(15:53)シンディとデニスなどというと七夕にちなんだ話題のようだが「シンディ」で60ドル復帰、「デニス」でさらに上値追い。原油の話である。6月18日の欄外コメントで取り上げておいたハリケーン・シーズンの到来だ。シンディちゃんは熱帯低気圧でルイジアナに上陸、石油関連施設への影響は大きくはなかったが、それでも米国最大の原油輸入港は機能停止。一方のデニス君はハリケーンに育ち強力そうだ。今週末には襲来との予想。米国への輸入原油の半分以上を扱い、精製能力の50%が集中する米メキシコ湾岸はハリケーンのメッカでもある。経営効率を極めた結果「サプライ オン ディマーンド」つまり在庫をなるべく持たないが美徳になったいま、製品需給が締まっているとされる(あるいは締まると見られる)タイミングでのハリケーンの襲来は、市場参加者には恰好の材料となる。昨年はハリケーン「アイバン」の後、急騰といったこともあり2番煎じ(?)を狙っている。急騰そして急落のパターンか。原油とくに重質油は余り、製品は不足とされる。原油と製品価格のコラボレーション。
今朝のNHKニュースではWTI原油の価格を伝える前に「国際的な原油価格の指標とされている」という枕詞を付けていた。以前からそうだったのか不明だが、ことさらWTIを全面に出すことに疑問を呈する識者も多いのである。米国の一部地域で産出されている国際的にもシェアの小さいWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)という油種に代表性を持たせるのはいかがなものか、という意見だ。そこに投資マネーが集中し、乱高下し、もって原油市場全体が大騒ぎという現象がおかしいというのだが、確かに言われてみればもっともだ。産油国から価格主導権を奪い市場原理に基づいた価格形成というわけだが、暴走や行き過ぎは市場につきもの。運用市場という側面が自己増殖してしまっているので抑えるのは難しい。価格上昇に対する株式市場(景気)の“耐性”を試す上昇が続く。一方で原油の上昇は、産油国の余剰マネーというかたちで運用資金を市場に提供する・・・・なんだ、自分で上げてるんじゃないのか?
6月18日欄外コメント
今朝のNHKニュースではWTI原油の価格を伝える前に「国際的な原油価格の指標とされている」という枕詞を付けていた。以前からそうだったのか不明だが、ことさらWTIを全面に出すことに疑問を呈する識者も多いのである。米国の一部地域で産出されている国際的にもシェアの小さいWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)という油種に代表性を持たせるのはいかがなものか、という意見だ。そこに投資マネーが集中し、乱高下し、もって原油市場全体が大騒ぎという現象がおかしいというのだが、確かに言われてみればもっともだ。産油国から価格主導権を奪い市場原理に基づいた価格形成というわけだが、暴走や行き過ぎは市場につきもの。運用市場という側面が自己増殖してしまっているので抑えるのは難しい。価格上昇に対する株式市場(景気)の“耐性”を試す上昇が続く。一方で原油の上昇は、産油国の余剰マネーというかたちで運用資金を市場に提供する・・・・なんだ、自分で上げてるんじゃないのか?
6月18日欄外コメント