大坂なおみ選手が、あれよあれよという間に全豪オープンでも優勝してしまったことには驚いた。昨年の全米オープンに続くもので、何と言う軽やかさだろう。グランドスラム連覇は、2014年の全米から翌年のウィンブルドンまで4連勝するという圧倒的な強さを誇った当時のセリーナ・ウィリアムズ以来というが、初優勝からの連覇となると2001年全豪・全仏を制したジェニファー・カプリアティ以来6人目、18年振りの快挙だという。これで明後日に発表される世界ランキングでは日本選手初と言わず、男・女シングルスを通じてアジア勢初の世界ランク1位となることが確定したらしい。21歳にしては幼くも見える日頃の愛くるしさとは何ともギャップのある、ニュー・ヒロインの誕生である。
今回も「なおみ節」は健在だった。
大会前の記者会見で、「私は精神的に3歳児のようなところがある。人間的に成熟することが最大の目標」と語ったことに対し、ある臨床心理士は、3才のメンタルとはなんともうまい譬えだと褒めた。3才のメンタルといえば、自己主張が強くなる時期だが、まだまだ自分自身を抑制することが十分にできない時期でもあり、全米オープン優勝では、勝利の要因を「我慢」と答えていたのは、メンタルがまだ3才だったとしたら、感情を抑制するのがまだまだ難しい場面もあったのだろう、その時の感覚としては、感情をコントロールするというより、我慢するというイメージだったのだろうと、納得の解説をしている。
ところが準々決勝後のインタビューでは、大会を通じて精神的に成長しているかと問われて、「1歳くらい成長したかな。4歳ね。おめでとう、私」と、なんとも素っ頓狂な受け答えをした。先ほどの臨床心理士は、4才のメンタルについて、自発性が出てきて、色々なことを探求し始める時期であり、相手の心の動きを読めるようになったり、様々な課題を乗り越えられるようになったりすることで自分への信頼感も生まれてくるので、以前より動揺が少なくなる時期でもあるという。確かに、ラケットを投げつけたり、感情の起伏が激しい様子が見られたりしたが、その後は、感情に飲み込まれそうになる手前でコントロール出来ているようだ。全豪オープン開幕前にメンタルについて話した時に、彼女が使った言葉は「我慢」ではなく「均衡」だったあたりも、符号していそうだ。
同じく準々決勝後のインタビューで、「Is this live(生放送)?」と確認して、カメラ目線になると、笑顔を浮かべながら「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」と日本語で祝福したそうだ。準決勝後に、日本の祖父母からメッセージが届いているか聞かれると、「日本、今何時?」と逆に質問し、インタビュアーが「夕方ですね。午後4時くらい」と教えると、「はあー、なんかおはようじゃない? おはようございます、おじいちゃん、おばあちゃん」と話したという。この呆け具合いは大物だ。
「飾らない人柄、はにかんだ笑顔。そしてユーモアあふれるスピーチは、豪州のファンもとりこにした」とある記者が書いていたが、それを象徴するように、表彰式後、ボールキッズたちとの記念撮影時や、優勝カップを前にした記念撮影でも、コート上に正座し、はにかみながら笑顔を見せていたというから、今までにない、どう見ても“らしくない”自然体のヒロインには、彼女ばりに英語で表現するならCrazy for you・・・という感じかな。
今回も「なおみ節」は健在だった。
大会前の記者会見で、「私は精神的に3歳児のようなところがある。人間的に成熟することが最大の目標」と語ったことに対し、ある臨床心理士は、3才のメンタルとはなんともうまい譬えだと褒めた。3才のメンタルといえば、自己主張が強くなる時期だが、まだまだ自分自身を抑制することが十分にできない時期でもあり、全米オープン優勝では、勝利の要因を「我慢」と答えていたのは、メンタルがまだ3才だったとしたら、感情を抑制するのがまだまだ難しい場面もあったのだろう、その時の感覚としては、感情をコントロールするというより、我慢するというイメージだったのだろうと、納得の解説をしている。
ところが準々決勝後のインタビューでは、大会を通じて精神的に成長しているかと問われて、「1歳くらい成長したかな。4歳ね。おめでとう、私」と、なんとも素っ頓狂な受け答えをした。先ほどの臨床心理士は、4才のメンタルについて、自発性が出てきて、色々なことを探求し始める時期であり、相手の心の動きを読めるようになったり、様々な課題を乗り越えられるようになったりすることで自分への信頼感も生まれてくるので、以前より動揺が少なくなる時期でもあるという。確かに、ラケットを投げつけたり、感情の起伏が激しい様子が見られたりしたが、その後は、感情に飲み込まれそうになる手前でコントロール出来ているようだ。全豪オープン開幕前にメンタルについて話した時に、彼女が使った言葉は「我慢」ではなく「均衡」だったあたりも、符号していそうだ。
同じく準々決勝後のインタビューで、「Is this live(生放送)?」と確認して、カメラ目線になると、笑顔を浮かべながら「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」と日本語で祝福したそうだ。準決勝後に、日本の祖父母からメッセージが届いているか聞かれると、「日本、今何時?」と逆に質問し、インタビュアーが「夕方ですね。午後4時くらい」と教えると、「はあー、なんかおはようじゃない? おはようございます、おじいちゃん、おばあちゃん」と話したという。この呆け具合いは大物だ。
「飾らない人柄、はにかんだ笑顔。そしてユーモアあふれるスピーチは、豪州のファンもとりこにした」とある記者が書いていたが、それを象徴するように、表彰式後、ボールキッズたちとの記念撮影時や、優勝カップを前にした記念撮影でも、コート上に正座し、はにかみながら笑顔を見せていたというから、今までにない、どう見ても“らしくない”自然体のヒロインには、彼女ばりに英語で表現するならCrazy for you・・・という感じかな。