かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

受診と薬の調整

2019年07月30日 22時15分00秒 | みゆみゆとの生活
昨日は、1ヶ月ぶりの大学病院小児科でした。
「変わりないですかー?」と気さくに聞いてくれたムーミン教授。
「あ、発作ありました。2回。」と答えたら、無言で軽くのけ反られた。
発作の様子を伝えると、少し考えられて、
「イーケプラを止めたせいと言うよりは、ビムパットがまだ足りなくて抑えきれてないんだと思うんですよね。」、とのこと。

というわけで、ビムパット増量です。
「インチュニブがよく効いているようで、とても穏やかで育てやすいです」と伝えたら、喜んでくれました。

これまで、イーケプラをなくすと発作が起きて、また復活させて…の繰り返しで、いろんな薬が少しづつ残っていってた。
けどムーミン教授は「これはいらない。この量では効いてないはず。」とはっきり言い切ってくれるから気持ちいい。
そうちゃんの薬はまだ安定しないけど、種類は少し整理されてきた。

日中は、これまでの夏休みに比べればだいぶ落ち着いている。
とはいえ夏休み。
空き時間長いわ~。
1日に2~3回スイッチが入り、手がつけられなくなる。
ほぼ同じくらいの背になった男子との追いかけっこは、なかなかしんどいです。
暑いしね。彼もバテているのでしょう。

まだまだこれから。
休めるときに休みながら、時間稼ぎ。
とりあえず毎日9時台には寝てくれるから助かる。
この調子で頼む!


シドニー

2019年07月29日 22時41分05秒 | みゆみゆとの生活
みゆみゆがホームステイしていたシドニーのホストファミリーに、お礼のメールをしたら、お返事がきた。
Google先生に手伝ってもらいながらの解読。
どうやら、ホストマザーはみゆみゆを気に入ってくださったようで、「彼女は科学者になるんじゃないか」と書いてくれていた。
このホストマザー、とても面白い方。食虫植物を育てていて、ホームステイ中にみゆみゆに中の虫を見せてくれたとのこと。
我らがみゆみゆは、驚きながらも興味をもってそれを眺め、写真に納めたりしたらしい。
場面が目に浮かぶようだ。
一緒にラジオに合わせてスタンドバイミーを歌ったり、
寝る前にはカモミールティーを入れてくれてカウンターでおしゃべりしたり。
本当の親戚のように、迎えてくれたようでした。
ありがたいな。

みゆみゆに、シドニーのことを聞いたら、いろいろ印象的だったことを教えてくれた。
ランチボックスは毎日サンドイッチで、果物は丸かじりだったんだって。
小さめのリンゴ、キウイ、みかん(マンダリン)の日替わり。
キウイを皮ごと食べるというのはホントなのね。

日本の文化の紹介はした?と聞いたら、「日本にもコアラがいますよ」と中日ドラゴンズの「どあら」を見せたら大ウケだった、と。
写真だけでも大笑いだったけど、動画を見せたらビックリしてたって。
確かに。
オーストラリアを象徴する動物、コアラを擬人化した着ぐるみが球場で
バック転するとか、衝撃だろうな。
どあらのゆるーい発言までは、知らせなくていいね。怒られちゃう(笑)。

帰国後、当のみゆみゆは揺り返しで過眠気味。
よほど疲れたようです。
聞けてない話もたくさんある気がするけど、まぁ、しゃーないね。
代わりにホストマザーさんからシドニーの残り風をもらったよ。
寒くて乾燥していて、毎日晴れてたんだね。
ここは暑くて湿気てて、
毎日晴れだ。

本格的な夏が来た。
そうちゃんは相変わらず穏やかです。

カラオケ

2019年07月28日 22時37分16秒 | みゆみゆとの生活
午前中、そうちゃんと一緒にカラオケに行った。
「踊るポンポコリン」から始まり、次々にリクエストされるままに童謡などを歌っていく。
たまにアルフィーとかJUDY&MARYとかが入り、その時間はそうちゃんは休憩。

アップテンポな曲が好きなそうちゃん、今日一番ノリノリだったのは、「六兆年と一夜物語」。
「しらないしらない うたってください」と頼んできたときは何のことかと思ったよ。
前にお父さんが歌ったのを、覚えていたのね。

2時間半歌って、すき家でお昼を食べ、午後からそうちゃんはヘルパーさんとお散歩。
その間に私は友人の吹奏楽演奏会に行きました。
ブラスの響き、懐かしい。
観客と演奏者の距離感が近く、アットホームで楽しい演奏会でした。

夜は近所の盆踊りへ。
そうちゃんと、30分くらい過ごせた。
ほんとにこの子は音楽が好き。
「ダンシングヒーロー」、手を叩いてニコニコしながら4周くらい回りました。
振り付けどおり踊ることはできず、ただ手を叩いて歩きまわるだけだけど。
いいのよ。楽しそうだったから。

ふむ。
音楽漬けの1日だった。
寝つき悪めながら、なんとかお布団で寝てくれてよかった。


ショートステイから帰宅

2019年07月27日 21時58分15秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんのいない、週末のお昼。
ちょっと珍しいラーメンを食べに行ってみた。

「しびれ味噌ラーメン」で有名な、岩塚のIKEDAさん。
ジャズがかかるオシャレなお店で、小物がかわいい。
よく食堂にあるお水ポット、こんなポップなオレンジ色もあるのね、と感動した。
ラーメンは花山椒が香る個性的なお味。
上に乗ってるチャーシューがハムのようでおいしかったよ。

そしてそして、夕方。
我らがそうちゃんが、嵐の中を帰宅しました。
帰宅するなり台所に晩ご飯のチェックをしに来て、好物のうどんであることを確認すると一気にニコニコに。
食べ終わると「しゅくだい するー」。
おお、えらいな。
「夏のしおり」の一ページ目、一行日記に8月末までのスケジュールを書きこんだ。
全部欄が埋まったら安心したみたい。
すんなりお風呂に入って、「イソップワールド」のDVD見て、ジグソーパズルやって、就寝。
素晴らしい。
ショートでいいリズムがついてきたようです。

ショートステイ中はてんかん発作もなく、夜も頓服なしで眠れてたみたい。
少し浮かない表情をしていたこともあった、とのこと。
刺激が少ないせいかな。

そうちゃんが帰ってきたら、我が家は最後のパズルのピースがピタッとハマったみたい。
顔を近づけて明日の晩ご飯の予定を聞いてくる、その声にとても安心する。
うれしいな。
かーちゃんは、そうちゃんが大好きだ。

ASとADHの強弱と重複

2019年07月26日 18時36分57秒 | みゆみゆとの生活
読書は趣味の一つで。
わりと推理モノか純文学が好きなのだけど。
たまには新書も読む。

「発達障害 生きづらさを抱える少数派の『種族』たち」 本田秀夫 著

ここ10年で、「発達障害」という言葉は世間一般に大きく広まった。
テレビなどのマスメディアでも取り上げられ、著名人が「自分も」と告白するケースも珍しくなくなった。
一方で、概念が広がりすぎて、なんでもかんでも「発達障害」で片づけられてしまい、ただの「レッテル貼り」や何かの「理由付け」に使われているような場面も増えているように思う。
今月発行の「いとしご」(日本自閉症協会会報)でも、「あんこのあまり入ってない最中が増えた感じ」と言われていた方がおり、なるほどその表現がぴったり、と思った。

大体が、発達障害のことを勉強し始めると、自分もそうではないかと思うし周りにもそういう人があふれていると思えてくる。
障害と個性の線引きはどこなのか。
「グレーゾーン」とも呼ばれる人の生きづらさって何から来るのか。

そんな疑問に答えてくれる、本でした。
いろいろうなずけるところはあったのだけど、なるほどと思ったのはこの表。

ADHD(注意欠陥多動性障害)とASD(自閉スペクトラム障害)の強弱や重複を考えてその人を理解した方が、対応が考えやすい。
確かに。
この本では知的障害の重い子のことはほとんど触れていないのだけど、そうちゃんの場合はADHDとASDが両方ともマックス10で、その分、掛け算的に困難さが上がっている気がする。
ただ、診断がついていること、明らかな知的障害があることで、支援の必要性が伝わりやすく、福祉サービスの利用がしやすい。

一方、世の中には「診断がつくほどではないけど2つの特性が重なっている」人、例えば図でいうと「ASは6、ADHは5」という人がいる。
ASDとADHDの最後のD(障害)の部分は外し、AS又はADHと呼ぶ。
この人たちは、特性が目立たない割に生活上の困難さが強い、と著者はいう。
なるほど。わかる。

どちらか片方だけの特性を持っている人は、対応がわかりやすい。
ASの傾向が単独で強いが障害まではいかない人は、几帳面で融通が利かない反面、「そういうタイプの人」と周囲が理解し対応すればまじめで裏表がなく付き合いやすい。
ADHタイプの人はしょっちゅう物をなくしたりルーズだったりするけど、社交的で憎めない性格の人が多い。
これが、
不注意で失敗ばかりする上に自分の独自の理論を曲げず人の提案を聞き入れない、唐突に思い込みだけで行動して人が本気で困っていても気づかない、となると、本人も周りも困ることが多いだろう。

著者は、自分はADHが3でASが4程度、と言っておられた。
私自身は、ADHが4でASが1くらいかなーと思う。
思いついたらすぐに動き、注意散漫で人の顔が憶えられず、忘れ物が多い。
時間感覚がギリギリなのでたまに遅れる。
人見知りで対人緊張はやや高め。
けどなんとか社会に適応はしてる。(と思う。)
だだし、これはあくまでも自己評価であって、周りの人から見れば全く違う風に映っている可能性もあるのよね。

「ふつう」の枠が狭い社会はどんな人にとっても生きづらい。
いろんなことを考えさせられる本でした。

「〇〇が苦手」と欠損として捉えるより、「〇〇よりも〇〇を優先させる」というように「選好性の偏り」と捉えた方が自然。

そんな表現に、特性を持つ人に対する温かいまなざしを感じた。
本田先生、よく精神科系の医学雑誌でお名前を見かけてたけれど、今回改めてとっても素敵な先生だな、と思った。
親や当事者の気持ちがわかるドクター。
不思議とそうちゃんが2歳の時からずっとかかってきた精神科の先生のことを思い出したよ。
きっと、似てる気がする。
お医者様なのに文系の匂いがする、二人の先生。

動く日

2019年07月25日 08時10分54秒 | みゆみゆとの生活
昨日は動く日だった。
仕事行って、庭の草抜きして、お片付けして、メダカのお世話。
ここ1か月、そうちゃんが夜寝つきが悪くドライブする日々が続いていたので、昼間に思い切り動くことができなかったから。
ショートステイに行っている今は、昼間全力で動いても大丈夫。
きっと夜もぐっすり眠れるかな、
と思ったら、暑すぎて寝付けず・・・。
31度、風なしは厳しい。
少しエアコン入れて、ようやく寝付けました。

今朝は起きたら右手が妙に痛い。
なんだっけ?と思ったら、昨日の草抜きだ。
握力使ったのね。

さてさて、今日も忙しい。
みゆみゆは予想通りの省エネモード。
ひたすらボーっとして本を読んで、過ごしてるみたい。
それもいいよね。
そうちゃんがいるときよりは家の中が静かだから。
夏の静けさを満喫しておくれ。

<メダカ便り>

6月ごろにバタバタとしんでしまって、しばらく前から一匹で暮らしていたメダカちゃん。
今年は余裕なさ過ぎて赤ちゃんを育てられなかったので、小さい子がいません。
そこで、昨日5匹新しい子をお迎えしました。
生き残りの1匹と見分けつくかな?と思ってけど、わかるわかる。
エサやりしようと近づくと、スイーっと寄ってきてくれたよ。

ぼくです、ぼくです、古株です。

おお、おお。
新しい仲間たちにもよろしくね。

みゆみゆ帰宅

2019年07月24日 00時40分59秒 | みゆみゆとの生活
セントレアまで、みゆみゆを迎えに行ってきた。
空港まで車で行ったことがなかったので、午前の仕事を終えてすぐに向かいました。
下道でトロトロと、ワイドショー聞きながら。
着いたのが3時過ぎ。だいぶ遅めの昼ご飯。
はじめて、「まるは食堂」のエビフライランチを食べたよ。
エビぎっしりでおいしかった。

そのあと空港をウロウロしたけど時間がダダ余りだったので、一旦離れて近くのお風呂屋さんへ。
ゆっくりお風呂に入り、読書してお昼寝したら、いい時間になりました。

飛行機は到着が少し遅れていて、待ち時間にちょうど来られていた音楽監督と話をすることができました。
みゆみゆの母です、お世話になっています、と言ったら先生が、
「ああ、あの子は練習中によく寝てたんだ。小さい頃から。」と優しく笑って下さった。
「寝ていいよ、と言ってたんだよ。」と。

先生、あの子に歌があってよかったです。今、心からそう思います。

そう伝えられて、よかった。
みゆみゆにとっての大切な居場所を作って下さって、本当にありがとうございます、先生。
「高校生は、悩む時期なんだ。いっぱい悩めばいい。ぼくもその頃はしんどかった。」
ご自身の高校生だったころを振り返られる、その先生は81歳になられたそうです。
短い時間の会話でしたが、心に沁みました。

飛行機から降りてきたみゆみゆは照れくさそうで。
車の中で、たくさんシドニーでのできごとを話してくれました。
ついでに夜ごはんをしっかり食べたいと言うので、近くの合唱友達を送った後、深夜のファミレスへ。

シドニーの大自然のこと、
ホストファミリーの家でのこと、
向こうのコンサートでの様子・・・

話すうちに、失敗や叱られた話もどんどん出てきて。
最後は、食べながら、泣きながら、笑ってた。
想像以上にハードな毎日で、合唱団の仲間も数人は高熱を出したらしい。
みゆみゆは熱は出さなかったけれど、「いろいろと自己嫌悪・・・」と落ち込んでおりました。

良いことと悪いこと、どっちが多かったの?と意地悪な質問をしてみたら、
「母さん、それは比べられるものじゃないよ。全く別のものだから、比べること自体間違ってる。
 でも、悪かったことは今後も起きる可能性が高いものばかりだけど、良かったことは今回シドニーに行かなきゃ得られなかったものだから、やっぱり行って良かったと思う。」
なるほど。素晴らしい。
その通りだと母さんも思うよ。

たくさんの苦い思い出を聞いて、写真も見せてもらったら、0時を回ってしまった。
私がこんな時間起きてるなんて珍しい。
なんだか興奮していて、あまり眠くない。
あれ?違うか。
お風呂屋さんで寝たからか(笑)

そうちゃんはショートステイ先でぐっすり眠れてるかな。
今日は蒸し暑い夜だ。

天気の子

2019年07月21日 20時44分59秒 | みゆみゆとの生活
「天気の子」、見てきました。
美しい映画でした。
雨の降り方ってこんなにいろいろあるんだと。
空ってこんな色をしていたんだと。
そして世界の元は一人一人の思いからできているんだと、感じた。
一生懸命さや真っすぐさの透明感を、思い出したよ。
思春期真っただ中のみゆみゆはこれをどう見るのだろうな。

「スッキリ」で加藤浩次が「『君の名は』より好き」と言ってたけど、少しわかる気がする。
私には、君の名はメッセージが重すぎた。
天気の子の方が、すがすがしくエンターテイメントとして見られました。

今日からそうちゃんはしばらくショートステイ。
毎年の夏休みパターンです。
去年までは、夏休みに入ってすぐに1週間、8月の2週目と4週目に計2週間、ショートを利用していました。
今年はショートステイの定員が減ったことから、7月に1週間と8月の終わりごろに5日間のショート予定です。
年齢と共に少しは落ち着いてきていると期待して。
頑張って乗り切ろう。

一方シドニーのみゆみゆは、今日最後のステージを終えました。
YouTubeで見られます。
YouTube: https://youtu.be/LUMK5MKlqBc
(みゆみゆの合唱団は、開始22分ごろから日本の歌を2曲歌っています。)
一生懸命で真っすぐで真面目な分、狭い教室の中ではつまづきがちなみゆみゆさん。
彼女の持つ透明な心は、毎日毎日まぶしいほどに晴れていたシドニーの空と共鳴しただろうか。

作業

2019年07月20日 23時00分59秒 | みゆみゆとの生活
夕食後、やることがなくなると急にテンションが上がってしまうそうちゃん。
昨日は家じゅう走り回って次々といたずらし始めるのをどうしようも止められなくて、ドライブに出た。
スイッチが入っちゃうと制止がきかない。
だから、スイッチが入る直前までに、気持ちの切り替えを図らなきゃいけない。
なかなか難しいのよね、そのタイミングが。

今日は成功。
走り回り始めた初期に制止して、ジグソーパズルさせてみたよ。
トーマス63ピースとアンパンマン55ピース。
作業のように黙々と取り組んで、できると「できました」と渡してくれた。
授業でやってる作業訓練の成果だな。
パズルをやるのに頭を使ったせいか、そのあと静かになり、一人で寝てくれました。
パズルの前に期日前投票に連れて行ったのも、気分転換になったかもね。

ところでそうちゃんの通う支援学校では、「作業」の時間が週2日合計6時間ある。
今年は「織物班」で、縦ひもに横ひもを上下交互にくぐらせて、マットを編んでいる。
夏休み前に学校から「作業日誌」を持って帰ってきて、その様子が少し見えた。

初日の目標は「おぼえる」。
2日目の目標も「おぼえる」。
そして、3日目の目標は「おもいだす」。

かわいい。
その後、目標は「まちがえない」になり、最後は「てもとをみる」になってた。
具体的で達成可能な目標。素晴らしい。

さあ、今頃みゆみゆは夢の中かな。
昨日はシドニーでのステージをネットラジオで聞いた。
飛行機で9時間もかかるのに、ライブ中継で声を聞けるって不思議な感じ。
合唱団全員で写ってる写真でも一瞬でみゆみゆを見つけられるし、歌声の中に時々みゆみゆの声を見つける。
あと4日。心配で心配で仕方なかったけど。なんとか乗り切れそう、かな。

    

ひとりごと。

雨トーーク、無くなっちゃうのかな。
残念過ぎる。

にしても亮君の純真さよ。
淳が手放さない理由がわかった。

紙芝居(1年生の子ども達へ)

2019年07月18日 21時13分16秒 | みゆみゆとの生活
※以前にもこのブログに載せましたが、写真を撮り直したのでもう一度載せます。




こんにちは。
この子はそうちゃん、と呼ばれています。
まんまるお目目と長いまつげがチャームポイントです。
そうちゃんは、音楽が大好き。
知っている曲が流れると、ノリノリで踊ります。
それから、ご飯を食べるのがとても早くて、たくさん食べてから、必ずお代りをします。


でも、そうちゃんは、みんなと少し違うところがあります。
じっと座っていなきゃいけない時に急に走りだしたり、静かな時に大きな声を出してしまったり。
ピョンピョンとその場で跳ねたり、クルクル回っている時もあります。
お友だちに話しかけられても、知らん顔。
お返事はしてくれないのに、全然違うことを一人でおしゃべりしてる。
なんでなのかなぁ?


赤ちゃんの頃、そうちゃんは元気によく泣いて、全くお友だちと変わらない、普通の子でした。
でも、2歳を過ぎたころから、お母さんは「ちょっと他の子と違う」と思いました。
周りの同じ年の子がみんなお話できるのに、そうちゃんだけ、うまくおしゃべりができるようにならなかったからです。


そこで、専門のお医者さんの所へ連れていくと、お医者さんはこう言いました。
「そうちゃんは、身体の大きな子ですね。
 でも、身体以外のことは、普通の子よりも、ゆっくり成長していく子です。
 普通の子が2歳で言葉を覚えるとしたら、そうちゃんは4歳を過ぎてから覚えます。
 生まれた時から、そういう風に決まっていたのです。」
お医者さんは、こうも言いました。
「そうちゃんは、わからないことや心配なことがあっても、うまく言葉で人に伝えられません。
 だから、その場でぴょんぴょん跳ねたり、大声を出したりするのです。
 そうちゃんが他の子と違うことをする時は、そうちゃんが困っている時です。
 大声で叱ったり、笑ったりしてはいけませんよ。
 やさしく見守ってあげて下さいね。
 わがままや面白がってやっているのではないのですから。


お母さんは、その話を聞いて、こう思いました。
「そうちゃんには、できないことがたくさんある。
 でも、ゆっくりひとつひとつ、練習させよう。
 お友だちが、きっとそうちゃんの見本になってくれる。
 みんなと一緒に、そうちゃんもずっとここで大きくなっていけるといいな。」


最後に、そうちゃんの小学校での生活のことを話します。
そうちゃんは、小学校で、みんなと同じ速さでお勉強をすることができないので、ひまわり学級でゆっくりとお勉強をします。
ひまわり学級は、職員室の向こうにあります。
1年1組のお部屋には、時々来ますので、やさしくしてあげて下さい。
もしも、そうちゃんのことで何か困ったことやわからないことがあったら、先生に聞いてください。
みんながそうちゃんと仲良くなってくれると嬉しいです。


これでそうちゃんのお話は、おしまいです。