何だか疲れてしまった。26日から一日おきに飲み会が続いたせいなのかも知れない。疲れたというより意欲喪失である。この間に井戸掘りもあり、しかも真夏のような暑さの中、砂の層が厚くてなかなか水脈に当たらないことも焦燥の要因だ。
横浜に引っ越した先輩は85歳とは思えないほど元気だった。元の会社のOB会で旅行した後なのに足取りもしっかりしている。体形は以前と変わらないが歩き方に年齢が出ていた。今、どういう形で井戸掘りをしているかを説明すると、新しく作った道具に興味を持たれ、「明日、見せてもらう訳にはいかないか」とまで言われたので、今朝、迎えに行って現場に案内した。
道具を見ると、「これを回す装置を考えるわ。何だか楽しみになってきた」と、技術屋の本領がまた沸き上がった。工夫することが楽しくて仕方がないのか、「新幹線で図面を描いてみるか」と意欲的だ。真面目な堅物だが情熱的で子どものように純真でもある。他の先輩たちは飲み屋の女性と懇ろになった話を得意気にしゃべるが、長老からそんな話は聞いたことがない。
年老いても男は女が恋しくなるもので、誰かの肌に触っていたいのだ。それを、しかし、女性たちは「いい歳をしていやらしい」と蔑む。当然と言えば当然なのだろうが、男たちに納得できない。男はいつまでも子どもなのかも知れないし、純情というと格好いいけれどバカなのかも知れない。男の中にも金で女を抱ける人もいるし、抱けない人もいる。どんなに歳を重ねても性格はなかなか変わらないようだ。
明日は天候がよければもう一度井戸掘りにチャレンジする。砂層だから水圧で掘るのがよいのだろうが、どういう理由か分からないが水脈に当たらない。どうしたらよいのだろう。「求めよ、さらば与えられん」とはいうものの、やたらと力んでも成果は出ないから、ここはもう一度よく考えなくてはと思うのだが‥。