物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

景山民夫のこと

2008年06月25日 | Weblog
 こうやってブログで文章を書いていると、大層稚拙ながらも、文体やストーリー展開が誰かの影響を受けているなと感じることがある。本棚の書籍を眺めて気が付いた。景山民夫である。
 放送作家として『タモリ倶楽部』、『11PM』、『クイズダービー』等数多くの番組の構成を手がけてきた。また小説家としても、『遠い海から来たCOO』で88年に直木賞を受賞。海外放浪やTV業界をテーマとしたエッセイは、その中身が実話かホラ話か境界線が微妙だが、ある意味フィクションとして楽しんでいた。
 98年、自宅書斎で喫煙しながら趣味であるプラモデル制作をしていたところ、気化した溶剤に引火し火事が発生し死去したとされる。享年50歳。死因に関しては当初、やけど、もしくは一酸化炭素中毒と報じられたが公式には特定されていない。幸福の科学へ入信後、マスコミ批判等の奇行が目立ち、言動も不安定なところから、自殺説が有力である(少なくとも私はそう思っている)。
 先月中頃、まだ読んでいないあるいはかつて読んだが手元に置いていないエッセイを何冊かアマゾンで購入。ほとんど絶版になっていたが、中古品が数多く出品されていた。嬉しいやら悲しいやら、文庫本はすべて1円から出品されている。中には0円というのもあった。在庫処分以下の扱いである。
 ここ1ヶ月で、『極楽TV』、『普通の生活』、『どんな人生にも雨の日はある』を読んだ。やはり面白い。つくづく引き出しが多い作家である。最後の一文でオチを付けたり、印象的なフレーズで締めくくる“持っていき方”が私好みである。
 日本のテレビ界、文学界に功績を残してきた景山だが、晩年の宗教がらみのトラブルにより、彼のことを取り上げるメディアも現時点では皆無に近い。いつの日か再評価されることを望む。そして、『遠い海から来たCOO』。20年前の単行本でかなり日焼けしているが、息子が高校生くらいになったら是非読んでほしいと大切に置いている。
コメント (2)
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