1月28日のNY金は反発した。前日比29.10ドル高の2767.50ドルが引値に。前日の株式市場の急落に際し、利益確定の売りが膨らみNY金も急落したが、この日は株式市場とともに自律反発となった。金市場ではトランプ新政権による関税引き上げなどの政策の不透明感を背景とした買いも続いてる。
一方で、2日間の日程で開かれている米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策発表を29日に控え、内容を見たいとの動きもある。利下げの見送りを織り込んでいる市場では、FOMC後のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長による記者会見から今後の金融政策の経路を計ろうとしている。
中国の新興企業DeepSeekが開発した低コストの高性能AIが米国のAI産業の脅威になるとの懸念を背景に急落した株式市場も、やはり急落に対する自律的反発という流れとなった。
AI関連を象徴するエヌビディアは前日の17%安に対し8.9%の反発で終了(終値128.99ドル)。
コスト低下を思わせる新興企業の台頭により今後の収益懸念から足元の株価水準に対する疑問が売りの引き金を引いたが、改めて影響の度合いを評価という流れに転じることになる。DeepSeekはOpenAIのデータを盗用したという話もある。この辺りは米中間の国家間の摩擦とも関係しているのやもしれぬ。
FOMCに関しては、パウエル議長は利下げに慎重なトーンを打ち出す可能性が高く、トランプ政権の政策を見極める時間を確保するため選択肢を残しておくとみられる。米国経済は堅調に推移していることから、この点でも政策判断に時間的余裕はあるとみられる。今月に入り利下げに積極発言をしたウォラー理事などの意見は、議事要旨にて確認ということに。
トランプ政権の政策の焦点、関税についてトランプ大統領は外国製半導体チップや医薬品に近く関税を発動する方針を表明。鉄鋼と銅・アルミニウム製品にも関税を賦課すると述べた。
ちなみに昨年12月頃から市場の一部が騒いでいる金を含む貴金属への関税については、元より可能性は低いと見られたが言及はない。もっとも、全ての輸入品に関税を課す(一律関税)ことを公約しているのだが、金(ゴールド)への輸入関税賦課の意味が見いだせないことから、対象外と思われる。
ちなみに一律関税(ユニバーサル・ベースライン関税)については、2.5%かそれ以上かで検討中とされる。トランプ大統領は「大幅に高く」設定したいとしている。カナダとメキシコに対する25%の関税を2月1日に発動するという計画についてはホワイトハウスのレビット大統領報道官は計画は変わっていないとしている。
本日は新月。ということで中華圏では春節(旧正月)。そこらあたりで爆竹と(個人レベルで)花火を夜中まで打ち上げているのだろう。