上野千鶴子さんは凄い。流石だと思った。昨日、メールで「演題と講演の内容を要約したものを送ってください」とお願いしたところ、今日、もう返信が来た。エライ人になるとなかなか返信しない人が多いが、やっぱり上野さんは違う。役所の新人に、「返事は素早くするのがコツだよ」と私は言ったが、上野さんはその通りの人だった。
出来ることもあれば出来ないこともある。けれど、一向に返事がないと人は心配になる。心配はやがて不信になる。出来なければ出来ないでよいので、その理由を含めて素早く返事をすることが信頼を深める。「アイツに言っても当てにならない」となれば信頼など生まれるはずもない。上野さんは前向きで、真面目な性格が表れている。理屈っぽいだけの人ではない。
私が上野さんを知ったのは、あのベストセラーになった『スカートの下の劇場』が話題になったからだ。女性学という分野があることも上野さんのおかげである。1980年代末から90年代はフェミニズム論争が盛んだった。河野貴代美さんの『性幻想』や小倉千加子さんの『セックス神話解体新書』など衝撃的な本が出版された。
『スカートの下の劇場』は購入したが、女性の下着のパンティを学問的に分析したものだったので、実はしっかり読まずに書棚に並べたままだった。最近、上野さんと湯山玲子さんとの対談集『快楽上等!』(幻冬舎文庫)を読んで、赤裸々に自らをさらけ出し「人間とはなにか」に迫る真摯さに凄いと思った。
上野さんの講演を聞いたのは、私が無党派・市民派の地方議員の勉強会をしていた頃だったからもうずいぶん昔になる。歯切れのいいしゃべり方をする人だと感心した。攻撃的だったが、ものの捉え方は正確で、気持ちのよい正論だった。年を重ねるとさらに説得力が増す。ぜひ、大和塾の講師に招きたい。そして一緒に話してみたいと思った。その日が本当に来ることに驚いている。
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