亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

嫌な流れ「大収縮時代」

2009年04月22日 21時47分23秒 | トピック
18日土曜日にも取り上げたが、先週末の木、金と金ETFの最大銘柄スパイダーが目立って売られ2日で21トン強も残高が減った。それに関していろいろ考えている折に、米国関連のデータをいくつか見ていて、漠然としていた自分のなかで気になる流れが何であるかが浮上した。金市場のことを考えていて浮かんだ、3月に続いた米系マクロデータの好転の後にやってくる可能性のある、第2段目の落ち込みの発生の道筋。もちろんFRBも米国財務省も対応策は取ろうとしているのだが、それがうまく機能するのか否かは未だに不明。やはり不良資産の官民共同ファンドがポイントになりそうだ。目先のストレス・テストの結果など、それに比べれば優先順位は低いと思われる。すなわち、テストをクリアするところが予想以上に多くなったとしても安心などできない。株価がそれを好感しようが、本物ではないと思われる。

官民共同ファンドは、別に当初の計画どおり政府主導でも何でもOK。民間が金を出せるならそれもOK。「切り離し」がカギを握るということ。先日、米国の消費者はもう借金をしてモノを買わない、これから貯蓄に回すというオバマ発言について触れたが、いまはその巻き戻しの最中ということで、この影響は企業部門に更なる追い打ちを掛けることになるのだろう。緩衝役はさしづめ中国ということなのだが、巻き戻す際の影響の出方のほうが早くて、間に合いそうにないのではないか。それを防ぐためにも、時価会計の緩和もいいが、同時進行で買い取りを。

バンカメの決算内容、3月小売売上高、2月の米貿易赤字、3月のCPI(消費者物価)、証券化されていない2兆ドルの住宅ローンの存在などなど個別材料という点と点を相互に結んだ線。線と線を組み合わせて立体にという推論。正しいかどうかは、3ヵ月ほどもあれば判明しそうだが。日経も「大収縮時代」とは、うまい表現だと思う。

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