2019年の手帳にメモをしていた、神谷美恵子『生きがいについて」の一節を。
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使命感・・・自己の生存目標をはっきりと自覚し、自分の生きている必要を確信し、その目標にむかって全力を注いで歩いている人
生きがいは、ひとがその中でのびのびと生きていけるような、そのひと独自の心の世界をつくる。貝殻が自分の体からの分泌物でさまざまな形、色、図柄の貝をこしらえるように、人間もそれぞれ自分のまわりに、自分がその中でのびのびと休めるような、身に合った心の世界をつくり出すのである。
その中で、何が価値があるか、何が優先すべきか、ということがはっきりしているとき、そこには統一があり、秩序があり、調和がある。
身体的苦痛がおこったために、かえって精神的な苦痛が軽減されたり消失したりすることもある。
精神的苦悩は、他人に打ち明けることによって軽くなる。・・・しかし何よりも、苦しみの感情を概念化し、ことばの形にして表出するということが、苦悩と自己の間に距離をつくるからではないだろうか。
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2019年は半年以上が産休と育休、就活で、仕事をしておらず、福祉のマネジメントの方面に進むのか、現場の仕事を深堀していくのか、悩んでいたっけ。結局後者を選んで、というより縁があって、現場で、生きづらさを抱える人と話したり歩いたり、一緒に仕事探しをしたり、ということをしている。直に人の心理に向き合う仕事だからこそ、また思い出して意味深さを感じるなあ。