かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

就学時検診大作戦

2011年10月18日 21時39分53秒 | みゆみゆとの生活
大体が、就学時検診ってなんだろう?と、思う。

歯科検診や内科検診は保育園や幼稚園でやっているし、入学後すぐにいろんな検診を行うのに、
わざわざ入学前に子供を一同に集め、子供一人一人の胸に番号札を下げさせて、流れ作業的な検診をする意味は何か?

結局は、行政側(学校教育)が、子供の振り分け(障害児の選別)をするための、観察の場なんだろう、と。

それがわかっているからこそ、私のような親は、今日のような日、緊張の極致です。
そうちゃんのグループの後ろを、メモ片手にずっと付いてこられた教頭先生の存在もプレッシャーだったし。
そこかしこにいる先生方、教育委員会の方に、そうちゃんの一挙手一投足を見られているような気がしてしまって(被害妄想??)。。
実際、私が見渡した限りでも、そうちゃんは今年一番の注目株であったことは間違いないと思いますが。

今日のために、わが家では昨日、一昨日と作戦会議。
検診後、校長先生に会いに行って、何をどうやって話すか。
夫婦の役割分担は。
みゆみゆの時も思い出して、就学時検診そのもののおさらいも。

そして今日。
あちこち部屋移動しながらの、検診。
しかも苦手な目の検査や歯の検診に、椅子に座って質問に答える知能検査もある。
常に「おしゃべりせずに静かに待ちましょう」と言われ、頻繁にたくさんの親子とすれ違う。
あー、新しいことばっかり。
見通しが立ちづらい。
しかも刺激多すぎ。
自閉ちゃんの苦手なことオンパレードじゃないか!?

そこで夫は、素知らぬ顔で、必殺アイテムを取り出した。

なんと、一つ検診が終わるごとに、こっそりそうちゃんの口にラムネを入れてる!!
うわー。
常識人の私には思い付かないわ。
歯科検診の直前にも、ラムネ;
口の横に白い粉が付いてるし。。
有り得ん。
お願い、先生方にバレないで。(いや、間違いなくバレてたでしょう。)

夫に言わせれば、これは必要な処置。
確かに、ご褒美がないと頑張れないよね。
そうちゃんにとっては、わけがわからない検診であり、待ち時間だもんね。

ともかく、予想した中では上出来にいい子だったそうちゃん。
ちょいちょい動いたり寝転んだりはしたけど、ひどいパニックや泣き叫びにはならず、みんなと同じコースで回れました。
やれやれ。

終了後、「相談のある方は校長室へ」とのことだったので、出かけました。
ここからが本番。

随分待たされた後、教育委員会3人と校長先生に面接。
教育委員会が私たちに質問するために口を開きかけたところで、夫が、
「今日は特に相談はありませんが、こちらの小学校の特別支援クラスに入学させてもらいますので、ご挨拶に来ました。」と先制パンチ!
わぉ。

面食らった様子で言葉に詰まる教育委員会。

それから、「服の脱ぎ着は一人でできますか?」だの、「得意なこととか、これは苦手ということはありますか?」など、いくつか質問をされ、それには答えました。
こちらとしては、小学校受け入れのための相談や面接はお願いしたいがそれ以前の見学は必要ないと思ってること、保育園との連携をしてもらいたいこと、2月・3月に慣らしで体験入学を何度かさせてほしいことなど、要望を伝えました。

素直な感想は…
この人達は、障害のことをよく知らないんだな、ということ。
どうやってそうちゃんに話し掛けたらいいのかもわからない感じ。
児童デイや療育のことも、知らないようでした。

うちとしては、作戦どおり、夫を中心に「ここしか考えてません」をはっきりアピールし、
向こうも、その方向で考えざるを得ない感じで、抑え目トーンで、「支援員を保育園のように付けることは難しいので…」とだけ言われました。

なんとか、受け入れてもらえそうかな?と手応えがありました。

そうちゃんも、トーマス辞典を見てずっと座っていてくれ(奇跡!)、彼としては落ち着いていました。

校長先生も、「以前お会いした時よりも随分落ち着きましたね」と褒めてくれ…
ま、事実はどうあれ、そうちゃん的には100点満点の出来でした。
後で思い切り褒めちぎりました。

まだ完全に地元小学校で受け入れてもらえると安心したわけではありませんが、
ひとまず、肩の荷が降りました。
あとは結果を待つだけ。
そしてそれからが、2回戦です。

入ってからが、本当の勝負!だし。
まだまだ、戦いは、続きます。

今日は、みゆちちがお手柄。
それに、そうちゃんを知っていて声を掛けてくれた、たくさんのお友達、お母様方に感謝!
そうちゃんにはたくさんサポーターがいると、付いてきていた教頭先生にも伝わったことと思います。
私も、随分励まされました。
ありがとうございました。