私が小学校の頃の話。
・まこちゃん
まこちゃんは、学年が二つ上の男の子でした。
今でいう特別支援学級に在籍していました。
私はまこちゃんと、学童保育で一緒でした。
まこちゃんは、5年生だったけど、指を折りながら、掛け算を一生懸命勉強していました。
時々何かのきっかけで怒り出し、大声で泣いていました。
電車に詳しくて、おやつの時間に東海道線の駅を全部覚えて言っていて、びっくりしました。
・あいちゃん
あいちゃんは、二つ下の女の子でした。
あいちゃんは歩けなかったので、お母さんがベビーカーに乗せて学校に送ってきていました。
あいちゃんは歩けなかったけど、ハイハイはできました。
学校側は、あいちゃんがハイハイで移動できるように、全ての廊下の隅にすのこのような板を敷きました。
すのこには緑色の柔らかい布が貼ってあって、全ての子どもたちは、そこを踏まないよう気をつけて歩きました。
私の学校は、全校生徒1200人のマンモス校でした。
学校にエレベーターはなかったので、あいちゃんの学年の5クラスは、6年間、1階で勉強しました。
当たり前のことでした。
運動会で、あいちゃんは軍手をはめて、土の上をハイハイして徒競争に参加しました。
大人も子供もみんな声を張り上げて、がんばれがんばれと、応援しました。
・ひろみちゃん
養護学校に通うひろみちゃんは、4年生になっても言葉が話せませんでした。
学童保育では、ひろみちゃんと同じ学年の女子である私たちが、手を引っ張って一緒に行動しました。
劇で、ひろみちゃんの役をみんなで考えて、みんなで作り上げたこともありました。
ひろみちゃんが一言だけセリフを言って、私たちはみんな喜びました。
一度、ひろみちゃんが迷子になってしまったことがありました。
広い校庭をみんなで必死になって探しました。
見つかった後、学童の先生は泣きながらひろみちゃんを叱って、私はその光景を今でも忘れません。
これは、30年前のことです。
インクルーシブという言葉も、なかった頃です。
今は、どうでしょうか。
先日、そうちゃんを連れて児童館に遊びに行きました。
女の子が近づいてきて、言いました。
「あ、そうちゃんだ。私ね、そうちゃんにおやつ、取られたことあるよ。」
私はこう答えました。
「そうなの?それは悪かったね、ごめんね。そうちゃん、早かったでしょう?」
「うん、早かった。あっという間だった。」
「また、夏休みに、そうちゃん児童館に来るけど、いい?」
「うん、いいよ。」
この女の子にとっての思い出は、「おやつを取られた」こと。
それでも、そうちゃんのことを覚えてくれていることが嬉しくて、母として、感謝しました。
ほんの少しでも、そうちゃんの姿が、お友だちの記憶の片隅に残ってくれれば。
それをまた30年後に、思い出してくれるのであれば。
こんなに嬉しいことはありません。
来週は、児童館に3日間お世話になります。
願わくば、いい出会いとなりますように。
・まこちゃん
まこちゃんは、学年が二つ上の男の子でした。
今でいう特別支援学級に在籍していました。
私はまこちゃんと、学童保育で一緒でした。
まこちゃんは、5年生だったけど、指を折りながら、掛け算を一生懸命勉強していました。
時々何かのきっかけで怒り出し、大声で泣いていました。
電車に詳しくて、おやつの時間に東海道線の駅を全部覚えて言っていて、びっくりしました。
・あいちゃん
あいちゃんは、二つ下の女の子でした。
あいちゃんは歩けなかったので、お母さんがベビーカーに乗せて学校に送ってきていました。
あいちゃんは歩けなかったけど、ハイハイはできました。
学校側は、あいちゃんがハイハイで移動できるように、全ての廊下の隅にすのこのような板を敷きました。
すのこには緑色の柔らかい布が貼ってあって、全ての子どもたちは、そこを踏まないよう気をつけて歩きました。
私の学校は、全校生徒1200人のマンモス校でした。
学校にエレベーターはなかったので、あいちゃんの学年の5クラスは、6年間、1階で勉強しました。
当たり前のことでした。
運動会で、あいちゃんは軍手をはめて、土の上をハイハイして徒競争に参加しました。
大人も子供もみんな声を張り上げて、がんばれがんばれと、応援しました。
・ひろみちゃん
養護学校に通うひろみちゃんは、4年生になっても言葉が話せませんでした。
学童保育では、ひろみちゃんと同じ学年の女子である私たちが、手を引っ張って一緒に行動しました。
劇で、ひろみちゃんの役をみんなで考えて、みんなで作り上げたこともありました。
ひろみちゃんが一言だけセリフを言って、私たちはみんな喜びました。
一度、ひろみちゃんが迷子になってしまったことがありました。
広い校庭をみんなで必死になって探しました。
見つかった後、学童の先生は泣きながらひろみちゃんを叱って、私はその光景を今でも忘れません。
これは、30年前のことです。
インクルーシブという言葉も、なかった頃です。
今は、どうでしょうか。
先日、そうちゃんを連れて児童館に遊びに行きました。
女の子が近づいてきて、言いました。
「あ、そうちゃんだ。私ね、そうちゃんにおやつ、取られたことあるよ。」
私はこう答えました。
「そうなの?それは悪かったね、ごめんね。そうちゃん、早かったでしょう?」
「うん、早かった。あっという間だった。」
「また、夏休みに、そうちゃん児童館に来るけど、いい?」
「うん、いいよ。」
この女の子にとっての思い出は、「おやつを取られた」こと。
それでも、そうちゃんのことを覚えてくれていることが嬉しくて、母として、感謝しました。
ほんの少しでも、そうちゃんの姿が、お友だちの記憶の片隅に残ってくれれば。
それをまた30年後に、思い出してくれるのであれば。
こんなに嬉しいことはありません。
来週は、児童館に3日間お世話になります。
願わくば、いい出会いとなりますように。