かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

2011年03月29日 20時57分18秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんは、歌が大好き。
わが家はみんな音楽好きなのですが、その中でも一番そうちゃんがリズム感いいかも。
曲をすぐに覚えて、身体全体を動かし、ノリノリで歌ってくれます。歌詞はテキトーだけど;

テレビでAC(公共広告機構)のCMが流れると、正しい音程で、こう歌う。
「へーんしーん♪」
ACがそう聞こえるのね。やむを得まい。

みゆみゆのピアノ発表会が5月に迫り、家の中に音楽が増えています。
なにせ、みゆみゆの発表会なのに、親(私)がやる気満々。
みゆみゆとみゆちちが連弾し、そこに私のフルートが加わるアンサンブルがあるので、そろそろちゃんと練習しないといけないし。ちなみに曲目は「サザエさん」。

ついでに、教室に通う子の母達で、コーラスをすることになっていまして、その練習も。
これは、選曲がしぶく、加山雄三の「海よ」。
歌詞にやたら「男の」「俺の」とあるのを気にしなければ(気になるけど;)、音楽としては伸びやかできれい。
 「うみにーだかれてー おとーこーならばー」
…すごい出だし。
 
家の壁に貼った歌詞を見ながら、風呂上がりに加山雄三を大熱唱する私の姿を見て…。
 あきれる夫
 視界に入れまいとするみゆみゆ(恥ずかしいらしい)
 そして、ゲラゲラ笑って大ウケのそうちゃん!(かわいい!)

それ以来、私の手を取っては「うーみよー」と歌を要求してくるように。
これ、保育園でそうちゃんが言っても誰もわからんだろうなー と思いつつ。
リクエストに120%応えて、そうちゃんの両手を持ち、「海よ」を力いっぱい歌うのでした。

それにしてもそうちゃんのレパートリーは幅広くて。
先日、「アイ ウォンチュー♪」とAKBを歌いだした時にはびっくり。
え?もう一回歌って。と聞き返したら。
「あいたかったー あいたかったー あいたかったー いぇい!」と曲を換えてきたそうちゃん。
2度びっくり、でした。
ま、なんでも、好きなものがあることはいいことだ。
たくさん歌って、踊ろうね。お母さんも一緒に。

ほんとうのさいわい

2011年03月24日 20時07分59秒 | みゆみゆとの生活
「カンパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。
僕はもう、あのさそりのようにほんとうにみんなの幸いのためならば僕のからだなんか、百ぺん灼いてもかまわない。」

「うん、僕だってそうだ。」カンパネルラの目にはきれいな涙が浮かんでいました。

「けれども“ほんとうのさいわい”はいったい何だろう。」ジョバンニが言いました。「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり言いました。                                 「僕たちしっかりやろうねぇ。」ジョバンニが胸いっぱい新しい力がわくように、ふうと息をしながら言いました。


・・・宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より

             
大好きな、賢治の、大好きな文章です。

「ほんとうのさいわいは、いったい何だろう」と、このごろ、私の頭の中で回っています。
テレビが伝える衝撃的な出来事に動揺し、
超のつくほど現実的な話と、哲学的な話が、頭の中でごちゃごちゃになってしまって。
あまり考え込むのもよくないので、昼間に仕事をして目の前のもろもろに忙殺されていることに、少し感謝したりもしました。

「銀河鉄道の夜」をもう一度読みたくなって、本棚から古い文庫本を引っ張り出してみたら。
一枚のはがきがはさんでありました。

そこには、色鉛筆で描いた絵と、上記の「銀河鉄道の夜」からの抜粋が、20歳の私の字で書いてありました。

その文庫本は、私が当時の彼(現在の夫)に、プレゼントしたものであったことを、ようやく思い出しました。
こんな出会い、こんな励まされ方ってあるんだ…と、心がポカッとあったかくなりました。

3月末、職場でも学校でも、環境が変わる節目の時期です。
私は異動しませんでしたが、仕事で関係のあった県職の若い方が転勤となり、お互いにお礼のご挨拶をしました。
その時、思いがけず、その方(女性)が、こんな風に言ってくれました。
「いろいろありがとうございました。すごく話しやすくて、安心して一緒にお仕事ができました。
大好きでした。大好きだったんです。会えなくなること、残念です。」
本当に嬉しかった。こんなにストレートに、表現してくれたこと。
私なんかが役に立て、必要とされていたということ…。
人との出会いの中だけでなく、別れの中にも、心が通じ合うという瞬間があるのだと、感じました。

人と人とは、支え合い、自分以外の誰かを感じながらでないと、生きていけません。
家族という枠だけでなく、様々なつながりが、存在します。
私を支えてくれる人、私が支援者として支える人。
ひとつひとつの出会いを大切に、日々を過ごしていけたら…と思います。

あけたらしめる

2011年03月18日 21時42分22秒 | みゆみゆとの生活
リビングのドアを開けっ放しにしてトイレに行ってしまうことの多いみゆみゆ。
「閉めて!」と毎回言うのに疲れて、貼り紙をしました。
はじめは、怒りにまかせて書いたので、紙にマジックでなぐりがきして貼っておいたのですが。
今日、珍しくそうちゃんが早く寝て、みゆみゆは折り紙で遊びはじめたので、私もお絵描きして遊んでみました。

「あけたらしめる!」も、ぐりとぐらに言われれば、素直に聞ける。
それは、大人も同じだったりしてf^_^;

お熱でお休み

2011年03月17日 22時51分16秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんが、久々に熱を出しました。

今日の明け方にそうちゃんを触ってみて、熱いことに気づき。
熱を測ったら、39.1度。
高い。

数日前から鼻水とくしゃみが続き、「花粉症かな?」なんて言っていたのですが…。
やっぱり風邪だったのね、というわけで、そのままみゆみゆは夫に任せて8時までそうちゃんと爆睡。

起きて会社に休みの電話をし、そうちゃんと遅めの朝ごはん。
その時もう一度お熱を測ったら…
36.8度。
まさかね。
またこれから上がってくるだろうなーと思い、保育園にお休みの電話。
「39度あったので、今日と明日、お休みします。」
先生も、心配して下さいました。

午前中、いつもの小児科に受診。
やっぱり36.5度。
え。
インフルエンザも陰性。
喉もそれほど赤くない。
下痢があり、咳込みと黄色い鼻水があるので、確実に風邪だとは思うけど…。

結局、昼ご飯も普段通りにバクバク食べ、夕方まで熱も上がることはありませんでした。
保育園に電話し、経緯を話して「明日やっぱり行かせます。」と伝えました。

確かに39度あったんだけど。
すごい回復力。
超多動な白血球で、病気を一網打尽にしたのね。

結果的には、最近寝不足気味だった私は、少し休息が取れました。
そうちゃんからの誕生日プレゼントだったのかなー。
会社には迷惑を掛けて申し訳なかったけれど…。

ここのところ、ついついテレビを長い時間見てしまうのですが、
うまい具合にそうちゃんが、「ビデオ見たいです!」と主張して、私をテレビづけにはしないように適度に離してくれます。
ありがと、そうちゃん。

そうだよね、同じ日本で起こっていることに注目しながらも、やっぱり目の前の一日一日を大切にしなくちゃ。
自分に出来ることを探して、真面目に生きていかなきゃ。
一人一人がパニックになったり余分に悲観したりせず、地に足をつけて自分サイズで生活していくことが、大事な気がする。

そんなことを思っているうちに、アラフォー仲間入り。
でも、歳を聞かれれば、都合によっていつでも「30越えたとこ」って言うんだ(^O^)

災害

2011年03月12日 13時03分38秒 | みゆみゆとの生活
昨日、大変な地震が起こりました。
東北から遠く離れた名古屋も、震度4を記録しました。
私は仕事中でしたが、めまいのような、船酔いをするような感覚で大きく揺れ、怖いと感じました。
みゆみゆも、学校で机の下に隠れたそうです。

夜から今日にかけての報道の様子で、被害の甚大さが伝わってきています。
何かできることはないのか?この先どうなっていくのか?
不安な気持ちです。

もし、私の住む地区が大きな自然災害にあったら…
そうちゃんは、どうしたらいいんだろ?

避難所なんて、とても無理。
停電になることを想像しただけでも、どうやって過ごしたらいいのか、わかりません。

普段の場所で、いつもと同じように過ごさないと、一日中パニックになるだろうそうちゃん。
保育園もお休み、家にも入れず、ビデオも見られない日々…
厳しいな。

今被災されている地域にだって、そうちゃんのような子はいるはず。
一体どうやってこの危機を過ごしているのでしょう。
本人も親御さんも、どんなに不安なことでしょう。

一日も早い救出・支援を。
子ども・お年寄り・障害者に、まずは手が差し伸べられますように。

ノーマライゼーション

2011年03月09日 19時39分11秒 | みゆみゆとの生活
たまには少し、堅い話を 長いよ。ごめん。

ノーマライゼーション、という言葉をご存知でしょうか。
「障害者を排除するのではなく、障害を持っていても健常者と均等に当たり前に生活できるような社会こそがノーマルな社会である」という考え方です。
もっと簡単に言うと、「障害も個性のひとつとしてとらえ、一般の人と同じ社会で一緒に生きていきましょう」という概念。
最近は、障害者雇用が一定の条件を満たした会社に義務付けられるなど、その動きは進んできています。

ノーマライゼーションを実現するためには、相手を「障害者」として認識する前に、まず一人の「人」として出会える環境が必要ではないか?と最近思う。
自分の子ども時代を振り返ったり、みゆみゆの学校生活を見ていても、障害のある人との出会いは、割と少ない。
特に、重い障害のある同世代の人に会う機会は、成長の過程で、ほとんどない。

愛知県の瀬戸市が、H22年度から「瀬戸養護学校(さくらんぼ学園)」を市立小学校に隣接して建設しました。
「遠くの県立養護学校へ通うわが子を、地元の学校へ通わせたい」という親の思いが、行政を動かしたようです。

ごく普通の小学校。
廊下を歩いていくと、そこは重度心身障害の子達の「さくらんぼ学園」。
全国的にも、珍しいようです。
テレビのニュースで、特殊車いすで移動する子と小学生が、一緒に体育館で遊ぶシーンを見ました。
笑いながら追いかけっこをする子どもたち。
お友達に車いすを押してもらって、いい笑顔で笑っている子
自然に、毎日こんな時間が持てたら・・・。
いや、本当は、これが当たり前の姿なんじゃないだろうか、と思いました。

そうちゃんもあと1年で小学校へ入学です。
地域の学校の特別支援クラスなのか、県立の養護学校(特別支援学校)なのか。
学校選びは、親にとっての一大事です。

地元の支援クラスは、支援を受けながらお勉強をしていくところ。通常学級との交流がある。
養護学校は、生活面の基本的な習得から、個別性に合わせて教えてくれるところ。うちからだと、バスで40分以上かかる(!)

でも、なんで?

「ずっと一緒に育ってきた保育園のお友達と一緒に、お姉ちゃんと同じ学校へ通わせたい。」
という親の思いと、
「服の脱ぎ着やおはしの使い方、ごあいさつの仕方など、生活面の学習からはじめて欲しい。」
「動きが激しいので、対応できるよう補助の先生をつけてほしい。」
という希望の、両方はかなえられない。
今の制度では。なんでなんだろ。

保育園(幼児教育)は、全国的に「統合保育」という流れです。
つまり、障害児も通常クラスに入れて、一緒に生活をさせる保育。
そうちゃんは、一人補助の先生(加配保育士)についてもらって、保育園で過ごしています。
みんな、そうちゃんを「そうちゃん」として受け入れてくれています。
ありがたいことに、そうちゃんは保育園の人気者(?!)です。
朝送って行ったときに、「そうちゃんだよ」と自分のママに紹介してくれる子、「先生、そうちゃん来たよー」と呼びに行ってくれる子が、他のクラスの子にも、たくさんいます。
興奮気味でおもちゃを投げたりしていても、クラスのお友達が「そうちゃん、今日はどうしちゃったんだろうねぇ」と心配してくれるそうです^^

見ようによっては「特別扱い」となることを、「特別視」せず、「そうちゃんは、この方がいいから」と、自然に対応してくれている、保育園全体の雰囲気…。
園長先生や担任の先生をはじめ、保護者の方々も含めて、大人が温かく接してくれている姿が、そのまま子どもたち全員に伝わっているのではないかと、思う。
子どもって、大人が思うよりずっと順応性が高く、大人の態度を敏感に察知しているものです。

せっかく育った同学年の子の輪。
養護学校に行き、この環境を失うことを、もったいなく思う。
健常の子にとっても、障害児(中度~重度)が環境から消えることは、大切な「わかり合う機会」を失うことになるのではないだろうか。

でも、そうちゃん個人にとっては、やはり専門的な教育を、少人数・個別的に受けたほうがいいのかな?

ほんとに迷います。
そして今の教育制度に疑問いっぱいです。

本当の、ノーマライゼーションが、この町にもやって来て欲しい。
親としての、願いです。



すべりだい

2011年03月08日 23時32分30秒 | みゆみゆとの生活
土曜日の夕方に、何年ぶりかでそうちゃんと公園で遊びました。

滑り台にあがると…
迷うことなく、頭から滑る!
そして滑り終えると、そのままダッシュで逃亡。

ということになってしまったので、次からは。
そうちゃんを追い掛けて連れ戻し、階段を上らせる。
滑る前に「座って!」と声を掛け、
慌てて滑り台の降り口に回ってそうちゃんを捕獲。
「滑り台、できたねー。楽しいねー。」と猫撫で声でベタ褒めし、すかさずもう一回階段を上らせて滑り台続行。

ふぅ。すごい運動量。
私の動き、他のお母さんたちにはどううつったことでしょう…。

でも、いいの!そんなこと。
そうちゃんが、多分そんな私の姿も面白かったのか、ゲラゲラ大ウケでした。
そうちゃんのその笑顔のおかげで、はたから見ても楽しそうに見えると思う。それって、とってもお得な感じ。

滞在時間は短かったけど、十分満喫できました。
こうやってそうちゃんをあちこち連れていって、「あ、あの子知ってる。」と思ってくれる方が増えていくといいな。
ずっと、この地域で生活していくのだから。

そうちゃんとお買いもの

2011年03月07日 21時39分16秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんとお買いもの。
私にとって、これは奇跡です

思えば、1歳前半にはすでにショッピングカートから自力で抜けだし。
2歳では、一瞬の隙をついてエスカレーターに乗り、ゲームセンターに行って、拾った100円で乗り物に乗るという超人技を発揮。

スーパーと言うのは子どもにとってとても刺激の多いところでして。
1~2歳の男の子を持つ方は、「スーパーに行くとパァーっと走っていって、呼んでも戻ってきません。」と言われる方が少なくありません。
ただの「元気のいい子」がほとんどですが、そうちゃんのように「超」のつく多動の子だと、話は別。
走り回る、なんてもんじゃありません。
自分自身にもコントロールできないくらいにテンションが上がってしまい、結局はひっくり返ってパニックになり、強制送還となるのです。

そんなわけで、「買い物」目的では、ここ3年以上、そうちゃんと一緒にショッピングセンターへ行ったことがありませんでした。
(「療育」目的で、「ジュース一個だけ買うよ」とかは、準備を整えそうちゃんに言い聞かせてやったことはありますけど。)

ところがここ数カ月、目的がはっきりわかっていればめっきり落ち着いて行動できるようになったそうちゃん。
土曜日午後の定番コース、「ビデオ屋さんへのお散歩」の帰りに、欲を出して(ダメもとで)スーパーに寄ってみたら…。
なんと、カートに乗ってくれた。

「お野菜と、お肉、買うよ。ジュースは買いません。」と言い聞かせながら、夕飯のおかずのお買いもの。
昔なら、目に付いたものを次々と買えと言い続け、思い通りにならないと暴れたりカートから降りて走りだしたりしていたのに。

「りんごください」(そうちゃん)
「りんごは買わないよ。おうちにみかんあるからね。」(私)
「・・・。」
あ、あきらめた。

「ネギ買ったら、お豆腐買いに行こう。お豆腐はどこにあるかなー。」(私)
「うどんも、かおうね」(そうちゃん)
…なんで今日の晩ご飯が「鍋」だってわかった??

すごいよ、そうちゃん。
小学生に間違えられるくらいの大きな身体で、無理やりカートに乗ってるけど

そのカートを押しながら夕飯の買い物をする私の気分は。

「見て見て!みなさん!私、そうちゃんと買い物してまーすすごくない?見て見て

そうちゃんと一緒に、歌とか歌ってたかも。
ニヤニヤしながらカートを押して買い物する、昼下がりの主婦。
さぞかし奇妙にうつったことでしょう。
でも、ほんとにシアワセでした。

またお買いもの行こうね、そうちゃん。

ピアノ

2011年03月07日 20時37分24秒 | みゆみゆとの生活

夜、you-tubeでピアノを聞いたりする。
時々、面白いのに出会う。

お気に入りはこれ。
「木枯らし」と「ドラえもん」を足した、「こがえもん」
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&feature=channel&hl=ja&v=JsnY8lvoGjc

素晴らしいです
しかも、笑える。

この演奏者のご主人、他の曲もすごいです。
「カノン」のロックバージョンとか。

この方がプロのミュージシャンじゃないなんて。
日本は、広いなー。
そしてピアノって、奥が深い


ブロックで

2011年03月05日 13時41分47秒 | みゆみゆとの生活
来年度の、児童クラブ申込み説明会がありました。
私が説明を聞いている間に、みゆみゆはブロックで遊んでたみたい。

「終わったから、帰るよ」と言ったら、
「えー。せっかく作ったのに、誰もこれで遊んでくれてないんだよー。」と半泣き。
力作を、壊してしまうのが悲しいらしい。

本格的に泣き出しそうな雰囲気だったので…
「じゃぁ、記念に写真撮っとく?」と、携帯で写真を撮りました。
みゆみゆ、写真に残ったことに満足したのか、そのあとすぐに片付けをし、家に帰ることができました。