朝夕は涼しくなってきたのに、今日はまた一段と暑さが増した。しかし、井戸掘りの依頼がきているのに、いつまでも夏休みという訳にもいかず、今日は思い切って依頼主のところに出かけ、現地を見てきた。田んぼの中の一角だから、まず水は出るだろうというので、帰りは喫茶店に立ち寄り打ち合わせをした。
それほど大きくはない、この辺りならごく普通の店だけれど、ほとんど空席がなかった。見ると男性だけの客はひとりもいない。男女のペアが1組あったが、残りは全て女性客である。それも2人以上で連れ立ってきている。私たちのような男ばかりの客の方が珍しい。ランチ時なら、もっと男性客は多いのかも知れないが、丁度3時ごろだったから女性客で賑わっていたのだろう。
私はよほどのことがないとひとりで喫茶店に行くことはない。たいていは複数で、会議室代わりに利用することが多い。喫茶店ならまだ出かけられるけれど、食堂とか寿司屋とか居酒屋となると、全くひとりでは入ることができない。そうした習慣がないということが最大の原因だろう。食べたければ、自分で作って、ビールかワインを飲みながら食べる。「あなたはヘンな人ね」と言われるが、ご飯がなくても刺身をパンで食べることもできる。これは特殊なことかと思っていたけれど、洋風な刺身の食べ方があることを最近知った。
愛知県は特に喫茶店が多い地域らしい。どんな風に使っているのかと言えば、談笑のためだ。本来なら家に招いて話をするのだろうけれど、そうなると客が来ても良いようにしておかなくてはならないし、お茶だお菓子だと用意もいる。また、話が終われば後片付けもしなくてはならない。そうした手間が省けるのが喫茶店である。だからこそ賑わっているのだ。
「これだけ暑いと、喫茶店やスパーが賑わう」と先輩が言う。大型スーパーマーケットはクーラーが効いていて、いろんな店があるから一日中いることができる。家族であるいはご近所で、出かけていって、食事をして、最後にちょっと買い物して、便利が良いばかりか、自分の家の電気を使わなくてすむと言う。「自治体も大型店の進出を規制していたが、雇用が生まれ税収も増えるからと緩和するようになってきた」と。
「車を持っている若い人たちはいいが、年寄りは住みにくくなる」と懸念を言えば、「いやむしろ、大型店に歩いていけるところに住居を構えればいい。喫茶店もあれば薬屋も本屋あるし、隣接して映画館もある」と言う。「300人くらいが収容できるホールでもあれば言うことなしだ」と付け加える。なるほど、逆転の発想か。商店街がなくなることを嘆くよりも、大型スパーを商店街にしてしまうことが街づくりなのかも知れない。店舗のセールではない、地域の祭りを店内で行なうようなアイデアが必要なのだろう。
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