最近、ニューヨーク・タイムズ紙のメールマガジンを取っているのですが、今朝(昨晩着信)一面はタリバン関連記事で、北朝鮮による砲撃ではありませんでした。アメリカ国民の目から見れば所詮は極東での地域紛争に過ぎないのでしょう。それでも、今なお10万近い兵力をアフガニスタンに駐留しているアメリカとしては、新たな紛争地域を抱えることは避けたいに違いなく、オバマ大領領のメッセージは、アメリカ時間で早朝5時という異例の早さで発信されました。関心の高さが窺われます。
それに引き換え、日本の反応は相変わらず鈍いと言わざるを得ません。祝日だったとは言え、菅首相は第一報が報道によるものだったことを認めてしまい、またしても情報収集体制の不備を曝け出してしまいました。北沢防衛相が市谷の防衛省に入ったのは午後5時過ぎになってからで、しかもその一時間前には防衛省幹部が防衛相は登庁しないと漏らしており、どうやら首相の指示で防衛省に向かったという感度の鈍さです。民主党の中には、閣僚を辞めさせても補正予算案成立が思い通りにならない政権にとって、不謹慎かもしれないけれども、今回の事件は国会運営上は天佑かもしれない、などと囁く人もいて、不謹慎です。
こうした鈍さは民主党だからというわけではなく、私たち自身の鈍さの反映なのかも知れないと思います。今朝の日経の報道で一番印象に残ったのは、「日本は、これだけ北朝鮮のミサイルや核爆弾に隣接して、よく平気でいられるものだ」という欧州の外交当局者の感想が引用されているものでした。実際、砲撃があった延坪島は南北境界水域に近いとは言え、今なお防空壕があるというのが驚きでしたし、住民が非難した仁川は近く、ソウルですらも軍事境界線から僅かに50Kmしか離れていないことも驚きでしたが、その時、私たち日本人が置かれている立場のことは忘れています。
元外務審議官の田中均さんは弱者の恫喝だと吐き捨てていました。自分たちに失うものは何もない、しかしお前たちは失うと困るだろう、だから何とかしろ・・・というわけですが、田中さんがTV番組で言われたように、私たちのロジックが通用しないならず者が間近にいる国際政治の現実を、私たち日本人は考え直す必要がありそうです。
それに引き換え、日本の反応は相変わらず鈍いと言わざるを得ません。祝日だったとは言え、菅首相は第一報が報道によるものだったことを認めてしまい、またしても情報収集体制の不備を曝け出してしまいました。北沢防衛相が市谷の防衛省に入ったのは午後5時過ぎになってからで、しかもその一時間前には防衛省幹部が防衛相は登庁しないと漏らしており、どうやら首相の指示で防衛省に向かったという感度の鈍さです。民主党の中には、閣僚を辞めさせても補正予算案成立が思い通りにならない政権にとって、不謹慎かもしれないけれども、今回の事件は国会運営上は天佑かもしれない、などと囁く人もいて、不謹慎です。
こうした鈍さは民主党だからというわけではなく、私たち自身の鈍さの反映なのかも知れないと思います。今朝の日経の報道で一番印象に残ったのは、「日本は、これだけ北朝鮮のミサイルや核爆弾に隣接して、よく平気でいられるものだ」という欧州の外交当局者の感想が引用されているものでした。実際、砲撃があった延坪島は南北境界水域に近いとは言え、今なお防空壕があるというのが驚きでしたし、住民が非難した仁川は近く、ソウルですらも軍事境界線から僅かに50Kmしか離れていないことも驚きでしたが、その時、私たち日本人が置かれている立場のことは忘れています。
元外務審議官の田中均さんは弱者の恫喝だと吐き捨てていました。自分たちに失うものは何もない、しかしお前たちは失うと困るだろう、だから何とかしろ・・・というわけですが、田中さんがTV番組で言われたように、私たちのロジックが通用しないならず者が間近にいる国際政治の現実を、私たち日本人は考え直す必要がありそうです。