昼間は相変わらず暑いですが、朝晩の風に、秋を感じます。
子どもたちが折り重なってソファの上で寝てしまったので、一人、パソコンに向かってます。
この時間にこういうことは珍しいので、ちょっと嬉しい
今日は少し、そうちゃんのことを書いてみようと思います。
(ブログという公共の場で、どこまで書いてよいものか迷うところですが。)
我が家のそうちゃんは、こんな子です。
・いつもニコニコ笑っていて、とても人が好き。お友達の名前もすぐに覚えます。特に若い女の人が好きで、ちょっかいをかけたり、いたずらをします。
・走るのがとても早くて、やりたいことや興味のあるものがあると、飛んで行ってしまいます。たとえば朝、ご飯を食べて着替えると、すぐに保育園に行きたくなって、お母さんが「ちょっと待ってて」と言うのも聞かずに勝手に玄関を開けて飛び出し、一人で保育園まで行ってしまいます。
・歌が大好きで、いつも歌っています。替え歌にするのも得意です。新しい歌でも、リズムがいいとあっという間に覚えてしまいます。
・年中さんになってから、言葉が急に増えたけど、こちらの言うことに、いつも答えてくれるわけではなく、会話にはなりにくいです。
・保育園では、みんなと一緒に行動したり椅子にじっとしていることが難しく、一人先生がついてくれて、過ごしています。
・一度行った場所はよく覚えていて、同じものを食べたり同じもので遊んだりすると安心します。前に来た時と状況が違ったり思ったことができないと、気持が不安定になって急に走りだしたり、食べ物や知っているビデオの名前を言い続けたりします。
小さいころから愛嬌たっぷりの、とてもパワフルなそうちゃん。
このそうちゃんの個性あふれる特徴を、障害名で言うと、「知的障害を伴う自閉症」となります。
「自閉症」がよくわからない方もいるかと思うので、少し説明をしたいと思います。
自閉症とは、ごく簡単に言うと、「こだわり(想像力の障害)」「言葉の遅れ(コミュニケーションの遅れ)」「社会性(相互交流)の障害」の3つが、3歳以前から見られる場合に、診断されます。
育て方などの後天的な環境でなるものではなく、いわゆる「殻に閉じこもる病気」でもありません。
原因は不明ですが、何らかの脳の機能障害と言われています。
自閉症の中にも、知的障害を伴うものと伴わないものがありますが、そうちゃんの場合は知的にも遅れがあります。
よくある症状に、「同じ物を一列に並べ続けることに没頭する」「言われたことをオウム返しする(「何歳?」「なんさい?」)」「手のひらを自分の方に向けてバイバイする(逆手バイバイ)」「多動でどんどん走って行ってしまい制止が効かない」「親の手首をつかんで物を取ろうとする(クレーン現象)」「つま先立ちで歩く(感覚過敏)」「いつもの道順でないとパニックになる」・・・などがあります。そうちゃんは全部やりました^^
ただし、このうちどれかがあったからと言って即障害というわけでは、もちろんありません。
そうちゃんが診断を受けたのは、2歳のころです。
言葉が遅いこと、動きが激しすぎること、物を投げる・自分の頭を打ち付ける・夜寝ない…など、様々な症状があり、少しでもこの子のためになることをしてあげられるなら、と、専門医を受診しました。
仕事上、私に多少なりとも知識があり、「普通の子とは違う」と思っていたので、受診まではそれほど迷いませんでした。
それから、言語療法・母子通園(療育)・音楽療法・行動療法など、仕事をしながら、できる範囲で、そうちゃんと一緒に、いろいろなところへ通いはじめました。
なんとかこの子を伸ばしてやりたい一心で、必死の毎日でした。
わが子の障害を認め、向き合っていく作業はとても辛いものです。
思うように成長していかないそうちゃん。パニックを起こして激しく泣き続けるそうちゃん。ニコニコ笑いながら「叱られることしかしない」そうちゃん。
どうやって育てていけばいいのか分からず、私は何度も何度も泣いてしまいました。
目の前にいる、人が大好きなニコニコそうちゃんと、「自閉症」という言葉の響きはあまりにかけ離れているように思えて。
「自閉症」であるという(行動上の)証拠はうなるほどあるのだけど、いつか伸びて普通の子になるのではないかと、心のどこかで思ってしまうのです。
ある本に、障害児の親の持つ「目が覚めたら普通の子かも」といういわば幻想は、きっとずっと抱えていくもので、抱えていって味わい尽くしていいのだと、書いてありました。
吉田友子先生と言う方の本です。とても救われる思いでした。
一時期、私は仕事をやめて、そうちゃんの療育・訓練に専念するべきじゃないかと本気で考えたことがありました。
でも、結局そうしなかった。
私が仕事を続けることが、家族全体のバランスとしてギリギリのところで均衡が取れる、と考えたからです。
家族だけで抱え込むことはやめ、なるべくあちこちにお願いすることに決めました。
今、そうちゃんは、たくさんの人に育ててもらってます。
まずは一番長い時間を過ごす、保育園。理解ある園長のもと、園全体で、そうちゃんをあたたかく見守ってくれています。
そのほか、土曜日や平日夕方預かって療育的な関わりをしてくれる「児童デイサービス」、
休みの日にヘルパーさんが電車でお散歩に連れて行ってくれる「行動援護」、
そうちゃんがお腹にいたころからお世話になっている「子育てサポーターさん」、
あと、「個別療育」「個別指導(ABA)」など…
近所の人や私の貴重な友人知人、変則的な休みにも理解してくれる職場の方々も含めれば、本当に数えきれないくらいの方々に支えられて、なんとか生活ができています。
マニュアルのない育児です。
「どうやって育てていいかわからない」の毎日。
比べても仕方ないのに他の子と比べてしまって、落ち込むことも多々あります。
そんな時、「そうちゃんっていつもいい笑顔だね」「今日そうちゃんがお友達にはじめて『あそぼ』って言えたよ」などと声を掛けてもらえた時に、どんなに嬉しいか。
あるいは、「お母さん、大変だね。」という共感や、「園ではこんなことしたらうまくいきましたよ。どうすればいいか、一緒に考えましょう」という言葉。
手を差し伸べてもらえる、味方になってもらえる人がいることで、気持がとても軽くなります。
このブログで、「ある一つの育児」「元気のいい男の子の話」として、そうちゃんのこと(やみゆみゆのこと)を書くのは、私にとって貴重な「肯定の場」でした。
なるべく楽しかったこと、面白いと思ったことを中心に書くことで、前向きになれたのです。
でもここのところ、一般の4歳児との差が広がってきて、障害のことを伏せて書くには無理が出てきてるなーと感じ始めました。
思い切って一旦公表して、そのうえで、やっぱり「楽しいそうちゃん」の話を自由に書きたいな、と。
そんなわけで、かなり重い話題となってしまいました。
この長い文章を読んでくださった方、ありがとう。
これまでと変わらず、「かーちゃんはつらいよ」は「2人の子育てをしながら働くかーちゃんのつぶやき」です。
日本一(たぶん)体力のある4歳児そうちゃんと、夢見る本の虫みゆみゆの、事件簿(!)を、更新していく予定
今後も応援いただけると、ありがたいです。
よろしくお願いいたします