘を持参して撮影に臨みました。車を停めている公民館から少し歩くと、丘陵地にそば畑が広がります。誰がこのような場所に、このような大空間があることを想像できるでしょうか。蕎麦の白い花が満開で、紅そば(高嶺ルビー)の花も見ごろでした。

空は曇り空でしたが、雨が降らないだけでもましと、いろんな角度から撮影をしました。次の予定があったのでひととおり撮り終えると、車まで戻りましたが、その頃から急に青空が広がり始めました。折角なので、またそば畑まで戻り、同じように撮影をしました。

私は、「風の駅いでたに」のそばオーナー制度に毎年参加しています。収穫の頃、また刈り取りの案内がくることでしょう。作業のあとは、いつものことながらバーベキューを楽しみ、会員(約20名)相互の親睦を深めます。何年も経験していると誰もがそば打ちの道具をそろえ、配布されるそばで、年越し蕎麦を打つようになります。そして年が明けると、そば打ち教室が開かれ、さらに腕に磨きをかけます。私も旅行先でそば粉を見つけると都度購入し、またおみやげにいただくこともあって、冷蔵庫の中は、そば粉でいっぱいです。新そばがでる頃までには、何とかそばを打って消化したいと思っています。



高原のそば畑
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オリーブの収穫 平成26年9月28日(日)

2014-10-02 21:35:48 | 植物


我が家のオリーブ 今年は大豊作でした。もう樹齢が15年以上になる我が家の1本のオリーブの木、私の父が生前に植えたものです。このオリーブが今年は大豊作でした。重量は測っていませんが、大きなザルに4個以上、過去、こんなに獲れた年は、記憶にありません。
昨年はさっぱりだめだったので、柿のようにあたり年、というのがあるのでしょうか。
いやいや、数年に一度、大きな剪定をしていますが、そのせいかもしれません。

普通、オリーブは異なる種類の木を選び、並べてもう1本植えるというのが結実させる方法ですが、我が家のオリーブは、1本だけで毎年、実をつけてきました。何年か前に、ご近所のおばあちゃんが、「同じときに同じのを買ったのに、うちのオリーブは実をつけとらん」と言っていたのを思い出します。では、我が家のオリーブは、なぜ、このように毎年実をつけるのか、自分なりに考えてみました。オリーブは、バラ科に属するので、バラ園の隅に植えているこのオリーブは、バラがそのもう一本の役割をしているのではないかと思うのです。

収穫したオリーブの実ですが、おもに塩漬けにしています。劇薬・苛性ソーダで渋抜きし、何度も水を替え、色が出なくなったら、塩水に浸し徐々に濃度をあげていきます。非常に手間がかかりますが、これも買うとなると結構な値段がします。この塩漬けは、まず失敗しませんが、オリーブ油の精製は、大変難しいですね。実はもう少し熟したところに収穫し、半分に切ったペットボトルに入れて、ひたすら揉みます。これをろ過すると、オリーブ油がとれるのですが、実はそう簡単にはいきません。濾過紙がすぐにつまってしまうのです。

塩漬けのオリーブは、ワインにとても合うようで、今年は、広島に住む知り合いの方にすべて差し上げました。

日本でオリーブが栽培されているのは、香川県と岡山県のごく一部。生産割合は香川県が95%だそうです。地中海風の温暖な気候がオリーブの生育に合っているのでしょう。以前、小豆島に行ったとき街路樹にオリーブが植えられているのには、びっくりしました。岡山県の産地である牛窓沖は「日本のエーゲ海」がキャッチフレーズですが、オリーブの育つ環境が、温暖な気候風土、ということを考えれば、私たちも幸せなところに住まわせていただいているのだな、と有難く感じます。



1本の木でこんなにとれました。
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