今日もまた冷たい風が、強く吹き付けている。マンションの玄関は鉄の扉で、そのわずかな隙間を風が通り抜ける時、ブォーと大きな音が響き渡る。北からの冬の風の音だ。建物は南向きだが、北側に廊下があり、玄関の前の階段を吹き抜けて来るのだろう。
テレビを見ていたカミさんが、「新型コロナウイルスは、プールやサウナでは感染しないんだって」と言う。健康オタクのカミさんはジムに通っているから、「今日はジムに出かける」と言うためなのかと思ったら、「でも、寒いし、着替えも面倒だから今日は止めておく」と宣言する。
「せっかくの機会だから、新型コロナウイルスについてしっかり勉強するわ」とテレビにかじりつく。出かけなければ感染しないのだから、そんなに神経質になることはないだろう。一般人の私たちは外出せず、仮に外出してもマスクを着用し、手洗いとうがいで防ぐしかない。
病原菌はどこにでもいる。罹ったなら病院へ行くしかないが、病院で罹患するリスクの方が大きいだろう。そんなに心配せずに、罹った時は残念と思う他ない。地球だって永遠ではないし、何時しか人類も最後の時を迎える。それまでは尽くせるだけの手は尽くすだろう。
外の冷たい風も止めることは出来ないが、避けることは出来る。人々は格差の広がりで震えている。ぬくぬくと温かい部屋の無い人もいる。山本太郎さんの言うように、「困っている人に手を差し伸べるのが、国であり行政でしょう」。
カミさんに「勉強できた?」と尋ねると、「余計、怖くなった」と言う。明日は中学校の同級生の写真展を観に行く。もちろんマスクをして行く。