久しぶりの井戸掘りで疲れた。私がもう少し慎重であったなら事故は起きなかったのに悔やむ。手づくりの道具で4メートルまで順調に掘り進んだ。下にはかなり水も溜まってきている。けれど、もう少し掘り進めたい。今度は水圧を利用する掘り方でやってみようと皆が言い出す。確かに手づくりの道具は重いから、それより簡単な水圧を利用する方法が良いかも知れないと、疲れもあって皆がそう思う。
午後からは、水を送りだして掘ることにする。5メートルまで掘り進み、さらにもう1本塩ビ管を繋ぎ足し、さらに深く掘ろうと欲が出た。しかし、塩ビ管の繋ぐ手順が悪かった。繋ぐために無理やり下の塩ビ管をさらに地中に押し込んだ。こうして2つの塩ビ管を繋いだが、ここに無理があった。時間も午後4時半を過ぎてしまった。今日は長女の孫2人がカミさんの誕生日祝いに我が家にやって来るので、私は早く終わりたかった。
繋いだ塩ビ管に水を送り込み、さあー掘るぞという時になったが、一度持ち上げないと塩ビ管内に泥が詰まっているので、塩ビ管が破裂してしまう。みんなで声を揃えて持ち上げようとしたが、全く上がらない。塩ビ管の重さに水の重さが加わり、さらに地中の塩ビ管に圧力が加わって何ともならないのだ。私はみんなで力を合わせて持ち上げてもらい、水圧をかけようとエンジンポンプを加速した。
「ダメだ。ダメだ」と先輩が言う。「いや、もう一度やって」と声をかけ、さらにエンジンを加速すると、最後につなぎとめた部分が破裂し、上の部分が宙を舞って倒れ落ちた。おかげで先輩のひとりがひっくり返り、その頭に舞い上がった塩ビ管が当たった。舞い落ちた塩ビ管は破損し、新しく作り直さないことには使えない。万事休す。私が焦ったために全く申し訳ないことをした。
午後6時、作り直すための部品を買いに走る。最後まで付き合うのも、自分が悪かったからで、しかも明日は、大腸カメラ検査のため私は参加できない。悪い時は重なるものだ。明日はぜひ、成功しますようにと祈る。