【ＣＤ】夜のアルバム（八代亜紀）

　八代亜紀がジャズのアルバムを発売するというニュースを聞いたときに、「何か、小西康陽が考えそうな企画だな」と思ったら、本当に小西氏のプロデュースだった（笑）。
　もともと駆け出しの頃は、クラブ・シンガーとしてジャス・スタンダードを歌っていたし、独特のハスキーボイスはジャズ向けでもある。アレンジは、バックの音数を少なめにして、ボーカルを前面に押し出してくる。演歌の大御所になってから、初挑戦の企画だが、違和感なく独特の八代ワールドが繰り広げられる。
　『夜のアルバム』のタイトルどおり、真夜中に一人で聴きたい。普段、夜にジャズを聴くときは洋酒を飲むことが多い。このアルバムの場合、温めの燗がいいだろう。