風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

なおみ節

2018-09-14 00:38:24 | スポーツ・芸能好き
 今朝、大坂なおみ選手が凱旋帰国した。「なおみ節」とは、インタビューでの屈託のないキャラで独特の“ほんわか発言”が話題なのが、どこかの記事でそう呼ばれていて、なかなかナイスなネーミングだと思って借用させてもらった(「なにわ節」と韻を踏んでいるのは、苗字の大坂にかけているわけではないと思うが・・・笑)。
 産経新聞デジタルに30分余りの記者会見動画が掲載されていたのを見ると、日本語の質問に、ほぼ全て英語で答えていて、3歳でアメリカに渡ったのは伊達ではない、それでも日本人(正確には年齢がまだ届かず二重国籍)なのだと、ちょっと驚かされたし、時折り茶目っ気を差し挟むことがあったものの、「なおみ節」炸裂とまではいかなくて、さすがに到着後数時間しか経っていない疲れにどんより包まれていたのは、ちょっと気の毒だった。
 全米オープン決勝でのセリーナの暴言に対して全米テニス協会から1万7千ドルもの罰金が科されたらしいが、準優勝の賞金185万ドルから差し引かれるのだと聞くと、なんのことはない、蚊ほどの痛みもない。このときのセリーナの対応と主審の判断を巡って、議論になっているようだ。「女子が感情的になるとヒステリックだと言われ処分となるが、男子が同じことをしても率直な意見として見なされ、問題にならない」(往年の名選手ビリー・ジーン・キング女史)などと、主審の判断はダブルスタンダードだと主張する声や、主審はラケットの破壊に対しては違反を取るべきではなく、もしセリーナが態度を改めない場合はどうなるかを先に伝えるべきだったとして、「男子に対する基準と異なるというのは、間違いなく彼女が正しい」(往年の名選手ジョン・マッケンロー氏)といった声もあれば、「われわれは常に規則に縛られていた」(往年の名選手マーガレット・コートさん)と述べて、セリーナへの共感を示さない人や、「あの日、あの時に関してはセリーナが間違えていた」(元ATPツアー幹部で主審を務めた経験もあるリチャード・イングス氏)などと、主審の判断は男女、人種差別とは全く関係なかったと弁護する声もあるなど、割れている。全米テニス協会の会長は、「主審へのふるまいに関して、男子と女子は平等な扱いを受けていない。全体的にある程度の一貫性がなくてはいけないと思う」などと、セリーナの主張を認めたらしい。私は試合を見ていないので何とも言えないが、当時の場面・・・第2セットの第2ゲームで、試合中のコーチングが違反行為にあたるとして最初の警告を受け、セリーナがブレークに成功したあとの第5ゲームでダブルフォルト2つを絡めてブレーク・バックされると、ラケットを地面に叩き付けて破壊したため二度目の警告(ポイント剥奪)を受け、第6ゲームをラブゲームでキープした大坂が第7ゲームをブレークすると、チェンジオーバーでセリーナは主審に対して「この泥棒。私に謝りなさい。あなたは私のキャラクターを攻撃している」と威圧的に罵倒し続けて三度目の警告を受け・・・と振り返ってみると、セリーナが思い通りにプレイ出来ない苛立ちを審判にぶつけていたのではないかという疑念は拭い去れない。
 そして、表彰式の間、おさまらなかった観客のブーイングは何に対して向けられたものだったのか、またそのとき、大坂なおみが“I know everyone here was cheering for her, so I am sorry it had to end like this.”と“I’m sorry”を使ったのは、彼女自身が謝ったものなのか、「残念に思う」程度のコメントだったのか、で意見が割れたようだ。今回の記者会見では質問されても、軽く受け流していたが、帰国前夜、米国の人気トーク番組「エレン・デジェネレス・ショー」に出演した際には、「表彰式で、セリーナはあなたに何て言っていたの?」とストレートに聞かれて、「彼女は、『あなたを誇りに思う、観客のブーイングはあなたに向けられているものじゃない』と言ってくれました。あの時、みんな私に対してブーイングしていると思っていたんです。何が起こっているのかわかりませんでした。あまりにも大きな音で……。ちょっと、精神的に疲れちゃいました」と、正直に答えていたようだ。
 ・・・とまあいろいろあったようで、また今日のところは移動後でお疲れのようだったが、来週から始まる東レ・パンパシフィックでは勝ち進んで、インタビューでほのぼのとした「なおみ節」が炸裂するのを、是非、見せて欲しいものだ。
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