亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

ときに人知を超える歴史の疾走

2014年07月09日 20時42分49秒 | 金市場

昨日は、前日夕刻からの出張上がりで更新を見送りました。西は強烈台風そして豪雨と大荒れ状態、お気をつけください。

「ときに人知を超える歴史の疾走」。これは本日の日経朝刊の1面コラム「春秋」欄に出てきた表現だが、自分自身もまさにこうした視点で足元のウクライナやイラクその他の状況を見ている。国際政治、外交は相互作用性が高く、流れは屈折しながら気が付けば2~3年前と大きく変わっていたりするわけで、俯瞰というと大袈裟だが視点を引いて(これが難しいが)大きな目で見ることを心がけている(つもり)。世の流れ、変化に(先行して織り込むとされる)金融市場でさえ時に遅行することがあるのではと思う。たまに起きるそのラグ(lag)は、“ひずみ”とも表現できるがバブルを生んだり、その後の崩壊をもたらしたりという要因の一つになるのではないかと。

さて本日は7月3日のここで「おそらく全会一致で(印象としては)ハト派的な合意が生まれたように見えた声明文の内容と議長の記者会見だったが、利上げに向けた白熱した議論があったのではないか。そこが、まず目先の注目イベントだろう」と書いた、6月のFOMC議事録要旨が発表される。上に金のスポット価格の時間チャートを載せたが、昨日はNY時間の10時頃にまとまった売りが出て一時急落。しかし、その後はこのところのパターンだが、ジワジワと拾われて値を回復という展開だった。昨日はリッチモンド連銀のラッカー総裁、ミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁の講演があり、その事前配布の要旨にでもファンドのプログラムが反応したものか??ただその売りも24時間一巡しつつあるいま、取り戻して回復という流れ。したがって、同じようなことが日本時間の早朝にあるかも知れない。

なお金ETF最大銘柄「SPDRゴールド・シェア」の残高が、今週に入りジリジリと増加中。持続性を見なければ判断は尚早だが、“あの”雇用統計の結果を受けた後の増加という点が興味深い。このあたりは7月2日の「(ファンドの)関心が高まる金市場」を参照あれ。

明日は夕刻 17時からの日経CNBC「デリバティブ・マーケット」にて、足元の金市場について語ります。

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