今日から子どもたちは夏休みだ。マンションの中庭の森にも子どもたちがやって来て、何やら昆虫を探している。近くの幼稚園では今晩が夏祭りなのか、にぎやかな音が聞こえてくる。暑い日が続き、大人たちは少々バテ気味だが、子どもたちは元気がいい。あんなに走り回っていても汗をかかないのだろうか。子どもたちの服装を見ると、黒っぽいTシャツの子が多い。夏は白という私たちの頃とは違うなと思って見てしまった。
ペースメーカの検査で午後から病院へ出かけたが、今日は患者が少なく思った。待ち時間が1時間は必ずあるのに、今日はスムーズだった。先生に「時々、胸がチクリと痛むことがあるのですが?」と尋ねようと思ったら、「どこも問題はありませんので、次回は1月に予約を入れておきます」と先に言われてしまった。問題ないのに聞くことはないか、咄嗟にそう思って、「ありがとうございました」と言ってしまった。
それでも名古屋駅は相変わらず人が多い。ホームは人で溢れているけれど駅員の姿は見当たらない。見るとホームの黄色い線のところにコーラの瓶が落ちている。けれど、ホームには「テロ対策のためゴミ箱はありません」と書いた紙しかない。拾うべきか否かと迷っていると電車がやって来た。たくさんの人が降りてきたけれど誰もコーラの瓶には気が付かない。乗り込もうとする人の中に杖をついた老人がいて、杖が瓶に当たった。
どうしようかともう一度考えたけれど、身体の方が先に瓶を拾い上げていた。それを急いでホームの柱の隅に立てかけ、車輌にすばやく乗り込んだ。瓶はプラスチック製だったから、乗り上げても転ぶことはないかも知れないが、自分の飲んだものは自分で片付けるのがマナーだ。最近の駅舎や車輌はきれいで、ゴミなど見なかったからちょっと残念な気がした。
公共施設を汚しても平気でいる人は少なくなった。道路の植え込みがゴミ捨て場になっていたこともあったが、最近ではそうしたこともない気がしていた。自転車ですれ違った男の子が「こんにちは」と挨拶して行く。「こんにちは」と私も声をかける。今度は女の子がふたり、楽しそうにおしゃべりしながらやって来た。やっぱり、「こんにちは」と挨拶する。もちろん私も「こんにちは」と挨拶する。