かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

4時から裏声で

2021年03月31日 21時43分11秒 | みゆみゆとの生活
やはり春休みテンション。
眠りが浅めなそうちゃん。
今朝は午前4時から裏声で叫んでた。
「ヒーン! ヒー!」
耳元で言われながらもウトウトできるくらいには慣れている。

合間合間に早口な小声で何やら解説っぽいのが入るな。
ん。わかった。
「ブレーメン」か。
どうやら「ヒーン」はロバの鳴き声らしい。
「そうちゃん、ブレーメンの話してるんだね。また今度ブレーメンのビデオ見ようか?」
「みない」
相変わらずツレナイ返事。
そしてまた「ヒーン!」は続く。

今朝は長かった。約2時間半、ノンストップ。
おつかれ。
そう言えば昨日の受診時も甲高い声でおしゃべりしていて、ダンディ教授が「今日は出てるねー」と。
この表現、いいな。勝手に湧いて出る感が。
気まぐれな温泉みたいで。

ところで、別の話。

「学校に行けなかった僕と9人の友達」を読んだ。
近くの本屋さんには、入り口に特設コーナーが。

作者の人柄がにじみ出たイラストとメッセージ。

買ってきてすぐに一気読みしちゃったよ。
そして泣いた。
なんて繊細な感性なのか。
なんて一生懸命なんだろう。
「フツウになりたい」
「学校に行けない自分はダメだ」
「ちゃんとした大人になりたい」
こんな言葉たちの呪縛にもがく主人公を、抱きしめたくなる思いがした。

時には、重度自閉そうちゃんよりも姉のみゆみゆの方が生きるのがしんどそうに思える。
論理的で真面目で、感受性が豊かな人だからこその、社会の泳ぎにくさってある。
学校という狭いくくりなら、なおさら。
「そうちゃんらしく」の自由度と「みゆみゆらしく」の自由度には、どうしても違いがある。
子どもに「ちゃんとした大人になる」ことを押し付けないように気を付けなきゃ。
自分だって「ちゃんとした大人」なんかになれてないんだから。

漫画の最後には、不登校に悩む子や親御さんに宛てたあとがきがあった。
一言一言がそっと碁石を置いていくように丁寧で、胸の中がふんわりあたたかくなりました。

複雑部分発作

2021年03月30日 19時34分34秒 | みゆみゆとの生活
てんかん発作の一種である複雑部分発作。
今は焦点意識減損発作、と言うんだってね。
そして2週間前のそうちゃんはこれを起こしていたみたい。
今日、大学病院受診で相談した結果です。

症状はこう。
・朝からご機嫌ハイテンション1時間。
・突然ソファで怒りだす。約15分。
・急に静かになったので見ると、一点を見つめたまま固まっていた。
顔のしかめ方に左右差があり、見たことない表情。声かけに反応なし。
てんかん来るか?と身構えたけど、15~20秒くらいで普段の表情に戻った。
・その後約1時間、やたらおとなしくボーッしてゴロゴロ過ごし、デイに行った。

ダンディ教授、「それは複雑部分発作でまず間違いないでしょう。」とキッパリ。
「やっぱりそうですよねー。」
「ビムパット飲んでるから、そこで止まったんだね。」
ということは飲んでなかったら大発作に移行してたんですね。
「先生、この程度の発作だと、日常生活の中で見逃してるのもありそうですけど…。」
「でしょうね。」
「デイとかにも気を付けて見てもらうように伝えた方がいいですね。」
「観察は大事だよ。ま、今のところは頻度も高くなさそうだし、薬は増やさない。ビムパットは400まで増やせるけど、今の300とそんなには変わらないと思うしね。」

しばらく様子を見ましょう、
そう先生が言い終わった瞬間に立ち上がったそうちゃん。
話の切れ目がわかるらしい。さすが。
いつもながら効率が良すぎる診察だ。
ダンディ教授の驚異的な記憶力と豊富すぎる知識のおかげで、判断が早い。
診察は大抵5~6分。もっと短い患者さんもいる。
この時間を有効に使わねば、と病院に向かう道中にリハーサルするようになったよ。
おかげで端的にそうちゃんの様子を伝えられるようになってきた。
患者家族も成長するのだ。

ああ、それにしても久々の発作。
1年半前に大発作があって以来だ。
やっぱりそう簡単に治ったりはしないんだなー、当たり前だけど。
高等部の先生にもしっかり伝えなくちゃ。

なぞり描き

2021年03月28日 22時21分11秒 | みゆみゆとの生活
手持ちぶさたなそうちゃんに、リトグリライブの「コーレスバルーン」(シャカシャカ)を渡してみた。
マラカスみたいに振って音出して遊ぶんだよ、と教えてみたのだけど。
そうちゃんの使い方は独特だった。

写真が暗くて申し訳ない。

柄の先で、絨毯の模様をなぞり描き(笑)

その発想はなかったわー。

花よりうどん

2021年03月27日 20時11分00秒 | みゆみゆとの生活
桜に関心がないそうちゃん。

うどん屋さんにお昼ごはんを食べに行くために一生懸命歩いているところ。
丸亀についたら、かけうどん大盛・おにぎり・鶏天をペロリ。
よく食べる。さすが成長期。

午後はヘルパーさんと電車でお出かけ。
なんだか少し、調子悪かったようです。
それでもたくさん歩いて来てくれてありがたい。

夜はお鍋とお好み焼き(昨日の残り)を食べて、すんなり8時に就寝。
かーちゃんは録りためたお笑いを見たよ。
見たのは、我が家の定番、水ダウと雨トーク。
「もう中学生」が出ていて嬉しかった。
昔オンバトに出てた時、よく頑張ってるので好感が持てた。
最近はすっかり腕を上げて、いい意味で「空気を読まない」ハートの強さがいかんなく発揮されている。
雨トークの「芸人ドラフト会議」でもそこを評価されてた。

もう中とか、佐久間一行(さっくん)とか、時代が優しくなって受け入れられるようになったのかな。
私は、毒のある笑い、例えばとろサーモン久保田とかハライチ岩井とかも好き。
色々あるのがいいよ、やっぱり。
錦鯉長谷川とかティモンディ高岸みたいに真っ直ぐすぎるキャラもいていい。

その方が楽しい。社会も。


たんぽぽ

2021年03月26日 23時50分31秒 | みゆみゆとの生活
今日は1日お仕事。
利用者さんの車椅子を押して、お散歩がてら桜を見に行きました。
早咲きの桜は満開。
でも、車椅子から上を見上げて桜を見られる利用者さんは少ない。
首の角度を自由に変えられない人や、遠くのものを認知し共有することが難しい人がほとんど。
それでも春の風を感じながら桜の前で写真を撮った。
ふと思い付いて、路面に咲いてたたんぽぽを差し上げた。
じっと見入り、一瞬だけど握ってくれたことが、とっても嬉しかったよ。

この職場に来て、一年が経とうとしている。
車椅子の取り扱い、オムツの替え方、食事介助の仕方…。
一から教えてもらって最近やっと慣れ(遅っ)、仕事に充実感が出てきた。
そうちゃんと障害の種類は違うけど、根本的なところに流れているものは一緒。
今向き合ってるこの方に見えてるものは何で、見たいもの、やりたいことは何か。
声にならない訴えをキャッチできているか。
大きく言えば、幸福の追求をお手伝いできてるか。

私はまだまだすぎる、そこがのびしろ(笑)。
見聞広く持たねばね。
そして感受性を研いでおこう。
しんどくならない程度に。

今夜はそうちゃんがいないので、リトグリの余韻に浸った。
ライブ、結構年齢層が幅広かったな。
ご高齢のお一人客も数名お見かけしました。

一生懸命歌い踊る若い人達を見てるだけで涙出てきた。
私も年配者の枠だなー。こりゃ。

生歌の力

2021年03月25日 22時55分22秒 | みゆみゆとの生活
慌ただしい1日。
そうちゃんはショート中ですが、今日二回会いました。
説明すると。
今年度何度か事業所による送迎中に暴れたり車から降りようとするなどトラブルがあったため、ショートからデイへの送迎がお願いできず。
私が朝ショートにそうちゃんを迎えに行き、デイに送り届けてから仕事へ。
これだけで1時間弱のドライブ。

デイに入れた後、お仕事(介護)に行ったら、急きょ入浴介助当番になっていた。
おう。何でもがんばる。
汗だくで働いて、時間になったら職場を飛び出し、そうちゃんのもとへダッシュ。
デイからそうちゃんを引き取り、ショートステイに送り届けた。
お願いしまーす。

家にとんぼ返りし、スカートに着替えて電車に飛び乗る。
目的地は、ガイシホール。
Little Glee Monster、略してリトグリのライブに行ってきました!

夫とみゆみゆと私で。
さて、誘ったのはだあれ?

答えは、
夫。

長身、お堅めスーツ、強面、の中年男性(夫)がノリノリで聴いてるの、ちょっと面白かった。
もちろん私もみゆみゆもライブを思い切り楽しめました。
生歌の力はほんとにすごいね。
泣きそうになりました。

ああ、フルに動いた。
いい1日だった。

ショートステイ

2021年03月24日 22時45分44秒 | みゆみゆとの生活
今朝は4時に起きて大声でしゃべってたそうちゃん。
デイが迎えに来る9時半にはもう私は疲れてしまった。
だから、今日からのショートステイがとてもありがたい。

夕方そうちゃんは、大きな荷物を持って、いつものように振り返りもせずさっさとショートの施設内に入っていった。
送り届けた帰りの車でなんだか肩の荷が軽くなった気がして、
スーパーでアイスと焼き鳥買っちゃった。

春休み、お疲れさま。
そうちゃんもゆっくり休むんだよー。

庭から逃げた

2021年03月23日 22時56分00秒 | みゆみゆとの生活
春休み。
早起きそうちゃんにとっては、デイがお迎えに来るまでの時間が長い。
あっという間に朝ごはんを食べて着替えも済ませ、バタバタと家中走り回る。
その間に冷蔵庫を何度でも開けて確認作業。
「不思議なポケット」みたいに、時間が経つと好きな食べ物が湧いてでてくるとでも思ってるのかな。

超落ち着きないそうちゃんを見守りながらも、朝のルーチンである家事をやらなきゃ。
とりあえず茶碗洗って、晩のご飯を炊いて…
あっ。
庭側の掃き出し窓のカギ開けてる!

走って止めたけど、一歩遅かった。
更に奥のもう一つのカギも突破。
そうちゃんが庭から逃げた!

すぐ追い付いて捕まえた。セーフ。
本人も本気の走りじゃなかったらしい。
それにしても、
冷たくジトッと湿った庭の土よ。
靴下を通して身に染みる、春。

デイに送り出してから、私は循環器内科の定期受診へ。
新しい薬を飲み始めてからめっきり血圧も脈拍も下がり、いい感じです、と報告。
ただ、ちょっと胸が苦しい感覚が残ってるのと、身体がだるくて疲れやすいです。
すると先生、
それは副作用で仕方がないこと。
もう少し様子見て、あまり副作用がしんどければまた調整しましょう。
なるほど。

今は無理しない方がいいんだな。
けど走らなきゃならない時はあるしな。

午後は少しゴロゴロしてから、市役所へ。
福祉課に着くと顔見知りの職員さんが来てくれて、あっという間に手続き完了。
ボランティアで進めている上映会の話などもした。
色々気にかけてくれていてありがたい。
ついでに今朝の庭脱走と私の循環器疾患についても話すと心配してくれた。

「もしも」はないことを祈るけど、「もしも」の時は何とかしますから相談してください。
そんな力強いお言葉をもらった。やさしい。
ちょくちょく行政と関わって、子どものことを情報共有しとくのは大事だなーと思った。

さあそうちゃんは明日からショートステイ。 
荷物の準備、しなくちゃ。

いとこんくん

2021年03月22日 19時35分39秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃん、デイで「大きなかぶ」ブームらしい。
 おじいさんが かぶをひっぱって
 おばあさんが おじいさんをひっぱって
 いぬが おばあさんをひっぱって
 ……
 とてつもなく おおきなかぶが ぬけましたー!
職員さんを巻き込んで、毎日言ってるみたい。
平和で楽しそう。

と、他人事のように思ってたんだけど。
帰宅後、家では「おでんくん」ブームらしく。
 おでんくん!
 いとこんくん!
 だいこんせんせい!
キャラクターブックを見ながらひたすら名前を読み上げている。
そしてどこかで「いとこんくん」スイッチ、オン。
 
 いとこんくん!
 いとこんくん!
 いとこんくん!

おそらく100回は余裕で越えただろう。
厄介なのは、いちいち反応してやらないと距離を詰められること。 
無視し続けて眼前10センチまで迫られるか、
毎回「いとこんくんいいねー」「いとこんくんはカッコいいよねー」と適当に返し続けてある程度満足させとくか。

これまでの経験上、「適当に返し、たまに無視する」ことに。(折衷案)
ああだけど、なかなかにストレスはたまるなぁ。

なんやねん!
いとこんくんって!
おいでやす小田みたいにツッコミたくなる。

雨の日曜日

2021年03月21日 19時49分15秒 | みゆみゆとの生活
雨の日曜日の定番、カラオケ。
早起きしたので9時から2時間半行ってきました。
そうちゃんは例によって歌わないけど、

ご機嫌。
途中、大声で叫んでたり、急に怒り出したり、笑い転げたり。
忙しいこと。
ハイテンションで気分のムラが激しい。
春休みですな~。

午後からはヘルパーさんに託した。
二人の女性ヘルパーさんはそうちゃんより背が低くて。
両手をそれぞれつながれて歩いて行くさまは、両手に花。
雨の中、電車とバスでお出かけ、ありがたいです。

見送った私はいつもならお昼寝するところだけど、今日はみゆみゆを誘ってコメダへ。
18になったばかりの娘がこんなLINEを送ってくるものだから。

虚無虚無プリン、だとさ。
若者の文化を聞くのもたまには面白い。

カラメルカスタードケーキ、美味しかった。
かーちゃんに付き合ってくれてありがと。

さあ、また一週間が始まる。
がんばろ。