亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

金融工学が今となっては仇に

2009年02月03日 23時27分19秒 | 金融市場の話題
昨夜、上海から戻り、今朝はルーティンの仕事に午後からは以前から入れていたまとまった原稿の打ちあわせを。上海は元より観光地を回るわけではないが、今回もいろいろ面白い・・・興味深いことに出くわしたり、発見したりした。相応の収穫はあった。

米「バッドバンク構想」についての報道が増えてきた。言うまでもなく不良資産の「損切り」を進めないと市況が好転しない限り問題の解決はないわけで、また巡り巡って元に戻ってきたことになる。金融安定化法案はそもそも買い取りに資金を当てる前提で議会が認めたのに、いつの間にか資本注入にすり替えられ、メリルなどそれを使い40億ドルもの社員のボーナスの原資に使われてしまった・・・・・と議会関係者が怒っているんだという記事があったが、確かにチエック機能がなかったために、本来の目的から外れた使われ方をしたため議会の不満は強かろう。今になってわかったのは、メリルCEOの感覚のズレは、年末に巨額の赤字決算を発表するその時期に私にもボーナスをもらう権利があると要求しヒンシュクを買った行為だけではなかったということ。欧米メディアでは2週間ほど前からやり玉に挙げている。

バッドバンク構想といっても、これが簡単にはいかない。結局、どの範囲までの資産を買い取るのか、買い取り価格はどうするのかという問題に行き当たる。窓口は連邦預金保険公社(FDIC)を使うのはシティやバンカメの救済で確立している。結局、買取に関しては持て囃されてきた「金融工学」を駆使した資産(債券)の複雑さが、阻害要因になっているわけだ。そこに買い取り資金の調達はどうするのかという問題もある。総額2兆ドル(約180兆円)をどう用立てるのかを早急に詰める必要がある。

きょうは節分。明日から暦が変わる。それにしても大阪海苔問屋協同組合のPRイベントが、広がったとされる「恵方巻き」なるものは、ようワカラン。まぁ、楽しければ問題なしか。

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