風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

B STRONG

2013-10-17 21:51:06 | スポーツ・芸能好き
 クライマックス・シリーズのファイナル・ステージがパ・リーグでも始まり、東日本大震災の被災地を根拠地とする東北楽天が、ペナント・レースからの勢いそのままの田中マー君の活躍で、初戦に勝利しました。海の向こうのメジャー・リーグのポスト・シーズンでも、リーグ優勝決定シリーズの宴たけなわで、今年4月にボストン・マラソン爆破テロに揺れた地元ボストン・レッドソックスが健闘しています(今日はタイガースに敗れて2勝2敗のタイに持ち越されました)。表題の“B STRONG”(強くあれ)の“B”は、“Boston”の頭文字と“Be”を掛け合わせたものでしょう。テロに立ち向かうボストン市民の気概を表す合言葉なのだそうです。ボストン・レッドソックスのホーム球場であるフェンウェイ・パークでは、左翼フェンス(グリーンモンスター)に特大の星条旗が飾られ、中堅の芝は”B STRONG“と大きく刈り込まれました。
 2001年の9・11同時多発テロのとき、当時のブッシュ大統領がテロとの「戦争」だと呼びかけたのに対して、多くのアメリカ国民は素直に反応し、あちらこちらの自家用車に小さい星条旗が飾られ、一致団結したのを、私はたまたま西海岸に滞在していて、目撃しました。事件はニューヨークとワシントンを中心とする東海岸で発生し、6000キロ離れて同じ一つの国とは思えないような、温暖で、長閑なはずのカリフォルニアの青い空の下で、静かな高揚感が充ち満ちていたのを、なんとはなしに肌で感じたことが忘れられません。アメリカは自由と民主主義を大義とする国で、人々の自由を抑圧するテロのような無法に対して、とりわけ一致団結しやすいものだと思います。しかもボストンの場合、地元の伝統あるスポーツ・イベントが狙われ、無辜の命が奪われたのですから、人々の怒りは並大抵ではなく、地域の怒りとしても纏まり易かったことでしょう。
 私自身、4年間を過ごし、最初の子供が生まれたボストンには、特別の思い入れがあります。ボストン・マラソンは、近代オリンピックに次いで歴史の古いスポーツ大会、つまりマラソンでは世界最古の大会として知られ、年齢別標準記録を突破しないと参加できませんので、エントリーした1万人のランナーの後を、ほぼ倍の数に達するゼッケンを貰えない一般市民が、金魚の糞のようにくっついて走る、壮大なお祭りです。私も二度、その金魚の糞に紛れて、お祭り気分を楽しみました。また、フェンウェイ・パークには一度しか行ったことがありませんが、現在MLBで使用されている球場では最も古い歴史を持つ球場であり、私が見に行った当時は、「大リーグ史上5本の指に入る」(Wikipedia)とまで言われる伝説の投手ロジャー・クレメンスや、打者ではモ・ボーンが活躍していました。
 そのボストン・レッドソックスでは、今、中継ぎ・田沢とクローザー・上原が活躍しています。先週末のサンデー・モーニングでは、カネやんが、1回投げるだけでいいのだから・・・などと厭味を言っていましたが、当時と今では時代が違います、キレのあるスライダーを武器に躍動感溢れる上原の投球は、見ていて気持ちいいし、頼もしい。そんなこんなで、今年は、日本よりメジャー・リーグに注目しています。“B STRONG!”
コメント
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