前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

廃棄物行政の闇

2010年02月03日 | Weblog
節分、立春。しかし天気予報には雪マーク。まだまだ油断はできません。


環境カウンセラーの杉本裕明氏が廃棄物行政について書いている。「問題の背景には廃棄物の政策を管轄するのか、法の枠組みに関する大きなテーマがある。廃棄物処理法は環境省が主務官庁で、2001年の省庁再編以前は厚生省だった。その廃棄物に対する権限をめぐって、攻め込んだのが通産省(経済産業省)。通産省は、自らが主務官庁となって、廃棄物の世界からリサイクルの分野を抜き出しはじめた。・・省庁間の対立は別にして、いずれは廃棄物と資源利用の世界を統合する法制化が不可欠。」「紛争事例に共通しているのが、環境汚染の未然防止を役目とする国や自治体の、不作為とも言える怠慢である。もっと早く住民の声に耳を傾け、適切に対応していれば、現在のような社会紛争も環境汚染も、それほどひどくはならなかっただろう。・・・これまで行政側は、後手に回った末に、住民から突き上げられて、渋々情報を小出しにしてきた。」・・・

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   まったくそうだ。この著書「廃棄物列島」(世界思想社)には、わたしも少なからずかかわった福井県敦賀市の例も紹介されている。
  
   いまから20年ほども前だが、日本共産党の仕事で敦賀市を中心とした嶺南地区委員会にいた。たしか、中日新聞だったと思うが、社会面に大きく、敦賀に全国からゴミが運びこまれている、という記事が載った。さっそく仲間たちと相談し、「自然と環境をまもる会」の立ち上げを準備した。

   当時、この問題を県議会や敦賀市議会で問題にしたのも共産党だ。街では、「ゴミのバックには暴力団がいる」といわれ、地元住民の方も怯えていた。敦賀市民のねばりづよい反対運動がつづいた。

   市会議員だった奥山裕二さんが、わたしとともに福井県議会議員となり、県議会でも徹底追及が本格的にはじまる。なんといっても「許可量オーバーの疑い」だ。県はのらりくらりとまったく真相を明らかにしようとしない。
  そして、大幅に許可量を超えた搬入が明らかになるや、「業者の営業を引き続き認め、後処理の資金を準備させよう」などととんでもない提案がだされた。当時の担当課長は厚生省の「天下り」。厚生省のお墨付きも背景に、業者と結託した県庁、県議会議員の策略だった。

それが、わたしたち共産県会議員の反対だけで、自民党系、公明党、民主党系のほかの議員はみんな賛成してしまった。
  本当に、呆れた、おぞましい事件。
  わたしたちは、共産党国会議員団にすぐ相談し、当時の木島日出夫、瀬古由起子衆議院議員が厚生省の担当局長にあい、「違法のうえに違法を重ねることを認めるなら、国会でも徹底追及する」と直談判。即日、ゴミの不法な搬入は中止された。赤旗1面でも報道された。
  赤旗コピーを手にした県庁幹部は「局長が言ったのですか・・」と言って、手が震えていた。
  
  もし、共産党の国会議員がいなかったなら・・・・その後も持ち込みは続けられた。

  自民県議のボスは議会の場で、共産党の「活躍」に怨み節を述べたが、違法を通そうとした県庁と県議会こそ真摯に反省が求められた。

 「住民の声に耳を傾け、適切に対応を」。痛切な福井県政の教訓にしなくてはならない。
その点でも、この本が広く読まれることを期待したい。