朝、私がルーフバルコニーで花の手入れをしていると、茨城の孫娘とラインで話していたカミさんが、「パパちゃんと話したいんだって」と言ってiPadを持ってくる。「ペチュニアがこんなに咲いたよ」と話すと、「私がいっぱい水あげたから」と言う。
いや、その時の花とは違うけど、否定せずに、「バラが咲き始めたよ」とバラを写していくと、「ワアー、きれいなウスムラサキ。私の大好きな色」と言う。薄紫が好きな色なのか、子どもっぽくないなと思いながら、大人びてきた孫娘がいっそう可愛くなった。
午後、私たちが市内で掘った井戸を紹介するために、写真を撮る必要から久しぶりにカメラを手にした。バカチョンカメラなのに、操作をすっかり忘れていた。取説書を見ながら学習する。入っていたメモリーを使わずに、新しいものを買うためにカメラ店に行く。
店主が、「このカメラに合うメモリーは生産していないので、ウチのを貸しますわ」と言う。確かに古いカメラではあるが、そんなに勝手に進歩してもらっては困る。電化製品でも、トイレのウオッシュレットでも、不具合が生まれて問い合わせると、「その製品はもう生産していません」と言われる。
河島英五は「時代遅れの男になりたい」と歌っていたが、もうすっかり時代遅れになっている。しょんぼりしての帰り道、10メートルほど先に犬を連れた女性がいた。まるで下着と思うほど短いパンツで、スラリとした形の良い素足がむき出ている。近づいてもっと眺めたかったのに、私は何故か道から離れてしまった。