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友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

にわか探偵の推理

2014年07月24日 17時59分22秒 | Weblog

 韓国のソウル号沈没事故で、全国に指名手配されていた親会社の会長が自殺していたという。しかも死亡したのは1ヶ月も前のことで、死体は腐乱し白骨化していたと報道された。「絶対に替え玉だ。あんなに逃げ回っていた人が自殺をするとは考えられない」とにわか探偵になった友だちは力説する。「死体の傍には酒のビンや遺書まであったというのも出来すぎだ。DNA鑑定や指紋も金を使ってでっちあげたに違いない」。私も彼の推理が当たっているような気がする。

 私の知り合いで自殺したとされている首長は、本当に自殺なら、覚悟の上で行なったと思う。そのくらい追い詰められていたはずだ。「家族のために自殺してくれ」と説得されて、やっと決心がついたのだろう。頭の良い人だったが、とても気の小さい人だった。犯罪者になれば首長の地位を追われるだけでなく、退職金も出ないし、何よりも溺愛していた娘が世間のさらし者になってしまう。自殺すれば裁かれることもなく、保険金も退職金も家族に渡すことが出来る。

 会長は新興宗教の教祖であり、生への執着も強い人のように見えた。替え玉を用意してどこかへ逃亡したのではないか、映画好きの彼はそう推理する。「それでは、中国の上海で期限切れの鶏肉を生産していた工場を中国のテレビが報道したのはなぜなの?」と、こちらの推理を聞いてみた。「まず、アメリカ資本に対する批判だろう。アメリカは低価格で商品をつくられるばかりで、商品の品質管理を怠っていると世界に知らせた。それは同時に、国内の工場に対して食品なら衛生管理、工業製品なら品質管理を徹底させる意図だろう」。

 なるほど、日本もそんな風にして商品の高品質化を図ってきた。儲けを出すためには低賃金の労働者が必要だ。そのため生産拠点は低賃金が確保できるところへと移っていった。そしてそのうち、世界中でそんなに賃金の差がなくなれば、売れるところで生産した方が手間がかからない分安くできる。人は同じものなら安い品を買うから、どこでも大差なくなる。好きな土地で、好きなように働いて、好きなように暮らす。そんな時代になるのだろう。そんな時代なら、ソウル号の親会社の会長も違った生き方が出来ただろう。

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