カタールのドーハでのサウジとロシア、ベネズエラ、カタールの生産調整の合意。2週間ほど前からサウジとロシアの話し合いが持たれる、否、持たれないと市場の憶測が流れるたびにショート(売り建て)が膨らんでいる原油市場では、その買戻しに価格が反発しては下げ、反発しては下げということになっていた。
背景には、IMF(国際通貨基金)管理下入り、すなわちデフォルト(債務不履行)が懸念されているベネズエラの石油相が先月から主要産油国を駆け回っていたが、個別に説得してなんとか非公式会合にこぎ着けたのだろう。たしかにサウジとロシアが話し合いの場を持ったということに意義があるとは思う。しかし、両者は政治的思惑もあり減産での合意は難しかろうと思っていたが、結果はやはりかろうじて会合の体面を保ったというところ。1月の生産量以上には増やさないという合意で、それも他の産油国が同調して初めて成立というものとされる。
伝えられているように、サウジもロシアもフル生産状態にあるとみられており、この協定が足元の需給好転につながらないのは明らか。そもそも制裁を解かれこれから増産体制に入ろうとしているイランは乗るはずもなかろう。ちなみにサウジは昨年6月の日量1060万バレルが最高で1月は1020万バレルの生産とされている。
それでもベネズエラは、他のOPEC加盟国を説得しに回るのだろうと思っていたら、さっそく同国石油相はテヘランに向かったと報じられている。
原油価格の底打ちは、やはり何らかの信用事由をともなったイベントなしでは、起きないのではないかと思われる。そしてそのイベントは金価格を刺激することになるのではないだろうか。
商売の基本で、安く仕入れて高く売るのがベストなのに、同業者同士で生産調整しないとは 白菜のように腐るものでもないのに
不思議ですね