前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井女子中学生殺人事件再審決定!福井県議会開会、反対意見を報道しないマスコミ

2011年12月01日 | Weblog
         中日・・・・・・1986(昭和61)年に福井市で中学3年の高橋智子さん=当時(15)=が殺害された事件で、殺人罪で服役した元受刑者の前川彰司さん(46)=福井市大宮=が冤罪(えんざい)を訴えた再審請求審で、名古屋高裁金沢支部は30日、請求を認め、再審開始を決定した。伊藤新一郎裁判長は有罪の根拠となった複数の知人の供述などを問題視し「確定判決に合理的な疑いが生じた。前川さんと犯人を結び付ける根拠となる客観的事実は、一切存在しない」とし確定判決の判断を否定した。
 逮捕から24年、一審の無罪判決を破棄し、懲役7年の逆転有罪を言い渡した二審判決から16年を経て、ようやく名誉回復への道が開かれた。

 名古屋高検は決定を不服として異議申し立てするとみられる。異議を申し立てた場合、名古屋高裁本庁で異議審が開かれる。今回の決定に対する異議申し立て期限は12月5日。

 事件では、捜査段階から否認した前川さんの関与を裏付ける有力な物証はなかった。事件当夜「着衣に血を付けた前川さんを見た」という知人の元暴力団員らの供述の信用性の評価が一、二審の判決を分け、請求審でも争点の一つとなった。

 弁護団は、元暴力団員が前川さんに不利な供述を始めたのを契機に、他の関係者も供述を変遷させたとして、「捜査機関の誘導があった」と主張。さらに「関係者にシンナー、覚せい剤などの前歴があり、捜査機関に対して弱みがあった」と訴えた。同支部はこれらを認め「関係者の各供述を細かく検討すれば、あいまいな点や相反する部分が認められる。信用性は誠に脆弱(ぜいじゃく)」と判断した。

 多量の被害者の血が付いた服を着た前川さんが、犯行直後に乗ったとされる乗用車から血液反応が出ていない点も「合理的な疑いが生じている」とした。

 弁護側はこのほか、請求審で検察側から開示された解剖写真を基に「凶器とされた2本の包丁では付かない傷がある」との法医学鑑定の結果を提出していたが、この点も認められた。

 再審請求審で検察側は証言の変遷は「ささいな点にすぎない」と反論。被害者の傷も死後の体位変化によるとして「証拠に新規性と、明白性はなく確定判決は揺るがない」と棄却を求めていた。・・・・・・・・・

 

      前川さんは厳しい取調べにも一度も「自供」しませんでした。家族といっしょに食事をしていたからです。当然、物的証拠はなく、暴力団関係者の証言が裏づけでした。

      検察庁は意義申し立てを断念し、再審無罪を1日でも早く確定することで、前川さんと家族に謝罪すべきです。



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       昨日、12月福井県議会が30日に開会しました。
西川知事は提案理由説明で、原発再稼働をめぐるストレステスト、意見聴取会などにふれ「事故から得られる知見を原発の安全対策にいかに反映させるかについて、ようやく検討をはじめました。県としては、こうした国の検討状況を注視」していくと述べるにとどまりました。

       また、この日は、平成22年度の歳入歳出決算、公営企業会計決算の認定、および、県職員の給与削減をふくむ条例改正が提案され、私はいずれも反対討論に立ちました。議案は私以外の賛成多数で可決されました。

私は決算認定の反対討論のなかで、「原発の安全宣伝を行う原子力広報費の問題があります。福島原発事故をうけて、PR施設並びに資機材の内容やアトムバスの運行など抜本的な見直しを強くもとめるものです」と述べました。

       また、職員給与削減については、「今回の人事委員会の勧告は、県職員の生活と仕事への誇りや働きがいを踏みにじる3年連続のマイナス勧告です。生活への影響はもちろんのこと、職員の士気が低下する恐れがあります。人事委員会は、県庁職員、学校教職員、警察職員の具体的な生活実態や勤務実態を把握して、今回の改定を勧告しているわけではありません。実際、給与の据え置きや引き上げを勧告した県も8県あるわけであります。これらの愛知、岡山、埼玉、新潟などの8つの諸県と比較して、福井県職員の給与を引き下げる正当な理由は見当たらない」「精神疾患により新たに病気休職に入る県庁職員はH15~17年の平均が年間9名だったのが、H20~22年の平均では13人となっています。人事企画課に設けられたメンタルケア専門医への相談は今年4月~10月の7カ月でも職員から336件、病休中・復職後職員から260件という大変な件数となっている」と賃下げ、労働環境悪化を批判し、給与削減に反対しました。

       しかし、マスコミでは反対討論がおこなわれたことすら報道していません。決算認定や県職員の給与引下げという重要な議案で賛否が分かれたことすら報道しない姿勢では、県民に真実を伝えることにはならないでしょう。


以下、私の反対討論です。


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●決算認定反対討論

日本共産党の佐藤正雄です。
第66号議案、平成22年度福井県歳入歳出決算認定について、第67号議案、平成22年度公営企業会計決算の認定について、3年連続となる職員給与引き下げの最初の決算であり反対です。

      また、歳入歳出決算には、専ら原発の安全宣伝を行う原子力広報費の問題があります。私はかつてこの壇上から次のように述べました。・・・チェルノブイリ事故から相当たちまが、影響はさらに長期にわたって続くでしょう。日本でも安全神話がたび重なる事故などで崩壊いたしました。日本の原子力史上最悪の事故となった関西電力美浜3号機事故について、原子力行政を推進してきた県行政の責任からも、原発事故の歴史と教訓、原発の持つ危険性についてこそ、県民、学生等に広報すべきであります。・・・
福島原発事故をうけて、PR施設並びに資機材の内容やアトムバスの運行など抜本的な見直しを強くもとめるものです。

      また、不要不急の大型公共事業推進も問題であります。足羽川ダムや河内川ダム、新幹線推進事業などはその必要性に県民からも疑念がだされています。

かつての中川知事時代には2000億円程度だった県の借金も栗田県政、西川県政と経るにしたがい増え続け1兆円のラインがみえてきたと言っても過言ではないでしょう。
さらに進められようとしている新幹線建設と在来線の第三セクター化、足羽川ダム、高速道路などは大きな財政負担をともないます。

結局、しわ寄せは県民の暮らしと県職員に押しつけられかねません。

     さらに、たとえば巨大ダム工事に河川事業の予算が食われれば、結果的に県内河川の改修事業予算が削減されることとなり、県民の願いに逆行することにもなりかねません。

いかに少ない財政で効果を大きくだすか、の観点から財政破綻につながりかねない大型公共事業は抜本的に見直すべきであります。


      以上のような点から、決算認定の議案には反対いたします。






●給与削減反対討論

日本共産党の佐藤正雄です。

第79号議案 福井県一般職の職員等の給与に関する条例等の一部改正について反対の討論をおこないます。


   まず最初に、議会での実質審議を保証しないやり方で福井県職員の生活に重大な影響を与える給与削減を決めざるをえないことは問題であることを指摘しておきます。

    いま求められるべきは、公務員労働者の生活改善と内需拡大につながる賃金改善をおこなうことです。経済学で合成の誤謬という言葉があります。「福井県民のために行政改革だ、と職員削減や給与削減」をおこなうことは県庁の行財政指標だけみれば成果がでた、となりがちですが、それが1万3000人余り、家族を加えれば数万人の生活と消費行動に悪影響を与え、結果として景気はよくならず、民間の賃下げにもつながっていく、ということもあるわけです。

つまり民間との賃下げ競争では内需拡大、県内の景気回復に冷や水となりかねません。

    さて、今回の人事委員会の勧告は、県職員の生活と仕事への誇りや働きがいを踏みにじる3年連続のマイナス勧告であります。生活への影響はもちろんのこと、職員の士気が低下する恐れがあります。

人事委員会は、県庁職員、学校教職員、警察職員の具体的な生活実態や勤務実態を把握して、今回の改定を勧告しているわけではありません。

実際、給与の据え置きや引き上げを勧告した県も8県あるわけであります。
これらの愛知、岡山、埼玉、新潟などの8つの諸県と比較して、福井県職員の給与を引き下げる正当な理由は見当たらないのであります。

論拠としている民間との比較についても、2006年から比較する民間事業所について、労働者数を100人以上から50人以上の事業所に引き下げています。この手法自体が、給与の引き下げ圧力を狙ってのものです。
たとえば自治体財政の比較では、同規模の自治体と比較するのが常套であります。職員給与についてだけ、このような作為的な統計の取り方をおこなう手法は改めるべきです。

私は、県民の生活と安全、また子供たちの教育と成長のために日夜奮闘している、県庁職員、教職員、警察官の労を考えれば、3年連続の引き下げはおこなわないことをつよく求めるものです。

    ここでひとつのデータを紹介します。

この5年間に県庁職員は4348人から3900人に448人削減されています。

毎年20名から30名の休職者がうまれ、7割程度の方が精神疾患です。在職死亡は17名もおられます。

教職員はどうでしょうか。同時期に8056人から7662人へと394人削減されています。毎年50名以上の休職者がおられ、7割程度が精神疾患です。

在職死亡は24名もおられます。

警察官はどうでしょうか。同時期に1977人から1964人、ここは13人減ってます。毎年の休職者も10名前後おられ、在職死亡は11名です。



精神疾患により新たに病気休職に入る県庁職員はH15~17年の平均が年間9名だったのが、H20~22年の平均では13人となっています。

人事企画課に設けられたメンタルケア専門医への相談は今年4月~10月の7カ月でも職員から336件、病休中・復職後職員から260件という大変な件数となっているそうです。

もちろん、これらすべての方が仕事が理由で体を壊しているとはいいませんが、職員削減のなかで仕事量は増えて、心身に変調をきたしやすい労働環境となっていることは明らかです。

     かかる状況のもとで連続する賃下げ、そして職務は成果主義の下にしぼりあげるということは改めるべきです。

このことを、西川知事と人事委員会につよく求めて反対討論といたします。